4回ほどで解決します。
崩壊した街並みがみえた。
テンガロンハットをつけた男は少年をバイクに乗せていた。
少年と男はバイクに乗るとかけ走っていた。
「坊主、気持ちいいか。」
「ああ。」
少年は男を観て微笑んでいた。
「弟にもこの気持ち味合わせたかった。」
「俺はテキサスで生まれた、親父は保安官だったんだ。小さな町のな。牧場とちょっとした農地を経営していた。そこに馬がいた。俺はそいつをビッグマイクと呼んでいた。馬はバイクなんかよりはるかにいいぞ。」
「そうなの?」
「まあ個人的な感想だよ、坊主いいか、この世界にはなもっといろんなものがある。色んな不思議がな。お前もそれを探せ。そして自分だけのものにしろ。」
「馬か、乗ってみたいな。」
風はやがて少年と男を包み込んだ。
バイクはやがて、古ぼけた屋敷にたどり着いた。
そこには大柄な加持よりも年上の少年がいた。
その体格は大きかった。
まるで大きなダルマのようだ。
「ウエスト、そいつは何だ。」
「おう、コウジ。てめえの弟分だ。名前を言え。」
少年はバイクから降りると大柄な少年に挨拶をした。
「俺は…俺は加持リョウジ。」
「高雄コウジだ。」
世界はやがて溶けていった。
そして、光が差し込んだ。
「加持。」
声がした。
また夢をみていたのか。
そこは病室だった。
そうだ、俺は肩をやられた。
「おい、加持。」
そこには男がいた。
ハゲあげた頭、いかつい巨体。
「コウジ?」
高雄コウジ、そういえばこいつはヴィレ日本本部にいるはず。
なぜここにいるんだ。
「お前までなんでここにいるんだ。」
加持はふと起きようとした。
すると、肩に痛みがするのを感じた。
あの盲目の暗殺者にやられたんだった。
コウジは心配そうな顔で加持を見つめた、その時だった。
「俺が呼んだのさ、久しぶりに家族で話をしたかったからな。」
声がした。
独自のしゃがれ声。
ハリー・ウエスト。
加持はウエストを睨みつけた。
「家族!?アンタは虫のいいことをいうな。」
こいつ今更なにをいっている。
何十年も放置しておいて今更家族顔か。
「おい、やめろ加持。」
コウジは加持を止めようとした。
だが、加持は止まらなかった。
「いいや、言っておく必要がある。俺とこいつが残された時間どれだけ苦労したと思ってる。ずっとずっと二人だけだった。誰も頼る人間がいなかった。この苦しさをわかるのか。」
ウエストはテンガロンハットで目を隠した。
「わかってる。」
「それだけか?俺がゼーレを相手にどれだけ孤独になって戦っていたのか。わかるか、いつ死ぬかわからない。そんな薄皮一枚の中で俺は生きてきていた。14年以上もだ。誰も信じることができないこの孤独、お前はわかってるのか。」
「わかってるさ、俺だってそうだったからな。」
ウエストはため息をついた。
加持はふと気が付いた。
ごまかしばかり、まるで俺のようだ。
葛城の前での俺。
ごまかし、軽い態度で本音を隠す。
俺はこいつそのものになっていたんだ。
「ごまかすのか、いつもみたいに浮ついたことを言って。」
「すまなかった。」
加持は黙った。
もう何を言っても過去のことだ。
「もういいさ。」
加持はため息をついた。
ウエストはテンガロンハットを脱いだ。
加持は驚いた。
白髪まみれになっている。
そうか、もうこいつも60を過ぎている。
「アンタも爺さんになっちまったな。年齢は今いくつだ。」
「73だ。」
「70過ぎても仕事か。ご苦労なこったな。年金はどうした、もらえないのか。」
「まだこの世界が好きなんでね、死ぬまでやる気さ。」
いつになく感情的になってるな、俺。
どうしたんだろう。
加持は頭を伏せた。
最近ずっとこの調子だ、余裕はなくなった。
かつてあったプレイボーイの仮面すらない。
いや、もとからなかったのだ。
心の中には葛城への未練が残っている。
ずっとそうだ。
だがあいつは年下のボウヤにとられてしまった。
それはなぜか、俺が結局のところ浮ついた人間であったからだ。
病室のドアが開いた。
