加持とアスカが世界を守るために戦う話   作:井上ああああ

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今回はアスカ覚醒&ジジイスーパーフルボッコタイムです。


アスカと加持の決戦 後編

アスカは気が付いた。

ママの声だ。

 

 

「ママ?」

 

 

そうか、弐号機の中にはママがいる。

こういうことだったのか。

その時だった。

アスカの脳内に声が聞こえた。

 

 

『何?エヴァに乗りたくない。』

 

 

『私にも家族がおります。父さん。どうか別の方にお願いします。』

 

 

 

祖父の声だ。

 

 

 

『愚か者め、お前は恥さらしの娘だ。人生で1度有益なことをしろ、負け犬。お前は誰の子だ、わしの子供だ。一度でもいい、世界に名を遺すそのようなことをするんだ。』

 

 

祖父は母を昔から軽蔑していた。

母は乗らざる負えなかったのだ。

祖父に認めてもらうために。

 

 

 

「ママ、そうなの…。」

 

 

 

本部の発令所にいたリツコは驚愕の声をあげた。

 

 

「シンクロ率が200%!!!アスカ、このまま上がっていけば・・・まずいわよ!!」

 

 

アスカには聞こえなかった。

ママがいる。

やがて、弐号機は立ち上がった。

何百層にも重なったデウスのATフィールドは徐々に亀裂が入っていった。

 

 

「な、なんだ!!」

 

 

弐号機の赤い腕は輝くと、徐々に押し返していった。

 

 

 

「あなたのせいなのね、お爺ちゃん。全部全部あなたがやったせいでママは元の体に戻ることはできなかった。許せないわ。」

 

 

アスカは冷静だった。

フリッツは口を震わせた。

 

 

 

「こ、この…ガキが。」

 

 

 

「黙りなさいッ!!!!」

 

 

 

弐号機は全身の力をATフィールドにこめてはなった。

巨大な衝撃波が発生し、デウスの体は吹き飛んでいった。

 

 

「う、うわああああああああああああああああ!!!」

 

 

やがて、黄金に輝くデウスはインド洋の真ん中に吹き飛んだ。

金色の装甲はそれでもはがれていなかった。

 

 

「何だ、なぜだ…バカな…。」

 

 

こんなことはありえない。

そう、ありえないのだ。

機体はこちらの方が上、アダムを装着しているので私の自由自在に操れる。

そのはず…そのはずなのに…。

ATフィールドを増幅させ衝撃波に変え押し付ける、これは私にしかできていないこと。

なのに、奴はなぜできる。

 

 

 

 

フリッツは思い出した。

 

 

そうだ、ガトリング銃。

これでハチの巣にしてやる。

 

 

何がATフィールドだ、そんなもんなくてもあんな小娘殺してやる。

このガトリング銃の弾丸はロンギヌスの槍の破片でできている。

 

 

あの娘のATフィールドごと突き破ってくれるわ。

 

 

「死ねぇぇぇぇ!!!!!!!!」

 

 

 

ガトリング銃が火を噴いた。

白く輝く弐号機の目から放たれているATフィールドはそんなものの影響は受けなかった。

フリッツは焦っていた。

 

 

バカな!?勝てない!!!

 

 

そんなことはない。

そんなことあろうはずがない。

 

 

気が付けばガトリング銃は全ての弾丸を使い切っていた。

 

 

噴煙が覆っていた。

弐号機はみえない。

だが、迫ってくる音が聞こえる。

 

 

 

「まずい。」

 

 

弾ギレか。

かくなるうえは…。

そうだ。

 

流石ワシ、いいことを思いつく。

 

ゼウスは肩から斧を取り出した。

この斧はマゴロクソードにも負けない威力を持っている。

勝てる。

だが、背中越しに隠した。

バレてはまずい。

 

 

 

 

 

噴煙の中から出てきた弐号機は黙って近寄っていた。

まるでデウスを見下すように立っていた。

だが、フリッツに策略があった。

うまくいけば騙せる。

 

 

 

「アスカ…強くなったな。お前の勝ちじゃ。」

 

 

やわらかい声でいった。

最初にあった時のような声になった。

弐号機の動きがピタリと止まった。

 

 

 

「お前は立派な大人だよ、アスカ。もう降参だ。わしの負けだ。すまなかったな。」

 

 

 

弐号機が近づいてきていた。

JAの部分は大破しているのがフリッツにはみえた。

勝てる。

勝機はある。

 

 

ゼウスに乗ったフリッツは手をあげて敗北を認めた。

弐号機はその手をのばし、ゼウスに手を差し伸べた。

 

 

 

 

 

 

バカが‥‥。

 

 

 

 

「死ねッ!!」

 

 

フリッツは起き上がると隠していた斧を弐号機の腹部に突き刺した。

弐号機の装甲は砕け、肉が避けて血が噴水のように噴き出た。

 

 

 

