「トリオン兵は集団で行動し幾つかの方向に分かれています」
場所は移り変わり、ボーダー本部。
巨大なモニターに三門市の全体図が映し出されており、忍田本部長は補佐官である沢村から情報を受け取る。
「現場の部隊を3手に分けて東・南・南西それぞれの敵に当たらせろ」
「了解」
「ちょ、ちょっと待ってください。西と北西はどうするのですか!」
忍田本部長の指示に意見するはメディア対策室の室長である根付。
本部長が出した指示には含まれていない警戒区域もあり、その辺りをどうするかの慌てながら尋ねる。
「心配はいらない西と北西には迅と天羽が向かっている。あの二人に任せておけば問題はない」
困った時の実力派エリートとS級隊員だ。
二人の名前が出ると、こういう時こそ役に立つと安心をする根付さん。
「問題は東・南・南西だ。防衛部隊が来る前に警戒区域を超えられる恐れがある。鬼怒田開発室長」
「分かっとる。既に冬島と組んで対策済みだわい」
モニターに映るトリオン兵達をトラップに仕掛けていく。
事前に作っていたトリガーのトラップが効果を発揮し、一先ずの足止めには成功したことを沢村から報告を受ける。
「大変です!」
「今度はなんじゃ!?」
色々と切羽詰まる中での緊急事態。
今忙しいのにと若干キレ気味の鬼怒田開発室長は沢村になにごとかと聞く。
「レプリカからの通信が入っています」
「なに……どうします忍田本部長!?」
「連絡が入ったということはなにかが分かったのだろう。急いで通信を繋いでくれ」
「は、はい!」
急な通信にいったい何事かと身構える本部の偉い方。
既に情報は貰っていて、その上で通信を取ってきたとなると何かがあったに違いない。沢村がレプリカと通話できる状態にする。
『急な連絡、申し訳ない』
「そんな謝罪、今はどうだっていいわい。何かあったから連絡をしたのだろう!」
『ああ、その通りだ。何処の国が襲撃したのか判明した』
「!?」
レプリカのその一言に一同に戦慄が走る。
近界民攻めてきて10分するかしないかの時間で判明したとなれば驚くしかない。
「そうか。それで何処が攻めてきたんだ?」
何時もならば何処が攻めてこようが一緒だが、この規模の侵攻となれば話は別だ。
情報のアドバンテージが欲しい鬼怒田さんは勿体振らずにとっとと教えんかと耳を立てる。
『アフトクラトル、それが今回襲撃してきた国だ』
「アフトクラトル……」
今回、どの辺りが襲撃をしてくるか事前にレプリカから情報を貰っていた。
貰った情報の中で最も大国で黒トリガーを
『そちらの状況を完全に把握は出来ていないが、劣勢に立たされる可能性がある。ついてはユーマの黒トリガーの使用許可をもらいたい』
今、なんとか持ちこたえているがここから状況がひっくり返される。
それを防ぐ為には遊真の黒トリガーの力が必要とし、使う許可を貰っていなかった為にこれはチャンスだとレプリカはコシマエから貰った情報を交渉の材料にした。
『今、姿を現しているトリオン兵はバムスターやモールモッドといった正隊員でも簡単に倒せるトリオン兵だ。恐らくは様子見をしており、間もなくトリガー使いを捕まえるトリオン兵、ラービットが出現する。A級の隊員ならまだしもB級には荷が重い』
「嵐山隊、荒船隊、柿崎隊、茶野隊、風間隊、トリオン兵を排除しつつも現場に向かっております。東隊、諏訪隊は現場に到着。トリオン兵と対峙しております」
「どうしますか?このまま彼に黒トリガーを使わせてもよろしいのでは?」
遊真が現在使っているトリガーは訓練生が使うトリガーで、どうしても正隊員のトリガーより出力が低い。
出力が低いと出せる力に限界がある。それでもトリオン兵をバッサバッサと倒していっているのだから遊真が如何にして強いのかがわかる。とはいえ、今から物凄くヤバい敵がやってくるとなれば訓練用のトリガーで限界があるのも確か。
なるべく被害を抑えたい根付さんは最終的な権限を取り持つ城戸司令に目を向ける。
