運命/世界の引き金   作:アルピ交通事務局

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食は最大の兵器である

 犯罪界のナポレオンであるとある英霊が修に火種を与えたらしい。

 色々とたまってた仕事を処理していたのでその現場に鉢合わせする事が出来なかったのが実に残念であるが例によって深雪はクソである。

 すわべんは僕と深雪が似ていると言っているが断じて違う。深雪は笑顔を曇らせたい、僕は欠陥がある正ヒロインよりも王道的なサブヒロインの方が素晴らしいと思っている。そこは履き違えてはいけないんだ。

 

「ふぅ〜やっぱり緊張するなぁ」

 

 ワールドトリガーの原作はここからランク戦と遠征選抜試験に入る。基本的には平和であり忙しいか暇かと聞かれれば割と暇なのである。

 

「そう緊張すんな。ガチャを引かせるだけだからな」

 

「自分の土俵ならまだしも相手の陣地でなにかするのは心に来るものがありますよ」

 

「そうか?」

 

「そういうものです……失礼しまーす」

 

 現在僕は虹村さんと一緒にボーダーの本部にやってきている。

 本日はランク戦を行わない日である。ボーダー隊員でない僕達はランク戦を行わないので来るのは色々と理由がある。

 

「お前達がカルデアの人間か…………聞いてたように若いな」

 

「ふっ、人を見かけで判断したらダメですよ…………東さん」

 

 ボーダーのとある一室に僕達はやって来た。そこには忍田本部長となにかとスゴい大学院生である東さんが居た。

 東さんはどうやら僕達カルデアの存在について知っている。この感じだと上層部からカルデアの存在を教えられたパターンかな?

 

「……俺の事も知ってるのか」

 

「まぁ、その気になれば未来とかも見れるので。自己紹介をします。僕は越前龍我、この業界ではコシマエの通り名でやっているのでくれぐれも仕事中は越前でなくコシマエと呼んでください。うっかり越前と呼んだら拗ねて無視する時がある。無論、その逆もです」

 

 東さんは自己紹介も全くしていないのに自分のことを知っていることに驚く。

 原作知識で色々と知っていると言うわけにはいかないので未来を見れると適当な事を言っておき今の僕のポリシーを言っておく。仕事中はコシマエなんだよ僕は。

 

「カルデア序列4位の弓兵、アーチャーの虹村……って言ってもピンと来ねえから一昨年の虹村で覚えといてくれ」

 

「一昨年?…………一昨年なにかあったか?」

 

「あれ、知らないんですか?虹村さんは走り高跳びと走り幅跳びの世界記録を持ってるんですよ?」

 

 僕に続いて虹村さんも挨拶をする。

 向こうの世界じゃ割と悪名高いけれどもこちらの世界では知名度は皆無に等しい。しかし虹村さんはバスケのU−19で日本を世界一に導くだけでなく陸上の走り幅跳びと走り高跳びの世界記録を手に入れている。割と知っている人は知っているんだが東さんと忍田本部長はピンと来ていない。

 

「そう、なのか……そっち系のニュースはあんまり見ないからな、悪いな」

 

「別にいいっすよ。俺の記録はそこまで自慢することが出来るものじゃねえんだから…………東さんは俺達をどう聞いている?」

 

「ボーダー以外に地球出身のトリガーを扱う組織が居た。ボーダーと正式に同盟を結んで、ランク戦がある日に合同演習を行う……色々と知っているが要点を纏めればそんな感じだ」

 

「まあ概ねあってる…………で、なんで東さんが居るんだ?」

 

「知っての通り次は公開遠征を行う…………次の公開遠征、私が遠征艇のリーダーを務める可能性が高い。私達が遠征に行っている際にこちらの世界が手薄になる。カルデア側が具体的にどの様な形で協力してくれるか定かではないが……私が居ない間の現場の指揮を頼もうと検討中でな」

 

「あ、じゃあ虹村さんを遠征に連れていきますか?色々と可能性が上がりますよ」

 

 東さんがここに居る理由を聞けばなんかおかしな答えが帰ってきたので爆弾をエキサイティングシュート!!

