『善逸、お前は俺の誇りだ』   作:マキシマムとと

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ワニ先生の画集を読んで(観賞して?)気持ちをリセットしました。
うむ。
綺麗な心を維持するってのは、ゲスオな作者には難しいのでね。
定期的にこうした時間を作るのは大切だな。
とか思いました。まる。



第 拾玖 話『蝶よ花よ、狐よ跳ねよ』

私のお婆様のお話ですか。

 

お婆様は恐山のイタコだったと聞いたことがあります。

幼少の頃、流行り病によって親を亡くし、親類の伝を辿ってたどり着いたのがそこだったとか。

 

お婆様はとても優秀なイタコで、当時は政界の要人からの依頼を受けた事もあったそうですよ。

あ、はい。

政界、とは政に携わる方やその業務を指す言葉ですね。

 

えぇ、お婆様は本当に凄い御方だったそうです。

しかし、ある時夢に蝶が現れます。

その蝶は南へ向かって羽ばたいて、お婆様はそこに暖かな何かを感じて旅立を決意したと仰っていました。

 

イタコとして要人からの依頼に応えていたため簡単に下山出来る立場にはなく、かといって機を逃せば一生後悔すると言う根拠の無い確信があったため、忍者の霊に指南して貰いながら脱走したと笑いながら仰っていました。

 

少し嘘っぽいですよね?

いつも真面目なのですが、ふとした瞬間に冗談を言う御方でしたので、当時は私も少し疑っていましたよ、ふふふ。

 

かくして、祖母は私の祖父と出会い姓を胡蝶と改めました。

祖父は医師でして、まさに医者の不養生を体現したしたようなお人だったと聞き及んでいます。

なんど諌めても変わらず、齢四十にも届かず私が産まれる半年前に亡くなったそうで、祖母はよく祖父が「孫の顔を見たい」といっていたと、少し寂しそうに微笑んでいました。

 

あぁ、私の『カナエ』の名は『叶えよ』のカナエ。

願わくば、孫の誕生の瞬間に立ち会えますように、という祖父母の願いから、懐妊したとわかったその日に名付けられたそうです。

まったく、気の早い方達ですよね。

後で聞いた話によると、祖父は死後もしばらくは現世に留まり、私の誕生を見届けてから天に召されたと、祖母が教えてくれました。

 

いえ、私の話は良いのです。

それよりもお婆様のお話ですね。

 

祖父が医者であったこともあり、私の父も薬剤師として多くの人を助けていました。母も薬学に関する深い知識があり、父の補佐として勤めておりました。

二人とも根が真面目といいますか、どうにも一つの事に没頭してしまう質でして。

乳離れが済んだ後はもっぱら祖母が私の面倒を見てくださいました。

 

錆兎さん。

貴方とこうしてお話が出来るのも、祖母のお陰です。

 

隔世遺伝、と言うらしいですね。

父は極一般的な感性の人間なのですが、私は祖母に似て霊感が非常に発達していて、幼い頃は霊障によってよく発熱していました。

祖母はこと霊が関わることには存外に厳しく、私を保護するよりも鍛えることに重きを置いて教育してくださいました。

 

なんでも『祓うことは簡単だが、無意味だ』とか。

いえ、実際は東北の訛りの強い方でしたので、もっと荒々しい雰囲気で言われましたけどね。

 

だから私は物心ついた頃から祖母に師事し、霊と交わる世界での生き方を学びました。

祖母が私の事を愛してくださっていた事は、心から理解していました。しかし、祖母は最後まで私に厳しかった。いえ、それは霊感を持たない妹にも同様で、母や父は何故そこまで子供に厳しく当たるのかと言って、そこだけはいつも平行線のまま仲違いの原因になっていましたね。

 

しかし、意味がわかりました。

祖母が死んで、一月と経たぬ内に邪気を退ける為の方除札が黒く染まりました。

【鬼】が、私達の家族を引き裂きました。

祖母はきっと知っていたのです。その未来を。

 

祖母は言霊を大切にしていました。

言葉には強い強い力がある。

だから、それだけは大切にしなさい、と。

 

そんな祖母でしたから、余計に言えなかったのでしょう。

不確定な未来を、不確定なままにしておくことで、僅かでも私達の未来を保とうとしていたのだと思われます。

まだ未熟者に過ぎませんが、それでも私は一端の霊能力者ですから………あの?

