大貴と行冥への呼び方は
カナエが悲鳴嶼君、行冥さん。
しのぶが悲鳴嶼さん、行冥さん。
となっています。
カナエSide
あれから数ヶ月が経ち、私としのぶは行冥さんの屋敷での暮らしもだいぶ慣れてきた。
炊事や洗濯、掃除などの家事は私達が行い、家庭的なことは最初に比べるとどんどん上達していった。
悲鳴嶼君に「カナエ君は器量も良いし、良いお嫁さんになるよ」って言われた時は凄く嬉しかった………だって好きな人にそう言われたらドキドキしちゃうもの♪
あの時彼に助けてもらった時のことがきっかけでどうやら私は恋に落ちてしまったらしい。
最初はこの気持ちが良くわからなかったけど、一緒に過ごしていくうちにこれが恋だと理解していった。
しのぶにこの前それを伝えると
「なっ!!?…あ、あの男ぉ…私から姉さんを奪おうとするなんて…」
と言って額に青筋を浮かべながら拳を握りしめて怒っていて我が妹ながら少し怖かった…
別に悲鳴嶼君は奪おうとなんかしてないからね?
私が勝手に恋に落ちてしまっただけなんだから
そう伝えても
「寧ろ無自覚で姉さんを恋に落としてるから尚ムカつくのよ! あの様子だと明らかな姉さんの好意に全く気付いていないものあの朴念仁は!」
えっ!? そんなにあからさまに私って悲鳴嶼君に好意を向けてたの?
結構誤魔化していたつもりだったのだけど…
「どこがよ!…食事の時、悲鳴嶼さんにかなり多く盛りつけたり、あの人の部屋をやたら綺麗に片付けたり…言い出したらキリが無いくらいに好意丸出しじゃないの! というかあんなあからさまな姉さんの好意に気づいてないのなんてあの人くらい!」
ということは行冥さんも気づいてるってこと!?
「当たり前じゃないの! あの人は目が見えない代わりに人一倍感覚に優れているんだから!」
そ、そんなー…そんなに他人にわかるくらいまで悲鳴嶼君に好意を向けていたなんて…恥ずかしくて穴があったら入りたい……
私は恥ずかしさのあまり頭を抱える。
自分でも顔が茹蛸みたいに真っ赤になっているのが分かる…
本当に恥ずかしいわ……
「恥ずかしいのは姉さんじゃなくてそれを毎回見せつけられている私達なんだけど…」
「うぅ…ごめんなさい…」
しのぶの呆れた視線に私は涙目になりながら思わず謝る。
「まあ姉さんの恋を邪魔するつもりもないし、私は応援するけど……でも姉さん意外と恋愛に対しては奥手でしょ?」
「………」
しのぶの的を射る発言に私は押し黙るしかなかった。
「まあ、先はまだまだ長いんだから何とかなるわよきっと!」
「う、うん…そうだよね! ありがとうしのぶ♪」
「どういたしまして。……それはそうと姉さんはこれからどうするつもり?」
不意にしのぶがこれからについて尋ねてくる。
「う〜ん………どうしよう?」
「質問に対して疑問で答えないでよ! 全くもう!」
「ごめんね…でも本当にどうしようかなって私も悩んでいて…」
本当にこの時の私は悩んでいた…
今までの両親としのぶ…四人での平凡ながら幸せな暮らしが突如終わりを告げ、何をしようにも目的というものが無くなっていたからだ。
「…姉さん、私ね…鬼殺隊に入ろうと思うの」
「えっ!!?」
突然のしのぶの宣言に私は驚きを隠せず思わず声を上げる。
当たり前だ…大切な妹が鬼との殺し合いを自ら志願したようなものなのだから…
「し、しのぶ!…じ、冗談…よね!?」
「冗談でこんなこと言うわけないじゃない! 私は本気よ!?……だって…あの時から鬼が憎くて憎くて仕方ないのよ!! 鬼さえいなければお父さんもお母さんも死なずに…い、今も私達は…し、幸せに…く、暮らしていた筈なんだ…から!!」
大声で最後の方は涙ながらに叫ぶしのぶ。
余程鬼のことが憎いのね…
でもそんなしのぶを尻目に私はこんなことを思っていた……
「(鬼も元は人間だった筈…あんな風に変わってしまうのには何か理由がある筈…全部が全部あんな鬼だけでなく、中には人間を食べずに共に分かりあって生きてくれる…そんな鬼もいる筈…)」
なんてことを……
正直お父さんとお母さんを殺したあの鬼を憎くないかって言われると間違いなく憎いと答えるだろう。
でも…他の優しい心を持った鬼となら仲良くなれる…そんな気がするの。
仲良くなるにしても、話の通じない鬼と今のまままた遭遇したら…今度こそ確実に殺されてしまう…
なら…今よりも強くならなくちゃいけない!
悪い鬼を倒していけば、そうしているうちに必ずいつか良い鬼に出会える筈なのだから!
