とある鎮守府の戦争~二度目の防衛戦争編~   作:秋月雪風

2 / 4
第一章(試験航行)

弥生艦内

 

三日月「・・・暗い・・・、出撃してないときはこんなに暗いんだ・・・」

 

三日月はライトをつけながら艦内を見ていた。

 

三日月「(あっ、あそこだけ明るい)」

 

三日月が明かりが漏れている部屋に入った。

 

そこは艦長室だった。

 

三日月「・・・(さっきまで、誰かいたの?)だ、誰か、いますか?・・・あれ?これって・・・」

 

三日月は机の上にあった写真を見た。

 

それは睦月型だけで撮った集合写真だった。

 

三日月「・・・なんで・・・」

 

三日月が写真を見ていると背後から誰かが抱きついた。

 

三日月「っ!?。だ、誰?」

 

???「・・・久しぶり」

 

三日月「・・・えっ?」

 

三日月はゆっくりと振り向いた。

 

三日月「弥生・・・お姉ちゃん・・・」

 

弥生「元気にしてた?」

 

三日月「・・・」

 

弥生「・・・来ていいよ。前みたいに」

 

弥生は手を広げた。

 

そしてそこに三日月が飛び込んだ。

 

三日月「お姉ちゃん・・・寂しかったよ・・・」

 

弥生「・・・ごめんね」

 

三日月「うん・・・、ほとんど死んじゃったから・・・」

 

弥生「・・・生き残ったのは、三日月だけ?」

 

三日月「ううん、文月お姉ちゃんもいるよ・・・」

 

弥生「・・・そっか・・・」

 

弥生は泣いている三日月そっと撫でた。

 

弥生「よしよし・・・、大丈夫、もう、寂しくはさせないよ・・・」

 

弥生は三日月の頭を撫で続けた。

 

しばらくして、秋雨と響の声が聞こえた。

 

秋雨「~、ていう風にしたがどうだ?」

 

響「そうだな・・・、ここに普通の装甲以外に耐爆装甲板を設置するのはどうだい?」

 

秋雨「それはいいな。そうすればより安全性がますな」

 

響「そうだね。あれ?あの部屋は?」

 

秋雨「ん?あそこは艦長室だ。あれ?電気がついてるな、三日月でもいるのかな」

 

響「とりあえず、入る?」

 

秋雨「そうだな・・・。三日月、いるか~」

 

弥生「あ、提督・・・」

 

三日月「て、提督、お姉ちゃんも無事だったんですね・・・、なんで教えてくれなかったんですか・・・」

 

秋雨「・・・それは、響の方が詳しい・・・」

 

三日月「響さん、どういうこと・・・?」

 

響「・・・3年前、私は弥生の遺体を回収した時にね、弥生がまだ温かったんだ。それで、急いで連れて帰ったんだけど、皆は遺体の確認とかで忙しかったから、私だけで手術した」

 

三日月「・・・でも、それだったらその後に教えくれても・・・」

 

弥生「私が、響にお願いしたの・・・。ちゃんと治るまで、皆に内緒にしてほしいって」

 

響「だから、今まで私の秘密基地で病養生活をしてたんだ」

 

三日月「・・・誰が知ってたの?」

 

響「私と、提督と、秘密基地の妖精達」

 

三日月「・・・」

 

弥生「・・・ごめんね、あの状態で皆の前に出たら、皆に迷惑かけると思って・・・」

 

三日月「・・・迷惑じゃない。だって、今まで助け合って来たから・・・お世話ぐらい慣れてるから・・・」

 

弥生「・・・ありがとう、三日月」

 

弥生は再び三日月を撫でた。

 

響「・・・でも、無事治ってはないけどね」

 

三日月「え?まだ、どこか悪いの?」

 

響「・・・弥生は、もう、艦娘としての能力がない」

 

三日月「・・・なんで・・・」

 

弥生「分からない・・・、後遺症なのかな・・・」

 

響「本人もよく分かってないから、私達はもっと分からない。でも、水には浮けなかったし、艤装も展開できなかった」

 

秋雨「・・・それじゃあ、どうするんだ?」

 

弥生「それは、響と話し合って決めました」

 

響「提督、後はあなたの承認を待つのみです」

 

