1985年9月5日午前4時32分に秋雪鎮守府は迫り来る深海棲艦に戦闘開始した。
この第二次防衛戦争の火蓋を切ったのは深海棲艦の航空隊2000機と秋雪鎮守府の第一次迎撃隊計400機の空戦から始まった。
数で劣っていたが、高機動戦闘機の刃やジェット戦闘機の矢羽等で構成されているほか、深海棲艦側はほとんどが攻撃機や爆撃機で戦闘機は200機しかいなかった。
結果、秋雪鎮守府は6機の損失に対して深海棲艦はほぼ全機撃墜され、制空権は秋雪鎮守府が確保した。
一方、敵第一波上陸艦隊には攻撃隊計800機が奇襲、ミサイル、爆弾、魚雷を四方八方から投下、次々に撃沈していった。
通信妖精「提督、第一次迎撃隊及び、第一次攻撃隊より入電です」
秋雨「どうだ?」
通信妖精「まず第一次迎撃隊からは、我敵航空隊ほぼ全機撃墜に成功、こちらの被害は6、で第一次攻撃隊からは、我奇襲成功、戦艦3、空母5、重巡6、軽巡7、駆逐23、輸送船183を撃沈、被害は9、です」
秋雨「よし、初戦は圧勝だな」
見張り妖精「提督、本部より発光信号!」
秋雨「なんて言ってる?」
見張り妖精「雷鳥隊出撃許可を、です!」
艦長妖精「提督、私は雷鳥隊出撃は賛成です。防空用に先に上げた方がいいと思います」
秋雨「・・・たしかにな。よし、発光信号用意、雷鳥隊出撃せよ、だ」
見張り妖精「了解です!」
見張り妖精は探照灯で返信した。
秋雨「艦長、各海兵艦隊の状況は?」
艦長妖精「先ほど敵艦隊捕捉と交戦の報告がありました。本艦含め各支援空母は後方より、航空支援を行っています」
秋雨「そうか」
索敵妖精「敵機来襲!数100、いや200!」
秋雨「くそっ!対空戦闘!最大全速!」
見張り妖精「提督、哨戒機から発光信号です」
秋雨「どうした?」
見張り妖精「・・・我、敵の主力と思われる艦隊捕捉。数、戦艦8、空母20、重巡16、軽巡24、駆逐400、輸送船4000、潜水艦100、航空機約5万、以上!」
秋雨「・・・分かった。本部に打電、第二~第五攻撃隊と迎撃隊全機発進させよ。目標敵主力、以上だ」
通信妖精「了解です!」
秋雨「・・・いよいよあいつらの出番か・・・、頼むぞ・・・」
秋雨は暗号機に文字を打ち込み始めた。
A-14海域内響島
暁「電~、提督からの電文がきてるよ~」
電「分かったのです」
電は暗号機がある所に行った。
響「あ、電。これ」
響が紙を渡した。
雷「なんて書いてあるの?」
響「・・・桶狭間A-20・B-30、ね。全く、いつもの暗号文じゃん」
桶狭間とは自分達艦娘を指しており、A-20は交戦海域、B-30が現在の敵がいる海域を指していた。
電「響、敵艦隊の戦力はどうなのです?」
響「それは三日月に聞いて・・・。今あの子が頑張って特定してるだから」
暁「でも、提督から教えてもらった方が早いんじゃないの?」
響「・・・じゃあ、これ聞いてみて」
響が無線機を渡したので暁が聞いてみると雑音しか聞こえなかった。
暁「どういうこと?」
響「電波妨害。今はまだ弱いから暗号機が使えたけど、っと、もう使えないな」
無線機の雑音がさらに激しくなった。
三日月「響さん~、敵の大まかな編成が分かりました!」
響「見せて」
三日月「こちらです」
響は電と共に内容を見た。
響「大型艦20~30に随伴艦500以上に輸送船数千か・・・、間違いない」
電「じゃあ、これが主力艦・・・」
響「囮艦隊だ。そうでしょ、三日月」
三日月「はい!その艦隊の200キロ後方に更なる艦隊がいました。大型艦だけでも50隻を確認しています」
響「電どうする?」
電「・・・もちろん、迂回してその敵主力へ乗り込むのです」
