気が付いたら魔法が使える世界に居た件について   作:awtntn

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やっているゲームがメンテ中なので初投稿

大型アプデのためワンチャン5日ほど投稿ない可能性あり


九校戦6日目・男子アイス・ピラーズ・ブレイク

女子アイス・ピラーズ・ブレイクの決勝戦、華々しい幕開けで盛り上がっている九校戦。

会場の熱は冷めるどころかヒートアップし続けている。

それもそのはず、今世間では十師族の御曹司VS旧五大家などと囃し立てられている始末。それに十師族である一条にはクリムゾン・プリンスという敬称まであり、メディアも大盛り上がり。

これを興奮せずして見れるものはそう多くない。

まだかまだかと待ちわびる中いよいよその時がきた。

両者ともに今まで氷柱を壊されない状態で決勝戦まで勝ち上がってきた。代名詞である爆裂を使用した一条、かたや多彩な魔法で勝ち進んできた焔火。

その両者が今垣間見えた。

 

一条は変わらず第三高校の制服姿であったが、鳳華は違った。決勝戦だから気合を入れるためなのか、もしくは負けると覚悟をして場を盛り上げるために着替えたのか。そんなことは今見ている誰にも判断がつかないが衣装程度で動揺する一条ではない。

鳳華の風貌は黒色の紋付羽織袴(もんつきおりはかま)。なぜこのような格好で出てきたなどどうでも良い。ただ勝つ、十師族の誇りにかけても。

 

両者の構えを確認すると同時に開始の合図がなる。

 

同時にデバイスを操作するが、デバイス調整の関係上、一条将輝の使用する爆裂が発動するまで多少時間が必要となる。といってもほんの数秒である。

そんな数秒の中で先に仕掛けたのは焔火鳳華である。発動させた魔法は氷炎地獄(インフェルノ)。同学校で出場していた司波深雪も使用していた技である。

おそらく少しでも爆裂、つまりは沸騰させないための防御と攻撃を両立させたつもりで選んだのだろう。その多彩な魔法を扱う能力は確かに認められるものかもしれない。だが純粋な魔法力の前に小手先の技術など通用しない。

 

むしろ爆裂の範囲が増えるだけだよと勝ちを確信し魔法を発動させる。

が、しかし発動したにも関わらず何も変化が起きない。それどころかこちらの氷がどんどんと溶けていっている。

 

ここにきてデバイスの不調か?と疑い一応のため持っておいたもう一つのCADでも爆裂を試すが変化がない。

 

もしや…氷が蒸発してない?

爆裂の性質上どんな液体であろうと必ず沸点が存在し気化できる。しかし唯一気化できない温度が存在する。

 

絶対零度。

 

その温度はいかようにも受け付けない絶対的な温度であり沸騰することはない。氷炎地獄はサイオン量とその操作技術が伴えば理論上絶対零度をつくることは可能である。

四葉家当主など実力者がやるならわかるが…一学生であるこいつが本当に?その疑念を振り払いながら爆裂を発動する。

 

------こんなことになるなら他の魔法も入れるべきだったな。

 

強さ故の傲慢さからなる反省。しかし突然前方の柱が壊れ、一条側で燃えていた炎が消えてきた。

操作を誤ったか?と考えるも今しかないと注入するサイオン量を上げ畳み掛ける。

 

ふと日からの熱が強いと感じる。それは突然にだ。

そしてそれに合わさるかのように氷が砕け炎が消えた。

 

まさかと思い顔を上げる。そこにあったのは大きな火の玉。その火の玉が姿を変え鳥の姿へと変化する。

否、鳥などというそんな生易しいものでは無い。あれはまるで……。

 

ーーー不死鳥・フェニックス

 

焔火家は鳳華をもって完全に復活を遂げたと言わんばかりの大きな不死鳥。その実態はただかっこいい方が画面映えするよねといった単純な思考であったことは誰も気が付くはずがない。

目の前にその不死鳥がだんだんと近寄ってきた。操作を誤ったのではない、炎が消えたのではない。氷を砕けたのではない。ただそれらを放棄して最低限の防御のみに徹し、これが作り出されたのだ。

 

認められない。だがしかしいくら魔法を発動するも残りの氷が砕ける様子はない。

 

タイムリミットだと言わんばかりにその不死鳥が一条将輝の氷柱をえぐり焼き尽くす。

 

[焔火鳳華 WIN]

 

電光掲示板に表示されるこの文字と共に、一条将輝の敗北が世間の目に晒されたのだ。

 

 

 

「鳳華さん、決勝戦お見事でした。」

 

「深雪ちゃんも優勝おめでとう。」

 

そう彼らが談笑しているのは選手控室や作戦本部ではなく、表彰式のための待合室である。今まさに二位であった一条将輝と北山雫が出て行ったタイミングである。

 

「深雪ちゃんのその衣装、とても似合ってるよ。」

 

衣装を褒められ嬉しかったのか照れながらも鳳華の衣装を褒める深雪。そこにはまるでカップルを思わせるかのような甘い雰囲気が漂っていた。

 

「もう少しで俺らの番だね。」

 

転んだら大変だからね、と言い手を差し伸べる鳳華。他の誰かなら断っていただろうが、今この瞬間手を差し伸べているのは鳳華である。

優勝したご褒美くらいもらっても構わないわよね……。

 

「ありがとうございます。」

 

差し伸べられた手を握る。

そのタイミングを図ったかのように入場のアナウンスが流れる。

袴姿の少年と白無垢姿の少女が手を握り大衆へ向かい歩き始めた。

 

*****

 

そうか…やはり彼が勝ってくれたか。

 

安堵をしながらテレビを眺めているのは七草家の家長である七草弘一である。

今頃一条家は各方面への謝罪やら根回しで大変だろうなと嘲笑いながら[焔火鳳華 WIN]という文字と共にテレビを消す。

 

彼ならもしや勝つかもしれん…と思っていたが実情は善戦で大金星と考えていた程度だった弘一、これで婚約者に対しての説明が付く。

今頃他の家は一条の御曹司の敗北を受けて自身の家の娘を出すかどうかなど慌てているだろう。だが既に我が家がその位置にいる。

それに彼は世界的なエンジニアであるE・S・ゴールドと名乗っていた。

本当かどうかは調べている最中ではあるものの、彼は面会後最後に社長と一緒に伺うと言っていた。そこで本当かどうかが分かるのだ。もし本当であれば棚から牡丹餅では片付けられないレベルである。

 

にやけた顔が戻らない。いつもの仏頂面しか知らない面々からしたら今の弘一は非常に気味が悪いと言えるほどの笑顔である。

 

「御当主様、ご連絡がございます。」

 

「どこからだ。」

 

普段は執事やほかの者で大抵話が止まり、事後報告で私のもとに来ることが多い。

つまりは面倒事が多い。大方十師族の振る舞いだのなんだのそういう話だろう。

 

「四葉家当主様からです。」

 

その言葉にさっきまで笑顔であった表情がこわばるのを感じる。

 

「分かった。すぐに出ると伝えておいてくれ。」

 

おそらく目的は……いや、今は余計なことを考えるのをやめよう。

相手は十師族が負けた程度で狼狽えるような家ではない、別の目的だろう。

 

「まったく…忌々しい。」

 

はぁというため息をつきながらも待っている四葉家当主へと連絡を変わる。




脳内で突然生えてきた手を繋げニキありがとう~~~~~~~

気合で今日掲示板も投稿予定
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