真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -アナザーキリギリス- 作:ローグ5
かねてより不仲が囁かれていた帝都ヤタガラスと京都ヤタガラス。
日本を代表する護国組織の両者は、本来ならばめでたいはずの新年を前に、帝都よりの宣戦布告として決定的な決裂を迎えた。
帝都の声明は京都の腐敗を非難し、監査及び改革を求める物。
対する京都は市内及び全国の配下組織に対し、帝都の傲慢さを訴え、我らこそがこの国の皇を救うのだと激を飛ばす。
緊迫した両者のやり取りは、瞬く間に全国の退魔組織大小合わせて百数十を超える組織に知れ渡ることとなった。
決戦を控え、急速に動く両者。
京都は知らない事であったが先制していたのは帝都であった。
元から対京都の為入念な準備を整えていた彼等は、帝都と京都の対立の経緯について公表。
理路整然とした明文の内容は大義名分が帝都にあることを示すのには充分であった。
さらに実力者が集う
キリギリス内でも中心的な者達が帝都と関係が深く、京都の行状についても知っていた事。
また京都出身者の話から、京都の腐敗についての情報が広まっていた事。
先述の明文も合わさって、京都攻略戦へ参加する構成員が続出した。
かくして宣戦布告より6時間後。
未だ悠長に準備をしていた京都に対する攻略戦が開始される事となる。
帝都ヤタガラスからは四天王に霊的国防兵器、その上に最強戦力たる<帝都の大火>と<征威大将軍>。
キリギリスからも発起人を含む最精鋭や彼らに次ぐ戦力が参加。
おまけに<心の怪盗団>のペルソナ使いまでもが攻略に加わった。
圧倒的な戦力が京都にはびこる腐敗の根源を断ち、この国の未来の為に集ったのだ。
宣戦布告より6時間後、帝都による京都攻略戦が開始。
圧倒的な戦力は、京都側異能者の不死や妖怪の暴走、さらには魔人の登場というイレギュラーがありつつも、戦況は質と量で優位に立つ帝都側優位で進んだ。
だが最近の何でもありのインフレが進み切った悪魔業界で、これほどの大戦が簡単に終わるはずもない。
京都の地下の奥深く、帝都ヤタガラスとキリギリスの最精鋭が踏み込んだ京都の深奥から出現したのは、
荒れ狂う力は己の力を練り上げた強者達をも容易く薙ぎ払った。
京都へ来た者達が目の当たりにしたのは、ただただ強大な力というシンプルな絶望。
世界すら滅ぼしうる脅威を前にした戦士達は、無為にうなだれていたのだろうか。
答えは否である。
何故なら彼らは同時に希望をも目にしたからだ。
非才の身でも、誰かの幸せの為に心身を削り戦う一介のダークサマナー。
彼を始めとした戦士達が超高位悪魔すら打倒した光景
非現実的であるはずのそれは、人の可能性を感じさせるものだ。
故に帝都ヤタガラスだけでなく、キリギリスの者達も戦いを続ける。
希望はまだ絶滅危惧種ではない、そう信じているから。
京都ヤタガラスの粛清より数日後。
関西圏のとある場所にある、広い敷地を持つ三階建ての建物。
此処は以前から帝都側についていた関西ヤタガラス系の組織が運営している施設である。
悪魔関係での治療や被害者の保護を行う医療施設としての顔を持つ他、有事の際には拠点としての機能を持っていた。
本来ならばこの度の件では使われる予定はなかったが、予想以上に被救出者及び負傷者が多かった事(これには京都において洗脳を受けていた者達も含まれる)により急遽解放された。
新年という騒動の起きやすい時期なこともあり、施設の中には落ち着かない雰囲気が何処かある。
それでも施設は救出された者達や怪我人を護る為に固い防備が敷かれている。
ヤタガラスの人員を含め、キリギリスのメンバーが何人か。
突発的な事態に備え、交代で警戒に当たっていた。
元帝都ヤタガラスの一員にして、今はキリギリスの一員として戦う
(……異常はなし、か)
午後の施設は平穏そのもの。
混乱に乗じた襲撃の気配は欠片もない。
数日前のあの壮絶な戦いからすると嘘のような静けさだった。
「キリギリスの方、交代の時間です」
「おお、もうそんな時間か。
なら一度上がらせてもらうよ。君も体に気を付けてな」
お疲れ様ですという、若い交代要員の言葉に答えて雨柳はその場を離れる。
念の為正月返上で残党処理と警戒に当たっていたが、そろそろ終わりだろうか。
(四人とも土産物買っていかないとなー。
買っていくなら菓子類とかがいいだろうけど、京都って中高生の頃修学旅行で行ったきりだから良く分からん)
男の頭にあるのは親しい女性達へのお土産について。
何がいいか、いや裏京都壊滅の影響が表にも出ているし手に入るか?