弥生「私を、この艦の、艦長にしてください」

 

秋雨「・・・」

 

弥生「ダメ、ですか?」

 

秋雨「・・・ちゃんと言う。弥生・・・いや、弥生中佐、あなたを、第一海兵機甲師団所属、海兵艦隊上陸船団旗艦、弥生の艦長及び、司令長官に任ずる」

 

弥生「ほ、本当ですか!?」

 

秋雨「ああ、これからの活躍に期待する」

 

秋雨は敬礼をした。

 

遅れて響、三日月が弥生の方に敬礼をし、最後に弥生が敬礼した。

 

すると、突然警報がなった。

 

放送「敵艦隊接近!数、空母1、軽巡2、駆逐艦4、輸送船8、以上!」

 

響「提督、出撃命令を」

 

秋雨「・・・弥生出撃準備。電、三日月は護衛のため出撃せよ」

 

響「・・・了解、私は・・・」

 

秋雨「響は待機。先に飛行艇で帰って」

 

響「分かった」

 

秋雨「三日月、いい?」

 

三日月「は、はい!」

 

弥生「提督、乗組員妖精50名、乗艦完了しました。提督も早く降りた方が・・・」

 

秋雨「いや、俺も行く。ドック内注水」

 

弥生「・・・了解。管理室、ドック内注水開始」

 

管理妖精「了解。ドック内注水」

 

ドック内に海水が入り始めた。

 

管理妖精「・・・注水やめ!・・・こちら管理室、注水完了。防護扉開きます」

 

弥生「提督、次はなにをすれば・・・」

 

秋雨「・・・この艦の艦長は君だ。自分で考えろ」

 

弥生「・・・分かりました、・・・機関始動、微速前進、出撃します」

 

タービンが回り始め、艦がゆっくりと進み始めた。

 

機関妖精長「現在速力8ノット、タービン回転良好。現在タービン回転数40」

 

修理妖精長「各所点検完了。浸水及び、破損箇所なし」

 

砲術妖精長「各武装異常なし。射撃管制、追尾装置、冷却システム、いずれも問題なし」

 

航海妖精長「ドックより500m離れました」

 

弥生「了解。航海長。電との合流地点へ進路を変更して。最大全速で向かいます」

 

機関妖精長「了解。最大全速!」

 

航海妖精長「了解。操舵手、取舵一杯!ポイントA3へ!」

 

操舵妖精「よーそろー。取舵一杯」

 

弥生「・・・提督、どうですか?」

 

秋雨「・・・満点だ。問題なくやれるな」

 

弥生「・・・ありがとうございます。全力を尽くします」

 

機関妖精長「現在速力36ノット、タービン回転以前良好。現在タービン回転数300。冷却システム問題なく作動中」

 

弥生「提督、戦闘に参加されますか?」

 

秋雨「ああ、もちろんだ。しっかりやれよ」

 

弥生「はい。分かっています」

 

弥生は目的地に向かった。

 

30分後

 

秋雪鎮守府沖

 

弥生「電、聞こえる?」

 

電「・・・えっ?。弥生、さん?」

 

弥生「後で説明するから聞いて」

 

電「は、はい!」

 

弥生「電、三日月はこの艦の護衛をして。私がなんとかするから」

 

電「了解なのです。・・・それで~、2人はどこなのです?」

 

弥生「この艦の後ろにいるよ。電も行って」

 

電「は、はい!、なのです」

 

索敵妖精「敵輸送船撤退していきます」

 

砲術妖精長「艦長!指示を」

 

弥生「輸送船は別にいい。迫ってくる敵艦隊の全滅を優先して。ミサイル発射準備!」

 

砲術妖精長「了解!各員ミサイル発射用意!無線誘導で操作する!」

 

秋雨「・・・」

 

弥生「4本を空母に軽巡には2本ずつ、残りの2本は対空用にして」

 

砲術妖精長「了解です!全員聞いたな!急げ!」

 

索敵妖精「敵艦隊の距離30000!敵空母より艦載機!数20!」

 

弥生「対空戦闘用意!水密扉全部閉じて!」

 

修理妖精長「了解!」

 

対空妖精「全対空機銃準備よし!」

 

