運命/世界の引き金   作:アルピ交通事務局

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ワールドトリガー恒例の炒飯ネタをやろうとしたが取りあえずこっちの方をすることにした。


栄光のクリスマスロード(バカ) 

「クリスマス?」

 

「うん!……もしかして知らないの?」

 

 遊真がボーダーに入隊云々を阻止すべく、黒トリガー争奪戦があった。

 基本的に余程の災厄が起きばい限りは傍観に徹している越前達はなにか原作とズレは無いかとコッソリと監視したりするぐらいで特に介入はしてこない。

 実力派エリートこと迅が黒トリガーである【風刃】を本部に差し出して遊真の入隊を許可してもらい、はや数日と言ったところ。季節は既に冬であの季節……クリスマスがやってくる。

 

「聞いたことがある。フライドチキンを食べる日だと」

 

「そうじゃないよ」

 

 間違った認識(一位の奴に)をしてしまっている遊真の認識を訂正する千佳。

 フライドチキンを食べてお祝いをする日なのを伝えると舌を出して美味そうだなとアピールをするのだが、赤い服を着たお爺さんが家に侵入してプレゼントを置いていくと言われて変な想像をしてしまい食欲が失せてしまう。

 

「そのサンタっていったい何者なんだ?」

 

「いい子にしてる子供にプレゼントを送るお爺さんだよ」

 

「むぅ……聞いた限り、ただの不審者としか思えない」

 

 そんなこんなで学校も終わり、仲良く玉狛支部に向かう千佳と遊真。

 端から見れば仲のいいカップルかと思えるがどちらも小学生みたいなちんまい見た目をしておりそうは思われない。

 

「おはようございます」

 

「ただいま~」

 

 玉狛支部に足を運ぶ(帰宅)、遊真と千佳。

 何時もならばここに修が居るのだが生憎な事、本日不在である。

 

「来たわね!!って、修はどうしたのよ?」

 

 帰って来た2人を出迎えるは元ボーダー1位(元)の小南。くぎゅうボイスが似合う深雪を苦手とする人物で、2人を待ち構えていたのだが修がいない事に直ぐに気付く。

 

「オサムなら本部に呼び出されたよ」

 

 この場に居ない理由を遊真から聞かされると直ぐに納得をする小南。

 先を越されてしまったと少しだけショックを受けるのだが、直ぐに持ち直す。

 

「修くんになにか用事があったんですか?」

 

「修に用事って言うか、あんた達全員に用事があったのよ」

 

「ほほぅ、おれ達全員にですか」

 

「ええ!あんた達ならきっとやってくれるって思ったのだけど、あのおっさん達も流石に動くわね」

 

 既にボーダーの隊員の修なら呼び出されて当然かと妙に納得をする小南。

 ボーダーから支給されている携帯端末を確認するとメールが入っていることに気付く。

 

「あの、なんの話をしているんですか?」

 

「いい、これはボーダーの機密だから絶対に喋っちゃダメよ」

 

「それならまだボーダー隊員じゃないおれ達に喋ったらダメなんじゃ」

 

「1月8日になれば入隊するんだからいいのよ……驚くんじゃないわよ」

 

「なにがあるんですか?」

 

「……サンタクロースは、実在するのよ」

 

「……え?」

 

 

 

□■□■□■□■□■□■□■□■□■

 

 

「久しぶりだな、本部に来るのも」

 

 時刻はちょこっと遡り、修に視点は切り替わる。

 ボーダーから与えられている携帯端末から支給本部にやって来るようにと命じられた修。遊真の一件で色々とあり、本部に顔を出しづらい状況になっており本部でなく玉狛支部で色々と鍛えていた。

 敵対しているとは言いがたいが、それでも顔を合わしにくい立場であるにも関わらず呼び出されたら行くのは修の素直なところである。

 

「よぅ、修」

 

「林藤支部長……」

 

「そう緊張するな。別に誰かを怒るとかそういう感じじゃない」

 

 周りには見知らぬボーダー隊員だらけで心臓がバクバクの修の背を叩くは玉狛支部の支部長、林藤。

 今からなにをするのかを知っているので思わず笑ってしまう。

 

「時間内に全員集まったようだな。何時もなら忍田本部長が色々と説明をするが、今回は玉狛支部の支部長である林藤匠が挨拶をさせてもらう……」

 

「本部長じゃない?」

 

