気が付いたら魔法が使える世界に居た件について   作:awtntn

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何も思いつかないので初投稿

そろそろこの初投稿ネタも尽きてきた


九校戦1日目~3日目・裏

8月3日 九校戦一日

九校戦会場に向かう途中でトラブルにあったのを想わせないような晴天。

鳳華くんの話だとあれは人為的なものらしいけど…あれは春の報復かしら。幸い九校戦は警備の数多い。

このまま何事もなければいいけど……。

 

「真由美さん、CADの調整完了しました。使用感確かめてくれますか?」

 

そういってCADを渡してきてくれたのは婚約者である焔火鳳華くん。

彼には私のメインエンジニアを担当してもらっている。担当登録する際に黙って鳳華くんを登録したら誰にも気付かれずに行けたのはラッキーだったと思う。

 

「もう…今は会長でしょ、今は二人っきりだからいいけどもし誰か来たらどう説明する気よ。」

 

口をぷくりと膨らませ注意するがまったく効果がないのかごめんなさいねと頭を撫でてくる。

まったく…私の方がお姉さんなんだからとと思いながらも黙って撫でられ続ける。

先ほど自分で見られたらどう説明するのよと言っておきながら名前呼びよりもまずい状況であるのは誰が見ても明白である。それでも受け入れているのは、最悪婚約していることを説明してしまえばよいと以前よりも楽観的になっているからかもしれない。

 

「それで、調整はどうですか?」

 

時間もあまりないですよと言いたげな表情で撫でている手を離す。

ちょっと残念と思いながらも確認に入る。

 

「うん、完璧よ。これで優勝は間違いないわね。」

 

「油断してると足元を掬われますよ。」

 

からかわれながらも確認したCADを鳳華くんに渡す。

受け取ったCADを調整台の上に置くと両手をおもむろに開いた。

 

「安心してください、今周りには誰もいませんよ。」

 

知覚魔法か何かを使ったのだろう。彼が何を求めているのかを察し行動に移す。

 

「鳳華くんて…思ったよりも体がっしりしてるのね」

 

鳳華くんは何も言い返さずに抱きしめられている体に力を入れる。

何分経ったのだろうか。実際の時間は一分にも満たないが、まるで30分以上抱きしめられ続けていたような満足感を得る。

 

「そろそろ選手受付の時間ですよ。」

 

その言葉とともに互いの手が緩まる。

 

「行ってきます。」

 

「行ってらっしゃい、傍で見ていますからね。」

 

鳳華くん成分を補給した、傍で彼も見てくれている。

今日の私は向かうところ敵なしだ。

 

いつも以上に気迫のこもった真由美はその圧倒的力から決勝相手すら心を折ってしまうほどだった。

そんな彼女に畏怖を込め新たに妖精の女王(クイーン・オブ・エルフ)と名付けれた。

 

 

 

8月4日 九校戦二日目

昨日スピード・シューティングを優勝し、気分をそのままに今日のクラウド・ボールに挑む。

CADは昨日の内に調整し終わっている。そのためクラウド・ボールに向けて体をほぐしている最中である。一応(・・)体を動かす競技であるため念には念のためである。

 

「鳳華くん、ちょっと背中を押してくれるかしら。」

 

ベンチで作業をしている鳳華くんに声をかける。

夏を感じる日差しになってきており、自身も普段から頻繁に運動をしているわけではない。それ故に軽くであるが汗ばんでいる。

 

タオルで拭いてから頼むべきだったかしら。そんな後悔したときには遅くすでに後ろでスタンバイ状態状態である。諦めて背中を押してもらいしっかりと体を伸ばす。

 

「もう大丈夫、ありがとう。」

 

どういたしましてという言葉と共に手を差し伸べてくれる。

他の男の子だと私が手を差し出さないと引っ張ってくれたりしないのよね…と自身がただの女の子ではなくの七草家の長女である。そんな見当違いな考えをしながらもやっぱり優しいのよねと彼の手を取る。

 

「真由美さん、ちょっと話があるので裏に行きませんか。」

 

手は繋がれたままで裏に連れていかれた。朝早かったからだろう、この状態を見られずに済んでよかった。

昨日からだろうか、誰かに見られるかもしれない。そんな状況で鳳華くんと体を重ねることが癖になってきた。今までお利口さんで過ごした結果、遅めの反抗期みたいなものが今来たのかもしれない。