極めて個人的な考えが頭を占めていた。
そう、人間色々大事が起こっても、それだけを考えてはいけない。
むしろ大変な時だからこそ、日々の小さなことに目を向けるべし。
かといって現実から目を背けなず両立させる。
そんなバランス感覚が大切だと、雨柳は思っている。
(ま、交通情報アプリ見ると、新幹線は動いてるし日持ちしない物でも大丈夫かな)
やはりここは抹茶バームクーヘンとか甘いものがいいか。
そう結論付けた所で、ふと見知った人影が見えた。
あれは────
「おーい<蕎麦好き>。体の方はもういいのか」
「ああ<くぅん>か。
蘇生が早かったし、もうほぼ完全に問題ないさ」
黒髪の端正な容貌の青年はHN<蕎麦好き>、本名は
キリギリスの一員であり、長野ローカルの<素晴らしき蕎麦の会>の主力の一人。
カメンヒジリという古式のペルソナ使いの一種である腕利きだ。
雨柳とも何度か仕事を共にし、互いにその腕前については良く知っている。
京都攻略戦参加者である彼は戦闘の終盤に、出現した超強力な悪魔の一撃で死亡状態に陥った。
幸いにもすぐさま蘇生された為回復は早かったが、それでも死亡は死亡。
この病院で検査を受け、一日以上安静にしていたのであった。
「後でドゥエリストさんにお礼言っておかないと……それからウィッチドクターの人にも。
あの人達には今回以外にも世話になっているから」
「本当になー。俺達戦闘ばっかしやっている分回復方面には手が回らないし」
過日の『東京緑化会』及び『黄金の花園』の一部が起こしたウィッチドクターたちの拉致事件。
大量のキリギリス構成員が集まって、瞬く間に一大イベントとなったこの事件の解決には、雨柳と清浦も参加していた。
音頭をとった佐々木のように強力なボスを倒したわけでもないが、自分達が関わった事件で救った人たちに確かに助けられている。
良い因果が巡る様は、確かに心地よいものだ。
「あ、そうだ京都で回収した物資って何か欲しいのある?
悪行の証拠は帝都の方が持っていったけど、何せ奴らため込んでたから。
物資は僕ら参加組に結構回るそうなんだけど」
京都ヤタガラスは醜態を晒したが、歴史ある大勢力であった。
当然ながらため込んだ資金だけでなく装備やアイテムは豊富。
先日の戦いでの損耗したといっても、まだ多くが遺されていたのを再利用しない手はない。
清浦は京都出身の一人として、キリギリスに割り当てられた物資の配分を他の何人かと担当しているそうだ。
「刀剣類を始めとする武器類の他に、宝玉とか回復系のアイテムも豊富。
ソーマなんかもあったらしいけどどうする?」
「んーやっぱ刀系があったら欲しいな。
今使ってるのも流石に、もう少し威力が欲しくなってきた気がするんだよ」
雨柳が現在使っている刀は退魔仕様の備前長船。*1
紛れもない銘刀であるが、昨今の戦況だともう少し威力がある武器が欲しい。
かといっても市販の刀剣でこれ以上の業物はそうは望めない。
故に、入手できそうな機会があれば逃したくなかった。
「刀か。それなら
ちょっと探してみるよ」
「いや助かるわ。
所でお前さんは何貰うんだ?」
「僕はこれかな。
貰っているというより回収したんだけど」
清浦が提げていたバッグから取り出したのは一枚の仮面。
蒼い犬に似た面相のそれは、彼が悪魔の力を行使する為の呪具だ。
「実家にいたとき持ち出せなかった仮面の一枚。
前は全力を引き出せなかったけど、今なら出せる。
何せ死んでちょっと落ちたけど当時より20はレベルが高いからさ」
「この半年くらい激戦続きだったからなぁ……」
ここ半年間世界が不穏な雰囲気なってからは、まるでラグナロクかギガントマキアでもやっているかの様。
雨柳も清浦も数年前まで滅多に見なかった、レベル50越えの敵との闘い等珍しくもない。
そんな戦いを潜り抜けて居ればいやでもレベルは上がる。
雨柳は全盛期*2より10以上、清浦は京都時代から20以上もレベルが上がっている。
それ自体は良い事なのだが、この先に待ち受ける敵の強大さを考えるとため息が出そうだ。
「後は消耗品を貰えればそれでいい。
……その分京都から保護された子達の保護に、取り分や実家の財産も回すさ。
長居はしたくないけど、それくらいはね」