どうか、されましたか?

 

来た?

あぁ、帰ったこられたのですね。

貴方の、貴殿方の妹が。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「生生流転」

美しい。

そう感じたのは、初めてでした。

錆兎さんをその身に降ろした真菰さんが、命への賛美を全身で奏でて鱗滝様へ向かって行く、その姿を。

 

私の目に見える霊は常に歪でした。

良くても何かしら欠落しています。

それは身体の一部であったり、心の一部であったり、色彩が欠けていたり。そして良くない場合は一部だけが残っていました。

 

神に属する存在を見たこともあります。

それらも一般的な感覚に照らし合わせれば美しいとは思うのです。精霊や、神の眷属や神威の残光、そのどれもが月虹(げっこう)のように淡く、切なく心に届きます。

 

しかし、私はお婆様の孫。

胡蝶ミズハの血を引くものです。

美しさの裏にある畏れが、幻想との戯れを許しません。

神霊とはこの世の理屈から外れた世界に生きるモノ。

 

見えなければ弾きなさい。

美しければ畏れなさい。

その影を注視し、惑わしを退けなさい。

 

その教えのもとに見てきた怪異や神仏。

 

私が思うに、彼らは観測される己と同等に観測する側の認識に引っ張られる傾向があります。

美しいと思うものが見れば美しく。

恐ろしいと思うものが見れば恐ろしく。

肉体を持たない存在の在り方なのでしょう。

 

 

 

そうした事もあり、私の知る降霊術は美しさとはかけ離れた所にありました。それは制御であり、戦い。

神霊は肉体の生命を貪り食い、人間は神霊の神威を掠め取る。

小さな器を舞台にした醜い攻防。

 

それが、違う。

縁と生前での過去があろうとも、普通ならあそこまで三位が一体となることはない。通常の人は太陰太極図に似て、陰と陽が交わって円となるように、肉体と魂が交わって人間を成している。

そこに異物となる一つの魂を加える事が降霊の術。

 

真菰さんの器は柔軟で清らか。

故に、三位での融和が滞りなく成されている。

私や祖母と比べてもハッキリとわかるほど優れた素質。

逆に何故、今まで神霊に取り込まれずに生きて来られたのか不思議に思うほど、彼女はそうした存在を惹き付ける魅力に満ちていました。

 

「錆兎、真菰…!」

 

別れの言葉により錆兎さんが命の流れに還り、降霊術の影響により、真菰さんは魂の深い場所に意識を沈めました。

慌てた様子で鱗滝様が真菰さんを揺さぶります。

 

「鱗滝様」

 

咄嗟に声をかけました。

「若輩ながら、私にお任せ下さいませ」

この場で降霊術に最も詳しいのは私です。

花の呼吸に関して言えば未熟の一言ですが、こと霊媒にかけては私の育手である渡里様のよりも熟達している自負があります。

だから、私が参ります。

この役目だけは、必ず。

 

そして、私は彼女の魂に触れました。

 

 

 

 

「こんにちは、蝶の人」

「こんにちは、狐の人」

 

清らかな世界。

透明で、柔らかくて、暖かな世界。

 

「こんな所までよく来たね」

「こんな所は他には無いもの」

 

少しずつ、世界が見えてくる。

遠く見渡す限り緑の田園。

真菰の草がソヨソヨと風に揺れて、青い空の空気が私の中をスルリと突き抜けて行く。

 

「君は、前にも会った蝶かな?」

「あらら?君は、私を忘れたのかな?」

 

私は、彼女が求める蝶を演じながら、少しずつ彼女に近付いて行く。今は声の出所を見極める時。

 

「蝶なんて、そこらによくいるじゃないか」

「まぁ、私の事を愛でたでしょ?」

 

…反応がある。

見極めろ、私…!