 

「どうしたの、鳳華くん。」

 

「ちょっとやりたいことがありまして……。」

 

そういいながら手を引っ張ってくる。気が付くと誰もいない控室に連れ込まれていた。誰もおらず、監視カメラすらない。そんな二人だけの密室空間。

どんな重要な話なのか聞こうとしたがすぐに彼の思惑に気が付く。

 

「もう…甘えん坊さんなんだから。」

 

短めのスカートにテニスウェア。もう暑くなっている時期だからちょうどよかったが、こと抱きしめられる際にはちょっと暑くなってしまう。

彼が少し屈んだのを体で感じる。顔を近くにしてきておりその距離がだんだんと近づいてくる。それってこういうことよね……。

 

キスをするために目をつぶり、かかとを上げ彼の顔に自身の顔を近づける。

しかし感じた感触は唇ではなく指であった。

 

「キスはダメですよ。続きは……そうですね、優勝したらしましょうか。夜、部屋で待ってますからね。」

 

顔がまるでゆでだこのように赤くなるのを感じていた。

自分からキスをせがんできた癖にさせてくれない、それだけではなく焦らされているこの感覚。まさかの小悪魔系になってる鳳華くんを睨みつける。

 

勿論あんなことをされたら内心穏やかではなかった。

しかしそのイラつきもといムラつきは鳳華に当たるのではなく対戦相手である選手に向けられた。

 

その日、真由美は予選ラウンドから決勝戦全てにおいて、一歩も動かずに優勝するという快挙を成し遂げた。

 

8月5日 九校戦三日目

昨日のムッとしていた表情からいっぺん、今朝の彼女はホクりにホクっていた。ホクホクである。

彼女を見た人は、皆九校戦の戦績が良かったからだと思っていた。彼女自身の優勝はもちろん、男子は不調気味であるものの、総合的に見ると三連覇もできる高い位置にいたからそう考えるのも当然である。

しかし実情は夜の逢瀬によるが、それを誰が想像ができるであろうか。

 

そして今日あるのはバトル・ボードとアイス・ピラーズ・ブレイク。

私の悪友である摩利が順調にバトル・ボードで勝ち進んでおり、彼女の実力を考えれば最低でも準優勝は固い。恐ろしいほどに予定通りである。

このままいけば念願の三連覇も叶う。この時まではそう思っていた。

 

想定外の事態が起きたのは摩利が出場していたバトル・ボードの準決勝だった。

七校の選手と摩利が競っていた。レース中カーブゾーンへと入り本来ならスピードを落とし曲がる、誰もがわかることである。

しかし七校の選手がオーバースピードで突入してしまい、転倒。それを摩利が受け止める形で魔法を発動したのだが体勢を崩してしまいコースアウト。

幸い新人戦のために近くで観戦していた鳳華くんによって魔法で地面に激突することは免れた。それが無かったら折れていた骨はより多くなっていただろう。

 

「まったく…早く目を覚ましてちょうだいね、小言の一つでも言わせてもらうからね。」

 

病院に運び込まれ、治療を終えた親友に言葉をかける。眠っているため言葉が届かないとわかっていても小言が止まらない。

けがをした摩利を運ぶ際、所謂お姫様抱っこという形で鳳華くんが運んだため関係性を知らない人たちが恋人関係なんじゃないかと囃し立てる。

鳳華くんは私のものなのに…。正確に言えば私たちではある。

 

それにしても一体この九校戦でなにが起こっているのかしら…、普通に考えて曲がるときにはスピードを落とす。そんなことがわからないようでは選手は務まらない。

それに受け止める際に、いくら緊急とはいえ摩利が体勢を崩すのかしら。

 

とりあえず、今は動画検証をしている達也君たちを待ちましょうか。

 

*****

 

「まったく…あの男は…。」

 

ひりひりとした右手の拳をさすりながら、さっきの出来事を思い浮かべる。

 

「そういえば言い忘れてたけど、メイド服姿のエリカちゃん可愛かったよ。また着てみてほしいな。」

 

そう言いながら横を歩いているのは同級生である焔火鳳華であった。

 

「あーあれね、あれは仕方なくよ。懇親会面白そうだったからね。もう二度と着ないわ。」

 