「……何故、アフトクラトルがやってくると分かった?」
「どういう意味ですか?」
「こちら側ではまだ異常は起きていない。盤面上でも異変は見られないというのに、何故アフトクラトルと断言できる?」
これから状況が悪化すると言われれば何処となく納得はできる。
しかし、レプリカは状況が悪化するだけでなく何処の国がやってきているのかをピンポイントで当てた。普通ならば緊急事態で流すのだが、この男は流さずに疑問を抱く。確かにまだ大きな異変が起きていないのになんで分かったんだとその場にいる皆が疑問を抱く。
レプリカは遊真の身の安全の為に自身の情報を売った筈なのに、まだ自分達が知らない事を隠していたとなると約束が違う。
『襲撃してくる国がアフトクラトルという情報を売ってもらった』
「売ってもらっただと!?貴様、何処かの国となんらかの繋がりがあるのか!」
正直に答えると当然の如くキレる鬼怒田さん。
こっちでは騒ぎを起こさなければ身の安全を保証することになっているが、その事を自らで破ったことになるならば当然だ。しかし、レプリカは声色1つ変えずに答える。
『私達が情報を売ってもらったのは世界界賊からだ』
「世界……なんじゃそれは」
『世界界賊サーヴァント、5年程前に突如として現れた7人の事で1人で黒トリガー数百本分の力を秘めていると言われている』
「な!?なんじゃと、何故そういう話を最初にせんかった!?」
『彼等が許可をしない限りは情報を渡さない。私達をこちらの世界に導くのを条件に交わした契約だ』
「つまり、君をこの世界に連れてきた支援者が居たというわけか」
『そうなるな』
突如として出てきたキーワードに頭を抱える一同。
どうしてそんな重要な事を教えなかったのかと言いたくはなるが、今は叫んでいる暇はない。
『サーヴァントからの情報によれば今回襲撃したのはアフトクラトルとのこと』
「待て、近界民からの情報なんぞ信じれるか!」
誰も何も言わないので話をはいそうですかと信じれるほど城戸派はあまくはない。しかし、鬼怒田開発室長の言っていることには一個だけ穴がある。
『彼等は近界民でなく全員がこちらの世界の住人だ』
「なん、だと……」
近界民の支援者が居たかと思えばそれは違っていた。
旧ボーダーの一人であった忍田本部長や城戸司令に目を向けるとありえないといった顔をしている。探したことはないだろうが、ボーダー以外にトリガーを持っている団体はいない。そのつもりで今まで活動を行ってきた。
『信じるか信じないかはそちら次第だが、少なくとも向こうはこちらの世界の住民だと証明する術を持っている。私から伝えれることはこれぐらいだ』
これ以上を知りたければ、直接本人から問い質すしかない。
しかし、何処の誰がサーヴァントなのかボーダー側は不明で今は遊真の黒トリガー使用を許可するか否かの問題に目を向ける。
『忍田さん、こちら東、新型トリオン兵と遭遇した。身長は3メートルで人に近い
『それは恐らくラービットだろう』
目を向けていると東隊の東から連絡が入った。それは新しいトリオン兵との交戦したとの通信でありレプリカから送られてきた情報に嘘は無かったとのことだ。
「……君達に情報を売ったサーヴァントにコンタクトは取れるのか?」
ここまでくれば無視することは出来ない。
そっと額の傷に触れながらサーヴァントへのコンタクトが取れるかの確認を取る。
『「今回のゴタゴタが終われば顔を出してやるから少し待て、こっちも暇じゃないんだ」とのことだ』
「この非常事態に何様のつもりだ!?」
「『こっちのことをああだこうだ言う前に次を指示しとかないと駄目なんじゃないの?』だそうだ」
怒る鬼怒田さんの揚げ足をキレイに取るのはコシマエ流。
しかし、言っていることは間違いなく、本部に不吉な報告ばかりが飛んでくる。特に新型の報告が来ている。
「基地東部、風間隊が新型と戦闘を開始!諏訪隊は1名捕獲された模様。基地南部、東隊は1名
「いかん!それはいかん!市民に被害が出ればボーダーの信用が……」
