気が付いたら魔法が使える世界に居た件について 作:awtntn
お兄様視点のイッチです
意外とまとめようと頑張ったら逆に文字数少なすぎて困惑の巻
焔火家
魔法が異能としてではなく、魔法として認識されていった当初。
2000年代初頭から第一線で活躍していた魔法師の血筋。
ほかにも第一線で活躍していた家もあり、その苗字には火、水、風、光、闇の5つの要素を含む名前を冠していたことから五大家などとも呼ばれていた。
時は今の世。
その影は見ることはなく、ある家は完全に魔法師から撤退。ある家は血筋が完全に途絶えなど様々な理由から表舞台から姿を消した。
友人である焔火鳳華の家である焔火家が唯一現存する五大家である。
といっても近年めぼしい活躍はなく、知っているものはほとんどいない。
実際に自分も鳳華自身と出会わなければ知ることはなかっただろう。
「お兄様、この格好は似合っていますでしょうか!」
普段よりもテンション高く聞いてきたのは、妹である司波深雪。
何を隠そう深雪の意中の相手こそが鳳華である。
一時期はまるで死んだ魚の目のようにどんよりとしていた時期もあったがとあることをきっかけに復活した。
「あぁ、とても似合っているよ。それは鳳華に見せるためかい?」
「い、いぇ別にそういうわけではないのですが…あ、あれです。ちょっとたまには髪型を変えてみてもいいかなぁと。おしゃれをしたい年頃ですので!」
そのとあるきっかけとは、体術の師である九重八雲先生へ鳳華の調査依頼をした時だった。
まずそもそも、調査依頼の経緯をした理由だ。
2092年、沖縄にて起こった事件。大亜細亜連合が進行し勃発した沖縄海戦。
そこで鳳華が伝えてきた言葉。「今、この沖縄の地に危機が迫っております。」それを言ったのは深雪に対してだった。
まるで最初から分かっていたかのように、俺が居なかったタイミングを測り最初はナンパかを装うような形で近づいてきた。
「あなたとデートできたのなら、私は死んでもかまいません」
などと歯に衣を着せぬようなことを言いながらだそうだ。
実際鳳華の話通り海戦が起こった。
本人がそこにいる。なぜ知っていたのか。もしかして大亜細亜連合の仲間なのか。
問うのは簡単であった。しかしできなかった。
深雪が居た手前というのもあるが、雰囲気がこちら側の人間であった。
それは鳳華の恋人である工藤莉奈も同様であった。
それゆえに、もし敵だった場合俺も無事では済まない。最悪の場合深雪にまで危険が迫ってしまう。
現状はただ仲の良い学友である。それゆえに関係性を崩すことはできなかった。
だからこそ調査の依頼をした。
深雪のためにでもあるが、学友として白であってくれと願ったのはこれが初めてである。
「結果から言うと、特に怪しいところはなかったかな」
その一言に一安心を覚える。
「ただ……」
その一言にぎょっとする俺と深雪。しかしそれに続く言葉は予想していたものとは大きく外れるものであった。
「どうやら今、焔火家は婚約者を探しているみたいだね。」
「婚約者ですか…鳳華には恋人がいるはずですが…」
「成程ね…、それならやっぱり噂通りかな」
「噂…といいますと」
「いやね、達也君たちも知っての通り、焔火家は没落した。現状魔法師の家系としての体を保ってるだけで精いっぱいだ。そこに現れたのが鳳華くんって訳さ。」
つまり、第二、第三夫人。何人もの女性を娶ろうとしているという噂さ。
その言葉を聞いて食い気味に深雪が質問をする。
「その噂は本当なのでしょうか!?」
「あくまで噂だけどね。ただ今実際に恋人がいる状態なのにほかの、それも位の高い家へ縁談を複数も申し込んでいる。」
確かに、恋人関係であること。それを両親の公認の元であるというのは鳳華本人たちから聞いている。
