A man loved by the god of music   作:主義

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帰国

音楽の世界には……時折…音楽の神に愛されて生まれてきたのかと思ってしまうほどの人物が現れることがある。そして今、世界の音楽家に「尊敬する音楽家は誰ですか?」と聞いたら絶対に一位に入る男がいる。その男が音楽界に姿を現したのは…三十年前だった。生まれは日本で決して音楽一家に生まれたわけじゃなくて…普通の一家に生まれた長男。幼い頃から楽器には興味があり、日々練習していくうちに上達していった。

 

 

 

 

 

 

六歳の時に日本の地方コンクールに初めて現れたその少年は誰もが度肝を抜くような演奏を披露した。勿論、そのコンクールでは金賞を取った。そして噂はあっという間に広がり、日本中では『音楽の神から愛された少年』という見出しで新聞にも多く載った。そこから彼の伝説は始まったと言っても過言ではない。

 

 

 

 

そして少年は成長していき、高校卒業と共に彼は音楽の都と言われている、ウィーンに旅立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこでも彼は結果を残して今では世界的にも有名な音楽家となった。彼は自由気ままな男で一つのところに定住をしないために消息がつかめなくなることもあるらしく、依頼をしたくても連絡がつながらないために音楽関係者からも連絡を付くようにして欲しいとお願いはされているらしいが「それは無理なお願いですね。僕は気ままに楽器を弾くのが好きなだけですから。本当にすみませんね」と言ったらしい。

 

 

 

 

 

これはそんな音楽家が 北宇治高校吹奏楽部の臨時講師として活動するお話。

 

 

 

 

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僕は久し振りに母国の日本に帰国した。最近は色んな国を回っていたから日本に帰ってくる事はなかった。日本に来るのは高校生以来かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕が日本に帰って来た理由は……後輩の滝くんから「母校のために力を貸してもらえませんか?」という手紙が届き、考えた末に帰国することにした。何で滝くんが僕の居場所が分かったんのかは分からないけど……後輩の頼みを断るのも悪い気がしたしね。それに久し振りに母校も一目ぐらいは見ておきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

僕に北宇治高校吹奏楽部の臨時講師として生徒たちに指導をして欲しいそうだけど…僕は人に音楽の指導をしたことはほとんどない。それに人に教えるのが上手いのと、音楽家としての実績は結び付かない。

 

 

 

 

 

 

だから絶対にうまく教えられるのかと問われれば、断言は出来ない。だけどやってみるだけやってみる。やってみて僕に人に教えるのが向いていないのなら僕は自ら辞退させてもらうしね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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北宇治高校

 

 

 

 

「そう言えば、来月から臨時講師が来るんだって」

 

 

 

「そうなの?初耳なんだけど」

 

 

 

「…部長と滝先生が話しているのを聞くまで私も知らなかったよ」

 

 

 

「…そうなんだ………一体どんな人なんだろ……」

 

 

 

「でも、滝先生が呼んだってことでしょ。それじゃやっぱり滝先生の知り合いの人なんじゃない?」

 

 

 

「それはそうだろうけど……どんな人なんだろう」




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