そんな事を言っている暇ではないがてんやわんやのボーダー本部。
色々なところであまり耳にしたくない情報ばかりが流れ込み根付は肝を冷やす。
「捕獲された諏訪の様子は?」
「トリオン体の反応は消えていません。緊急脱出は出来ないようです」
「よし、諏訪は風間隊が取り返す」
「忍田本部長、すぐに部隊を回してくださいこのままでは街が……」
万が一、市街地に被害が出たらボーダーという組織の存在が危うくなってしまう。
なによりも市街地がと焦る根付だが忍田本部長は首を縦に振ることが出来ない。
「部隊の合流が先だ。戦力が劣った状態で新型に挑むのはそれこそ敵の思う壺だ」
根付対策室長の言っている事に間違いはない。戦うことすらできない一般市民に被害が出れば後々組織の存続に抱わる。
かと言って忍田本部長の言っている事も間違いではない。単独で挑めばやられてしまう可能性がある敵が出てきてしまっている。この場合、どちらが正しいかと言うよりはどちらを優先すべきかの話だ。
「戦力をここで失えばこの先が苦しくなる私。は本部長の判断を指示する」
「城戸司令……」
どちらを優先すべきかの論争に割って入る城戸司令。
「だが……新型に手古摺ればその間に市街地が壊滅するぞ」
本部長の意見を指示するだけで欠点を指摘しないわけではない。
部隊の合流や新型に手古摺るなどに不備があれば街は攻め落とされる。その辺りについてどうするのかを尋ねる。
「分かっている。待つのはA級が合流するまでだ。新型はA級が止める」
それが今回の指示だと決断をする本部長、その時だった。
『ハローハロー、エブリバディ』
1つの通信が突如として入った。
聞いたことのない声で誰かからの通信かと沢村は確認をするのだが、通信をされている状態でない事に驚く。
「何者だ!?」
突如としてこちらに対して通話をしてきた謎の人物に警戒心を強める本部長。一瞬足りとも隙は作るまいと真剣な顔をする。
『いえいえ、何やらそちらが大変そうなのでお力の1つでもお貸ししましょうかと連絡を取っただけです。邪魔ならばさっさと消えますが』
「力を……まさか、貴方が空閑遊真を支援していたサーヴァントか!?」
『いえいえ、私は彼を支援していませんよ。それは部下の仕事ですから』
この場でこちらとコンタクトを取ってくる未知の存在は2つ、今回襲撃してきたアフトクラトルかサーヴァントでアフトクラトルは敵対しているので消去法で自動的にサーヴァントとなり本部長は驚く。向こうは少し待てと言っていたのでコンタクトを取ってくるとは思ってもみなかった。
『私の事よりも今は色々と大変じゃないんですか?例えばそう、動かせる駒が揃わなくて思い通りに戦えないと』
「それは、そうだが」
『トロッコ問題とは言いませんが大変ですね……こうなる事が事前に分かっていたのならば、もう少し上手く立ち回れる筈なのに』
「おい、それはいったいどういう意味だ!!お前は一体何者でなにを知っている!」
ボーダーのトップシークレット中のトップシークレット。迅悠一の未来視をさも当たり前の如く知っている素振りを見せる謎の通信者。
敵か味方か分からないあやふやな存在に痺れを切らしたのか鬼怒田開発室長はバンとデスクの上を叩いて声を荒げる。
『私は
「……サーヴァント……一人で黒トリガー数百本分の価値があるという」
『一応の名誉で言っておきますがそんなですよ。他所の国をビビらせる為に言っているだけです……と、無駄話をしに来たのではありません……力、貸しましょうか?』
自己紹介を軽く済ませるとキャスターは本題に入る。
『貴方達はとんでもない数で尚且つ精鋭部隊であるA級でも手古摺る使い捨ての駒が来るというのをそれとなく分かっていた筈なのに
「……」
キャスターはぐうの音も出ない正論をぶつける。
実力派エリートが正隊員の中で死人や拉致者が出たと未来が見えていたのにも関わらず、何時でも動けるように部隊を揃えていなかった。