 

「知らない知らない、そんな事など知るものか」

 

拒絶。

けど、掴んだ。

 

「知ってる知ってる、私は貴女を知っている」

 

鳥居が見える。

田園世界のずっと奥、遠くに見やる山裾に。

朱く、確かな血の鳥居。

 

「ほら、見つけた」

 

 

 

瞬間的に舞台が切り替わる。

壊れた寺の境内で、私に背を向けて狐面の幼女がすすり泣く。

小柄な身体に花柄の着物を纏い、癖の強い黒髪が肩で跳ねる。

私のよく知る人の姿。

 

「ひどいひどい」

 

酷い酷いと繰り返すその子に、つい手が伸びそうになる。

すんでのところで、お婆様の遺してくださった蝶の髪飾り(護符)が独りでに揺れて音を奏でました。

(…危ない)

この道もまだまだ未熟。

流石に、一筋縄では行きませんね。

心を律し、語りかけます。

 

「もしもし、大丈夫ですか?」

「ひどいひどい」

「何が酷かったのですか?」

「ひどいひどい」

「辛い事があったのですね、私に話してくださいませんか?」

 

ニコニコと、顔には張り付けたように笑みを浮かべます。

 

私は怖くないですよ?

私は畏れていませんよ?

 

二つの気持ちを真っ直ぐに保ち、ぶれない。

間違えてはいけない、間違えないためにも乱れてはいけない。

私の様子を感じとり、幼女が舌打ちして消えました。

 

ほら。

間違えてはいけない。

 

次に、細く鍛えられた指が私の首を後ろから絞めました。

けど怖くない。

 

「鱗滝様が悲しみますよ?」

その一言で泡になる。

 

「去れ」

 

寺の内側から声がかかる。

やはり、まだ未熟。

この世界の中心でありながら、来訪者でしかない私よりも精神世界での在り方が弱い。だから簡単に付け入る事が出来る。

拒絶を辿り、存在を固定させる。

そうすれば、門を潜れる。

しかし。

 

「…っ!」

命を奪い取る暴風雪が吹き荒れ、私の精神体に突き刺さる。

なんと、強烈な神威でしょう。

 

命を中心に集め、蝶を象る(かたどる)

それでようやく入室が果たされました。

矮躯で懸命に羽ばたき、奥を目指します。

 

(こんにちは、狐の人)

 

室内に座する真菰さんは私に応えない。

足を崩し、腕をたらし。

半壊した狐の面で目だけを覆い隠し、無気力に座する。

 

その背を支えるのは銀色の狐。

 

気だるげに横たわるその時点で、寺の梁に届くほどの巨体。

口を開けば、私などひと呑みに食い殺してしまうでしょう。

蝶の身である今ならば、それこそ息吹で死ねそうです。

 

銀狐…確か、月を司る荼枳尼(ダキニ)天の眷属。

この圧で。

神霊が去った後の残滓なのですね。

なんと、途轍もない。

 

(大きいですね)

 

主導権を握らなくてはならない。

例えそれが、どれ程の危険を孕もうとも。

 

意思の中で九字を切る。

物の怪は看破さえしてしまえば力を奪える。

その力で人の身体を取り戻す。

…よし。

戦おう。

私は私の足で、そちらへ近付く。

 

「強そうですね」

「…グルルルルル」

 

反応した。

あまり、良くない方向に。

けど、やっぱりそうなのでしょうね。

 

「あらあら。強そう、ではご不満ですか?」

問いかけに、前足を叩き付けて応える銀狐。

爪先が私の頬を切る。

「どう言えば納得されますか?」

子供の癇癪と同じ。

暴れ狂う暴風を、そのままに捉えてはいけない。

畏れず、恐れぬ。

 

子供の癇癪と同じなのよ。

しのぶだって、よくこうして怒った。

だから同じ。

真っ直ぐに、心を見つめて。

声に出す。

 

「貴女は頑張りました」

「チガウ」

「違いありません。あの時、あの場所で、貴女以上に責務を全うできる人間は他にいませんでした」

「ヤメヨ」

「やめる必要がありません。貴女は懸命でした。誰に恥じること無く、鬼と戦いました」

 

「ショウシ」

一際力強く、腕が床を叩きました。

 

「オニヲ、トリニガシタルハ、コノムスメノ、ムノウ、ユエ」

「違います。鬼を退けたるは、その娘の、尽力、故です」

 

平行線。

だからこそ、一歩を踏み出す。

 

「お出でなさいーー潜群護影ーー」

虚空から仮面がいずる。

口に傷持つ狐を筆頭にして、複数の狐面が私に従う。

 

「不思議なことではありません。コレはソレと同じもの。ただの仮面です。この力には意思などなく、作成者たる『私』の意に従い対象を護ります」

 