そういう清浦の顔は浮かなかった。
京都出身である彼は、この後に待ち受ける問題の困難さを良く知っているからだ。
京都戦の戦後処理は帝都及び関西のヤタガラスは前途多難だ。
曲がりながりにも大組織であった京都ヤタガラスの戦力補填。
表の京都に出た被害や人心不安の抑制。
さらには京都の行使した<奇門遁甲陣>による全国的な
それら問題への処理は、どれも重要かつ困難。
だが同時に忘れてはならないのが、京都に囚われていた被害者達の治療と保護だ。
京都が敷いていたきわめて前時代的な男尊女卑的風習。
潜入調査員のとある悪魔曰く、悪魔を屈服と諦念のマグネタイトで染め上げる為大正時代から続いていたそれは、虐げられる女性達からすれば過酷その物。
上位者の機嫌を損ねれば土下座など辺り前、全裸で牢に入れられる。
そんな人を人とも思わない扱いがまかり通っていた。
ましては京都はこれまで全国の傘下組織から、保護の名目で多数の人質をとっていたのである。
それ以外の経路でも金等で集められ、虐げられた者達もいる。
「人の心ないんか?」といいたくなる扱いを受け、心身ともに傷ついた者達は多い。
無論帝都の聖華学園を始め、彼女達の保護に動いている組織も存在する。
それでも多数の被害者達をどう癒し支えていくかについては、前途多難だ。
(ったくまさかあれから更に腐るとは思わなかったぜ。
こんな事なら血のつながったクソ以外にも再起不能か殺しておくべきだったな)
京都に生を受けた者として、清浦は内心強く不快感を感じている。
清浦栄二の兄にあたる男は、女性等使い捨ての道具としてしか見ていないクズ。
父親や親戚も似たような者で彼からすると全く情など抱けない。
今回の件であらかた死ぬか再起不能になったそうだが、当然の報いとしか思えない奴等だ。
(……それに美祢ちゃんだけじゃなく、せめて後何人か、助けられてりゃな)
数年前彼の実家に、飲んだくれの親からはした金で買い取られた少女。
何とか彼が護っていたが、幾度なく陰湿に苛まれ、最後には使い捨ての囮にされそうになった。
陰ながら支援してくれた家もあり、何とか美祢を連れて脱出した。
そうして一年半前に長野に流れ着き、今も同居している。
その経緯は過酷であり、他者から見れば閉鎖的な旧都から少女を助け出した美談に思えるかもしれない。
しかし、彼からすればより良い、最善があったのではないかと、後悔が付きまとう。
美祢は京都での苦痛に苛まれ深く傷ついていた。
彼女が自然に笑顔を見せるまでに長い時間が必要だったことを清浦は知っているから。
そんな思いは完全になくなることはない。
増して多数の被害者を見ればなおさらだ。
過酷極まりない悪魔業界においては、大団円なんてありえない。
敵を倒しても犠牲者は生き返らず、悲惨な被害者達が残る。
以前から、この半年間においても幾度なく彼らは経験してきた事だ。
並の悪魔を遥かにしのぐ強さを得ても付きまとう無力感。
人間性がまだ十分に残っているからこその苦悩。
生まれ育ちが違えど歴戦のデビルバスターである二人の間には、しばし重い沈黙が流れた。
「……おい、なんか上の方が騒がしくないか?」
「ああ、僕にも聞こえた」
沈黙故に聞こえた、上階からの悲鳴や何かがぶつかる音。
静かな病院に響く騒動の気配に二人は警戒を怠る事無く、階段を駆け上がっていく。
ごく自然に、ぬるりと足音を不必要に立てない動きで。
いかなる状況だろうと最適解を目指す、デビルバスターの習性がここでも発揮されていた。
「いやっ! いやあああ! 来る! アイツがいやあああっ!」
「可乃子ちゃんっ落ち着いて! 大丈夫だか、ら」
上階に上がり、騒動の元と思しき部屋で彼らが目の当たりにしたのは半狂乱で泣く少女。
可乃子と呼ばれた彼女を必死になだめようとするのは、清浦が庇護している美祢。
それから看護師やヤタガラスの術師もだ。
「すいませんパトラ使える人いますか!?」
「僕がやる」
清浦はパトラを発動。
状態異常を回復するこの魔法は、このような精神的狂乱にも効果がある。
強引ではあるが効果は覿面。
可乃子と呼ばれた少女は糸が切れたように、うなだれ気絶した。
「……なんとかなったか。美祢ちゃんは大丈夫?