 集められたボーダー隊員の中には見たことがある人達もそれなりにいる。

 そんな中で挨拶を始めるのは本部の部長である忍田本部長でなく自身が世話になっている林藤支部長が顔を出す事に疑問を持つ。

 それは修だけでなく本部所属の那須隊や諏訪隊、三輪隊と言った面々がなんでと言った疑問を浮かび上げる。

 

「なんで今回皆が集められたかというとだ、極秘ミッションの為だ。くれぐれもこの事は口外をせず、もし無理そうだったら断ってもいい。今回ここに集められたのはミッションの当日休みの連中だ」

 

「当日つったら、クリスマスか。林藤さんよ、こっちも暇じゃねえんだ。勿体振らずに言ってくれよ」

 

 真面目に喋ってるものの胡散臭さと笑みを隠さない林藤支部長。

 なにか裏があると察した諏訪隊の諏訪さんは用件をとにかく聞きたがる。

 

「ああ……名付けてサンタクロース捕獲計画だ」

 

「おーし、帰るぞ堤。クリスマスは徹夜で麻雀って決まってんだよ」

 

 くだらない。

 実にあまりにもとにかくくだらない内容で帰ろうとする諏訪さん。

 他の面々もなに言っているんだこいつと言った顔をしており、断っていいのならば帰ろうかなと帰る姿勢を見せる。

 

「林藤支部長、流石にそれはないだろう。サンタクロースが存在しないことぐらい、オレでも知ってるぜ」

 

 呼び出した用件がそれかと呆れる米屋。

 この場に居るのは中学生以上の面々でサンタクロースが実在しているなんて思わない。そういう年齢はとっくの昔に過ぎているなんとも心がすさみ汚れてしまった連中である。

 

「ところがどっこい、これが実在するんだよ」

 

 しかし、そうはいかないのが現実である。

 いい歳したおっさんがなにを言っているのだろうかと周りが冷たい視線を向ける中、那須隊の日浦茜が挙手をする。

 

「あの、私、去年サンタさんにプレゼントを貰ったことがあります」

 

「お、やっぱり心当たりがある奴がいたか」

 

「あの、自分も貰ったことがあります」

 

 茜に続くかの様に手を上げる柿崎隊の巴。

 それに続いてサンタからのプレゼントに心当たりがあるボーダー隊員達は手を上げる。

 

「そう、お前達がもしかしてと思うプレゼント、あれは実はサンタクロースがお前達に送ったプレゼントなんだ」

 

「馬鹿馬鹿しい。なにがサンタクロースだ」

 

「おい、秀次、何処に行くんだよ」

 

「こんなくだらない任務なんてやっていられるか!!」

 

 最もらしい意見である。

 サンタクロースなんてフィクションの存在で実在はしないんだと三輪隊の三輪は帰ってしまう。一応は自由参加の任務なので参加しないなら参加しないでこの任務は極秘だから口外しないでねと言っておいた。

 

「てか、迅さんが裏でなんかしてんじゃねえの?」

 

 サンタクロースに捕獲なんて年頃じゃないと何名かは出ていった中で残った米屋。

 一番サンタクロースっぽい事をしそうである実力派エリートである迅がサンタ、迅サンタじゃないのかと疑惑を上げる。

 

「残念だが、迅はサンタじゃない。本人も違うと言っているし、なによりプレゼントが配られたであろう犯行日時に迅は玉狛にいた」

 

「犯行日時って……」

 

 もう少しまともな言葉はないだろうかと冷や汗をかく修。なんだかスゴく嫌な予感がする。

 

「ってことはアレか?ボーダー隊員でもない誰かがボーダー隊員の家に侵入してプレゼントを置いていったってか」

 

「まぁ、そうなるな」

 

「おいおい、そりゃ警察沙汰だろう!!」

 

 聞けば明らかに自分達案件じゃないことに叫ぶ諏訪さん。

 何処からどう見ても警察案件なのだが、季節と犯行時刻からしてマジのサンタクロースなのかもしれない。

 

「確かに警察沙汰だが……もしかしたらサンタクロースは近界民(ネイバー)かもしれない」

 

「どんな結論だ……つか、こういう事をやらせるんだったら迅はどうしたんすか?」

 

 困った時には実力派エリートだ。

 こういう時こそ迅の未来視のサイドエフェクトの利用だが、肝心の迅は何処にもいないことを指摘する諏訪さん。

 