「加持さーん!!!生きてますかあ!ケンケン急便到着しました!!!」
素っ頓狂な声をだして相田ケンスケが入ってきた。
ウエストとコウジと加持は空気を読まずに入ってきたメガネの青年を睨みつけた。
ケンスケは顔を青くした。
「すいません…はしゃぎすぎました。」
「何の用だ。」
「ええーっと、あのCIAの人から伝言です。これを渡せって。」
ケンスケは手元にファイルを置いた。
加持は手を伸ばそうとしたが、肩が痛むので開けなかった。
「代わりに開いてやる。」
コウジは手を伸ばし開いた。
そこには四つのものがうつっていた。
クモ型の物、魚型の物、イカ型の物。
加持はどれも見覚えがあった。
「これは…使徒じゃないか。」
間違いない、クモ型のやつはマトリエル。
魚型の物はガギエル。
イカ型はシャムシエル。
それらは装甲で身を固めていた。
メモのテキストには「New EVA」と書かれていた。
これが噂の新型エヴァか。
「これは新しいエヴァなのか。」
コウジは思わず言った。
加持は首を縦に振った。
「そうだろうな。でもなぜ…。」
二人は首をひねった。
ケンスケもついでに真似てクビをひねった。
「あ、いでっ!」
ケンスケは思わず悲鳴をあげた。
その時だった。
「多元世界への侵攻よ。」
「アスカ?なぜ知っている…。」
アスカだ。
見事にケガ一つない。
「祖父よ、ヤツがいっていた。」
すると、黙ってみていたウエストも首を縦に振った。
「そうだ、ヤツの狙いはそれだ。」
「アンタも知っていたのか。」
「ずっと黙っていたが、俺はあいつを20年近くかけて追いかけていた。ヤツは多元世界への侵略をアメリカ政府と軍需産業の大物に約束している。多元世界はエヴァンゲリオンや使徒がない世界だ。現実と虚構の間、別名『ネオンジェネシス』。そこを破壊する気だ。」
「破壊してどうなる。」
ウエストはため息をついた。
まるで自嘲を込めるがごとく。
「破壊に意味などない、破壊して金を稼ぐ。好きに兵器開発ができるからな。それが戦争だ。」
人の欲望ははかり知ることがない。
それは永遠に人類のそばにある。
例え補完計画が終わったところで、別の悪が立ち上がる。
これは永遠に終わることがないマラソンだ。
そして、これが未然に防がれたところで…永遠に終わらないだろう。
アスカは残念そうに言った。
俯いていた。
「私は自分のプライドのためにエヴァに乗っていた。でも、そのプライドのために多くの人が犠牲になるならそんなプライドはほしくもなんともない。」
加持はアスカのいったことが信じられなかった。
以前のアスカならそんなことは言わなかっただろう。
だが、今は違う。
こいつは成長したんだ…。
「他人の犠牲で傷つき上げるプライドや自尊心など、何の価値もない。そんな栄光は欲しくはないわ。」
「アスカ。」
加持はつぶやいた。
赤髪の美女は加持の方を振り向いた。
そこに笑顔などない。
まるで覚悟が決まったかのような真剣な顔をしていた。
気が付けば13ぐらいのガキだったのに、そういえばこいつはもう19になっている。
大人の女だ。
その真剣な表情に加持はかつてなく胸が高鳴るのを抑えられなかった。
アスカから少し目をそらし、息を整えようとした。
だが、アスカは声を出した。
「加持さん。」
いつもなら傲慢な笑顔を浮かべるアスカはそこにいなかった。
まるで淡々と静かな目で加持をみていた。
「エヴァの中には私のママがいるのね。」
加持は震えた。
「誰からそれを…。」
「祖父から。」
アスカの祖父フリッツ。
ヤツはどうしようもないサイコパスだった。
だが、真実を知っている。
こいつももう子供じゃない。
「そうだ、君の母親はエヴァ弐号機の中に取り込まれた。魂、精神の1部を取り込まれたままね…。」
「それが私を求めていると…。」
「そうだ、最初から誰でもよかったわけではない。君以外に動かせるものがいないからだ…。」
アスカは知らなかった。
最初から仕組まれていた駒の一人。
それが自分であったのだ。
だったらみせてやろう。
駒の生きざまを。
