運命/世界の引き金   作:アルピ交通事務局

27 / 29
十人十色

 

「よし、炊けたぞ」

 

 コシマエの馬鹿に乗せられた結果、俵藤太になった。

 無尽俵を使って馬鹿みたいに米を出したんだけど、東さんがコネで米を回収して自分達の分も回収して余ったので玉狛支部にお裾分けに来た。ついでだから食ってけとも言われた。

 

「なんか悪いな、お裾分けに来たのに貰って」

 

「気にするな、1人や2人増えても構わない」

 

 コシマエの奴はソロランク戦を見物してから帰るって言っていたのこの場には俺しか居ねえ。

 レイジさんは食客が一人増えた所でなにも問題無いと然程気にしていない。

 

「ただいま〜夕飯はなに?」

 

「小南、帰ってきたなら手を洗え……鶏の唐揚げだ」

 

「邪魔してるぞ」

 

「あんたは…………誰だっけ?」

 

「虹村、虹村修蔵だ」

 

「お裾分けだよ、お裾分け……ついでだから夕飯食ってけと言われてな。あ、ギアラもあるぞ」

 

「なんでギアラがあるの?」

 

 夕飯の準備を終えて後は更に盛り付けるぐらいの頃に小南が防衛任務を終えて帰ってきた。

 一応は面識があるがちゃんと自己紹介した事はないので改めて自己紹介し鶏の唐揚げ以外にギアラが存在していることを教える。

 

「しかし……その話がマジならお前を遠征に連れてけば遠征の成功率や遠征の期間を何十倍にも向上させる事が出来るな」

 

 林藤支部長が無尽俵の話を聞いてすごく納得をする。

 遠征をする上では、サバイバルや閉鎖空間の中で食事というのは最高の娯楽、宇宙飛行士が食事を楽しみにしてると言うからな。

 

「いや、でも出せない物もあるっすよ?パンみたいに調理されてる物とか小麦粉とか塩とか……胡椒とかの香辛料は出せるんだけど」

 

「それだけで充分過ぎる…………日本にそんなお宝が眠ってたとは驚きだな」

 

「なんの話をしてるの?」

 

「コイツが遠征に参加してくれれば食事の問題が殆ど解決するって話だよ」

 

「料理上手なの?……いただきまーす…………うっま!レイジさん、また腕を上げたわね!今日のご飯、滅茶苦茶美味いわ!」

 

 林藤支部長が納得している理由をざっくりと語れば小南は夕飯をいただく。

 唐揚げを口に入れてからご飯を入れると目を見開く。林藤支部長もご飯を食べれば美味いと言う。

 

「いや、何時も通りに作っただけだ」

 

「え、じゃあなんでこんなに美味しいの?炊飯器を買い替えたの?」

 

「米が違うんだよ、米が……新潟県産の最高級のコシヒカリよりも極上の米をお裾分けに来たんだよ」

 

「お米をお裾分けって……あんまり聞かないわね」

 

 安心しろ、俺も聞かない。今回はほんとに偶然なんだ。

 レイジさんも食事を始めてご飯を食べれば眉をピクリとだが動かす。

 

「コレが遠征についてくるか……成る程、恐ろしいな」

 

「え、なにが?」

 

「俺のトリガーが理論や原理は不明だけども無限に極上の食材を出すことが出来るんだよ……今、食べてるご飯は無尽俵っていう俵から出した米なんだ」

 

「ふ〜ん…………スゴいわね」

 

 あんまりピンと来ていない小南。

 遠征で半永久的に美味しいご飯を食べることが出来る、兵糧が永遠と尽きる事が無いというのがとてつもなく恐ろしい事を自覚してねえ。戦史関係の歴史を学んでなきゃ兵糧が尽きる事が無い戦争が如何にしてやべえのか分からねえよな。

 

「こんなスゲえのがあるとはカルデアはヤバいな」

 

「……いや……俺の記憶が正しければコレの上位互換が存在してる」

 

 兵糧が尽きる事が無い事の恐ろしさを理解している林藤支部長はボソリと呟く。

 確かに俵藤太の無尽俵は色々とぶっ壊れた性能を秘めているランクEX、規格外の宝具だ。けど、俺の記憶が正しければコレの上位互換が存在してる。

 

