茜ちゃんから離れるがボーダー本部には更に近付く。
「ところでどういう感じで遊真に伝わっている?」
今更ながら遊真にはどういう光景が見えているのかが気になる。
『私が見たものをそのまま写している。生放送というやつだ』
「ほぅほぅ……他の奴等には見られるなよ」
『抜かりはない』
そうやっている時ほど人は油断をするというもの。
絶賛、アホなことというか罰ゲームみたいな真似をしている僕が言えた義理じゃないか。
「サンタさん、見っけ!!」
そんなこんなで更にボーダー本部に近付くとやって来るチビッ子。
数少ない中学生A級隊員こと緑川がこちらに向かってきており、その手には
「ふむ……」
「よねやん先輩、いずみん先輩、サンタさん居たよ!!」
同じバカであり先輩である出水と米屋に報告すると、2人も近付いてくる。
「おお、マジでサンタの野郎居やがったのか」
「でも、なんかサンタっぽくないな。普通、真っ赤な服に真っ白な髭だろ」
「それはお前達が後付けしたイメージで、サンタクロースとは元々聖ニコラウスが貧しい子供達に金貨を与えたことが起源となっている」
「へ~そうなんだ」
マジでサンタが居たのかとテンションを上げる3バカトリオ。
さっき茜ちゃんに言ったことを教えると緑川は納得する……ふむ。
「米屋陽介……申し訳ない」
「ん、オレになんか悪いことをしたのか?」
いきなり謝られて困惑する米屋。
今年渡すプレゼントが書かれたリストに目を通すと彼の名前が載っており、プレゼントが非常にややこしい物になっている。
「お前にサンタからプレゼントがあるが、少々ややこしくてな。今すぐに渡すことは出来ない……他の面々にプレゼントを配り終えた後になってしまう」
このプレゼントは今すぐに渡すことが出来るが時間が掛かってしまう代物だ。
「よねやん先輩、なんか欲しいものでもあるの?」
「いや……A級だし金に困ってるわけじゃないし、欲しい物は大体買えるから特にこれと言ったものはないな」
プレゼントに心当たりがない米屋。それもそのはずだ。
なにせ今回のプレゼントは物質的な物じゃない。遊真と同じく概念的な代物だ。
「なにお前が物凄く喜ぶプレゼントであることは事実だ……期待しておけ」
「マジか、なにくれるんだろ?」
「ねぇねぇ、オレ達にプレゼントは?」
プレゼントを想像する米屋を横に緑川は物欲しそうな目で聞いてくる。
この野郎、お前もA級隊員ならば固定給+出来高でそれなりに給料貰ってるだろうに……。
「残念だが、今年はお前達2人にはプレゼントは無い!!」
「えーっ!?よねやん先輩だけなの!?」
「いや、他にもまだ何名かプレゼントを送る人はいるよ……え~っと、黒江ちゃんとか」
「双葉だけとかズルい!!」
「オレ達にもプレゼントをくれよ!!」
高給な14歳と17歳がなにを言ってやがる。
「すまないな、オレだけプレゼントを貰って」
貰うことが確定している米屋は物凄いキメ顔で申し訳ないと思っていない。
今年の勝ち組と書かれた襷を掛けても許されるんじゃないかなと思えるぐらいにはドヤってる。
「いずみん先輩、こうなったらサンタさんを捕まえよう!!」
「おう、てか元からそれが仕事だからな」
プレゼント欲しさにサンタクロースを襲うのは世の常か。
出水はトリオンキューブ(弾)を出し、緑川はスコーピオンを取り出す……。
「サンタクロースを舐めるな!!」
さっきと似たような展開が起きても動じない。
よっしゃバトッてやろうと意気込む出水と緑川の元に緑色の閃光が走る。具体的に言えば聖闘士星矢のライトニング・プラズマ的なのが発生する。
「え……」
『トリオン体、損傷、活動限界』
「嘘だろ!?」
『
僕の拳をモロに受けた2人のトリオン体は粉々になって消え去り、2人は緊急脱出機能で本部へと帰還した。
「古来よりサンタを捕まえてあんなことやそんなことやこんなことをしようと企む者は星の数ほどいる。それをサンタは難なく乗りきった……サンタをただの中年太りの親父と思うな!!」
「サンタ、パねえ……お前等、無事か?」
考えることを放棄した米屋はそれでと納得し、一応やられた2人を心配する。
やられたのはトリオン体なので怪我とかそういうのはないのだが、心の方は無事だろうか?
