ウマ娘と辿る日本の歴史   作:ぶ狸

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申し訳ございませんでした。
間違えて書きかけのまま投稿してしまいました。
改めて投稿し直します。

前回までのあらすじ。
やらかした筆者は読者を残して単身ゴルゴル星へ突入する。
もはや筆者はゴルシが分からぬ。そもそも何なのだエデンとは。頭がハジけそうだ。
苦しみの中行われる最終決戦、筆者は魔王ゴルシを打倒した。
………
キガ ツク トワ タシ ハゴ ルシ ニナ ツテ イタ
ソレ デモ ワタ シワ ツヅ キヲ カキ タカ ツタ


第8回「ゴールドスピリッツ 〜道長とライコウちゃんの奇妙な冒険〜 鬼殺の刃を添えて」(゚Д゚)ハァ?

 984年、円融天皇は花山天皇に譲位し、東宮には道長の姉である詮子の生んだ懐仁親王が立てられます。政治の実権は花山天皇の外舅藤原義懐と乳母子藤原惟成が握り、義懐と惟成は荘園整理令の発布、貨幣流通の活性化、武装禁止令、物価統制令、地方の行政改革など革新的な政治を行ったが、これは地方に荘園を持つ貴族やその恩恵を受ける武士団にとっては許しがたい行いでした。

 荘園整理令は醍醐天皇の頃最初に発令されたもので、内容は不正な荘園の整理と停止にあります。貴族の荘園は彼らにとって莫大な利益を産む一方で、朝廷からすれば国司への税収を下げるものでしかありません。特に不法な荘園は現代で言えば脱税かつ公金横領と言えるでしょう。しかし、革新的な政策は関白である頼忠らとの確執を招きました。

 話は逸れますが花山天皇、かなり下半身が凶暴で知られております。特に伝説となったのは即位式での出来事。高御座に昇って即位を宣言する儀式の始まる直前に、幕を開くお役目を仰せつかったウマ内侍*1を中に引き込んでしまいます。

 

「儀式なんかよりそなたは美しいな。興奮してきた……ここで朕とうまぴょいしないか?」

 

「は? 何を仰っておられるので」

 

「ここで、()()()と申しておるのだ」

 

「こ、ここで!?」

 

「そうだ。凄く、興奮しないか?」

 

「は、はぁい♡」

 

 そのまま花山天皇とウマ尚侍は立ったままうまぴょいに及びました。それを周囲が察したのが、冠の鈴がはげしく揺れるさまと幕の中からうっすら見える影であります。

 

((((やりやがったよあのパカ))))

 

「なんも」←藤原うまぴょい兄弟長男

 

「いえ」←次男

 

「ねぇ」←三男

 

「だめだあのパカ、早くなんとかしないと」←兄弟の父

 

 花山天皇は道長達藤原うまぴょいブラザーズがお気に入りで、特に2歳年上の道長を殊の外頼りにしていたようです。

 ある日、暇を持て余した花山天皇は突如として肝試しを開催します。この時代の平安京は魑魅魍魎に野犬と盗賊が跋扈し、生きている者と死人の境界すら曖昧な死の都。たとえ内裏であろうとも安全圏ではありません。そんな場所を夜に歩くなど正気の沙汰ではありません。

 皆が恐れおののく中、道長だけは花山天皇に面と向かって言い放ちました。

 

「べ、別にビビってなんかねーし。これはアレです。武者震いってやつですよ」

 

「ほほう、そうか。では全員一人ずつ大極殿まで行って参れ。まずは道隆、次に道兼。後はおいおい出発し、最後は道長じゃ。ほれ、頑張れ♡ 頑張れ♡」

 

「何してくれとるんじゃァァァ、この愚弟!」

 

「どうする兄さん。処す? 処す?」

 

「うるせぇパカ兄貴共! 死なば諸共じゃい!」

 

 道長のせいで渋々参加することになった貴族達は下手人を後で簀巻きにして河原に埋めることを誓いつつ「ゾクッ! 男だらけの肝試し大会」が始まったのです。

 トップバッター道隆は出発早々に木の葉の擦れる音にビビってリタイア。続く道兼は結構いいところまでいくものの闇の中を蠢くナニカ(猫)に発狂し惜しくもリタイア。幾人もの貴族がリタイアするのを肴に花山天皇は愉悦します。

 

「だらしないのう。次は大トリの道長じゃな。是非とも頑張って欲しいのぉ(ネタ的な意味で)」

 