『戦士であるなら戦って死ね』
それがあの悪党である祖父が連れた側近がいっていた。
なぜいったのか、それはわからない。
だが、一つだけわかることがある。
それを加持に言うことにした。
「私の祖父は自分のお膳立てでなったといっていた。そうなのかもしれない、でも私は決めたの。例えそうであっても私は自分の役目から逃げない。私はエヴァのパイロットでいつづける。世界が私を必要とする限りは。」
アスカはわかった。
どうあがいても、エヴァからは逃げられない。
そして、祖父のようにエヴァを利用する悪がいる限りはやめない。
自分が決めた道だ、自分しかケツをまくれない。
「アスカ…。」
「私のプライドのためだけじゃないわ。これは私の生きる道。」
「そうか…。」
こいつは覚悟を決めたのか。
じゃあ、俺も決めないとな。
「アスカ…すまなかった、黙っていて。お前をまだガキか何かだと思ってたんだ。ずっと。だからお前を遠ざけていた。まだ俺の中ではお前は14のガキのままだった。だけど年数は過ぎた。お前は大人になった。俺は違ったのさ。俺を置いてお前は大人になった。」
「大人ってなんなのかしらね。」
アスカは照れてなどいなかった。
そこにあるのは自分を客観的にみた大人の目。
やがて、アスカは病室を去っていった。
ケンスケは目をハートにするとアスカを追いかけて出ていった。
思わず加持はいってしまった。
「俺はガキのままだな…。」
加持は思わず言った。
ウエストはかぶりをふった。
やれやれという表情だった。
「このお嬢ちゃん、お前が手術台に入るまで付き添っていたぞ。お前は麻酔で眠っていたがな…。お前は大事な物を得た。俺には手に入らなかった物がな。」
「なんだそれは。」
「愛だよ。」
ウエストはテンガロンハットを深くかぶった。
辺りはすっかり夕刻を過ぎていた。
加持はふと手元にあるファイルをのぞいた。
そこには手紙があった。
『この情報はCIA上層部もかかわっていることだ。気をつけろ。俺もしばらくあえそうにない。幸運を祈るぞ。』
ソーンバーグ。
無理をしたのか。
数少ない友人の一人。
「ダニエル、すまん。」
加持は小さく言った。
あいつは俗物だった。
だが、そこには正義があったんだろう。
だから俺たちに肩入れをした。
査察官というポジションでありながら、甘くしてくれた。
そこには自分の国をよくしたいという想いがあったからだろう。
もしかしたら次似合う時は後生の別れになるかも。
その時本当の友人としてヤツをみとめよう。
そしてそのメモとともにある住所と大きな屋敷が書かれていた。
アフリカ。
そこをベースに一つの工場が建設されていた。
そこにはスペインで暴れた複数の黄色いエヴァの同型がうつっていた。
そして、それを支持している禿げ頭とメガネの男。
フリッツ・ツェペリン。
そして、それと同じくうつっているのはサングラスをつけた黒人の老人。
加持たちには見覚えがあった。
「モーガン・ジャクソン。」
ヤツはアスカの祖父の右腕。
アスカの祖父は全ての黒幕。
ここが奴らの拠点か。
そして、モーガンのそばには大きなコンピューターがうつっていた。
そのモニターにはEVAの文字が浮かびメーターのようなものもうつっていた。
「ここですべてを管理しているのか。」
加持は思わずつぶやいた。
「というと、奇襲だな。」
「奇襲か、じゃあそれにうってつけのヤツを呼ぼう。」
加持には一人心当たりがあった。
こういう対人戦が強い奴がいる。
「この肩もあいつに刺されたもんだ。」
加持はほくそ笑んだ。
モーガンめ、やってくれたな。
この仕返しは必ずしてやる。
加持にはわかっていた。
決戦の時は一刻と迫っていった。
ロシア、ウラジオストク。
セカンドインパクトで大半の世界から季節が消えかけていたとはいえ、まだ極寒の地であったロシア。
ここには地元を牛耳る悪徳なバイカーギャング「M7」がいた。
彼らは若く、マフィアでも恐れないという触れ込みのギャング集団だった。
実際に数人程度のマフィアの刺客を追い返したことがあった。