暁「でも、前にいる艦隊はどうするの?」
響「航空隊だけでやれるでしょ。とにかく時間がない、すぐに出撃しよう」
電「なのです!、全艦隊出撃なのです」
響の考えはあっていた。
三日月が捉えた大艦隊こそ、敵主力艦隊だった。
数は、超戦艦1、戦艦14、空母40、重巡50、軽巡80、駆逐艦1200、潜水艦200、輸送船6000、航空機10万機だった。
出撃した艦隊は敵に気付かれないように迂回し、敵主力に近付いていった。
電「響、敵艦隊に奇襲はできないのです?」
響「・・・彩夏ならいけるな。目標は?」
電「敵戦艦、空母なのです。吹雪の雪冤は航空隊護衛、瑞鶴さんの疾風は第二次攻撃、翔鶴さんの隼は艦隊直掩をしてなのです」
響は防衛戦争のために空母に艦種変更をしていた。
そして、艦隊先遣艦隊と主力艦隊に分け、各空母から航空機が飛び立った。
この攻撃隊の先陣を切っていたのは響搭載の彩夏だった。
彩夏は電波吸収をする素材を使用しており、低空から侵入、10本の対艦ミサイルを撃ち込む大型ステルス攻撃機だった。
そして、射程に捉えた8機の彩夏は全ミサイルを発射、すぐに離脱した。
この奇襲は成功し、敵戦艦、空母のほとんどを沈めれた。
さらに、第二次攻撃隊による追撃も成功。護衛の戦闘機が迎撃にきたが、雪冤隊により足止めされ、疾風隊が次々に攻撃した。
それに加え、艦隊からの対艦、対潜ミサイルの攻撃の他に電達を追っていた雷鳥隊も敵艦隊を捕捉、雷鳥の爆撃も入った。
この奇襲攻撃と第二次攻撃、さらにミサイル攻撃と爆撃で戦艦13、空母17、重巡46、軽巡72、駆逐329、潜水艦22、輸送船1600隻撃沈、航空機を960機撃墜した。
駆逐や潜水艦はほとんど残ったが、火力が高い戦艦、空母、そして重巡をほとんど沈めたことで突撃できるようになったが、一つ問題があった。
電「・・・結局、敵旗艦は無事なのです・・・」
敵旗艦である超戦艦がまだいたのである。
響「航空隊の報告ではミサイルを撃墜できる弾幕に大口径砲多数を搭載しているらしい。他にも何があるかが分からない。それで一つ案がある」
電「何なのです?」
響「大型艦ということは機動力が低いはず。囲んで魚雷の集中攻撃をすればたぶん・・・」
電「・・・たしかに、そうなのです。じゃあ、私と、暁と雷と初霜と文月と三日月でやるのです」
響「わかった。頼んだよ」
艦隊を再編成し、電、暁、雷、初霜、文月、三日月で敵旗艦及び周辺艦の攻撃、響、吹雪、秋月、春雨、時雨、雪風で敵前衛へ攻撃、翔鶴、瑞鶴、古鷹、加古、青葉、衣笠で敵輸送船団に攻撃することになった。
そして、それぞれ目標の艦隊に突撃を仕掛けた。
電「みんな、あの戦艦の砲撃には注意なのです!私の合図で魚雷を放ってなのです!」
突撃した電達は砲撃で周辺の駆逐艦や軽巡を攻撃しつつ敵旗艦を包囲するように移動した。
しかし、弾幕が厚くうまくいかなかった。
電「みんな大丈夫なのです?」
三日月「私は大丈夫です!」
暁「な、なんとか無事よ!」
文月「大丈夫!」
電「・・・雷と初霜は?」
三日月「・・・分かりません」
電「・・・仕方ないのです。全魚雷投射なのです!」
4人から計20本投射された70㎝魚雷は敵旗艦を囲むように向かっていって、次々命中した。
電「・・・やった!」
三日月「敵旗艦を撃沈だー!」
文月「わーい!」
暁「ってまだ周りに敵がいるよ!」
電「じゃあ、掃討戦なのです!それと2人を探すのです!」
暁、三日月、文月「了解!」
・・・3時間後
電「みんな、大丈夫なのです?」
三日月「はい!初霜と雷も見つかりました!」
電「よかった・・・、?」
突然無線が鳴り始めた。
響「こちら響、大丈夫か?」