 次の公開遠征は過酷な旅になるのは確実であるので虹村さんを連れて行くかどうか打診してみる。

 

「お前、なにサラッと爆弾投下してんだよ!つか、俺リーダーだからな!」

 

「リーダーがなんだって言うんですか!皆、個人MCの番組を貰ってる中で島を開拓している。大野くんなんて船舶免許を取って徐々に徐々に」

 

「なんのリーダーの話をしてんだよ!」

 

 リーダーってカッコいいか不遇のどっちかじゃないか。

 一応は僕達を束ねるリーダーをやっている……いや、どっちなんだ?浦原さん、めんどくさいしエンジニアとして働きたいから虹村さんにリーダーをパスしてて、僕達は虹村さんがリーダーである事に関して不服は無い。普通に強いし賢くて理知的だから文句は無いんだよね。

 

「気持ちだけ受け取っとくよ」

 

「いやいや、東さん。虹村さんをナメちゃいけないですよ……虹村さんは戦争の概念をひっくり返すヤベえ物を持ってるんです」

 

「おまっ、それは基本的には言うなって浦原さんにも言われてるだろうが!!」

 

「別にいいじゃないですか…………虹村さんが居れば遠征におけるある問題点を殆ど解決出来るんですよ……いやぁ、マジでヤバいっすよ。近界民(ネイバー)がこの世界にはそんな物が存在してるのか!って黒トリガーを遠征に持ち込んで強奪に来るの間違いなしですよ…………アレはホントに反則だ……」

 

「遠征の問題点の解決……それはいったい」

 

「あ、聞きます?ぶっちゃけバレるとスゲえヤバいんですけどね……喋らないのを前提にしてくれるのなら」

 

「お前そういう事を言うやつに限って喋られるパターンなのを学習しろ…………確かにアレは戦争の概念をひっくり返すヤベえ物だけど」

 

「…………参考の為に聞いておきたい」

 

 虹村さんと僕がアレについて言っていると気になる東さんと忍田本部長。

 アレは正直な話、この世に存在して良いのか存在してはいけないのかよくわからない物であり管理を怠ればどの時代の世の中でも滅ぼす事が出来る危険な代物だ。

 

「俺達が使ってるトリガーは歴史上の偉人や神話の英雄なんかを模したトリオン体に換装するトリガーだ。聖剣エクスカリバーで有名なアーサー・ペンドラゴン、十二の試練を制覇して様々な武勲を立てたヘラクレスと色々な英雄からランダムに出てくる……触媒を使えばランダムでなく狙った英雄を出すことが出来るんだが…………アレはなぁ…………色々と反則なんだよなぁ………」

 

EX(規格外)の宝具ですからね」

 

「……それはいったい……」

 

藤原秀郷(ふじわらのひでさと)です……もうホントふざけんじゃねえよと言われてもしょうがない……虹村さんを連れていけばあの問題点を解決出来る……」

 

「藤原秀郷……知っているか?」

 

「いえ…………藤原と言う名字と歴史上の偉人という事は平安時代の英雄か?」

 

 名前を言われてもあまりピンと来ない忍田本部長。

 確か東さんは戦史を学んでおり戦史関係は強いので東さんに聞いてみるが東さんもあんまりピンと来ていない。ただ藤原という名字は平安時代ではかなり見る名字なのを知っているので平安時代の人間かと聞いてくるので僕達は頷く。

 

「ああ、そうだ……コレがホントに洒落にならねえヤベえ物を持っている英雄でな」

 

「いったいなにを持っているんだ?」

 

「理論とか原理とか理屈は不明だけれども最高級の新潟県産コシヒカリを一流の職人が釜炊きした銀シャリよりも美味しい米を出すことが出来る米俵とか山海の食材を出すことが出来る鍋とどれだけ切っても尽きない最高級の布を持ってるんですよ」

 

「…………それだけか?」

 

「はい。まぁ、当人の腕も1流と言えるんですけど……宝具がとにかくヤバい」

 

 アレはマジで反則である。

 

「本部長、遠征に彼を連れて行く事を考えておいてください」

 

 藤原のヤバさにあんまりピンと来ていない忍田本部長だったが東さんは直ぐに気付く。

 それこそ不安要素や不確定要素があるとしても虹村さんを連れて行った方がいいと進言した。

 

「今の話が嘘じゃない場合は虹村を、彼を連れて行く事により遠征の安定性が何段階も上昇します……なんてヤバい物を持っているんだ」

 

「そ、そんなになのか?聞く限りではそれこそ核兵器やゲームに出てきそうな武器を持っている感じじゃないが」

 

「そんなにじゃありません……遠征における食糧問題を全て解決する事が出来るんです!原理や理屈は不明ですけれども遠征に無限の食糧を持ち込む事が出来る。戦争において必須な兵料の問題を解決する事が出来る!どの時代のどの戦争でも食糧問題を多く抱えている、今の話が嘘じゃないならば飢えの恐怖から解放される……カルデアはなんて恐ろしい兵器を持っているんだ」