「ご安心なされよ帝。道長は弁えた男。きっと失禁のみならず脱糞までして戻ってくるはず」

 

「そうだ、そうだ。無事に戻ってくるなんて道長のくせに生意気だし、どうせなら腹がよじれるほど面白く散れよ」

 

「期待してるぞ道長」

 

「「「みーちなが! みーちなが! みーちなが!」」」

 

「あの……これ何のイジメですか?」

 

「身から出た錆じゃ。ま、とっとと散ってこい」

 

 叩き出される道長。何かやらかさなければ埋めるという鋼の意思を背中に感じつつ、彼はとぼとぼと大極殿へ向かいます。

 

「やべぇよ……超怖えよ。絶対何か出るよ。あの井戸とか怪しすぎるよ。大丈夫か……中から貞○とか出ないか?」

 

 何とか大極殿まで来た道長でしたが、ふと視線をやると、そこには枯れ井戸が一つ。怪しがりて寄りて見るに、中から白髪の悪鬼が如きナニカが飛び出したのです。

 

「キェェェェェェアァァァァァァデタァァァァァァァ!!」

 

「おっ、何か出たのか? よーし、この平安の怪異殺しことライコウちゃんに任せとけ。鬼か? 鵺か? それとも競技か? 何でもイケるぜフォォォォ!」

 

「お前かァァァい!」

 

 残念、ライコウちゃんでした。

 

「ん? 何だ道長かよ。こんな夜更けにどうしたんだ。人生の迷路にでも迷ったか?」

 

「帝の思い付きでいきなり肝試し大会やってんだよ。お前こそ何で井戸なんかにいるんだよ」

 

「アタシは帝の命令でここまで来たヤツを脅かすのが仕事だけど?」

 

「仕込みかよォォォ! やっぱり性格悪いよあの帝。僕の決めた。絶対譲位させるからなあのパカ帝!」

 

「仕込みも意味なかったけどな。ここまで来たのオマエだけだし。やるじゃん」

 

「べ、別に……すごくなんか無いし。足とか震えまくってたし」

 

「このまま返してアタシが証言してやっても良いんだけど、何だかんだオマエとアタシの仲だしな。贔屓とか言われるの嫌だろ?」

 

「お前と良い仲になった記憶はこれっぽっちもないけど、確かに痛くもない腹を探られるのは嫌だね」

 

「だろ? だからさぁ、これやるよ」

 

 道長は木片を受け取った。

 

「……何これ」

 

「見りゃわかるだろ。そこの柱の一部だよ」

 

「いや、それは分かるよ。何で削ってんの?」

 

「おいおい道長、オマエの頭は有頂天(ハッピーミーク)か? 削んないと証拠にならねーだろ」

 

「何してんのお前ェェェ! ここ内裏! 公共施設ゥ! 削っちゃ駄目でしょォォォ!」

 

「うるせぇぇぇ! アタシが正義じゃいッ!」

 

「ヘブァァァァーーー……」

 

 道長は苛立ったライコウの飛び蹴りによりスタート地点の建物に突き刺さるという花山天皇の度肝を抜く帰還を果たしたのでした。

 

「さ、さすがは道長。何という無様。何という愉悦。これほどまでに旨い酒があるとは。酒! 呑まずにはいられないッ!」

 

「おお、道長よ。死んでしまうとは情けない。菩提は弔ってやるからな」

 

「道長の癖に最後は面白い死に方をしやがって。認めるよ……お前が一番だ」

 

「死んでねぇからァァァ! 良いから助けろくださいパカ兄貴共! 何だよこの構図! 壁尻みたいになってんだけどォォォ」

 

「いや、これはもしやーー夢の国の黄色い熊!」

 

「黄色い熊? 知っているのか、道兼!」

 

「ああ、遥かなる昔、大陸から絵画を学んだ出津二位が描いた鳥獣戯画の一幕。強欲な熊は穴蔵にいた兎を食べない代わりに兎が溜め込んでいたはちみーを貪り、いざ穴の外に出ようとするも太り気味となった熊は穴につっかえてしまいーー兎の前には無防備な尻が。食い物の恨み、無防備な尻、何も起きない筈もなく……」

 

「いいから助けろォォォ!」

 

 結局、一応は大極殿まで行った道長が優勝となり、花山天皇からはお褒めの言葉を貰うのでした。*2そして後日、六条河原には首から下を埋められた道長の姿が!