 

「うぐっ!!!」

 

 

 

アスカは腹部に痛みが響くのを感じた。

 

 

 

「ううううう!!!」

 

 

弐号機は地面に倒れた。

と同時にフリッツは蹴りとともに無理矢理引きぬいた。

 

 

 

「アスカ、悲しいのお。お前は優しい子じゃ。その優しさがダメなのじゃ。いいかプライドは大事じゃ。だがそのためなら他人を傷つけてもいいという覚悟がなければいかん。なぜ碇シンジを殺さなかったのだ、負け犬めが。やはり失敗作の子は失敗作じゃ。」

 

 

やがて、老人は弐号機を切り裂いた斧を取り出した。

 

 

 

「さあ、死ぬがよい。」

 

 

 

その時だった。

 

 

 

弐号機は動いた。

そして、素早くデウスの腹部めがけて腕を突き刺した。

 

 

 

「なぜ?」

 

 

アスカは問うた。

フリッツはあまりの激痛に悶絶した。

 

 

 

「なぜなの、なぜ…。」

 

 

 

アスカは泣いていた。

そして、突き刺した腹部に大きな大電流を流した。

 

 

 

 

「ぐわああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

 

 

フリッツの悲鳴が聞こえた。

ゼウスはJA改の電気エネルギーを模した弐号機の左腕から放たれた電撃攻撃に苦しんだ。

 

 

 

「ぬわああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

 

 

「あなたはなぜ、そのような人なのよッ!!!!!」

 

 

 

 

 

フリッツは全身に電流が走った。

内部にあるコンピューターが破裂していくのがみえた。

やがて、装甲にもそれはダメージがいった。

胸の装甲が抜け落ちるとコアはむき出しになった。

 

 

 

「がㇵッ!!」

 

 

 

フリッツは膝をついた。

アスカは腕をぬくと、再びJAの電流を放電させた。

 

 

 

「もうあなたを許してあげない。」

 

 

 

アスカは放電しながらコアを殴り、突き刺した。

そして、握った。

 

 

 

「やめろ、考えなおせアスカ。それは…。」

 

 

「嫌よ。あなたはママの仇だッ!!」

 

 

 

アスカは雄々しい声をあげ、コアを握りつぶした。

大電流とともに。

 

 

 

「う、うォぼァあァあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

 

 

フリッツは断末魔の声をあげた。

やがて、あたりは激しい光と轟音で包まれた。

デウスの体は電子レンジに入れた冷凍食品のごとく破裂し、爆発した。

二号機もその爆破に巻き込まれると地面に倒れた。

 

 

JAの希望の力が偽りの神を破った。

 

 

アスカはその時、気が付いた。

自分は祖父を殺した。

気が付けば涙が出ていた。

 

 

 

「私は…とうとう人を殺した。自分の祖父を…。家族すらも。」

 

 

 

許してママ。

許してお爺ちゃん。

私は世界を守ると決めた。

悲しいけど、私は逃げない。

 

 

でも、今は悲しい。

この悲しさに身を任せたい。

アスカは声をあげて号泣したのだった。

 

 

気が付けば夕焼けがあたりを包んでいた。

アスカはふと、目を凝らした。

そこにはエントリープラグがあった。

 

 

 

祖父のモノ。

 

 

生きていた…。

手にかける気はない。

殺す価値などない。

こんな奴のために私の誇りを汚す気はない。

 

 

 

アスカの顔に笑顔が戻った。

 

 

祖父は私達親子をなじり、バカにした。

だが、その前に破れた。

 

 

 

「今日の勝利は私とママのもの…。」

 

 

 

やがて、気が付けば専用機に運ばれた8号機のマリが迎えに来るのがみえた。

それだけではない。

初号機も零号機もきていた。

 

 

「アスカ!」

 

 

シンジの声がした。

 

 

 

「ごめん、シンジ。カッコイイ所全部とっちゃった。」

 

 

「いいよ、無事でよかった。」

 

 

シンジの声は元気そうだった。

相変わらずあまり声変わりをしていない、女っぽい声だ。

 

 

「姫、調子はどう?」

 

 

マリの声だ。

 

 

「最悪、お腹減った。ハンバーグが食べたい。」

 

「帰ったら作ってあげるね。」

 

「アンタに料理できるなんて意外。」

 

 

マリとアスカは冗談を言い合うと笑い合った。

 

 

「久しぶりね、セカンド。」

 

 

レイの声か。

 

 

「ファースト久しぶり。」

 

 

「私肉食べれないけど、一緒にごちそうになりたい。」

 

 

珍しい。

こいつもだんだん人らしくなってきたのかな。

アスカは怪訝とした表情で言った。

 

 

「おいでおいで。作るのはマリだけど。」

 

 

「そういえば碇君、何か作ってくれる約束は…。」

 

 

「そうだ、あの約束を守ろう。じゃあボクも手伝うよ。」

 

