赤波作戦から16日後
ソロモン諸島から帰ってきた海兵隊は本拠地である花島海兵基地に着岸した。
そして、負傷した海兵隊員は基地内の軍事病院に、艦娘は秋雪鎮守府に送られた。
それから、大破した強襲揚陸艦、弥生はドック入りになった。
その夜
秋雪鎮守府会議室
秋雨「全員揃ったな」
大野「ああ、全員いるぞ」
電「はい、なのです!」
三日月「はい!」
秋雨「じゃあ、まずは今回の作戦ご苦労様でした。ソロモン諸島を攻略したおかげで、インド洋からの海路ができたが、いまだに豪州は深海棲艦に占領されている。今後も注意が必要だな」
大野「そうだな。それで、どうするんだ?」
秋雨「近いうちにこちらから航空隊を送る予定だ」
電「艦隊は送らないのです?」
秋雨「いや、近いうちに送る予定だ。メンバーは後で言う」
電「了解なのです」
秋雨「後は・・・弥生だな。あれは修理の方が時間がかかる、さて、どうするか・・・」
大野「提督、解体だけは止めてください」
秋雨「分かっている、それになにか案があるんだろ?三日月」
三日月「はい。でも、私ではなくて響さんですけどね。実は、ここに来る前にこれを渡されました」
三日月はそう言って設計図を出した。
大野「・・・これって、弥生の設計図?」
三日月「はい。響さんが秘密で設計したものです。使えますか?」
秋雨「ああ。これは使える。早速始めよう」
三日月「ありがとうございます。響さんにも伝えておきます」
秋雨「・・・よし、今日のところはここまでにしよう。解散!」
全員が席を立ち、敬礼してから部屋から出た。
三日月「(響さん様子、見てこないと)」
秋雪鎮守府内秋雪病院入院棟
三日月「響さん、起きています?」
響「うん、今何時なの?」
三日月「今は、午前1時です」
響「・・・そうか。それで、どうだったの?」
三日月「はい!響さんの設計図を元に作るそうです」
響「良かった・・・。ありがとう、三日月」
三日月「いえ、私はなにも・・・」
響「そしてごめんな。私のために自分の時間を削って看病してくれて」
三日月「響さん、私は響さんにいつも助けてもらっています。これはそのお返しです」
響「・・・そうかい。ありがとう」
三日月「・・・よしっ、できた。それじゃあ、なにかあったら呼んでくださいね」
響「分かった。お休み」
三日月「はい。お休みなさい」
三日月は電気を消して部屋を出た。
響「(・・・早く見たいな。その前に退院しないとな。・・・それにしても、艦内で見たあの影・・・いや、気のせいか)」
響はそのまま眠りについた。
2ヶ月後
花島海兵基地ドック
三日月「ここですか?」
響「そうだね。でも、ごねんね、三日月。車椅子を押してもらって」
三日月「いいんですよ。響さんにはお世話になっていますし。それじゃあ、行きますよ」
響を乗せた車椅子を三日月は押しながらドックの中に入っていった。
秋雨「・・・おっ、来たか」
響「ええ。ありがとう、三日月」
三日月「どういたしまして。それで、できたんですね」
秋雨「ああ、結構いい感じにできてな。まあ、こっちだ」
秋雨の後を2人が追いかけた。
そして、ドックに入り電気をつけた。
三日月「わぁ~っ、いろんな所が変わっている!」
響「・・・すごいな。私の設計図通りにできている・・・」
秋雨「そりゃあ、響の設計図だからな。でも、さすがに苦労したよ。全自動追尾装置とか熱探知システムとかは難しかったよ・・・」
響「そこまでやってくれたんだ」
秋雨「そうだよ。あと、艦名は変えなかった」
三日月「変えたら大野中将に怒られますからね」
秋雨「そうだな」
響「それで、どういう風に変わったか教えてくれないか?」
秋雨「教えるか・・・。もう全長も排水量も変わったからな・・・。たぶん、説明よりもこっちの方が分かりやすいはずだ」
秋雨は響に説明書を渡した。
響はその場で見始めた。
響「・・・なるほど。支援砲が多いのはいいね。それに装甲を分厚いからある程度は耐えられそうだ」
秋雨「上陸部隊の装備も最新の66式小銃や74式機関銃、それに39式狙撃銃も配備した」
響「39式って・・・、まだ試作で課題が多かったけど・・・」
秋雨「その辺りも改善した。まあ、3点射式はなくしたけど・・・」
響「でしょうね。あれが一番の問題だったから。あと、戦車も変わってるね」
秋雨「80式のことか。赤波作戦の時は75式では敵戦車の装甲を貫通できなかったからな」
響「じゃあ、これで貫通できるの?」
秋雨「たぶんな。試験の時は75式が100㎜貫通に対して、80式は180㎜貫通できた。それに、機銃も8㎜機銃2門に13㎜機銃1門搭載しているから対人、対空も可能だ」
響「これでやっと向こうと対等に戦えるのか」
秋雨「そうだな。海軍ではこちらが有利だが、陸軍では向こうが有利だ。それに空軍はやっと均等に戦えるぐらいだ」
響「ジェット機やミサイルでやっとか・・・」
秋雨「うん・・・」
2人が暗い話をして落ち込んでいる一方、三日月は一人ではしゃいでいた。
三日月「提督!艦内を見て来ていいですか?」
秋雨「いいよ。気を付けろよ」
三日月「はーい!」
響「・・・三日月は、顔に出さないが・・・本当は一番落ち込んでいると思う」
秋雨「だろうな。姉妹のほとんどが死んでしまったんだ・・・」
響「・・・うん、そうだね・・・(少し違うけどね・・・)」
秋雨「なにか言った?」
響「いや、なにも。それより、私も艦内を見たいんだ。連れてってくれないかい?」
秋雨「いいよ」
秋雨は車椅子を押しながら艦内に向かった。