そう決めた私はしのぶに…
「…わかったわ! 私も鬼殺隊に入る! そして、私達のような人達を一人でも増やさないように戦いましょう!」
と告げていた。
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あれから私達は行冥さんと悲鳴嶼君の元へと向かい、鬼殺隊に入りたいという旨を伝えた。
「…そうか、お前達がそう決めたのなら私からは何も言えんが…今ならまだ普通の日常を送ることも可能なのだぞ?…」
行冥さんは私達を案じる言葉を掛けてくる。
一緒に住んできてわかったがこの人は一見身長が大きく、更に盲目である為眼球が真っ白でとても威圧感のある雰囲気を持っていて怖がられがちだが、内面はとても優しい。
今の言葉は言外に「考えを変えて、普通の人間としてこれから生きていけ」と言っているように感じる。
でも私達はもう進むべき道を決めた!
だから……
「気にかけてもらってありがとうございます! でも私達は鬼殺隊に入って私達と同じ思いを他の人達にさせない為に1人でも多くの人達を助けたいんです!」
「私も覚悟は出来ています! だから、私達を鬼殺隊に入れてください!」
「…南無…このような少女達を戦いの場に出さなければならないとは……そこまで言うのなら私はもう何も言うまい…だが、鬼殺隊に入るには最終選別を越えなければならない」
「「最終選別?」」
私達の決断についに行冥さんは折れる。
だが、鬼殺隊に正式に入る為には最終選別というものを通過しなければならないと知る。
「うむ。 最終選別とは謂わば鬼殺隊への入隊試験のようなものだよ。 鬼の住むとある山で七日間生活させられ、生き残った者が晴れて鬼殺隊士となるのだ…まあ、などと偉そうに言ったもののかくいう私もまだ見習いで最終選別はこれからなのだがね」
そう説明する悲鳴嶼君は苦笑いを浮かべる。
「…大貴、カナエ、しのぶ。 お前達は最終選別は一緒に受けると良い…その方が必然的に生存率は高くなる…これからその為の修行を行っていくわけだが…既に何度か行っている大貴はともかく…過酷だぞ…二人共着いてこられるか?」
「はい! 絶対に!」
「着いていきます! 死に物狂いで!」
「義兄上、流石にあれを初日からやるのは厳しいのでは?」
「……………無論、最初は軽めのものを行うつもりだ…」
「その割には異様に話す間が長かったような気がしたのですが?」
「…気のせいだ…とりあえずまずは軽い走り込みから始めよう…」
二人のやりとりに私達は自然と笑みが出る。
二人は義兄弟なのに本当の兄弟のように仲が良いと、このやりとりからでも感じ取れて凄く微笑ましい。
互いに信頼し合っているのが良く分かる。
「というわけで最初は軽い走り込みをして体力を徐々につけていこう。 その後は段階を少しずつ上げて自身の能力を高めていく…良いかね?」
「「はい!」」
「よし、それでは行くとしよう。 義兄上、初めのうちは私が二人を指導する形になりますがよろしいですか?」
「…まだ見習いとはいえ、お前は二人にとって兄弟子のようなものになる…初めのうちはお前が私から教えられたことを二人に教えて指導をしてくれ…指導することは今後のお前の経験にもなる筈…任せたぞ」
「わかりました。 さてそれでは行こう」
「ええ、悲鳴嶼君よろしくお願いします♪」
「お願いします」
こうして私達は普通の日常から鬼狩りへの道へ一歩を歩み出したのだった。
その後、私達は徐々に過酷になっていく修行に耐え少しずつ成長。
そして二年後、無理と思われた巨岩を移動させるという最終試験も悲鳴嶼君は自力で、私達姉妹はしのぶの頭脳を活かした機転で乗り越えて悲鳴嶼さんの合格をもらい、藤襲山での最終選別も悲鳴嶼君の助けもあり、何とか通過してようやく鬼殺隊士になることが出来たのだった。
とりあえず最後は色々省略してしまいましたが過去編で大貴、カナエ、しのぶは鬼殺隊士となりました。
原作と違い、この物語では胡蝶姉妹は最終選別までの修行期間は行冥さんのところでお世話になっていたことにしています。
呼吸自体はその間に行冥さんを訪ねてきた引退した嘗ての花柱の女性に手ほどきを受けていたという形でお願いします。
まあ、兄弟子と共に最終選別に参加ってなると修行期間くらいは別の育手のところにわざわざ行かなくとも良いかなって考えに至った為です。
後しのぶが年齢の割に大人びた発言をしているのは、やるときはやるものの普段はフワフワ、ポワポワしてる姉が居たらいくらまだ幼くてもしっかりした子になるという典型と思っていただければ……
この話での登場人物の年齢
悲鳴嶼大貴・10歳→12歳
胡蝶カナエ・10歳→12歳
胡蝶しのぶ・7歳→9歳
悲鳴嶼行冥・16歳→18歳
後のちハガレンのホムンクルスの能力を血鬼術として使う鬼を出そうと思うのですが、誰が良いでしょうか? 勿論、出さないという意見もオッケーなのでよろしくお願いします。
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ラスト
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グラトニー
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エンヴィー
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グリード
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スロウス
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プライド
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出さない