「うん大丈夫だよお兄ちゃん。ちょっと手が当たったけどそれくらい」
「ここに入院していた患者の子か? にしては何か」
其処まで言いかけた所で雨柳は言葉を切る。
意識をなくした少女の首に浮かぶのは、牛を思わせる痣。
明らかに自然に出来た物ではないそれは、うっすらと赤く発行している。
「これは……『マーキング』の一種か?」
マーキングとは対象に的状態*3を付与する魔法。
珍しい魔法であるが、雨柳の知人の中にもマーキングによる的状態によって真価を発揮するスキルの使い手がいる。
恐らく術者特有のアレンジがあるが、見立てからそう外れてないはずだ。
「はい。恐らくは……しかもこれはその、ある高位悪魔による様です」
少女を気にしつつヤタガラスの術師が告げた内容は胸糞悪いものだ。
京都の後処理、戦闘中に保護されたある悪魔が、京都妖怪の一部がいなかったことに気づいた。
妖怪の名前は
かつて源頼光を恨み襲い掛かるも討ち取られた鬼とも、酒吞童子の落とし子ともいわれる妖鬼。
京都の裏に住まう妖怪の中でも確かな力を有し、一目置かれていたという。
にも拘らず、鬼童丸と手下の一党は戦の最中も目撃されていない。
それどころか死体すら見つかってはいないのだ。
不穏な事実に嫌な予感を覚えた悪魔と調査員が調べた所得られた事実。
それはかの鬼は京都に囚われていた何人かの子女に、目を付けていたという、不快な。
鬼童丸は反省牢に入れられていた少女達を前に、このような事を言っていたという。
『あの子の瞳の色は彼女にそっくりだ。
そこの子はうん、いいね声が似ている。
あちらの子は……おお、これはいい!』
『髪色と髪型が近いうえに、乳房の線が同じだ。
どの子も悪くはないが、特にいいな』
『私を孕ませるには及第点の胎だ。
話がまとまったらぜひ譲って欲しいものだねぇ』
好ましい少女達に対して、鬼童丸は刻印を刻んでおいたとの事だ。
関係者の証言から、本日この病院の被害者を調べた所刻印を刻まれた子が見つかった。
その結果が今の有様という訳である。
「可乃子ちゃんね、昔の私みたいに京都で嫌な思いをして、その上妖怪からも厭らしい眼を向けられて怖かったんだろうね。
だからもう嫌だ。生きて居たくないって……」
「そう、か」
自分と同じ年頃の少女の髪を撫でながら、少しわかるかもと美祢は呟く。
悲惨な内容に、押し黙る事しか彼らは出来ない。
負の感情に晒され続けた、少女の心の傷は深い。
傷の深さを、雨柳や清浦にはあくまで推測する事しかできない。
どうすれば、いつになれば癒すことができるのかを。
「なあ術師の人、この痕跡を逆探知するならどれくらいかかる?」
それでも、彼らには力と意思がある。
「私と今来ている、他の人員で協力しても、2時間ほどは。
専門ではないとはいえ、高位悪魔相手ですから」
「なら俺の仲魔の力も貸す。一時間半、できれば一時間で頼む」
「早速連絡を取って見たけど、僕達の代替えのキリギリスは何人か呼べそうだ。
後は敵の情報を入手しないとな。
手下の数や、道具を持ち出しているかも重要だ」
少女をベッドに寝かしつけるや否や急ピッチで進んで行く準備。
ベテランらしく必要な事を、必要なだけ彼らの目には戦意が燃えていた。
「……行くんだねお兄ちゃんも、くぅんさんも」
「まだ三が日明け、しかも病み上がり。
サクッと片付けて早めに帰ってくる」
清浦は大切にしている美祢の方にそっと触れて優しく告げる。
雨柳もまた腰に下げた刀に手をやりながら頷く。
全ては少女の未来を少しでも善き物にするために。