「えー、もったいない。もし将来行く当てなかったらうちでメイドやらない?」

 

男側が女性側に惚れている、それをあしらっているかのような構図。

しかしそれはただの男女のたわいもない会話である。

 

なぜ選手兼エンジニアである彼がぶらついているエリカの隣にいるのかというと、単純に仕事が終わったからである。

エンジニアである彼だが、同時に選手でもあるため割り振られている仕事が少なくなっているのである。

というのは表向きの理由で、本当の理由は二科生が自身のエンジニアを務めるのを嫌う層が大半であり、そうじゃない者の中から達也と鳳華に割り振られた。さらに選手でもあるというのを加味して今の仕事量になったのを知ってるのは一部の人間だけである。

 

こうして暇になった鳳華は何もせずに作戦本部にいるのも何か違うなと思い散策をしていた。といっても昨年真由美の応援の際にきていたため特に目新しいものがあったわけではないのだが。

そこで出会ったのがエリカである。そういえばここ最近話をしていたなかったなと思い話しかけていた。つまるところ暇つぶしである。

 

「まったく…毎回そんなこと言ってたら女の子に勘違いさせちゃうわよ。」

 

自分自身を人生のおもちゃにしていた鳳華は、おもちゃにし続けた結果自分がまるでナンパ師で常に女の子を口説いているというような自覚がない。

これを恋人であるリーナに大丈夫かと聞いたところ、「こんなので怒っていたら恋人は務まらないわ。日常茶飯事よ、だってホウカ自覚してないもの。」と言う始末。

 

「勘違いじゃないよ、事実エリカちゃんは可愛いからね。」

 

自覚してないからこそ平然とこんなことを言うのである。道場でほかの門下生からはせいぜいゴリラなどと言われてきたエリカにとっては、鳳華の誉め言葉は刺激が少々強かった。しかも今日だけではない、入学してから今に至るまでいたるところで褒められてきた。

門下生たちが言っていた強い言葉が照れ隠しだったというのを彼女は知らない。

 

だがしかし、彼には恋人がいることを知っている。だからこそ勘違いはしないのである。

 

他愛のない会話を続けながら休憩場所へを向かう。次の競技まで時間がまだあるため飲み物でも買おうと自販機のある休憩室を目指していた。

到着後も飲み物を買い話を続ける。エンジニアで大変なこと、今会長が絶好調であること、このままいけば一校が優勝できそうなこと。

 

「うおっ」

 

当然鳳華たちと同様に次の競技まで休むために休憩室まで行こうとしている生徒たちが数多くいる。だからこそ人の通りが多く運悪く鳳華にぶつかった。

それだけだったらまだしもちょうど倒れた先の足元には段差があり、それにこけてしまったため鳳華は目の前にいるエリカに抱き着く形となってしまった。

 

エリカの控えめな胸に鳳華の顔がうずくまる。それに合わさるかのように人がどんどんと増えてきており二人は少しの間動くことができなかった。

 

「うぅっっん♡♡゛」

 

この状況を謝るべく鳳華がもごもごと喋っている。しかし謝っていることは伝わらず、しかも喋っている振動が胸から伝わり刺激へと変換される。

後にエリカは喘ぎ声を我慢した自分をえらいと本気でそう思っていた。

 

次の競技が始まる影響か、人がどんどんといなくなり鳳華がエリカの元から離れることに成功した。

 

ご、ごめんと謝る鳳華を、赤面したエリカの右ストレートが襲う。

 

場面は冒頭へと戻る。

体を鍛えていても別にこぶしが固いわけではない。思いっきり殴ったその右手が未だに痛む。

 

あとで謝らないと。当然鳳華に責任はない、いや、ちょっとはあるかもしれない。

だが鳳華は被害者であり、その被害者に対して殴ってしまったのである。

 

------どうやって謝ろうかしら。

 

きっとあの男なら笑って許してくれそうだが、それにしても謝りにくい。

 

次会ったら謝りましょう。うん、謝るなら早い方が良い。

そう自分に言い聞かせ、恥ずかしさをごまかす。

 

医務室へと運ぶべく、摩利をお姫様抱っこしている姿を見たときに恥ずかしさとは別な、胸の奥がチクリと気がしたのは後の出来事である。




投稿5秒前の私「オスガキってただのガキでは??????」

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