「無限に食材を出す道具よりも上位互換?」

 

「具体的に言えばドラえもんのグルメテーブルかけだ」

 

「あんた達のトリガーが歴史上の人物を模したトリオン体になるのは知ってるけど、ドラえもんは歴史上の人物じゃないでしょ。むしろ未来を生きてるわ」

 

「なにを言う……キャスターのクラスで藤子先生になると言う荒業があるんだぞ…………とまぁ、冗談はさておき北欧に伝わる魔法のテーブルクロスがあってだな、その能力がまんまドラえもんのグルメテーブルかけと一緒なんだよ」

 

「…………マジで?」

 

 グルメテーブルかけ。

 注文した料理を出してくれるドラえもんに出てくるひみつ道具の1つだ。北欧の方に注文した料理を出してくれる魔法のテーブルクロスが存在している。Fateでギルガメッシュがそれを出してたみたいで……無尽俵よりぶっ壊れてるんじゃねえかと思う。

 

「だから俺が居れば戦争や冒険における飯という1つの問題を完璧とは言い難いが殆どカバーする事が出来るんだよ……現に俺が参加してからカルデアは1回も飯関係で困った事はねえ」

 

「反則よ!卑怯よ!なによそのトリガーは!美味しいご飯を無限に出せるだなんてチートにも程があるじゃない!!」

 

 今やっと無尽俵や魔法のテーブルクロスのエグさを理解する小南。

 ランクEXは色々な意味でぶっ壊れた性能を持ってるんだからしゃあねえだろうが。

 

「小南、こう考えろや。俺達が敵じゃないって……浦原さんがその気になればトリガーに強制停止や緊急脱出機能を備える事が出来る。緊急脱出機能を備えた10人以上の凄腕なトリガー使いがトリオン兵は率いてこねえけども地球の周回軌道からズレるまで毎日襲撃してくるっていう悪夢を作れるんだぞ?」

 

「……………虹村、後で勝負して!」

 

「悪いが、手の内を早々に曝け出すつもりはねえよ……大体、俺はアーチャー、弓兵だ。近距離戦メインのお前と中距離以上がメインの俺じゃ距離を近付けば離せばの関係性で終わる」

 

 まぁ、近距離戦が出来るアーチャーは結構多いけども一応は中距離以上の戦闘がメインだ。

 小南とやりあえば勝率は高いだろうが、負けた時は確実に近付いて斬られたってパターンだろう。小南は釈然としないと言いたげな顔をしているが俺は無益な事はしねえよ……國崎だったら自前のトリガーを使って戦うだろうがな。

 

 レイジさんが作ったご飯を頂いて満足したのでラピュタに帰る。

 ラピュタは玉狛支部の上にあるので直ぐに帰る事が出来る。

 

「お前等よく聞け。次の界境防衛機関御前試合人間兵器七番勝負は弓兵、アーチャーが相手だ。前回は試験運用も兼ねて極少数でやったけども今回はボーダーの本部で狙撃手(スナイパー)だったら誰でも参加する事が出来る」

 

 翌日、玉狛支部に向かう。

 昨日、合同訓練について説明をするのを忘れていたのを思い出した……無尽俵がヤベえ物だという説明をしただけに終わっただけだったからな。

 

狙撃手(スナイパー)って事は千佳とレイジさんが参加する事が出来るわね」

 

「言っとくが攻撃に使用していいのは狙撃銃だけ、アステロイドとかメテオラとかは禁止…………んでもって…………いや、これはいいか」

 

「なによ、またなんか隠し持ってるの?」

 

「いや、別に言わなくてもいい事だから言わなくていい」

 

「そう……レイジさん、千佳、この前ボコボコにされた遊真の敵を撃ちなさい!!」

 

「敵を撃つかどうかは別として合同訓練である以上は手は抜かない……お前達が、サーヴァントが黒トリガー以上の存在であるのはセイバーの一件でハッキリと認識している。油断はしない」

 

「頑張ります!」

 

「むぅ…………おれもサーヴァントと戦ってみたいな……」

 