ーーだから。

 

「真菰さん、私もあの場に在ったのですよ」

護影を飛ばし、銀狐を弾く。

 

「私だけではありません、貴方と肩を並べた方々とは別に、隠しの方々、藤の花の家紋の方々等、沢山の人があの戦いに携わりました」

 

言葉に、仮面に。

本来の力量差であれば小揺るぎもしない銀色がくすみ、顔を歪めて目を背ける。

 

「傲慢ですよ。貴女一人が業を背負うなど」

 

理解しているのです。

真菰さんは聡明な人だから。

 

「ソレデモ…!」

牙を剥き出し、銀狐が私に噛み付きました。

肉を裂き骨を砕くその意思から、伝わる思い。

 

「それでも、己が許せないのですね?」

わかるよ。

私にも、わかる。

ゴワゴワの毛を、労りを込めて撫でる。

ただ一度撫でるだけで、逆毛が手の平に刺さり、食い込む。

(わたしが弱く産まれたから、おとーさんは死んだのよ)

思念と共に、痩せこけた男性の姿が見える。

 

受け入れる。

大丈夫、大丈夫だよ。

 

(わたしが弱く育ったから、おかーさんは死んだのよ)

先ほどの男性よりも鮮明に、やつれて疲弊した女性が見える。

その瞳は真っ暗で、私の姿もわたしの姿も、何も見えない映さない。

 

受け止める。

大丈夫、貴女は何も悪くない。

生きることを、否定させない。

 

(わたしが弱く流されたから、みんなみぃんな死んだのよ)

頭蓋が欠けた杏寿郎さん。

胸に穴を開けた伊黒さん。

ひび割れて砕けた雷月さん。

燃える花となって散った槇寿郎様。

 

(わたしが弱いから倒せなかった)

逃した鬼の始祖が、死を振り撒く。

 

それに当てられて、わたしが鬼になり、お義父さんを殺すの。

 

すてきだ。

すてきね。

すてきさ。

すてきとしか。

 

心臓の裏側から、ヘドロのように臭い殺意が溢れだして、私の首を絞める。首の骨まで砕くほど強く。

弱さも無能も覆い隠すほど、強く!

 

(ありがとう。わたしを助けてくれて、ありがとう)

 

そう言って、鬼に感謝したんだ。

わたしは感謝したんだよ?

そんなわたしが、わたしのせいで…!

 

「許さなくても、認めなくても、私はそれでも良いと思っていますよ」

 

私だって、私自身を許せないですもの。

鬼舞辻無惨、鬼の始祖。

 

「アレは私の仇を産み出した相手です。私にもっと力があれば、せめてあの場所で、貴女を支えられるだけの力があればと、思わずにはいられません」

 

けれど。

 

「だからと言って、何もかもの重石を背負って、それに押し負けて立ち上がれないだなんて、そのほうが余程許されない事だと思いませんか?」

 

真菰さん。

 

「力を貸してください」

 

今度は私の思念を送る。

私の弱さや醜さをさらけ出す。

私だって同じ。

 

お婆様の跡継ぎとして歩めなかった。

その役目の重さに恐怖して、逃げて、逃げて、逃げて、逃げて、逃げて………!

そして、何もかも失くした。

私は愚か者なのよ?

妹に顔向け出来ず、優しい女の仮面をつけたまま、醜くて、弱くて、ズルい自分を隠して生きて、そしてきっと妹を騙したまま死んでいく。

私が、もっと優秀で心が綺麗で、お婆様の思いを受け止められる器を持っていたなら、私は…!

 

銀狐を強く抱き締める。

相手が私を噛み砕こうとするのと同じように、抱き殺すように殺意すら込めて、渾身の力で抱き締める。

 

「初めて出逢った時の事を覚えていますか?」

 

銀狐が、いいえ真菰が震えました。

 

「あの時も、貴女は震えていた」

少しずつ、狐が小さく弱くなる。

「そんな貴女に触れられたことは、私の誇りです」

 

頭に耳を残したまま、真菰さんが私を見上げました。

噛み付いていた肩から口を離して。

 

「痛かったよね、ごめんね」

 

…尊い、です。

これが神霊に教えてもらった、尊死…!?

ちっちゃくて、もともとの時点で可愛いが崩壊するほど可愛い真菰さんに狐耳ですわよ?