砲術妖精長「ミサイル全門発射準備完了!」

 

修理妖精長「全水密扉閉鎖完了しました!」

 

索敵妖精「敵機、まもなく視認・・・見えました!戦闘機4、爆撃機8、雷撃機8と推定!」

 

弥生「・・・対空ミサイル発射!発射後、対艦ミサイルも発射して!対空機銃迎撃始め!」

 

対空妖精「了解!撃ち方始め!」

 

各所に設置された機銃が一斉撃ち始めた。

 

秋雨「・・・上出来だ。これなら他の艦への指揮もできるだろうな」

 

弥生「・・・本当ですか?・・・なんだか、ちょっと嬉しい」

 

秋雨「だけど、油断は禁物だ」

 

弥生「えっ?」

 

索敵妖精「敵雷撃機魚雷投下!命中コースです!」

 

弥生「えっ!?え、えっと・・・・(ど、どうすれば・・・)」

 

秋雨「対水雷防御。速射爆雷砲発射」

 

弥生「え?」

 

秋雨「今のを指示しろ」

 

弥生「は、はいっ!・・・対水雷防御!速射爆雷砲発射!」

 

砲術妖精長「了解!爆雷砲発射!」

 

爆雷が勢いよく飛び出し、海面に落ちてから少しして爆発した。

 

索敵妖精「魚雷命中まであと10秒!9、8、7・・・、対水雷防御成功!雷跡消えました!」

 

対空妖精「敵機、引き返していきます」

 

砲術妖精長「艦長!敵艦隊へのミサイル攻撃成功!軽巡2隻撃沈、空母を大破させました!」

 

弥生「・・・被害を確認して」

 

機関妖精長「こちら機関室。全機関問題なし」

 

修理妖精長「こちら修理班、浸水及び、損傷箇所なし」

 

砲術妖精長「こちら砲術班、全武装異常なし。各システム正常に稼働中」

 

航海妖精「こちらの被害は0です」

 

索敵妖精「こちら電探室。敵艦隊は空母を諦めたもよう。反応が消えました」

 

弥生「了解。敵駆逐艦はどうしてるの?」

 

索敵妖精「撤退してるようです。最大全速で離脱していきます」

 

弥生「・・・了解。総員戦闘終了。警戒態勢へ。・・・はぁ」

 

弥生は椅子に深く座った。

 

すると、秋雨は弥生の頭を撫でた。

 

秋雨「お疲れ」

 

弥生「・・・ありがとう、ございます。・・・あの、私は、ちゃんと指揮できていましたか?」

 

秋雨「・・・点数で言えば、100点中90点だ」

 

弥生「・・・何がいけなかったんでしょうか?」

 

秋雨「自分の乗る艦のスペックを見ろ」

 

弥生「・・・あの、私は・・・」

 

秋雨「今日乗ったばかり、だろ?しかし、合流するまでの間にある程度は見れるはずだ」

 

弥生「・・・確かに、その通りです」

 

秋雨「上陸船団は一番被弾しやすい艦隊だ。一つの判断ミスでこの艦だけでなく、船団が壊滅するかもしれない。今よりも何倍の戦力がある艦隊と戦うことになる。そのため、この船団の指揮は優秀な奴がやるが・・・」

 

弥生「・・・提督、やらせてください。今度は100点・・・いえ、200点を取ります!」

 

秋雨「・・・頑張れよ、弥生」

 

秋雨はまた、弥生の頭を撫でた。

 

弥生「はい!頑張ります」

 

すると、無線が入った。

 

響「こちら響、提督聞こえますか?」

 

秋雨「ああ、聞こえる。どうした?」

 

響「諜報部から伝達です」

 

秋雨「なんて言ってる?」

 

響「・・・我、ミッドウェーにて敵大規模上陸艦隊捕捉」

 

秋雨「・・・狙いはもうかして」

 

響「たぶん、ここだと思うよ」

 

秋雨「・・・数は」

 

響「不明。だけど、前回よりはいると思う」

 

秋雨「分かった。すぐ戻る」

 

秋雨は無線を戻した。

 

弥生「・・・進路を秋雪鎮守府へ」

 

弥生は急いで秋雪鎮守府に向かった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。