 今回は狙撃手縛りがあるので参加する事が出来ねえ遊真は少しだけ羨ましそうにする。

 悪いが今回は狙撃手縛り……本音を言えば銃手も参加させてえけど、深雪が狙撃手だけにしておけって言ってるからな……先見の明を見切ることが出来る深雪が言うんだから、間違いはねえだろう。

 

「三雲の奴はどうしたんだ?」

 

「……修、まだ考えてるのね……」

 

 三雲がこの場に居ない事に気付く。

 その事に関して聞けば小南は呆れており、今いるリビングから訓練室に向かえば三雲を連れてきた。

 

「修、虹村が宣戦布告に来たのよ!千佳とレイジさんと全狙撃手を相手にするって言ってるから、ガツンと言ってやりなさい!」

 

「あの……」

 

「…………根気を詰め過ぎだ。俺達との合同訓練負けても問題ねえけどランク戦は負けたらアウトだけどよ……」

 

 三雲達は遠征を狙っている。その為には上に上がらなきゃならねえ……アーチャーと出会って火種を与えた結果、色々と考える様になったみたいだがそれが逆に視野を狭めているな。

 

「三雲……ちょっと気晴らしにバスケをするぞ」

 

「明日にランク戦を控えてるんです……なんとか戦うフィールドは決めれましたけど、最後を詰めを誤りたくないんです。心配してくれるのはありがたいのですが、ここを」

 

「強くなるヒントを与えてやる」

 

「……ホントですか?」

 

「ああ」

 

「待て、虹村……答えを教えるのは禁止だ。考えさせて修の血と肉に変えないと修は本当の意味で成長しない」

 

 三雲にさらなる火種を与えようとすればレイジさんが止めようとする。

 三雲は弱いから自力で色々と考えないとダメ……答えを教えたら意味は無いという。

 

「安心しろ、俺は必殺技の概念を教えるだけだ……具体的な必殺技は教えねえ……っと、コシマエも呼ぶか」

 

「……なら万が一に備えて監視させてもらうぞ」

 

「ああ、いいぞ」

 

 修の成長をホントの意味で願っているレイジさん。万が一を想定するが俺はそんなヘマをやらかさねえよ。

 ラピュタに戻って自分の部屋に向かってバスケットボールを持ってきてレイジさんと三雲と千佳と遊真を連れてバスケットコートに向かえば先客がいた。

 

「あ、レイジさん……珍しいっすね、こんな所で会うだなんて」

 

「なに、ちょっとな…………それで、お前は必殺技のなにを教えるつもりなんだ?」

 

 柿崎隊の柿崎と風間隊の風間さんと歌川と那須隊の熊谷と三輪隊の米屋がいた。

 レイジさんがあんまり現れない場所であるバスケットコートで会わないので少しだけ意外そうにする柿崎。

 

「お前は確か昨日の」

 

「サーヴァント、アーチャー。虹村修蔵……さて、ボーダーの諸君…………ランク戦において是非とも必殺技を会得してほしいと俺は思っている……まぁ、口で言うよりも見せた方が早いから普通にバスケやるぞ」

 

 昨日、俵藤太の米を回収しに来た時に柿崎と出会っている。

 カルデアに関して詳細が伝えられてるかどうかは知らねえから適当に自己紹介をした後に普通にバスケを……いや、バヌケをはじめる。

 

 

───ドーン!ドーン!

 

 

 

「な、なにこのドリブル!?」

 

「今回は試合じゃなくて説明だからな…………5本指のガチで行かせてもらう」

 

 爆音を鳴り響かせるドリブルをすれば熊谷は驚く。

 さっきまで纏っていた雰囲気を一転する様に集中力を高めれば熊谷はディフェンスに入ろうとするがそれよりも素早くあっさりと抜いた後にレイアップシュートを決める。

 

「……スゲえな」

 

 柿崎はドリブルの凄さに感服する

 

「コレでも元日本代表だからな……じゃ、続けるぞ」

 

 具体的な事はなにも言わない。先ずはと三雲に色々と見せる。

 フェイダウェイの3Pシュートとか色々と見せる

 

「バスケに詳しくないですけど……虹村さん、スゴいですね……」

 