「それがどうもサイドエフェクトが上手く噛み合わなくてな……クリスマスを楽しんでる未来は見えるんだが、誰1人としてクリスマスにサンタクロースと戦ってる未来は見えない。恐らくだが、サンタクロースの顔を見ていないからその未来が見えないと断定されている」

 

「マジかよ……」

 

 なんだかんだで頼れて便利なサイドエフェクトを持っている迅。

 ボーダーの重要なポストに居る筈の彼だが今回は彼が全く使い物にならない事に何名かのボーダー隊員は驚きを隠せない。

 

「それってサンタさんが今年は来ないからじゃないんですか?」

 

「いや、それがプレゼントを貰って喜んでいる未来は見えてるらしい」

 

「プレゼントを貰う過程が見えないのね……」

 

 今までにない前代未聞な事に頭を悩ませる那須。

 一見、馬鹿馬鹿しい様に見えるがボーダー隊員の家に不法侵入してはプレゼントを配ると、冷静に考えてみればサンタクロースは犯罪者かなにかじゃないかと深く考え込んでしまう。

 

「今のところこちらの結論ではもしかするとサンタクロースは近界民(ネイバー)なのかもしれないことだ」

 

「サンタが近界民……?」

 

 そういえば空閑がクリスマスを知らなかったことを思い出す修。

 向こうの世界の事を知っているのならばサンタ=近界民は無いのではと疑問に思うが口にはしない。

 

「子供の頃、サンタクロースを捕まえれば無限にプレゼントをゲットできるって夢を見たけどまさか捕まえる日が本当に来るとはな」

 

 今回の作戦にノリノリの米屋は笑う。

 サンタを信じていた幼き頃サンタを捕まえてプレゼントを沢山ゲットするんだと言うよくある欲深い事を考えており、今回それを本当に実行するある意味ロマンが溢れる話だ。

 

「因みにだが玉狛の面々もこの事は伝わっている……サンタクロースを捕獲するぞ」

 

 なにを言っているんだろう、このおっさんは。

 流石に付き合いきれない隊員も続出しており、純粋にクリスマスを楽しみたいと言う面々は帰っていきほんの一握りしか残らなかった。

 

「あの、僕も帰っていいですか?」

 

 流石に修も付き合いきれないので帰りたがる。

 

「ええ、参加してくれないのか?」

 

「参加しませんよ」

 

 如何に世話になっている支部長と言えども、はいそうですかと参加するほど修はお人好しじゃない。

 なにやらロクな未来は待ち受けないと修はある人物の事を頭に浮かべるのだが、喋ってはいけない約束なので修は喋らず、林藤支部長のやってくんないのと言った顔を無視して普通に帰路につく。

 

「ウェルカム、修」

 

「……」

 

 そんな帰路に着いた時の事、頭に浮かべた人物ことコシマエが自分の目の前に現れる、と言うか待ち伏せをされていた。

 

「越前……いや、コシマエ。お前がサンタクロースだろ?」

 

 こんな偶然があってたまるか。

 話題になっている人は恐らくはと言うか絶対にこいつだと少しだけ呆れた視線を越前に向けつつ、こっち関係の事なので名前を呼ばず愛称で呼ぶ。

 

「う~ん、残念だな」

 

「残念?越前がボーダーで噂になっているサンタじゃないのか?」

 

 こんなところで自分を待つなんてそれこそサンタと言っているみたいなものだ。

 遊真がサンタとかクリスマスを知らなかったし、サンタは近界民ではないならば目の前に居る男がそうであろうとなるのは至極当たり前の考えだが、少しだけ気難しそうな顔をする。

 

「残念だが、去年のサンタと今年のサンタクロースは別なんだよ」

 

「別?……」

 

「サンタクロースは毎年ローテーションで回すことが決まっててね、去年サンタした人と今年サンタをする人は別なんだよ」

 

「……そういえば7人いるって言ってたな」

 

 昨年、ボーダーの隊員にプレゼントを配った人ではないと手で×印を作るコシマエ。

 彼以外にも何名か仲間が居ることを思い出した修は納得をするのだが、この場に来たと言う事はと少しだけ嫌な予感がし、一歩だけ引いてしまう。

 

「そう身構えるな、今はサンタとしてお前にプレゼントを持ってきたんだ」

 

「プレゼント?」

 