 

「僕が……僕が何したって言うんだよ」

 

「いや、言い出しっぺだから仕方なくね? ライコウちゃんも色々忙しい中あんな役やらせれて面倒くさかったぜ」

 

「お前変なときだけ真面目になるよね。ところで助けてくれないかな? 300文あげるから!」

 

「何いってんだよ。ここからがお愉しみ時間じゃないか。やっぱ、最初は額に肉の字だよなぁ。これ、特別に調合した消えない墨なんだ。オマエで試してやるぜい!」

 

「やめろォ! 何をするだぁー!」

 

 六条河原に死罪となった罪人よりも切ない叫びがこだましました。

 一方で兼家は懐仁親王の早期の即位を望んだため、986年6月に兼家と道兼*3が中心となって策謀を仕組みます。

 

「人はいつか死ぬ。生きていた頃の栄華などなんの意味があろうか。結局、うまぴょいとは一夜の夢に過ぎない」

 

「分かります、分かりますぞ帝。俗世の栄華など意味はありません。私もほとほと疲れました。いっそ出家したいほどです」

 

「おお、お前もか。そうだな。共に出家しようか。ついてきてくれるか?」

 

「えて、お供いたしますぞ。兄弟ではございませぬか(うまぴょい的な意味で)」

 

「そうだ……朕達は兄弟であった。つい昨日のことのようだ。同じウマ娘とうまぴょいした男3人が膝つき合わせて怪談をしたあの日……あの日が一番楽しかったなぁ」

 

「そうですなぁ(知らんがな)」

 

 この頃、花山天皇は恋人*4を病で亡くして非常にナイーブになっていました。そこに同年代の道兼が出家をほのめかしたところホイホイと同調してしまったのです。道兼は花山天皇を唆して内裏から連れ出し出家させてしまうと、自らは「悪いなぁ、今日出家できるのは一人だけなんだ。僕ちんは父上のところに戻るよ」と、剃髪してしまった花山天皇を残して内裏に戻り、兼家が用意していた即位の儀を執り行いました。斯くして一条天皇が即位したのです。

 この事件の際に道長は天皇の失踪を関白・頼忠に報告する役割を果たしました。

 この政変により速やかに幼い懐仁親王が即位(一条天皇)して、外祖父の兼家は摂政に任じられます。兼家は息子らを急速に昇進させ、道長も987年には従三位に叙し、左京大夫を兼ねます。翌年には参議を経ずに権中納言に抜擢されました。

 

「三男坊がいきなり中納言か。父上も急いておられるな」

 

「そうだなー。こりゃアレだぜ。秋に火鉢を出すようなものだな。いや、冷え性なら出してもおかしくないか?」

 

「……さも当然のように独り言に入ってきましたが、何か用ですか、ライコウさん」

 

「おいおい、いまさらアタシとオマエの中に敬語とかいらねーだろ。ライコウで良いぜ、道長」

 

「いや敬語ォォォ! お前は使わなきゃだめだからね! 僕、従三位! お前は従四位下だろ!」

 

「フッ、そんなものにこのライコウちゃんが縛られるとでも? アタシを縛れるのは正月のしめ縄くらいだぜ」

 

「あ、だめだ会話が成り立たない。うん、ライコウだものね、仕方ないね」

 

「おいおい、諦めんなよ。もしかしたら一発逆転の機会だってあるかもしんねーだろ。ところで、何の話してたっけ?」

 

「……いや、うん。父上も急いていると思ってね。三男坊の僕まで大幅な昇進させるなんて、後々恨まれるかもしれないなぁ」

 

「そうかぁ? むしろお前の場合出世させなきゃ駄目だろ。お前もせっかく結婚して脱童○、初うまぴょいのお赤飯だったんだからさぁ、もっと発情期のウマ娘くらいガツガツしろよぉ」

 

「ほとんど下ネタで何で僕を出世させなきゃだめなのか全くわかんねぇんだけど。お願いだから僕にも分かる言葉で話してください」

 

「しょうがねーなぁ。これだから地球人はゴルゴル星と比べて会話がしにくいぜ。いいかぁ、お前の嫁さんの親父は左大臣・源雅信で兼家くんの政敵だろ? 娘婿を出世させるのは互いの緊張緩和にも繋がるし、他の貴族に文句を言われてもご祝儀代わりで言い訳がつく。まあ、摂政右大臣の兼家くんと左大臣の雅信ちゃんに文句言える奴なんか殆どいねーだろうけどな」