伏し目がちに、私の傷口を舐めるこの姿!

神霊の気持ちがわかります。

これはアキマヘンです、尊すぎて死ねる。

身体が意思とは無関係に、カワイイを抱き締めようとして震えます。

 

ダメ、ダメよ私。

精神世界でその場所の主となる方の可愛さに捕らわれるなんて、術師として許されません。

ここは心を変えて、そうね、しのぶの可愛さで対抗しましょう。あ…でももし、しのぶに狐耳があったら…かふぁ。

 

「なんで、私が本物だってわかったの?」

 

恥ずかしながら精神が混濁していて、すぐに言葉を理解できませんでしたが、ギリギリで会話を繋ぎます。

本物?

間違える筈がないです。

 

「だって、貴女はこんなに可愛いですもの!」

 

精神世界での罠として創られた真菰さん人形。

 

「真菰さんはこんなに目鼻立ちが綺麗で世界一可愛い私のしのぶと同じ土俵に立てる逸材ですのに、なぜわからないのですか? あの人形を見てください、猿です。貴女、さんざん雷月さんの事を自己評価が壊れたお馬鹿と仰ってましたけど、私から言わせれば貴女も同じです。まったく可愛いの天限突破ですよ」

 

私の言葉に、顔を真っ赤にして手で覆います。

うん。

尊い。

これは全力包容待ったなしですね!

と、その時。

柔らかい命を握り潰すような音と、気配を伴ってソレが現れた。

 

【コンコンコン、入ってますかぁ?】

 

天井の闇が裂け、中から巨大や手が現れる。

手にはおぞましい口が開き、舌を伸ばして涎を落とす。

突然の来訪者、魘夢。

 

 

ーーー下弦の弐ーーー

 ーーー襲来ーーー

 

 




そう言えば、花街決戦時の真菰の服装は一般的な巫女装束と同じ構造の物です。
呼吸にも、降霊にも、舞いにも戦闘にも、なにもかもに不馴れな真菰を気遣い、花の呼吸の育手が縁のある神社と呉服屋にかけあい、その監修のもと隠の制服作成管理部門が作成してくれました。
形だけでも整えておくことで真菰の負担を軽減するのが目的。

これに対して猛反発したのが同部門に属する新人の前田m…ゲス眼鏡です。
鬼殺隊に入隊した若者全員の採寸のために、煉獄邸を訪れたゲスとその先輩。

男の採寸を最速で完了後、女子の採寸に取り掛かろうとして隠の先輩に取り押さえられます。

「ちょっとだけですよ?先っぽだけでいいです、ほんの先っぽでちょちょいと計るだけですから、え?目が怖い?それは被害妄想という症状ですね、はい。私今ちょうど、とても良いお薬を持っていますのでそれを処方して差し上げます、え?怖い?それは被害妄想という症状ですね、やはりこのお薬を…」

巻き尺を手に、必死の形相で手を伸ばすゲスにドン引きする真菰とカナエ。
怯えて手を繋ぐ二人の様子が、ゲスの脳内でゲスゲスと変換されます。

「貴女方は今、至高の瞬間を無駄にしているのですよ?私には見えます、最高の巫女服が見える。見えるのですよ。清らかなる乙女にのみ許された絶対領域の狭間に住まう神秘、わかります?わからないのですか?やぱりこれだから凡人には困るのです。いいですか、これからの時代スカートは欠かせません、赤い袴をイメージしたスカートで腰回りを華やかに彩りつつ足には白い靴下を履くのです、その靴下は太股の辺りまで長さがあり、スカートと靴下の間にほんのわずかな地肌の肌色が見え隠れする。それですよ、それこそが絶対領域、そこにこそ神霊が住まうので…まっ、え?先輩?なぜ前田わからせ棒を引き抜くのですか?今は大切な説明の最中ぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

そして、彼は夕日に消えました。
そんな切ないこぼれ話。

本文に取り入れたい話がポロポロあるんだけど、難しいんだよなー。


ちなみに作者は学生服姿の禰豆子&真菰がスカートヒラヒラしてる絵が好きで(ゲ)す。
あの頃のワニ先生の上手いと硬いが混ざりあった絶妙なタッチが好き(でゲス)。
ジャンプGIGAの付録ポスターだったらしい。

欲しいなぁ…(´ρ`)

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