彼らが行きつけにしているバーでは今日もM7の7人のメンバーは昼間からウォッカを煽り、攫ってきた女を手籠めにしようとした。
その時だった。
「邪魔するぜ。」
声がした。
若い男一人、150㎝程度の小男が入ってきた。
若い男の顔立ちはハンサムで、180㎝ほどの身長をしていた。
男はカウンター席に座ると、バーテンダーに頼んだ。
「ビール。」
小男はバーテンダーをみると大きな声で言った。
「俺は水だ。」
バーテンダーの男は若い男に話しかけた。
「ま、まずいぜお客さん。ここはあのガキどものナワバリなんだ。」
「そうか。」
男は無視した。
すると、Mと書かれた革ジャンを羽織った7人の青年たちは男を囲んだ。
「なあ、こんなところで何をしてるんだ?特別料金もらおうか。60000ルーブル置いてけや。」
男は無視をした。
そして、渡されたビールジョッキをつかむと呑み上げた。
「てめえ聞いてるのかよ!返事ぐらいしろや!」
M7の一人がそういった。
男は黙ってビールを飲んだ。
すると、連れの小男に聞いた。
「なあ、兄貴。もうやちまってもいいか。」
「いいぞ、元よりマフィアからは頼まれたことだしな。セルゲイ。頼む。」
こいつはマフィアの刺客か。
M7のメンツはナイフや鎖、鉄パイプを取り出した。
喧嘩?してーのかこいつら。
いいだろうかかってこいや。
小男からセルゲイと呼ばれた男は立ち上がった。
「死にてえようだな、死ねや!」
不良少年は鉄パイプを持つとふりかぶって襲い掛かってきた。
セルゲイは構えをとった。
そして、長い脚をあげると鉄パイプにぶち当てた。
バキッ
「バカじゃねーか!鉄パイプだぞ勝てるとおもってんのかよ!」
少年は言った。
だが、気が付いた。
彼の持っている鉄パイプが砕けっていたのだ。
「なに!」
少年は悲鳴を上げた。
すると、セルゲイはまた構えをとった。
そして、ジャンプすると強烈な膝を少年の顔面にぶち当てていた。
「おべっ!!」
少年の鼻と口は一瞬で砕け血に濡れた白い歯数本が折れていくのが仲間たちにはみえた。
「うっうああああああああああああああうわあああああああああああ!!」
血を流し悲鳴を上げる少年の顔元に足を近づけたセルゲイはそのまま踏みつけて頭蓋骨を完全に砕いたのだった。
彼の兄である小男はほくそ笑んだ。
そして、バーカウンターの男に話かけた。
「セルゲイはな、ムエタイとキックボクシングの世界チャンピオンなんだ。」
気が付けば一人、また一人とセルゲイは次々にM7のメンツを狩っていった。
そのうちの一人は強烈な膝を見事に顔に喰らいアゴが外れていた。
中の一人はトイレに向かっていった。
「ボス!」
手を当たっていたボス格の男に話しかけた。
ボス格の男は身長198㎝ある巨漢。
元コマンドサンボの使い手であった。
彼なら勝てる。
「敵襲です!マフィアです!」
「懲りねえ連中だ。何また痛い目にあわせてやるとするか。」
ボスはそう言いながら外に出た。
そこは死屍累々であった。
5人のボロボロになった男たちの体がそこにはあった。
その中をセルゲイが立っていた。
「なんだてめえら、何の用だ。」
小男は恭しくお辞儀をした。
そして自己紹介を始めた。
「待っておりました、ミスター・ツェーコフ。私の名前はイワン・コズロフ。」
「俺を知っているのかチビ助、何の用だ。まさかお前が相手をするとでもいいてえのか?」
「いいえ、違います。あなたにはあなたに相応しい相手がいるのです。ぜひ、外に出てお確かめください。」
ツェーコフはやれやれという感じで外に出た。
すると、そこには彼が乗ってきたバイクがトラックにひかれたようにペシャンコになっているのがみえた。
「おいおい!誰だ!こんなことしたのは!」
すると、大きな影がツェーコフを覆い隠すのがみえた。
まだ昼だぞ。夜じゃない。
なぜこんなに暗いんだ。
ツェーコフは振り返った。
そこには…何かがいた。
身長3mのそれはいた。
「な、なんだこいつは…。」
怪物か?いや、ヒトだ。
3mの人間だ!?