 

 政変より以前に、道長は左大臣・源雅信の娘・倫子と結婚し、続いて安和の変で失脚した左大臣・源高明の娘・源明子も妻としました。*5

 この時代、愛人ならともかく正妻は政略結婚が主でしたが道長は2歳年上の倫子と恋愛結婚を果たしました。また、結婚当時はまだ政変は起きていないため義父の源雅信からすれば道長は政敵の三男坊という微妙な立場でしたが、道長を気に入っていた妻の勧めや道長の将来性に賭けてこの格差婚を許したのでした。

 

「まあ、確かにそれなら僕の出世は説明が付きますか。やっぱりライコウ、まともになれば賢いじゃないか」

 

「何いってんだよ。アタシはいつも賢いだろ。ところでさぁ、ずっと気になっでたんだけど…お前の嫁さん二人って源氏なんだよな」

 

「……はい」

 

「そんでもって姉さん女房で、背が高くて赤が映える美人みたいじゃねーか」

 

「………」

 

「人間だから芦毛って言わねーけど、髪も珍しく白かったな。あれ何? 地毛? 染めてんの?」

 

「ふたりとも地毛だよ。倫子は生まれつき白髪で、そのせいで僕と出会うまで誰にも求婚されず嫁にも出されなかった。明子は、まあ、白髪っていうのは正しいのか?」

 

「何か知らんけど源氏で、赤が映える背の高い年上が好きと。んでもって、髪は白がよろしいわけで?」

 

「………いや、違うから。芦毛が好きなんじゃ無くて、好きになった相手が芦毛ーー白髪だっただけだから。べ、別にお前のこととか関係ないから! 初恋が走る奇人とか噂されるの死にたくなるからやめろォ!」

 

「何か、ゴメンな。オマエの性癖歪めちまったみたいで」

 

「殺せよォォォ。どうせ僕が憎いんだろ!? 僕だってお前の事なんて大嫌いだよ神様仏様ァァァ!」

 

「別にいいじゃねーか。嫁さん二人大事にしてやれよ。まあ、ウマ娘ならともかく人間なら夜の方も大丈夫だろ」

 

「……」

 

「そう言えば、これ訊いて良いのかライコウちゃんでも躊躇うんだけど……何かオマエ、やつれてね?」

 

「明子は、芦毛のウマ娘です」

 

「あっ……(察し)」

 

「妻問婚だから、何とか生きていられるけど。他の奴等は多くて週一とかそんな感じの頻度なのに、僕は三日空けたら監禁するって宣告されてます。おまけに、倫子も正妻として負けてられないって、凄いの……色々と」

 

「お、おう。そうか……凄いのか。頑張れよ」

 

 この時代、貴族の結婚形態は妻問婚と呼ばれるものでした。昼間は夫婦別々に生活し、夫は毎晩妻のところに通い、翌朝自分の家に帰って仕事に向かいます。

 結婚の選択権も女性にあり、夜這いをかけた男は女性側が断れば身を引くのが作法であり、これを破ると死んだほうがマシなほど恐ろしい社会的制裁が課せられました。*6一方で離婚も簡単であり、逃げることさえできれば男性が通わなくなった時点で離婚成立です。もっとも、ウマ娘から逃げ切った記録は日本には一つとして無いのですが。

 居住区を分け、夜に通うという迂遠なやり方は単純に男性と人間の女性を保護することが目的であります。貴族の愛妾にウマ娘が存在するのはもはや当たり前。外戚が最も出世する政治システムの関係上、どうしても正妻にはなり難いのですが、地位は愛情(うまぴょい)で埋めると言わんばかりに正妻の元に行かせないし何なら監禁も辞さない事案が恒常化しました。とどめとなった某坂上家で名目上の正妻が男子出産後に謎の惨殺死体として発見された事件は男性貴族と人間の女性貴族を恐怖に陥れ、結果として人間とウマ娘の妻は互いに距離を取り、夫となる男性ともある程度の距離を置くことで互いを守るようになったのです。もちろん、後に互いに問題ないと判断すれば一つの邸宅に夫婦で住むのも問題ありませんでした。

 しかし、ウマ娘としてはフラストレーションが溜まるシステムであったため、武士の世……即ちウマ娘の天下となった鎌倉時代においてはウマ娘は待つのではなく狩りに行く婿取りが主流となるのです。