電「はい!でもなんで通信できているのです?」
響「こっちに電波妨害していた敵艦がいたからそれを沈めたんだ。翔鶴さん達のところも順調だよ」
電「じゃあ、作戦は成功なのですね」
響「・・・いや、残念なしらせもある」
電「何なのです?」
響「加賀が大破炎上中だ」
電「えっ?か、加賀って提督が乗っていた・・・、て、提督は!?」
響「不明だ。こっちも今被害状況をまとめるのに忙しくて・・・」
電「・・・そうなのですか」
響「しかし、朗報もある。敵旗艦の撃沈もあってか敵が撤退を始めてる」
電「・・・ということは、私達は勝ったと言うこと?」
響「うん。だいぶ被害が出たが私達は勝ったんだよ。私達は逃げていく敵をできるだけ追撃するから、電達は提督の捜索と漂流してる妖精達をできる限り救助して。本部に輸送挺の手配をしたから」
電「了解なのです!」
響「通信終わり」
暁「電、どうするの?」
電「・・・まずは、加賀がいた海域に行って提督を探すのです」
皆「了解!」
30分後
加賀がいたA-5海域内
三日月「こちら三日月、妖精8名を救助しました。提督は見つかってません」
暁「こっちも5名救助したけどまだ提督は見つかってない・・・」
電「了解、なのです・・・、こちらも6名救助しましたが提督はいないのです・・・、あれ?これって・・・」
電が拾ったのは帽子だった。
電「これ・・・提督の・・・、提督!どこなのです!」
電は大声で叫んだが他に声は聞こえなかった。
しかし、少し離れたところで光が見えた。
電「・・・(もしかして・・・)」
電はそっちに向かった。
電「・・・っ!提督!」
秋雨「・・・来たか・・・、助かった・・・」
電「提督、血が・・・すぐに三日月を・・・」
秋雨「その前に・・・何か浮くものはあるか?ずっと立ち泳ぎしてるから結構きつい・・・」
電「えっと・・・この浮き輪を使ってください」
秋雨「ありがとう。・・・戦闘は、どうなったんだ?」
電「私達が見つけた敵主力艦隊を壊滅させて敵は撤退しているのです」
秋雨「・・・そっか。あれは囮だったか・・・。よくやってくれた」
1985年9月5日、第二次防衛戦争は再び秋雪鎮守府の勝利で終わった。
午前4時半頃に始まり、敵が撤退を始めたのは午後2時過ぎだった。
そして、その2時間後には敵が完全に撤退した。
この戦闘の最終的な損害は深海棲艦側は、超戦艦1、戦艦23、空母72、重巡221、軽巡383、駆逐1627、潜水艦212、輸送船9821隻、航空機約17万機を損失して撤退。
しかし、秋雪鎮守府側も損害が多く、駆逐艦初霜、雷、秋月、重巡衣笠、空母翔鶴大破、駆逐艦文月、時雨、重巡加古、青葉中破、航空機約12000機墜落、揚陸艦水無月、夕月、深雪、薄雲、島風、天津風、時津風、照月、補給艦木曽、天龍、龍田、利根、護衛艦最上、鈴谷、朧、五月雨轟沈、他多数中大破した。
さらには基地防衛にあたっていた海兵隊員23名と防衛連隊員13名、陸軍攻撃師団員46名戦死、戦車21両が破壊された。
翌日
秋雪鎮守府提督室
秋雨「昨日はご苦労様。かなりの被害が出たがなんとかなったな」
響「うん。しかし、実戦を切り抜けた隊員が結構・・・」
秋雨「海兵隊員23名中7名が第一海兵隊所属だったからな・・・、戦死した全隊員及び妖精は2階級特進と遺族に補償を、生き残ったもの達も昇進だ」
電「了解なのです。ところで、怪我は大丈夫なのです?」
秋雨「ああ、足の骨折以外は大したことはない」
電「よかったのです」
響「・・・」
秋雨「どうした、響?」
響「もう、こんな大規模戦闘がなければいいんだけど・・・」
秋雨「・・・そうだな」
秋雨達は窓の方に行き、敬礼した。