 

「そうか……食の問題を解決する事が出来るのか……確かに言われてみれば凄まじいな」

 

「いや、流石に水とかは出せねえからな……」

 

「水なんて現地で調達出来る!だが食糧は難しい!俺達がここからやって来た人間だと知られれば食糧を売ってもらえない可能性がある。だが本当に無限に米が出る俵や山海の食材を出すことが出来る物が存在するのならば数年単位の遠征すら可能になる!」

 

 東さんは虹村さんが如何にヤバいのかを理解する。正確には虹村さんがなる英霊にだ。

 食事という人間の問題を完璧じゃないが殆ど解決する事が出来る…………マジで色々とぶっ壊れた宝具である。

 

「見せてくれ!無限に米が出る俵を」

 

「ちょ、分かった。分かったから…………お前、話をややこしくすんなよ」

 

「いやでも、普通にヤバいですからね」

 

 年甲斐もなく興奮している東さん。

 虹村さんの肩を掴んで見せてほしいと頼み込むと虹村さんは承諾した後に僕を睨んだ。虹村さんは色々とヤバい……本人は上には上が居るのを知っているからあんまりだけども、遅咲きだけどもこの人は紛れもない天才なんだよな。

 

「コレでいいか?」

 

 藤原もとい俵藤太に虹村さんは換装した。

 当然の様に米俵を担いでおりコレがその米俵なのかと忍田本部長と東さんは見るので虹村さんは大きくため息を吐いた。

 

「好きな食材はなんだ?」

 

「……牛の第四胃のギアラだな」

 

「ギアラ出てこい」

 

 好きな食材を聞かれたので素直に答える東さん。

 虹村さんは大きな鍋を取り出したかと思えば東さんの好物であるギアラを何処からともなく出現させた。

 

「いくぞ!美味しいお米がドーン!ドーン!」

 

「虹村さん、こんなところでお米を出した、ぎゃああああああ!?」

 

 ついでだからと美味しいお米をコレでもかというぐらいにというか担いでいる俵よりも多い米を出して部屋中を米で埋め尽くす。

 お米が膝の辺りまで届くぐらいには部屋が米に埋め尽くされてしまっている。

 

「虹村さん、米を出すなら食料庫的なところで出さないと」

 

「いやだって、まだ若干だが疑ってる感じだから…………ていうかよ、普通にネットでググればよかったんじゃね?」

 

「それ今言います?」

 

 ネットでググれば大体の事を知ることが出来る。

 俵藤太だってインターネットに載っている。ホントに今更な事を言ってくる。

 

「コレは…………ホントにヤバいな……………こんなのが日本に存在していたのか」

 

「東さん、感心するよりもSOSを、このお米を食べてくれる人を呼んでください。顔広いですよね?」

 

「ああ…………このギアラと米を炊いて後で食べてもいいか?ホントに新潟県産のコシヒカリ以上の味ならば遠征に持っていく価値がある」

 

「まぁ……ちゃんと食ってくれるならいいっすよ」

 

 馬鹿みたいに出した米の回収を行う。

 東さんはスマホを取り出す。忍田本部長もスマホを取り出す……部屋を埋め尽くすレベルの量だから、結構な人数が居るだろう。

 身動きが取るに取れない状況なので固まっていると数分後には原作でよく見た事がある人達が大勢やってきた

 

「東さん……何やってたんですか?」

 

「戦争の概念をひっくり返す凄まじい兵器を見てたらこうなったんだ」

 

 三輪隊の三輪もやって来る。

 部屋中が米だらけで身動きが取れない東さん。いったいなにをやっているんだと気になったので聞いてみれば東さんは真実のみを伝えた。

 

「戦争をひっくり返す凄まじい兵器が部屋中埋め尽くす米って……てか、コシマエ居るじゃん!なに、もしかしてまた演習か!」

 

 三輪を経由して米屋さんもやって来る。

 お米を回収しつつも僕達の存在に気付いたのでまた演習かと聞かれたので今やっと思い出す。ボーダーの本部にやってきた理由をだ。

 

「ああ、そうだったそうだった……ガチャをしにきたんだった」

 

「お前が話をややこしくしたの理解してるか?」

 

 ここに来たのはボーダーとの合同演習的なのをする打ち合わせである。

 本当ならば深雪が行かなきゃ行けないんだけども深雪はテスト期間だったりするわけで、僕とリーダーである虹村さんが行けと言った。一応は虹村さんがリーダーだが虹村さんは特に嫌な顔をする事はせずに来てくれたんだった。