「さて、僕はプレゼントを━━」
「韋駄天」
引き続き配りに行こうとするのだが、その前に一筋の閃光が走る。
例えるならばそう。ポケモンのピカチュウのボルテッカーの如く速度を上げながら此方に向かって突撃し切り込んで来るのだが、僕はそれを難なく避ける。
「外した!?」
不意打ち+高速での攻撃で確実に攻撃が当たると思っていた小さな戦士もとい黒江双葉。
まさか向こうからやって来てくれるとは、いや、それよりもこんなバカげたことに参加しているのは意外だが、だからといって手を抜かない。サンタたるもの子供相手に真剣に取り合わなければならない。
「スカンダの名を使いし技だがあまりに遅い。それではスカンダの名が泣いてしまう」
「……スカンダ?」
「韋駄天の事だ。韋駄天とはヒンドゥー教の神、スカンダの仏教での呼び名と思えばいい」
仏教の十二天は主にインドの神々の事であり、国や地域によって言い方が異なる。
神話に関して詳しくなさそうなのでざっくりとした説明をすると納得してくれる。
「サンタクロースってキリスト教じゃ」
代わりに別の疑問を持つ。
「細かいことを気にするな……というかこの国では宗教の自由やごった煮が許されているだろう」
イースターやってこどもの日をやってお盆やってお月見やってハロウィンやってクリスマスやって大晦日やってお正月をやって節分をやってバレンタインデーをやってととにかくこの国はなんでもありなんだよ。
「それもそうですね」
なんでもありなのがこの国だ。そう納得をした黒江ちゃんは弧月を構えるのだが、襲いかかってこない。
必殺技とも言うべき韋駄天がいとも容易く避けられたどころか韋駄天がなんなのかを教えられており、警戒心を極限まで上げ、無理に攻めようとはしない。
「そう身構えないで、僕はサンタクロースとしてプレゼントを届けにやって来ただけだ。交戦する意思はない」
茜ちゃんはあっさりと行ったけども黒江ちゃんは中々に上手くいかないな。
「貴方に無くても、私にはあるんです」
「ほぅ……サンタとして人に感謝されることはあれども嫌われる理由はあまり思い当たらないな。差し支えがなければ、事情を話してくれないか?」
去年、一昨年と色々バカをやっていて指名手配をされてるのは分かっている。
しかし大半のボーダー隊員がサンタなんて居るわけないとかマジでサンタクロースが居たとテンションを上げるかの二極であり、真面目に捕獲しようとする素振りがあまり見えない。
「……今日、加古さんが誕生日なんです」
……あ。
しょんぼりした感じ黒江ちゃんが教えてくれると僕に向かって複数の弾が飛んでくる。
あまりに突然の事で驚いてしまうが、この程度でやられるサンタクロースではなく簡単に避ける事は出来た。しかし、問題はそこではなくこれを撃った人がいるということだ。
「見つけたわよ」
セレブリティ溢れる一般人、ボーダーが誇るA級ガールズチームのリーダーであるBBAもといファントムババア、加古望……本日が誕生日である。
「貴方のせいで私の誕生日が台無しよ」
表情や声色は変えていないものの明らかに怒っている加古さん……。
「しかしそれはお前だけではないはずだ。この日に生まれた者は皆、【クリスマスと誕生日を一緒にされる】と言う業を背負ってしまっている」
僕の誕生日はクリスマスじゃないから苦しみは知らないが、この日付近で生まれた人は皆、面倒な宿命を背負っている。
こればっかりは神の子にでも文句を言え。セイヴァーでロン毛のあの男を引き当てる時が来るかもしれない。
「それもあるけど貴方の存在自体が邪魔なのよ。折角、皆が今日を祝ってくれるのに貴方の登場で台無しよ」
「まぁまぁ、加古ちゃん。相手はサンタなんだから」
「そうそう、プレゼントを配るのがサンタの仕事だろう」
「太刀川さんに堤さん……今日は居ないと思ったら、何処にいたんだ?」
「何処って加古ちゃんの誕生日を祝ってたんだよ……危うく呪われそうになったけど」
「そうそう。今日から酒を飲める凄い大事な日なんだよ……酒に飲まれたらよかったんだけど」
加古さんに従うかの様に出てくる糸目の堤さんとアゴヒゲ太刀川さん。
誕生日を祝っている姿を見せてはいるものの、最後の辺りで愚痴を溢しているのを見るとなんとなくなにがあったかを予測することは出来る。
「それでサンタクロースは私になにをくれるのかしら?」
「……なにを言っている?」
貰えて当然な顔をしている加古さん。本当にこの人はなにを言っているのだろうか?
