ゲーム脳カズマ 作:明日生きてるとは限らない。
サーセン
ん。と息をこぼす。眩しい光に目を細める。大空が見えることからどうやら俺は寝転がっているらしい。体に感覚が戻る。なんとも不思議な気分だ。体の再構築。神経の覚醒。そして何分か経ったのち、体を起こした。
ここは…平原? 遠くの方には城壁の立派な街が見える。遠いな、と少し残念な気持ちを抑え、俺の隣に寝ている女神アクアを起こすことにした。
しゃがみこんで顔を覗くと……なんかこと人泣いた跡があるんですケド。なんか悪いことしたな。
肩を揺らして小さく声をかける。起きろ〜、起きろ〜、と。肩を揺らすと胸のソレも揺れて…へへ。
おっといけね。変な気持ちが出てきちまった。
そしてやはり女神というべきか。俺の邪念に気付いたのか起き上がってきた。
そして周りを見渡したのち、立ち上がり服についた土をパッパっと叩く。結構すぐ起き上がるその様子にあまり混乱はしてないようだ。女神だから日常茶飯事なのだろうか。少し安心する。
アクアは土を叩き終わったようで、こちらを少し見ると。
「ああああああああああああああああああ!!!!!」
即座に耳を塞いだ。見誤った。
女神アクアは”混乱”している!
そのあとは…予想通り、なんでこうなるとか、お前のせいだとか、どうしてくれるとか。今さっきの安心と女神様への期待を返してくれ。
怒り疲れたのか…いや発狂疲れ? で、少し静かになったところで話しかけることにした。
「なあ、帰りたいなら帰ってくれていいからさ。こっからは一人でいいから」
「アンタ何言ってるの!? 帰れないから怒ってるんですケド!」
え、そうなの? 帰れないの、てか帰ってくれないの? この様子を見るだけで今後のデメリットにしか思えないんだけど。
「アンタどうするつもりよ! 魔王倒さないと帰れないんですけど!」
もし、デメリットになるなら早急に切り離すべきだろう。あとでどんなことになるか予想はつかない。特にこんなヤツは。
「知るか。そんなに帰りたいなら帰ればいい。住めば都と言うだろ」
俺の言葉を聞き驚いたように目を開き、目を少し潤ませる。
「そう」
悪い気はしない。俺ははっきり言っただけ。
だから……もう。
「俺は、必ず魔王を倒してみせる。それでお前を空に還す」
小声で呟き、くだらねぇと蹴飛ばした。なんともない小さな妄言。それを呟いてから足を進める。朝のうちに行動しないとだしな。
「ねえ、今なんて言ったの!?」
やけに嬉しそうな声が後ろから聞こえる。なんか無理な約束するんじゃなかったな……。
まあ、いいか。一度っきりの異世界。夢を見るのも悪くない。
チートがないも同然。まったくひどい世界だ。
これからどうなるのか。こんなヤツを選ばなければよかった話だが。チートもない俺はラノベの様な冒険は出来なそうだ。
でもまあ、後ろに目線を動かし、少し笑った。
どうにかなるだろう。多分。