普通の魔法師の家系であるならば相手が一人いたら十分である。最近使われているが重婚制度を利用しているところも決して数多いわけではない。
さらに言えばその制度を利用できる地位となると……
「ほんとかどうかはさておき、十師族にまで申し込みをしているなんて話もあるくらいさ」
それを聞いた瞬間、深雪が固まった。
きっと脳内では今頃四葉の力を使えば…なんて考えていることだろう。
あの人たちが認めてくれるかどうかは問題は別ではあるが。
それはさておき現状はグレーよりの白といったところだ。
まだ警戒を完全に解ける訳じゃない。
それでも俺はお前を信じたい。
風紀委員を決める服部副会長との決闘の言葉。
あれはお前の本心だろう。だからこそ、あれを聞いたからこそお前になら深雪を任せられると思った。
「そういえば、リーナがホウカは眼鏡をかけてる姿も好きだから伊達メガネを用意してるって言ってたわね…私も用意するべきかしら」
聞こえないと思っているのか、それとも脳内で考えたことが口から出ているのかわからないが今の深雪の様子は完全に恋する少女である。
そんなほほえましい妹を見ながら再び考えにふける。
それではなぜ白よりになった鳳華に対して再び頭を悩ませているのか。
それは昨日起きた一高で起こったテロ事件。
反魔法国際政治団体・ブランシュ。二科生の心に漬け込み反乱を起こす。
その狙いは図書館にある魔法大学が保有する機密文書の奪取。
狙いを阻止すべく図書館に赴いたときにはすでに賊は壊滅していた。
壊滅させたのはほかでもない。鳳華であった。
本人曰く「巡回ルートを間違えて図書館にはいったらたまたま鉢合わせた」とのことだった。
果たして本当だろうか。今までの疑いにより疑念が強まる。
「俺の大切な人たちを傷つけようとしたんです、これは完全に私怨ですよ」
校内での騒ぎがひと段落し、保健室にて壬生先輩からいろいろと話を聞いていた。
話し合いの際、ブランシュの本部を襲撃するといった内容になった時だ。
「待って鳳華くん、殺しちゃだめよ?」
「…………」
「ダメったらダメよ。いい?わかったね。やっても手足までです。」
七草会長と鳳華のやり取りはまるで長い間をともにしたカップルのようなものであった。
もしや十師族にも縁談を…いや、今はこの考えは不要なことだとすぐに捨てた。
その後はすぐに襲撃の準備をし、作戦を実行した。手足までです、とは重力魔法を広域展開し、その領域内にいる人間すべての手足を粉々にするものであった。
奇襲も無事成功し、最終的には無事完了した。
司一に会った際も、特に縋る様子もなくただただおびえた表情だった。
もし仮に仲間であったなら潜伏している味方が敵の後ろをとっている状態だ。表情を隠そうとしてもほころびは出てくるはずだ。
しかしその顔はただただ恐怖で染まっていた。
「もうこんな時間……すいません、お兄様。先に寝させていただきます。」
深雪の声を聴いて現実へと意識が戻る。
鳳華と同じ高校とわかってから、深雪の就寝時間が一時間ほど早くなった。
深雪が言うには、夜更かしはお肌の天敵なんです!とのことだ。
今はもう鳳華への想いが中心となった生活となっている。
「あぁ、わかった。おやすみ」
ぺこりと頭を下げ、部屋に戻る。
兄としてはこのまま深雪の応援をしたい。何もかもつまらなそうな、世界が白黒の世界のような、そんな顔をしている時を知っている。
だからこそ、今の幸せそうな姿がとてもうれしく思う。
「鳳華……お前はいったい敵なのか。味方なのか。」
俺はお前を殺したくない。
味方であることを願うよ。
今更ながら、ガバ理論、ガバ展開はご愛嬌ということで
と、ここでイッチのマル秘情報その1
女の子の呼び方は最初はさんだけど仲良くなってきたらだいたいちゃんになるぞ
呼び捨ては恋人か夜のドSモードの時くらいにしかつかわない
壬生先輩視点は九校戦編の時にでも