 

「さて、前回はセイバーだった……残りは6つ、アーチャー、ランサー、ライダー、アサシン、キャスター、バーサーカー……本音を言えば修に引かせたいんだけどさ…………じゃ、回してください」

 

 米屋さん達がお米を回収してくれて東さんが三輪に食堂のおばちゃんに無尽俵の米を炊いといてと依頼して再び僕と虹村さんと東さんと忍田本部長だけになった。さっきまではギャグな感じだったけれども真面目にやるかと福引きでよく見るガラガラにセイバーのモニュメントピース以外を入れた。このガチャを東さんが引く。本音を言えば修に引いてほしいのだがあんまり贅沢は言ってられない。

 

「コレは……弓を持っているからアーチャーか?」

 

「はい、アーチャーですね」

 

 東さんがガラガラを回すとアーチャーのモニュメントピースが出てきた。

 弓を持っているモニュメントなので東さんは察してくれて僕は視線を虹村さんに向けた。

 

「アーチャーは投擲する物が該当するポジション、クラスだ……ロビン・フッドやビリー・ザ・キッドなんかがこのクラスに該当する……今回は狙撃手(スナイパー)のみが参戦していい。ただし搭載していい攻撃系のトリガーは狙撃手(スナイパー)のトリガー、つまりはイーグレット、アイビス、ライトニングの3つだけ……後は何人来ても構わねえぞ」

 

 虹村さんは自分の番だなと説明をする。

 セイバーの時は試験運用を兼ねてだったから少人数だったけども、今回は違う。どれだけ来ようが別に構わないと言い切る。

 

「多対一の狙撃戦をするのか……ボーダーの何度でも戦えるシステムがあっても訓練の意味が無いんじゃないのか?」

 

 その事に関して大丈夫なのかと東さんは心配をする。

 

「じゃあ、シモ・ヘイヘと1vs1で戦いますか?」

 

 多対一が無理だって言うならばマンツーマンも出来なくもないんですよ。

 

「…………………流石にシモ・ヘイヘを相手に狙撃で勝負をして勝つのは無理だ」

 

「シモ・ヘイヘ?」

 

「フィンランド最強の狙撃手(スナイパー)で500人以上を殺ったヤバい人です」

 

 東さんはシモ・ヘイヘを知っていたのでシモ・ヘイヘの相手をしたくないという。

 シモ・ヘイヘと言われてもピンと来ていない忍田本部長にシモ・ヘイヘをすごくざっくりと教える。

 

「待ってくれ、シモ・ヘイヘと戦うのか?1人の狙撃手(スナイパー)として戦ってみたいって気持ちはあるにはあるが、それが訓練になるのか?」

 

「……シモ・ヘイヘと戦うと見せかけてロビン・フッドとか那須与一と戦うことになるかもな……相手は何者か分からねえ未知の存在と戦うのもこの訓練の一環だ。未知の相手に対して自分が今まで鍛えてきたカードとコンボで戦えるのかの確認も大事だ」

 

「なにが出るかはお楽しみなんですよ……ただ中距離以上から攻撃してくるヤバい奴が出てくることだけは確かです………界境防衛機関試合人間兵器七番勝負、二番目、アーチャー…………さぁ、誰が来るでしょうか?」

 

 心理戦は深雪の方が得意だけども取り敢えずは揺さぶりをかけておく。

 虹村さんはなにを呼ぶんだろ?なにが出てくるんだろ?少なくとも一級品なのは出てくるのは確か、アーチャーのクラスは性能的な意味合いではハズレは比較的に少ないサーヴァントだからな。

 

 歴史上の偉人と対決をするのが分かれば東さんは色々と考える。

 未知の相手に対してどう戦うか?今回与えられた武器は狙撃銃のみで向こうも中距離以上の攻撃に関してプロフェッショナルである。狙撃合戦になるのは確かで、今のボーダーの狙撃の腕前がどれくらいか自覚できるいい機会だと考えてる。

 

 その後は東さん達と一緒に食堂に向かった。

 無尽俵で出た米は新潟県産の最高級のコシヒカリを釜炊きした物よりも美味かった。ギアラはコリコリしていた……僕は焼肉の好きな部位は牛たんなんだよ。




実際問題、俵藤太がワールドトリガーに居たら洒落にならねえぐらいにヤベえと言いたかっただけの話です。
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