(栄二お兄ちゃんも雨柳さんも、そうなんだね)
美祢は過去を思う。自分が心から慕う人の事を。
何のゆかりもない自分を幾度なく助けて育ててくれた。
苦しんで、怖くて自分ではどうにもできないでいた所を救い上げてくれた。
誰からも道具程度の扱いをされていた自分を人間として愛してくれた。
そんな人間であるのは雨柳も同じだろう。
だからこそ彼らは行くのだ。
絶望する少女にこの世には、君を助け護ろうとする人も、希望があるという事を教える為に。
無論美祢は清浦に危険な事はしてほしくない。
蘇生されたとはいえ、一度死んだと聞かされた時は心臓が止まった気がした。
けれど人を護ろうとする有り様が好きだからこそ、ぐっと恐怖を堪えて送り出す。
「行ってらっしゃいお兄ちゃん。くぅんさんも。
可乃子ちゃんは私が見ているから。
くれぐれも安全に気を付けてね」
「ああ安全第一で行ってくるよ」
清浦の手には、美祢自身も補強や改良に携わっている『黒獅子の和傘』
その傘を馴れた手つきで取り扱いながら、清浦は笑った。
「────鬼退治に、さ」
暗がりの中に、憤慨した声が響く。
「どうも妨害されている気がするな……おそらくは京都以外のヤタガラスだろうが。
全く私の楽しみを邪魔するとは度し難い」
京都市内某所。以前セーフハウス代わりにと確保していた異界の中。
山砦に似た、まるで山賊の本拠の様な風景の最深部にて。
鬼童丸は独り言ちた。
日本人離れした彫りの深い顔立ちに異様な精気を孕んだ目。
牛革のジャケットを着込んだ鬼には苛立ちがある。
欲しい物を手に入れるのに予想された以上の手間と時間がかかっている苛立ちが。
鬼童丸が女を欲するのは端的に言えば自身の予備の確保の為。
一説には酒呑童子に犯された女から産まれたとされる故か、鬼童丸は人間の女に自身の分霊を孕ませることができる。
孕ませた分霊は己の予備にも、骨肉にしても良い。
まさしく捨てるところなしだ。
無論ただ犯せばいいという事はなく、入念な準備が必要であり、対象の相性も重要。
故に京都に与した後慎重に選定を行っていた。
そうして入念な選定の後に鬼童丸が選んだ、いや惹かれたのは辰宮家の女当主だ。
禪院家と並び御三家の一角である名家中の名家である辰宮家。
当主である女性は強力な魅了の業を使いこなす妙齢の美女である。
彼女を犯し「自分」を産んでもらえば、それこそ力は跳ね上がりあのいけ好かない魔王すら超えるだろう。
当然ながら夢想のみで、実行するには至らなかったが。
「高嶺の華を摘むには至らずか。
仕方ないならせめて代替え品で満足しよう。
人質や分家のどの子がいいかな?」
当初の目的を諦めた鬼童丸は、手に入らない高嶺の華の代替え品を求めた。
その結果目を付けたのは辰宮家当主に似た要素を持つ少女達。
品定めし気に入った少女達を、娶り孕ませようとしたところでこれだ。
(全く人の世は移り変わっても私に損に働くようにできている。
こうまで焦らされると流石に不快になって来るな)
(だがまあいい。大体の位置は掴んだ。
適当なカジュアルやガイアを陽動に使って混乱を起こし、その混乱に乗じればいい。
そうすればようやく、彼女達を娶れる)
傍目には人に見える姿をしていながら、人とは思えない吐き気を催す思考。
己の欲望の対象となった少女達の苦痛を一顧だにしない、共感性を欠いた思考回路。
元からの下劣な欲望は、
鬼童丸の欲望はとどまるところを知らず、それは京都が滅びた後も変わらない。
自己保存本能すら超えかねない程に強固な物。