「さて、まだ色々とあるけれども……お前や多くのボーダー隊員に足りないものがある。それは必殺技だ……必殺技があれば色々便利だ」

 

「……確かに必殺技があれば敵を倒せますが」

 

「ちげえよ、そういうのだけが必殺技って言わねえんだよ」

 

 三雲に必殺技があればいいと言えば弱い自分に必殺技の1つでもあれば敵を倒す事が出来ると考える。

 けど、俺が言いたい必殺技ってのはそういう必殺技だけじゃねえんだよ。他にも色々と必殺技なんだよ。

 

「三雲……必殺技ってのはなんだと思う?」

 

「えっと…………敵を必ず倒す技です」

 

「そう、普通はそう認識する。実際問題その認識で間違いはねえけど、それ以外にも必殺技は存在している……必殺技ってのはその人の得意な武器なんだよ」

 

「得意な武器?」

 

「さっきバスケで色々と見せただろ?ドリブル、パス、シュート……バスケにおいて絶対なのはシュートだけどもそこに至るまでに色々とある。一番最初にやったドリブルがその一例だ…………相手をぶっ倒すだけが必殺技じゃない、劣勢な状況をひっくり返して自分の得意な盤面を作り上げるのも必殺技と言い、更には自分の個性、得意な事の延長線にある他の人に負けないものが必殺技だ…………コレを見ろ」

 

 五角形のパラメーターを三雲達に見せる。

 これはなんだと三雲達は疑問を持っている……説明が無いなら誰もそう思うので俺は説明をする。

 

「この五角形のパラメーターは1から5段階でスピード、パワー、スタミナ、メンタル、テクニックのパラメーターだったとする……どんなパラメーターが理想形だと思う?」

 

「……スピードもパワーも全部がオール5です」

 

「確かにそれが理想形だ……だが、それが出来ないのが現実だ。トリオン能力の都合上を含めて様々な理由でオール10は不可能、そこにいる全部のポジションを熟すことが出来るレイジさんでもオール10に近しい存在でもオール10ではない……理想を見るのはいいが現実を見ねえといけねえ」

 

 俺は五角形のパラメーターに☓を入れる。

 風間さん達も真面目に聞いているので悪ふざけは一切しねえ。

 

「だから自分の得意な方向性を伸ばす。スピードのパラメーター、パワーのパラメーター、テクニックのパラメーター、メンタルのパラメーター、スタミナのパラメーター……全てのパラメーターを伸ばす事も大事だが自分にとって得意なパラメーターを重点的に伸ばすのが大事で、その伸ばしたパラメーターを実戦で戦える武器にすればそれはもう必殺技と言えるんだ」

 

「つまり……僕らしい強さを見つけろという事ですか?」

 

「……頭が抜けて強い奴は何れかのパラメーターが飛び抜けている、無論全てのパラメーターが平均値よりも高くてなにかがずば抜けてないけど強い人間も中にはいるが基本的には何かしらのパラメーターが高い、パラメーターが低くて強い奴は存在してねえ……自分の能力に合わせて自分の色、個性を見つける。ボーダーは武器を統一しているが武器の使用方法や戦術は自由にしていいとしている、自由度がある程度は高いから様々な戦法を模索する事が出来る…………グーだけがチョキだけがパーだけが最強じゃねえ」

 

「……理屈は分かったし言いたいことも分かるけど…………それでも上に上がる事が出来ねえのはどうすんだよ?」

 

 俺の言いたいことを柿崎も理解した。だからそれで上に上がる事が出来ねえ事に関して聞いてくる。

 

「そういうのは個人の能力が平均値より低いかチームの能力とチームの方針が合わないパターンが多い…………ボーダーのランク戦は試行錯誤を繰り返す事が出来る場所の筈だ。だったら色々と挑戦してみろ、今の自分達が弱いダメな奴だと思っているなら1シーズンを棒に振っても構わないと覚悟を決めて腹を括って今までにないやり方を模索しろ、失敗を許される練習の場なんだから必殺技の領域にまで至った型が無いならば上に行きたいなら安定性を、安牌を求めるな……後バランスが良いのが悪いとは言ってねえぞ。綺麗なパラメーターは安定性と安心性が生まれる、たまに物凄いハイスコアを叩き出せるけども基本的には平均値よりも低いスコアを叩き出す事が出来るのと物凄いハイスコアを叩き出せないけれども常に平均値よりも上のスコアを叩き出す事が出来るのは方向性違うだけでどちらも凄まじいものだ」