1月という学生にはとても大事な時期なので休ませることは下手には出来ないだろうが、それでももう少しなんとかすることは出来ただろうに。あまりにも普通の正論なので城戸司令はなにも言い返せない。
『なので、ほんの僅かながらですが力をお貸しします。流石にこちらの世界が悲惨な目に合えば色々とこちらも大変ですのでね』
「力を貸す、とは言うが具体的にはどうするつもりだ?」
「城戸司令、どんな者か分からない相手と交渉するのは得策ではありませんよ!」
キャスターに耳を傾けた城戸司令を慌てて止めるメディア対策室長。
顔の見えない相手ほど交渉をするのは危険だ。味方かどうか定かでない者ならば尚更だろう。しかし、城戸司令もそれは分かっている。その上でキャスターに何をする気かを尋ねる。本来ならば突っぱねたりするが今はなにかと切羽詰まっている状況故に聞く耳を持つ。
『あ、そーれ』
「!」
奇妙というか軽い掛け声を出すキャスター。
城戸司令の目の前にボールペンが出現する……そう、なにも無いところからボールペンが出現した。
『こう見えて三門市のそこかしこに陣地を敷いていますのである程度は好きなところにワープさせる事が可能ですよ』
「ワープ、そんな事が出来るのか!」
『ええ、私達の力を貸しましょうか?このままだと強い人達が動くに動け……あ、玉狛の空閑くんが黒トリガー起動しましたよ。あ〜……』
『本部、こちら茶野隊!人型近界民と交戦中!』
色々とグダグダとやっている間に事態はより面倒な方向へと進んでいった。
具体的に言えば遊真の黒トリガーの使用許可を得る前に遊真が黒トリガーを起動したが為に全く情報が行き届いていないB級下位の茶野隊に近界民に間違われて攻撃をされた。黒トリガーが使用許可を事前に取っていなかったツケが今になって回ってきている。
『気をつけてください。ドカンと来ますよ』
「本部前方に巨大なトリオン兵出現、これは……市街地で発生したイレギュラー門から出てきた爆撃型の――っ!?」
『こちら嵐山――新型撃破――』
キャスターの忠告と同時に狙われる本部。
爆撃型のトリオン兵、イルガーの爆発に飲み込まれる。
「っく、一度に舞い込む情報量が多すぎて処理が出来ん!」
緊急事態で色々と舞い込むこの状況に泣き言を言う鬼怒田開発室長。
本来であれば本部にある砲台の砲撃を撃とうとすることが出来たがキャスターとの対話でそんな暇が無かった。
「第二波が来ます!今度は3体です!」
「いかん、外壁のぶち抜き事件以降に装甲を強化したが3発もこれをくらうとなれば装甲が持たん!」
『すみません、私が原因で指示が遅れたみたいなので少々責任を取りますね……コリュキオン!
「!、上空に高トリオン反応!これは……」
「トリオン兵が撃ち抜かれている!?」
謎のトリオン反応を探知する沢村。
こちらに向かってくる自爆モードに切り替わったイルガーをいともたやすく撃ち抜くトリオンの砲撃が遥か上空から舞い落ちる。
『私が邪魔したお詫びにイルガーを全滅させておきました』
「あのバカでかいのを一瞬で……」
『あれぐらいなら、簡単に倒せますよ……それよりもさっさと次を指示しなければ』
『忍田さん、なんか上空からの砲撃でデカいの倒されたんだけど』
本部は驚く間もなく通信が入る。
たまたま本部にいたA級及び個人1位のボーダー最強の男だ、太刀川から連絡が入る。
「慶か、すまない。こちらも今、色々と混乱している状況だ。お前は新型のトリオン兵を斬れるだけ斬ってこい」
『了解、了解』
「嵐山隊、通信が乱れてしまった。新型を撃破したということだな」
太刀川への指示を終えると通信が入っていた嵐山隊の報告を受け取る本部長。
「おお、流石は嵐山隊。新型討伐一番乗りですね」
ボーダーの顔はやるなと根付は笑みを浮かべる。
『いえ、我々が到着した頃には既に玉狛の三雲・空閑両隊員が交戦中でした』
あくまでもとどめを刺しただけで討伐に成功したわけじゃない。
その辺りについて言及をする嵐山。
