本当にお久しぶりです。
無限城編が上映されたことで久しぶりに書かせていただきました。
正直数年ぶりでキャラの口調とか色々忘れてしまい申し訳ない限りです。
相変わらず亀更新で中々進みませんがどうかよろしくお願いします。
浅草・夜
大貴、カナエ、玄弥、カナヲの4人は珠世の隠れ家までの道のりを茶々丸の案内で進んでいた。
そして、人気の無いとある場所に着くや否や
「ニャー」
と茶々丸が鳴く。
すると周囲の景色が歪み出し、屋敷が姿を現し…
「茶々丸お帰りなさい。 皆さんの案内ご苦労様」
中から妙齢の女性と少年がやって来た。
「カナエさんにカナヲさんお久しぶりですね」
「はい、お久しぶりです♪」
「…珠世さんもお元気そうで安心しました」
「お二人もお元気そうで何よりです。 そして悲鳴嶼大貴さんと不死川玄弥さん。 実際に会うのは初めてですね、改めて自己紹介させていただきます。 私が珠世です。 そしてこの子は愈史郎といいます。 皆さん、この度は態々こちらまで出向いていただきありがとうございます」
「い、いえ……」
「初めまして珠世さん。 私は鬼殺隊剣柱の悲鳴嶼大貴で、彼が継子の不死川玄弥です。 それについては気にする必要は無いですよ。 貴女達が動けば鬼舞辻無惨に補足される可能性が高い以上こちらが出向くのは当然です」
女性…珠世の挨拶に一度会っているカナエとカナヲは微笑みながら応え、玄弥は鬼とはいえ女性ということもあり顔を赤らめながら軽く頭を下げ、大貴は軽く自己紹介をすると珠世に返答する。
「そうですよ珠世様! こいつらが来るのは当然のこと! 態々鬼狩り共に礼など不要です!」
そこへ黙っていた少年…愈史郎が腕を組みながら強い口調でそう言い放つ。
だが…
「愈史郎」
「!?」
静かながらも圧が込められた珠世の自身を呼ぶ声に愈史郎は押し黙る。
「…珠世様、出過ぎた真似をして申し訳ありません…」
「謝罪なら鬼狩りの方々に言いなさい」
「……悪かった…」
珠世に叱られ、バツが悪いのかソッポを向きながらも愈史郎はボソリと4人に謝罪した。
「…申し訳ありません。 この子は根は悪い子では無いのですが、少し言葉が過ぎることが多いもので…」
「何度も言いますが気になさらず。 それだけ愈史郎君が貴女を大事に想っているということなのでしょう。 私も妻であるカナエが害される危険性があれば気も張るでしょうからな」
「!……お前、悲鳴嶼大貴と言ったな?」
「? そうだが、どうかしたのかね?」
「…お前の話なら多少なら…聞いてやらんことも…ない…」
ぶっきらぼうに顔を背けながら大貴に言う愈史郎。
「この子がこんなことを直ぐに言うなんて…悲鳴嶼大貴さん、どうやら愈史郎は貴方のことを気にいったようですね」
「そうですか?」
「ええ、この子は警戒心が人一倍…いえ、鬼一倍というべきでしょうか…それがとても強いですから」
「成る程。 とりあえず愈史郎君、これからよろしく」
「…フン!」
「フフッ♪」
「…相変わらず愈史郎は素直じゃないね」
「っ!? う、うるさい!」
カナエに笑われ、カナヲに素直じゃないと指摘され、愈史郎は顔を赤くしてヘソを曲げる。
「何だか人間より人間みたいな鬼だな」
まるで人のような行動ばかりの愈史郎に玄弥は今まで遭遇してきた鬼(禰豆子を除く)との違いに戸惑う。
そこへ
「おう嬢ちゃん達また会っt !? てめえは!?」
「!? 貴様はあの時の!?」
1人の男鬼…硬欲が現れ、それを見た大貴と険悪な雰囲気となる。
「「「「!?」」」」
「えっ!? 大貴君、硬欲さんと会ったことあるの!?」
その場の皆を代表してカナエが大貴に硬欲との関係を聞く。
「…ああ。 以前奴とは戦ったことがある」