それは恐ろしくブサイクな顔をしていた。
顔も大きさだけなら90㎝はくだらない。
そして、大きさだけじゃないその体は筋骨隆々だった。
その上脂肪で覆われていた。
一番強い筋肉デブだ。
「あ・・・あああ…。」
まさか、このバケモノが俺のバイクを…。
ツェーコフは腰をぬかした。
「紹介しましょう、彼の名はアンドレイ。我らの弟です。遺伝子異常でそのような巨体になってしまいました。なんと悲劇的なことでしょうか。」
やがて、3mのアンドレイの手はのびるとツェーコフの頭をつかんだ。
そして、剛力とともにツェーコフの頭を砕いた。
雪に血しぶきは飛び散った。
「あ・・・あああ・・・・・。」
生き残った少年は震えあがりながら、地面に倒れた。
「さあ、どうするね。」
小男イワンは聞いた。
震えあがった少年は一目散に走り逃げようとした。
だが、小男は逃がさなかった。
手に持っていたナイフ2,3本を取り出すと少年の背中と足に突き刺した。
「うが!」
少年は地面に倒れた。
「では、さようなら…。」
小男は銃を取り出すと、少年に最後のトドメを与えた。
彼の近くに二人の弟は近づいてきた。
「で、次の依頼はなんだ。」
イワンは振り向いた返した。
「モーガン様からの連絡だ、至急南アフリカに集合だ。」
イワン・セルゲイ・アンドレイの3人はそれぞれの仕事を行い終えたことに微笑んでいた。
そう、彼らはモーガン・ジャクソンの部下であるコズロフ三兄弟。
彼らは南アフリカに向けて出発を開始した。
その頃、南アフリカ、廃工場。
ここはかつてセカンドインパクト前はアフリカで最も栄えていた場所だった。
しかし、セカンドインパクトの影響で街は破壊され破棄された。
その街ごとフリッツは買い取った。
ここではエヴァの制作実験が行われていた。
マトリエルをベースにしたクモ型のエヴァンゲリオン「アラクネ」。
シャムシエルをベースにしたイカ型のエヴァンゲリオン「クラケン」。
ガギエルをベースにしたクジラ型のエヴァンゲリオン「ケイトス」。
そして、複数の黄色いエヴァンゲリオンたち。
これらを操るためにアダムも手に入れた。
その真ん中には金色のエヴァンゲリオンがいた。
他のアダムベースのエヴァとは比較にならない巨大さ強さをしていた。
彼は名付けた。
「デウス」と。
これらを満足そうに眺めたフリッツはほくそ笑んだ。
彼が生み出した多次元世界を移動する装置『スイッチ』
彼はこれを使用して複数の並行世界へと向かった。
そこではエヴァもない使徒もない世界が複数あった。
彼は興味を覚えた。
しかし、彼は失望した。
その世界はつまらなかったのだ。
そして、その世界を破壊することを決意した。
やがて、数年後戻ってきた彼はゼーレが壊滅するのを待った。
その時は来た。
そして再びゼーレのリーダーになったのだ。
彼の持論はこうである。
『人は闘争によって進化をする。』
どの時代でも戦争は文化の発展を産む。
これを忘れた時点で人はブタになるのだ。
それを否定した時点で人は人ではない。
そんな世界の存在は認めることは彼にはできなかった。
かつて、スイッチは彼の研究室にしかできなかった。
だが、研究し予算を増やすことでスイッチは横幅3km以上の大きな物に強化することができた。