 

 安定した2〜5までを出すタイプと安定しない1か6かのどっちかしか出さないタイプ、どっちも価値がある。

 まぁ、世の中には基本的には6しか叩き出さねえマジな天才とか化け物が存在してやがる……赤司とかスワベエとかが良い一例だな。

 

「自分の性格、能力を見つめる。そこで自分の色を見つけて伸ばす……バスケもそうだ、ドリブルという技術を伸ばして必殺技にする。パスという技術を伸ばして必殺技にする。フェイクという技術を伸ばして必殺技にする。フェイントという技術を伸ばして必殺技にする……シュートを決めてゴールにボールを入れることが出来るだけがバスケじゃねえ…………お前の色を伸ばして確立された個の力を会得して必殺技や必殺の型を見つけろ」

 

「僕の、色を…………」

 

「1から5段階の評価のパラメーターでオール5になるのが不可能だと思ったのならばどれかのパラメーターを6にする事を視野に入れろ……マジものの天才は何かしらのパラメーターが6とか7で外がオール5とかあるが」

 

「虹村さん、来ましたよ……あれ、お取り込み中ですか?」

 

「今、終わったところだ…………ついでだから面白いものを見せてやるよ」

 

 言いたいことを言い終えた。三雲や柿崎、風間さんもなにが伝えたいのか分かってくれた。

 三雲が色を見つける事が大事なのを分かってくれたのならばそれでいい……柿崎も色の見直しをしようかって考えてるけども。

 

 言いたいことを言い終えた。レイジさんがそれ以上は言うなと言ってこないのでなにも問題無いと思っているとコシマエがやってくる。

 思ったよりも時間がかかったが中々にナイスなタイミングでやって来た。再びバスケをするのでコシマエに耳打ちをする。

 

消える(バニシング)ドライブをする」

 

「……仕込みは出来てるんですか?」

 

「ああ、もう充分なほどにな」

 

 俺が三雲に対して出来る最大限のヒントを与える。

 レイジさんに怒られるかどうかは分からねえが、答えを言っているも同然な事だ。三雲にパスをもらい軽くドリブルをした後にコシマエにパスをすれば歌川がディフェンスに入るので動いた

 

「なっ!?」

 

「消えただと!?」

 

「よっと……こんな感じでいいですかね?」

 

 俺が動いたと思えばコシマエがドライブで切り込み普通にレイアップを決める。

 歌川達は見ていた筈のコシマエが消えたのだと錯覚している…………

 

「こういうタイプもある」

 

「……なにしたんすか?」

 

 真面目にディフェンスをしようとしていた歌川を米屋は見ていた。

 米屋だけでなく他の面々もちゃんと見ており、見失った原理に関して説明を求める。

 

「引っ掛かったんですよ、虹村さんの巧妙な手口に」

 

「どういう意味だ?」

 

「ここに来るまでに虹村さんは目立っていた……皆さん、虹村さんがなにかをすると心の何処かで思っていて見ようとしなくても無意識に見ていた。だから僕がボールを持った際に虹村さんはほんの少しだけ皆さんの視線を僕じゃなくて自分に向くように誘導した……ミスディレクションという視線を誘導する技術を応用した技術…………その人がスゴいと思わせてその人を頭に意識させて意識を誘導する手品のテクニックの1つ」

 

 コシマエがなにをやったのかを歌川に教える。

 コレは前の世界ことラブライブの世界で黛さんと手を組んで奇跡の世代がいるB1リーグを勝ち抜く為に会得したミスディレクション・オーバーフローの技術を応用した消えるドライブ、1人が目立ちコイツはヤバい奴、エースだと認識をさせて逆に目立ち他の選手への意識を奪う技だ。

 

「伝えたい事は伝えたから、後は頑張れよ……さ、コシマエ。バスケやろうぜ」

 

「はいはい、分かりました」

 

 コレで三雲がパワーアップするかどうかは……謎だな。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。