 ロクな事をしなさそうな彼から貰える物はなんだか嫌な予感しかしない修。

 放送に包まれている細い長方形のプレゼントを貰うと、安全な物なのかと一先ずは振ってみて音はしないので大丈夫な物だとホッとするとコシマエからの視線を感じたのか恐る恐る包装を破る。

 

「こ、これは……!!」

 

「え、なにこれ?」

 

 中身を知らないコシマエは驚く、中身を知った修は目を輝かせる。

 

「絶対にみたい世界の橋……」

 

「こんな物をもらっていいのか!?」

 

 修が手にしてる物もとい本、それは絶対にみたい世界の橋と言うかなりシンプルなタイトルの本だった。

 サンタの能力で相手が望むプレゼントを出すことが出来るがどんなプレゼントが出てくるかは分からず、出てきたもののあまりの地味さにコシマエは思わず引いてしまう。もっと言えば、それに喜んでいる修に対しても若干だが引いてしまう。

 

「お前、こんな物が欲しかったのか……」

 

「あ、わ、悪い。つい取り乱してしまって」

 

「いや、うん……公衆の面前だからあんまりテンションを上げないでくれよ」

 

 今までこんなにテンションを上げている三雲修が居たのだろうか?否、存在していない。

 まさかこんな地味なプレゼントでここまでテンションを上げるとなるとサンタとしても困ってしまう。公式設定で修の好きなものは橋であり、橋に関する本をあげただけでここまでテンションを上げるとなるとジオラマとかあげるとどうなるか恐ろしい。確かにこういう本は元々それなりの値段がついていて絶版に近く、最低でも数千円で取引される代物だが、もう少し豪勢な物は無いのかと修の物欲に若干の心配をする。

 

「本当にもらってもいいのか?」

 

「今の僕はサンタクロースだからね。子供が本当に欲しいと思っている物をプレゼントしないと……例えそれが地味な物だとしても」

 

 もうちょっと良いものを要求して欲しかった。コシマエは少しだけ遠い目をしているが修はそれに気付かない。それだけ貰ったプレゼントの喜びに浸っているのだから。

 

「コシマエは……越前はこれからどうするんだ?」

 

 プレゼントを貰った熱も冷めていき、少し冷静になった修。今後の予定を尋ねる。

 

「なにサンタクロースとしての責務を全うするだけだ」

 

「そうか……ボーダーがサンタクロースを捕まえようとして作戦を練っている。今、ボーダーに向かうのは危険だ」

 

 ボーダー隊員でなく1人の友人として忠告をする修。

 もし彼が捕まったらどうなるのか分からないが大変な事になるのは確かだ。1人の友人として彼には捕まってほしくはないと願っている。

 

「安心しろ、古来よりサンタを捕まえてプレゼントを沢山頂こうと考えるクソガキは多い。そしてそういった輩を相手にサンタは幾度となく乗り越えてきた。例え相手が世界を繋ぐ者達だとしても構わない、むしろ相手になってやろうじゃないか」

 

 シュッシュとシャドーボクシングをするコシマエは誰にも止められない。

 なにせ現在彼のトリオン体は施しの英雄と言われた男のサンタクロース版と全く同じであり、物凄いまでの早さになっているのだら。

 

「まず最初に目指すは玉狛支部……今年、クリスマスがはじめてな遊真は……へぇ……うん……なるほど」

 

 遊真が欲しいプレゼントを見て、納得して微笑むコシマエは走っていく。

 本来ならばサンタクロースはソリに乗ってプレゼントを配るのだからコシマエは騎兵(ライダー)でなく剣士(セイバー)、否、拳士である為に走っていく。

 本来ならば不審者を見るような目を向けられるが、そこはサンタクオリティ。物凄い速さで駆け抜けていき、誰にも気付かれない。サンタクロースと言うのは古来より堂々と姿を現してプレゼントを配ったりするが、時には姿を潜ませて夜中にプレゼントを配ったりする。つまりなにが言いたいかと言えば

 

「気配遮断EXは伊達じゃない」

 

 クリスマスはまだまだ続く。




運命/世界の引き金こそこそ裏話

サンタクロースをやろうと言い出したのは音としからであり、転生者序列1位の人が一番最初にサンタをやった。
昨年のサンタクロースは深雪でありローテーションでサンタの役を回していく事になっておりプレゼントは謎のサンタパワーで手に入れており、物的なプレゼントを要求してくる人にも対応している
尚、修の橋好きは公式設定
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