それをかつてのダムがあった場所に置くことで搭載可能となった。
これを使いエヴァのない世界をを制圧する。
あるいはそこにいるゼーレを操り人類補完計画を行う。
そして、それを利用しいずれ来る災厄に備える。
かつてアダム・リリスを産んだ第一始祖民族は滅んだ。
それは巨大な超次元的生命体による大いなる破壊によってとささやかれている。
それがなにによって起きたのか、あるいはなぜおきたのか。
それはわからない。
そして、それもあくまで説の一つでしかない。
しかし、いずれにせよ彼らは生きた証を残すべく複数の物を残した。
その種がアダムとリリス、それらは二つそろって複数の多元世界で降り立った。
その結果、アダムベースの使徒とリリスベースの人間による殺し合いがおきた。
ゼーレが唱えていた人類補完計画、それも本来であればいずれ地球にやってくる巨大な超次元生命体を倒すために人類が一つになるというものであったはず。
彼は少なくともそう解釈していた。
戦争に飢えた、だが国際世論を気にしたアメリカの軍需産業を焚きつけたフリッツは提案をした。
「多元世界なら破壊を行っても大丈夫。」
そして、彼らはこの地球に似た別の地球への侵略計画を許可した。
だが、そのために邪魔な存在がいる。
我が孫アスカ、とその仲間たち。
キョウコ・ツェペリン、弱い娘であった。
私が弐号機の中に入れといった時、彼女は一瞬拒んだ。
だが、彼はキョウコにマインドコントロールを仕掛けると無理矢理乗せた。
「お前は恥さらしの娘だ。」
「人生で1度有益なことをしろ、負け犬。」
とね。
その結果、キョウコの精神の1部はそのままエヴァに取り込まれた。
フリッツはこれで駒が増えたと喜んだ。
しかし、結果は不完全で終わってしまった。
ほかならぬ自分の手で。
彼は最後のアダムをつかむと口を開けて呑み込んだ。
失敗作であるキョウコとその子アスカは私により、引導を渡してやる。
「私がエヴァに乗り、お前を倒してやろう。アスカ…。」
消えてもらおう。
そして旧世代のエヴァンゲリオンたちにも。
フリッツは笑い声をあげた。
多元世界の前に邪魔者たちを消してやる。
否、その前にこの世界で圧倒的な力をみせつけてやる。
アメリカ政府ごときが偉そうにするな。
この世界の支配者は誰であるのか教えてやる。
そして、敗北を味合わせてやるのだ。
フリッツの笑い声は高らかに響いた。
その笑い声をモーガンは聞いていた。
彼にもわかっていた。
最後の戦いが近い。
恐らくそれはきっと、あの加持もくるだろう。
あのアスカという娘は祖父に可哀想にもプライドを全否定された。
それでは面白くない。
モーガンは戦いを愛していた。
それは目を失っても同じこと。
あの娘は見込みがある。
だからここでつぶすのは面白くもなんともない。
まだまだあいつの成長がみたい。
そもそも、あのフリッツとかいう爺は正直気に食わない。
だから勇気を与えてやった。
連中はここにくるだろう。
恐らく今度は本気で殺しにくる。
だったらこっちもそろえてやる。
駒をな。
「さあ、若者たち。君たちはどんなことをしてくれるのかな。」
駒たちはそれぞれ動き始めた。
最後の戦いに向けて。