「なるほど、先程の人型近界民は遊真くんのことだな」
『忍田本部長、玉狛支部の三雲です。ぼくたちをC級隊員の援護に向かわせてください!』
「C級隊員の……」
『その地区にはぼくたちのチームメイトがいます』
「……!そうか……よしわかった。玉狛の隊員は別行動で」
「待て」
別行動の許可を取ろうとした、その瞬間だった。城戸司令から待ったがかかった。
「C級の援護には三雲隊員だけ向かい、空閑隊員には残ってもらう」
向かわせるのはあくまでも修だけで遊真には残ってもらう。
その事について何故だと疑問視する声を修は上げるので城戸司令は答える。
「空閑隊員が市街地で戦えば情報が行き届いていない隊員が人型と間違えて交戦をする恐れがある」
現に一度、茶野隊に間違われているという城戸司令。
遊真には引き続き警戒区域に残ってもらって嵐山隊と共に引き続き新型とトリオン兵の討伐を命じる。
「しかし、それでは」
「黒トリガーの使用についてはこの際、許可をしよう。だが、警戒区域外での戦闘は市民と隊員を混乱させる可能性がある。こちらの指揮に従ってもらう」
『……黒トリガーを使わなかったら修についていっていいの?』
やっと降りた黒トリガーの使用許可をだが、すんなりとはいかない。
向こうの増援に行きたい遊真は黒トリガーを使わなければと聞くが城戸司令は呆れる。
「無意味な話だな……お前は危険が迫ると黒トリガーを必ず使う」
父親とよく似ているからよく分かる。遊真は修達に危険が迫ると絶対に使うと見ている城戸司令は行くことを許可しない。
そしてそれを聞いている修は焦る。ここまでなんとか上手くやって退けているのも、大半は遊真のお陰だ。新型を破壊出来たのも遊真の黒トリガーのお陰であり、自分に大した実力が無いのを自覚している修は1人でやれるのかという不安を抱く。
『三雲くん、不安を抱いているのはいいですがなにか肝心な事を忘れてはいませんか?』
『この声は』
『ええ、お久しぶりです……と言うほど、長い間会っていないわけではないですね』
「おい、三雲!まさか、お前空閑の支援者の事を知っていたのか!?」
『えっと……それとなくは知っています』
『まぁまぁ、狸のおじ様、そう怒らずに。歳なんだから興奮すると血圧が上がってぶっ倒れますよ』
「誰がたぬきだ!」
とは言うものの、ぽん吉というあだ名まであるのが開発室長である。
公式でも三大マスコットだなんだと言われているのだが、それはここでは関係のない事なので一旦置いておく。
『貴方が雨取さんを心配するのは分かりますが、あのバカの事をお忘れですか?』
『千佳達の近くにコシマエがいるのか!?』
『ええ、本当に危なそうなら力を貸してますよ』
「待て待て待て、そのコシマエと言うのは何者なんだ!?」
二人だけが分かる会話をしているので割って入る鬼怒田開発室長。
他の面々もなんの話をしているんだと言った顔をしております状況の説明を求める。
『三雲くんが向かいたい場所に空閑くんを支援していた私の部下が居るんですよ』
「つまり、サーヴァントの1人がいると言うことだな?」
『ええ、そうです……スゴいですよ、彼は。なにせ過去にアフトクラトルの国宝である黒トリガーを完膚なきまでに叩きのめしたのですから』
ハードルを上げるな、この野郎。黒トリガーを撃退したと聞き本部の一同は驚く。
どういうトリガーを使っているのかと色々と聞きたいことはあるが今は誰を何処に向かわせるかの指示をするのが優先であり、修をC級隊員の元に向かわせる事となるのだが木虎が私もついてきますと修に同行する事となった。
運命/世界の引き金こそこそ裏話
コシマエ達は近界の幾つもの大国相手に戦い全てにおいて勝利をした。
アフトクラトルとの戦いはコシマエがとある英雄を引き当てることに成功し、アフトクラトルを徹底的にボコボコにし、それ以降コシマエ達が乗っ取った国はアフトクラトルを容易く撃退した国という一種のブランドがついており狙われなくなった。