 

四体は勝利を祝った。

すると四人の会話を聞いていたリツコが声をだした。

 

 

「みんな久々なのによくやってくれたわね、ありがとう。お疲れ様。この調子じゃあと10年は安泰だわ。」

 

 

「10年後は僕の息子が乗るよ。そん時はアスカにも子供がいるかもね。」

 

 

「まだ早いわよ…。」

 

 

アスカとシンジはゲラゲラと笑い合うと勝利を祝った。

 

 

 

やがて、軍は到着するとフリッツの乗ったエントリープラグは回収されていった。

四人もエヴァからおりると久々の会話を楽しんでいた。

回収作業には遅れてやってきたカヲルの四号機が付きそうこととなった。

 

数刻あり、フリッツはエントリープラグから出てきた。

フリッツの片腕は赤黒い異形の姿になっていた。

 

だが、カヲルはアダムそのもの。

フリッツがなにかをしようとすれば、その指一つで死に至らしめる。

もしくは、カヲルが使わせない。

 

フリッツもそれをわかっていたのか、無駄なあがきはしなかった。

 

 

怯えるマリにアスカは肩を抱かれた。

アスカはマリの背中を抱きながら、祖父を睨みつけた。

アスカをにらみ返すとフリッツは一言だけ言った。

 

 

「覚えていろ。ガキどもが…。」

 

 

アスカはためらうことはなかった。

祖父をみて、冷たく言った。

 

 

 

「私たちはあなたに負けない。」

 

 

 

シンジもそれに続いた。

 

 

 

「お前のように力を間違って使うものは許さない。」

 

 

 

 

フリッツは苦虫を噛むような表情を浮かべると睨みつけた。

碇シンジ。

憎きローレンツの孫よ。

またしても立ちはだかるか…。

 

 

 

「私かあるいは我が発明・意思・野望を受け継ぐものが貴様らの前にたちはだかろう。その時、貴様らは死ぬのだ。せいぜい地獄で楽しみに待っておるぞ。アスカよ…。」

 

 

「例えあなたが母の父であったとしても、私はあなたを許さない。永遠に…。」

 

 

 

 

やがて、カヲルはフリッツを連れてどこかへと去っていった。

恐らく祖父と会うのは最期だろう。

 

 

だがもう二度と会う気はない。

 

 

 

カヲルはシンジに「土曜日は夜8:00に、集合」とだけいうと手を振っていった。

シンジに聞けばどうやらカヲルとやってる、FPS系ゲームのことらしい。

そういえば、ケンスケもこれが好きだそうだ。

3人は3人だけで『ネルフ』というチームを組んでいる。

 

 

やがて、4人はエヴァ専用機に連れられるとそのままドイツへと帰っていった。

パイロットたちを残し、初号機と零号機はそのまま本部へと帰っていった。

リツコの計らいだ。

今日は遊べということだろう。

ドイツに帰ったアスカを待っていたのはケンスケの歓待だった。

 

 

だが、アスカは驚いた。

もうケンスケはアスカに興味はなかったのだ。

 

 

「マリリーン!!!」

 

 

ケンスケはそういうと、マリを抱きしめた。

 

 

「ケンケーン!!!」

 

 

マリもそれにこたえると二人は暑苦しいほどのキスをした。

 

 

シンジはそれを冷やかすような笑顔でみつめていた。

シンジの視線に気が付くと、マリとケンスケはお互いに身を離した。

そしてわざとらしく喧嘩を始めた。

 

 

「オタメガネ!」

 

「お前もメガネだろ!ネコメガネ!」

 

 

ケンスケを交えた4人は5人になりそのまま、アスカと加持が住んでいる家へと向かっていった。

シンジの作るサラダ・味噌汁、マリの作るハンバーグ。

そして、もう全員が成人になったことで酒がふるまわれた。

 

アスカは最近ミサトのマンションの隣にリツコと時田が引っ越して来たこと、青葉とマヤが結婚している事を聞いた。

みんな元気にしていることをアスカは喜んだ。

ヒカリとも最近会ってはいないが、以前ヒカリがあげたSNSの画像にちょっとくどすぎないとアスカが苦言したら怒られたと愚痴を言い合った。

 

 

 

深夜。

 

 

シンジは気が付くとソファーで寝ていた。

レイはベッドの上で、マリはケンスケとともに地べたで猫のように丸くなり寝ていた。

アスカは待っていた。

ある男の帰宅を…。

 

 

やがて、ドアは開いた。

そこには加持がいた。

目は赤くなっていた。

 

 

「加持さん。」

 

 

アスカは加持に近寄った。

すると、加持は黙ってアスカを抱き寄せキスをした。

加持は何も言わなかった。

アスカも同じく。

愛に言葉などいらない。

沈黙が二人を包むまま、とうとう二人は正真正銘の恋人となったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、エピローグで終わります。
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