狙われた少女達からすれば絶望的な醜悪さ。
澱んだ都の裏で密かに蠢いていた悪意。
それは今まさに獲物を捉えんとしていたが────
「思った以上に妖怪が多いな。
野郎以前から京都からずらかろうとしていたか」
「ここの異界も調整されている、恐らくはそうだろうね。
そろそろテトラジャが切れる。かけ直すとしよう」
「おうよ。スクルド、前衛に入ってくれ」
そうはさせんとこの異界に殴り込んできたのは歴戦のデビルバスター達。
異界の封鎖や雑魚の掃討を行う要員に先んじて突き進む雨柳と清浦。
その目的はただ一つ、鬼童丸の首である。
卓越した剣士である雨柳の振るう刃が、妖怪を切り裂く。
鋼鉄製の和傘によるギロチンの様な斬撃が、彗星の如き突きが急所を破壊する。
二者の猛攻を魔法で、自身も槍を振るいスクルドが支えていく。
「なんだアイツ等ッ本当にニンゲンかよおっ」
「畜生何でここに気付きやがった!? 鬼童丸様をよぐぎゃああああっ!」
「クソクソクソクソおこぼれも貰ってねえのに……!」
妖怪が次々襲い掛かるもその全ては返り討ち。
乱入剣を始めとする高威力の物理スキル。
妖怪の大半に対して過剰ですらある攻撃が吹き荒れ、掃討していく。
激戦に続く激戦によって研磨された力。
それは破城槌の様に妖怪の防衛網を打ち砕いた。
「最深部は予想通り此処か。思ったより早かったな」
「準備はできて居る。手早く済ませよう」
故に彼らは戦闘開始からごく短時間で鬼童丸の前に立つ。
互いの目に揺ぎ無い意思をのせ、二人の男は敵を見据える。
「京都妖怪幹部、鬼童丸というのはお前か?」
「……いきなり押しかけて人の名前を呼び捨てとは。
京都人のように無意味な礼儀作法にこだわるのも何だが。
失礼とは思わないのかね?」
「いいや全く。礼儀ってのは話が通じる相手の為のもんだろうが」
ゴキ、と首を鳴らし鬼童丸は立ち上がる。
背後に控えていた4体の手下もまた進み出た。
当然ながら雨柳たちを生かして返すつもりはない。
「やれやれ……無礼な人間には私の趣味も」
「その先は言わなくていいぞ」
鬼童丸の言葉を遮るのは清浦。
美祢の前では決して見せない、酷薄な目で告げる。
「どうせ聞いても耳が腐るだけ、京都時代からこっちはクズの戯言は聞き飽きてる。
御託はいいからさっさと勝手にくたばったアホ共と同じ場所に行け。
ああその前に一つだけ教えてやる」
彼にとっては同類のクズなど見慣れている。
自分がかつてやるべきだったことをいまやるだけ。
そう言わんばかりにばさりと、『黒獅子の和傘』を広げた。
「テメェが好きにしていい人間なんて、何処にもいねえんだよ」
人を人と思わず扱う残酷さを彼は知っている。
それを許しがたい罪悪と思うからこそ、少女を護り京都を出奔したのだ。
状況が変わろうと、怒りも後悔も色あせる事はない。
だからこの地獄の様なインフレ状況においても、臆することなく戦い抜いている。
「────ああそうだ。
お前なんぞにあの子達は相応しくねえ。
あの子達が安心して生きる為にお前は死ね」
雨柳もまた備前長船を構え眼前の敵を見据える。
彼もまた怒りと後悔を胸に戦い抜く者。
自分が戦った結果、助かる人間がいるなら逡巡などない。
ただ、やるだけだ。
「ふん、そうか愚かな蛮人どもめ。
あの不快極まりない頼光のように私の邪魔をするなら五臓六腑を引き裂いてやろう!」
憤怒の相を浮かべ鬼童丸は全身の筋肉を膨張させる。
それは旧く強靭な鬼に相応しい力の発露。
下劣な欲望に猛るだけの鬼では、断じてない!