「サンタクロースとは子供にプレゼントを送る者であり、そこの二十歳3人にはプレゼントなんて物は無い!!」
サンタとはプレゼントを渡す大人だ。
今日からそんな大人の仲間入りをする加古さんに渡すプレゼントはない。むしろあんたは渡す側だ。
「堤くん、太刀川くん、殺るわよ」
おっと、随分と好戦的だな。
逆鱗に触れまくっているのは薄々分かっていたので警戒は怠っておらず、何処から誰からでも何時攻撃されても問題は無いようにしているが、うん……。
「戦う前に黒江ちゃんにプレゼントをさせてくれ」
「ちゃん付けはやめてください」
「え~やだよ」
実年齢なら当の昔に、100を越えているジジイの僅かながらの楽しみなんだからやめない。
こっちに向かって襲ってくる前にやることはやっておかないといけないとプレゼントが入っている箱を取り出し、黒江ちゃんに渡す。突っぱねるかと思ったが意外と律儀に貰ってくれるのは根はいい子なんだからだと思う。
「重い……もしかして!」
「おいおい、それは朝にすることだろう」
包装を破る黒江ちゃんを暖かい目で見守る太刀川さん……直ぐに表情は一転する。
「あら、それって……」
「中華鍋だよね」
僕が渡したプレゼントは中華鍋とお玉のセットだ。
ただの中華鍋とお玉でなく数十万程の値がする最高級品の中華鍋で、子供の黒江ちゃんには中々に手が出せない代物だ。
しかし、料理が得意でも今から始めるわけでもないのに何故か中華鍋を貰ったことに疑問を持つ黒江ちゃん。直ぐにその疑問は解消される。
「加古さん、誕生日おめでとうございます」
黒江ちゃんの欲しいクリスマスプレゼント、それは加古さんへの誕生日プレゼントだった。
僕から貰ったクリスマスプレゼントを誕生日プレゼントに変えると笑顔を浮かべる加古さん。黒江ちゃんも良いプレゼントを渡せたと喜び、笑顔を見せる。
「サンタさん、ありがとうございます……その、加古さんになにを渡せば良いのか悩んでて、あんまり高い物もどうかなと」
「HAHAHA、サンタクロースは子供のために頑張るんだからお礼なんていいよ。それよりも加古さんとクリスマスいや、加古さんの誕生日を祝って上げなさい。ほら、追加のプレゼント!フルーツ盛り合わせだ!」
こういう良い感じの尊い姿を見れるから、この罰ゲームはやめられねえよ。
さっきまでとは一転してウキウキとした感じになっている黒江ちゃんはきゃわいい(尊)
「お前、なんてことをしてくれるんだ」
その一方で死んだような顔をしている太刀川さん。
「こんな良いものを貰ったら、早速使わなきゃ損よね!」
「……とんでもないことをしてくれたね。折角、炒飯から話題が逸れていって被害者を1人も出さずに終わろうとしたのに」
どれだけ怖いのだろう、あの人の炒飯は。
エリちゃん的なのが出てくるのかと想像したら口からトリオンを吐き出しそうだ。幽体離脱しそうだ。
「……サンタクロースは本来は子供にプレゼントを配るが、まぁ、その、なんだ……このスペシャルな胃薬をくれてやる。
「あ、ありがとう」
「サンタクロースからのプレゼントが正露丸か……」
いいえ、由緒正しい霊草で出来た胃薬です。
死んだ表情をしているが彼等の死の晩鐘はまだ示されていない……要するに死ぬほど辛いが実際には死なない運命にある。しぶとい運命だ。
「じゃ、僕はこのままプレゼントを配っていきます」
「って、おい!オレのプレゼントは!?」
「だから、最後だよ!!」
君のプレゼント、本当にめんどくさいんだよ。
加古さん達を放置し、マッハでボーダーの本部へと向かう。本部への入口は幾つかあり、堂々と入れる場所を知っているので本部へと堂々と侵入。既にA級B級と隊員達が何名かやられており、ボーダーの警戒レベルはMAXだが、サンタクロースを不審者だと警戒するのは現代でもよくあることなので気にすることはない。