 

 

「……ツッコミ、きれない!」

 

「落ち着いてください、松ぼっくりアナ。逆に考えるのです、ツッコまなくても良いさと」

 

「はい、私の心の安定のためにツッコミは放棄します」

 

「それがよろしいかと(判断がはやい……!?)」

 

「藤原道長、ほぼ同時に人間とウマ娘を娶るなんて正気の沙汰とは思えないのですが……経験者として言わせてもらいますが、両立なんて無理ですよ。私の家内もそうですが、ウマ娘は全身全霊で搾り取ってきますから」

 

「私も同感です。あの時の道長は、本当に枯れ木かと思うほどやつれていきました。いやほんと、すぐに倫子との間に彰子が出来たから何とかなったけど、彰子が生まれなかったら死んでたかもな。明子も普段は大人しいくせに夜だけは怪物みたいだったな。あ、思い出した、アイツだ。ドトウに近いかもな!」

 

「分かります、分かります。大人しい性格の子ほど夜はすごーーーー(不適切な発言が含まれるためカットします。しばらくスペシャルウィークが人参を食べ続ける映像をご覧ください)*7

 

「マッサンのところもやっぱ凄かったのか。にしても、道長のあれは絶対色々吸われてたよな。倫子は90まで生きたし、明子も74まで元気だったもんな。アイツの股関、不老の霊薬でも出てたのか?」

 

「平安時代で90歳とか……それは完全に吸ってますね」

 

「いや、もしかすると宮城から出土した黄金の石仮面を被ったーー(不適切な発言が含まれるためカットします。しばらくナイスネイチャがトレーナーといい雰囲気出している映像をご覧ください)」

 

「……えー、私は個人的な夫婦生活を、オールバトさんは荒○飛呂彦先生を連想させる発言をしていまいました大変失礼しました」

 

「失礼しました」

 

「政変によりただの三男坊から一挙に殿上人へと出世街道を驀進する道長。とはいえ、上には二人の兄がいるのでは限界などたかが知れていると道長の未来は決して明るくはありません。そんな彼が将来を変える運命的な選択を強いられる時を迎えるのです。」

 

 

 990年正月、道隆は長女・定子を一条天皇の女御として入内させます。同年5月に病のため兼家が関白を辞すると、代わって関白、次いで摂政となりました。

 そして、7月に兼家は62歳で薨去します。葬儀は粛々と行われていくのですが、念仏を唱える僧侶も誰も彼も、ただ一つを固く念じていました。

 

(((ライコウ、来ないでくれ)))

 

 しかし、願いは破られるもの。仏陀は蜘蛛の糸から罪人が落ちる姿に愉悦しているのか。例によって例のごとく破壊される屋敷の門。砂埃から出てきた芦毛のシルエット。それは、まぎれもなくヤツでした。

 

「待たせたな。やはり葬儀か、いつ出棺する。アタシも同行しよう」

 

「帰ってくれ、ライコウ院」

 

「何だよぉ、連れないこと言うなよ。そんなに心配ならオマエがアタシから一瞬たりとも目を離さなければ良いだろ。一瞬後にどうなっているかアタシも分かんないんだから」

 

「頼むから帰ってくれ。一応葬儀なんだよ! しめやかに故人を偲びたいんだよ!」

 

「オマエらはそうでも故人はそう思ってないぜ。アタシはアタシで主の願いを叶えるさ」

 

「父上の、願い?」

 

「応よ。兼家くんが最後に出した命令は唯一つ。ハジけろ!」

 

「は、ハジけろ!?」

 

「というわけで坊さん、木魚借りるぜ」

 

 ライコウは僧侶から木魚をひったくると、よく通る上○瞳みたいな声を張り上げました。

 

「しみったれた葬式なんかやめだやめ! 今すぐ中止だァァァ! そんなことより今からこの木魚でアタシの荒ぶる情熱を演奏してやらァ! オッシェェェイ! 木魚乱舞のはじまりじゃァァァ!」

 

「ああもう滅茶苦茶だよォォォ!」

 

 滅茶苦茶になるかと思われた次の瞬間、ライコウの叩く木魚は完璧なテンポで時を刻みます。そこに顔を隠した四人のウマ娘がそれぞれ笛や鐘などの仏具を用いてライコウの木魚に合わせて音楽を奏で始めました。そして、透き通るような声で経を唱え始めたのです。

 