「あん時はよくも俺の所有物を斬り殺してくれたものだ…覚悟は出来てんだろうな?」
「鬼殺隊が鬼を滅殺するのは当然だろう? 貴様の部下だろうが何だろうが関係ない……!……珠世さん、協力者とはまさか?」
大貴は協力者が硬欲であることを悟り、珠世に確認の意味を込めて問いかける。
「ええ、硬欲さんは私の協力者の1人です。 悲鳴嶼大貴さん、それに硬欲さんのお2人に因縁があるのは分かりましたが、私達全員に一致していることは鬼舞辻を倒すこと…そうではないですか?」
それに対し珠世は肯定すると、この場の皆の最終目的が無惨を倒すことであるということを告げることで大貴と硬欲を仲裁しようとする。
「確かに…敵の敵は味方といいますからな」
「硬欲さんも良いですね?」
それに対し大貴が臨戦態勢を解いたのを確認すると、珠世は硬欲に目を向ける。
「チッ!悲鳴嶼。…親父殿…鬼舞辻無惨はてめえ以上に気に食わねえ…仕方ねえが此処は一旦水に流してやる。 だが鬼舞辻を倒した後はてめえの番だってのを忘れんじゃねえぞ!」
「それはこちらの台詞だ。 貴様は珠世さんと違い暴走したわけでなく確かな理性を保った上で私利私欲の為に相当な数の人間を食らっている…許す訳にはいかん…共闘関係が終われば真っ先にその頸…落とさせてもらうぞ?」
「ハッ! やれるもんならな! てめえに俺は斬れねえことはあん時思い知った筈だぜ?」
「… 自身の能力に過信した愚か者めが…生憎と私もあの時とは違う…例え貴様が硬化しようが斬り捨ててやろう」
珠世に諌められたものの再び険悪な雰囲気になる大貴と硬欲。
「大貴君」
「硬欲さん」
「「今は協力関係な(んだ)(のです)から仲良くして(下さい)」」
「むっ!?…済まない…」
「チッ!」
互いに頭の上がらない相手なのか大貴はカナエに謝り、硬欲は珠世に謝りはしないもののバツが悪いのか眉間に皺を寄せ舌打ちをする。
「あら? 珠世さん、零余子ちゃんは居ないのですか?」
不意にキョロキョロと辺りを見渡すと、カナエは珠世の協力者の残る一人の所在を尋ねる。
「いえ、彼女なら奥にいますよ。 ただ…カナエさん達が以前こちらにいらした時同様…」
「あっ!…成る程…」
「…またですか…」
困ったように苦笑しながらそう口にする珠世の言葉に何かを察するカナエとカナヲ。
「どうしたのだね?」
「?」
零余子と会ったことの無い大貴と玄弥の剣柱師弟は困惑する。
「珠世さんのもう一人の協力者…零余子ちゃんっていう女の子の鬼なんだけど、私達鬼殺隊の鬼狩り…特に柱と対峙するのを本能的に怖がってしまうみたいなの」
「えっ?」
「それでこの屋敷の奥で怖気付いて隠れている…ということかね?」
「ええ…私達が前に此処へ来た時もそうだったの」
「成る程な…」
「ほんと此処には人間よりも人間みたいな鬼しかいないですね…」
カナエからの説明により零余子がこの場に居ない理由に呆れながら納得する大貴と玄弥。
「ったくあの馬鹿子が……珠世、俺が連れてくる」
「はい、よろしk「待て硬欲! 珠世様を呼び捨てにするなと何度言わせる気だ!」…ゆ、愈史郎…」
「全くお前はいつもいつも一々口うるせえな…というか俺はお前と違って珠世と眷属関係じゃねえんだ。 俺が珠世をどう呼ぼうが勝手だろうが?」
「ぐっ!…た、確かにそうだが…」
「だろ? つーかよ、毎回そんな細かい小せえことばっか気にしてっからてめえはチビのまんまなんだよ」
「だ、だれがチビだ! だ、誰が豆粒ドチビだ!!」
「そこまで言ってねえだろうが…兎に角、あの馬鹿を連れてくるぜ」
血相を変えて怒鳴る愈史郎を軽く流すと硬欲はそう言い屋敷の奥へと消えていった。