「右!左!左!右!見よ、サンタクロースの華麗なフットワークを」
時折僕を捕まえたり倒したりしようとする輩が出てきたがサンタの前では無力に等しい。
警報音が鳴り響く中でもサンタクロースとしての本分を忘れることなく、プレゼントを配っていき遂には米屋以外のプレゼントを配り終えた。
『流石は1人で一国を落とせると言われるサーヴァントだ……殆どの隊員を圧倒している』
「なにこの身が超一級の英雄だからこそ成せる技だ。本来ならばもう少し弱いさ」
僕のこの圧倒的な強さに驚くしかないちびレプリカ。
僕の強さはこんなネタみたいな強さではなく技術的な強さにある。1位の人が言うには剣だけで技術16までいっている。でも、世の中にはもっと上がいる……転生する度に諏訪部キャラになるマイフレンドとかマジで化物だ。あいつ、本当にどんだけ強いんだって話だ。
『もう少しか』
「ああ、それでも三門市を破壊できるぐらいには強いがな』
慢心と言われようが、構わない。これが僕なんだから。
次々とプレゼントを渡し、時には敵を倒していき、ボーダーの本部を脱出。四方八方敵だらけで、ボーダー内は大騒ぎの中、僕は米屋の元へと向かう。
「待たせたな」
「あんた、滅茶苦茶騒ぎになってるぞ」
「なにサンタクロースが出現したのを見たのならば騒ぐのが人の道理、些細なことだ」
皆、サンタクロースを見ればサンタさんだとはしゃぐものだ。
「絶対違う気がする……それで、オレになにをプレゼントしてくれるんだ?」
自分がなにをプレゼントされるのか分かっていない米屋。
金で買えるものは大体買えるし、欲しい物とかは特にはない。仕事明けのうまい水とかは飲みたいが、それはまたプレゼントとは違うしと考えるので僕は答えるべくボクシングの構えを取る。
「米屋、お前は強い相手とのバトルを欲しているな」
「ああ……え、まさか?」
「ああ、そのまさかだ」
米屋はボーダーでランク戦をすることが好きなバカなボーダー隊員の代表だ。
そしてそんなボーダー隊員にするプレゼントは1つしかない。
「このサンタクロースとのタイマン、それがお前へのプレゼントだ」
今までは向こうから勝負を吹っ掛けて来たから、倒したのであって向こうがなにもしなければ僕はプレゼントを渡すだけだった。しかし今回は違う。プレゼントを渡すサンタとして自らの意思で戦うつもりで軽くシャドーボクシングをして威嚇する。
「いいな、そういうの」
ニヤりと笑みを浮かび上げる米屋。
下手なプレゼントを貰うより、こっちの方が何万倍も嬉しいようで槍を構えて戦闘態勢に入る……
「やはりこのプレゼントを最後にして正解だったな」
曲がりなりにもA級隊員……それなりには強い。
何度も何度も見ているので流石に学習はしてくれるだろうと高速で距離を詰め寄り、右手の拳を握り振るう。
「っぶねえ、マジか」
右手を振っただけで大地を抉る一撃を撃ったことに驚きを隠せない米屋。
この攻撃は防御してはいけない。防御できない攻撃で、すれば貫通させられると本能が察する……。
「これは軽いストレートだ」
右手の拳を避けたのは見事だが、これは所謂通常攻撃だ。
「その槍で僕を捉えられるか」
「嘘だろ!?」
残像を残すほどの素早さでぐるりぐるりと米屋の周りを回る。
物凄く素早い人は目にも止まらぬ早さだが、僕の素早さは軽く残像が見えるほどの素早さだ。
「舐めるな!」
素早くても円形に回っているだけならばどうにかすることは出来る。
一般教養は残念だが、こういうことならば簡単に見抜ける知恵を持っている米屋は槍で一回転しようとするが、僕はその槍の棒の部分を掴み、そのまま槍ごと米屋をぶん投げる。
「フィニッシュだ!!いくぞ!右!左!左!右!左!右!!スーリヤの力よ、我が拳に宿れ!