「仏説摩訶般若波羅蜜多心経 観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時ーーー」

 

 染み渡るライコウの経と音楽は、兼家へ贈る彼女からの鎮魂歌(レクイエム)でした。

 唱え終わったライコウは道長の前に跪くーーかと、思わせてのドロップキック。尻餅をつく道長を見下ろすと、神妙な顔で告げました。

 

「問おうーーオマエが、アタシの(マスター)か?」

 

「言いやがった……言いやがったよ。お前、何を言っているのか分かっているの?」

 

「……やっぱ、他作品ネタ持ち込むのダメ?」

 

「そこじゃねぇから! 今更だよそんなもん。ほとんど銀○みたいなノリなんだからホント今更だよ。そうじゃなくて……源氏の棟梁が僕を主とする意味、分かっているの?」

 

「当たり前だろ。むしろオマエ以外に誰がアタシの面倒見れるってんだよ。アタシさ、お前ならやれると思うんだよな」

 

「僕にはそんな野心も力もないよ」

 

 逃げようとする道長に、ライコウは一つの日記を掲げます。タイトルは「御堂関白記」。

 

「いや、野心ないやつがこんな日記つけるわけ無いだろ。あと字汚いし誤字脱字多いぞ」

 

「何晒しとんじゃゴラァ!」

 

 御堂関白記ーー道長の日記であります。*8

 関白になれる見込み薄の三男坊(スペアのスペア)がつけた強気なタイトルがなんとも言えず香しいです。

 

「やってみせろよ道長ァ! なんとでもなるはずだ。ライコウちゃんがついてんだぞ!」

 

「……仮に断れば?」

 

「オマエの日記を明日、内裏で朗読し・ちゃ・う・ゾ♡」

 

「そこまで言うならやりますよ。やれば良いのでしょう。けど、一つだけ教えて。どうして、僕なの?」

 

「そりゃ、簡単な話だぜ。もう十年も前かなーーすげーヒマそうな子がいたからな……アンタの人生、アタシが面白くしてやろうって思ったんだ」

 

 差し出されたライコウの手ーー

 

「考えて取れよ。一度立ち上がると、死ぬまで走り続けるしかないぞ。それでも良いのか?」

 

「ああ。お前と一緒なら多くの時を笑って過ごせたから……きっと、この選択は間違いではないよ」

 

 道長はその手を掴んで立ち上がりました。

 

「源氏の棟梁が道長についた」

 

「兼家殿の後継は道長だと!? 道隆や道兼は分かっているのか!」

 

「これで骨肉の争いから逃れられなくなった。さて、どうする道長」

 

 騒然とする貴族達。これから起こる波乱を予感してか、宮廷雀達は囀り合います。いよいよ歴史の表舞台に立つ道長とライコウ。果たして運命は二人に味方するのでしょうか。

*1
女官にして女流歌人。その名の通りウマ娘でこの時35歳。なお、花山天皇以前に道隆、道兼、道長を穴兄弟にする好色ぶり。源氏物語に出てくる源典侍はたぶんこの人がモデル。なお、後に同僚となる平安のパリピ清少納言が一切記録しなかったあたり友達はいなさそう。

*2
証拠として大極殿の柱を削った件は何故化不問とされた。

*3
三兄弟の中で最も評判は悪く、容姿も醜いと記録されている。いわばスネ夫枠。長男は容姿だけはキレイなジャイアンで、道長はのび太みたいな立場だった。

*4
ウマ内侍ではありません。この後もしばらく彼女はピンピンしています。

*5
一説には明子が先に婚姻関係でしたが、身分差のせいで倫子を正妻としたため第二婦人となったとのことです。

*6
出世できないのは当然のことで、親戚達はもちろん友達からも縁を切られ、日記や記録からは名前を削られ、つまるところ存在をなかった事にされるわけです。

*7
どうでも良いですがたぶんスペちゃんはうまぴょいが下手です。しっかりせぇ!

*8
実際に日記をつけ始めたのは995年からだと言われています。




存在しない前回からのあらすじを書いたのは筆者の脳内ゴルシです。ワタシジャナイ、ワタシはゴルシ……チガウ……ゴルシはワタシジャナイ、ワタシは、ダレだ。

そして、盛大にやらかしました。
書きかけで投稿の予約だけして放置した結果、未完成品を衆目に晒してしまいました。申し訳ございませんでした。ちょっとドロップキック受けてきます。
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