本当ならクロスカウンターでカッコ良く決めたいところだが、生憎相手の武器は槍とリーチが長い。
怒涛のラッシュに米屋のトリオン体は今までで1番な程に砕け散り、喉はやっていないので声は出すことができ
「畜生、サンタクロース強すぎるだろ……」
最後に負けたことを悔んでいた。
今年のサンタは去年、一昨年のサンタとはレベルが違うんだ。残念だったな。
「さて、あまり長居をし過ぎると今日がシフトだったボーダー隊員に迷惑をかける……どうだった遊真?」
最後のプレゼントを渡し終えたかの様に見えたが、1番最初のプレゼントをちゃんと渡せていないかもしれない。
そんな不安が過りながらちびレプリカに遊真に与えたプレゼントはちゃんとしていたかどうかを聞いてみる。
『中々に面白かったぞ』
「そうか、このプレゼントで合ってるかどうか僅かながら不安だったが喜んでくれて何よりだ」
こんな光景、1年に1度しか見れないだろう。と言うかクリスマスが1年に1度だ。
『ただ、槍使いの人に戦う権利をプレゼントしたんだったらそっちの方が欲しかった』
「お前、僕達がどれだけ恐ろしいのか知ってるのによく言えるな」
これでも複数の国を滅ぼしたり、王族を皆殺しにしたりと色々ヤベー事をやってるんだぞ。
『それでもだ……コシマエ相手にどれだけやれるか試してみたい』
「ふむ……そうだな。なら、その内試してみるか?」
『いいのか?』
「なに、何れはボーダーにバレる……向こうが此方と仲良くするつもりがあるならば合同訓練の1つでもやってやろうと思ってな、その時には僕は戦わないがサーヴァントが強い要因を知ることが出来る……要するに滅茶苦茶強い人と戦う場と時間をくれてやる」
大規模侵攻の際に程よくボーダーに力を貸しておいてくださいと1位の人に頼まれている。
白兵戦に強い僕がいれば修が死ぬ未来は無くなる……ああ、でもどうだろう。ハズレを引き当てる可能性もあるので油断は出来ない。
『サーヴァントが強い理由って使う度に能力が変わるけど物凄い強さを持ったトリガーのお陰なんだろ?』
「大雑把に言えばそうなるな……まぁ、細かい話をするとなるとこの世界の古い歴史を学ばなければならない」
『勉強か、こっちの世界に来て色々とあったけど、それは苦手だな』
「ある程度は頑張れよ、でなきゃ修に迷惑が掛かる……ちびレプリカ、そろそろお別れだ」
『了解した……中々に面白い時間だった。感謝する』
「なにサンタクロースは子供にプレゼントを配るのは当然の事だ」
『成る程、ところで気にはなっていたのだが君の分は無いのかね?』
「……それは、聞かないでくれ」
今まで他人にプレゼントを配っており、自分のプレゼントを手にする素振りを見せなかったのでちびレプリカは心配して聞いてくるが残念な事に僕にはプレゼントは無い。
サンタクロースをやるのは嫌か好きかの二極論で聞かれればどちらでもない微妙としか言いようが無い。
「本音を言えばね、僕だって彼女を作ってキャッキャウッフフなクリスマスを過ごしたいんだよ」
容姿が越前リョーガだから、かなりモテる方なんだ。
でも、彼女を作るならば真剣に交際しなければならず色々と秘密がある僕は一般人の彼女を作って良いのかと悩んだりしている。後、深雪が居るせいで一般の女子が近付いてこない。あいつ、顔が司波深雪で体が蛇喰夢子と中々にハイブリットな女子で外面は良い方だ。中身がかなりの屑だけど。
「モノホンのサンタクロース……頼むから良縁が欲しいです」
メリークリスマスとは言うものの、いいお相手がいないのは悲しいことだ。
運命/世界の引き金こそこそ裏話
その後、加古さんは新品の中華鍋を振るい、太刀川さんと堤さんは今回の加古炒飯はやべえと察し先に胃薬を飲んだ為に味を感じない体となり加古炒飯の味がしない事に困惑をしつつもなんとか乗り切った。しかし、3日ぐらい味を感じなかったのでヤベー薬に手を出したと勘違いしてしまった。
もう1つおまけのこそこそ話
コシマエはモテるにはモテるのだが、外面のいい深雪と関わりがあるせいで大抵の女子は引いてしまう。
イケメソだけど、彼女はおらず変なところで真面目なので彼女には近界民関係であれこれやっていることを正直に話そうと思っている。