\カカカッ/
| 妖鬼 | キドウマル | LV58 | ■■に■い 魔法攻撃に強い 神経無効 |
| 夜魔 | ヒノエンマ*4 | LV34 | 魔法吸収 破魔に弱い |
自身を中央にして、周囲を4体の夜魔で固める陣形。
一斉に攻撃を仕掛けてくると思いきや意外な程に慎重だ。
「チッテトラカーン、テトラジャがかかってやがるか」
敵をアナライズした雨柳は舌打ちする。
道具の知恵を持つ夜魔は、すでにアイテムを使用している。
発動されたのは物理攻撃を反射するテトラカーンに、破魔呪殺を防ぐテトラジャ。
面倒であるがそれだけならどうしようもある。
問題は鬼童丸の取り巻きが【夜魔】であることだ。
夜魔の多くは、
その分物理攻撃全般には弱いのだが、テトラカーンで弱点は補える。
ましてや今は。
「さっきまでの威勢はどうしたぁ!」
魔法攻撃全般に強く、高い物理戦闘能力を持つ鬼童丸という強力な前衛がいるのだ。
仮とは言えの本拠地故に侵入者の迎撃は万端。
先んじて物理反射結界を構築し、高揚のままに暴れまわる。
さらに取り巻きのヒノエンマが魔法で攻撃し、補助魔法で鬼童丸の耐性を上げる。
魔法攻撃全般に耐性を持つ鬼童丸の防御能力は更に強化。
単体魔法で狙おうにもただでさえ高い魔法防御力では、そうダメージは受けない。
「っ見た所大量にアイテム持ってやがるな。
京都から退職金代わりにガメてきたのか?」
「そうだろうね。倉庫の中には無駄なくらいアイテムの在庫があるだろうからな……‥!」
魔法をものともせず突撃する鬼童丸の攻撃を、再前衛に立つ雨柳はガード。
鋭爪と刀が鎬を削り、ギャリギャリと耳障りな音を立てる。
火花散る攻防、血走った鬼を睨み返す。
(せめて後1体仲魔を召喚できればな。
どうも2体を維持するのはやりにくいぜ)
神道式悪魔召喚術においては2体召喚は、超一流の召喚師でなければ成し得ない奥義。
先日死亡が発表された十七代目葛葉ライドウは若干十三歳でその秘奥に達したが、雨柳はいまだその域に至らない。
多数の連携を得意とする相手では、こちらも仲間が居なくては手が足りないこともある。
(やりにくい相手だが、一切無敵の都合の良いコンボなんて存在しねえ。
おあつらえ向きに今は、蕎麦好きがいるしな)
「スクルド! 一手稼ぐぞ!」
「了解サマナー! なら、最適なのはこれね」
攻撃とみなされず、テトラカーンに弾かれない動きで鬼童丸の身体をいなす。
離れた鬼童丸の放つ
夜魔の放った魔法までも四方八方に跳ね返る中、鬼童丸は後退。
本能的な回避は、見事な物ではあったが、
「良く
清浦が被るのはこれまでの汎用性重視の面とは違う面。
生家の遺産の一つであるそれは、使用回数こそ少ない物のよく馴染む。
相性が良いそれは、彼の新たな力の一つだ。
蒼い犬に似た顔の面は、彼と魔力が同調すると共に輝く。
「汚らしい性根のままに浄化されていろッ」
和傘を導線として撃ち出されるのは白き光。
永遠に色あせる事なき事なき、穢れなき白。
| 永遠の白*7 | 奇跡(光属性)魔法 | 光輝なる【奇跡】の力で敵複数に大ダメージを与える |
闇夜に照らされた照明弾の様に、中空で輝く白き輝き。
一切の闇を許さぬ輝きは、夜の眷属たる夜魔を滅ぼす!
断末魔すらなく、一瞬で消し飛ぶ4体の夜魔。
動揺を隠せない鬼童丸の物理反射はすでに解除されている。
「何だと!? 夜魔に魔法が効くはずが……貫通効果かっ!?」
「残念ながら外れだ。意外と知られてないけどな、夜魔の魔法吸収には制限がある。
もっとネットで色々勉強しておくべきだったな」
夜魔は魔法を吸収するが、魔法と名のつく物はなんでも吸収できるわけではない。
火炎系等の精霊魔法、衝撃系等の物理魔法に分類される魔法のみであり、破魔や奇跡といった神聖魔法は対象とならない。
なまじせがき米による即死を警戒して、テトラジャをしたのが災いした。
かなり希少な永遠の白という奇跡属性の魔法攻撃に、一気に陣形が崩れていく。
以前キリギリスの発起人である佐々木たちが戦った夜魔を従えたダークサマナー*8。
意外な強敵であった男の戦法と攻略法はすでにキリギリス内にて共有されている。
いかな初見殺しといえど、知識と手札があれば対処可能。
情報共有。それこそが情報化社会における人間の恐ろしさだ。
「それにな、お前について調べていて分かった事がある。
「────っ!」
動揺の隙をつき、雨柳達は素早く移動し鬼童丸を挟み撃ちにする。
勇奮の舞をスクルドが舞う中、光るのは鋭利な刃。
獰猛な笑いによって剥き出しになった犬歯の様に、ぎらりと光る。
鬼童丸は一説には牛の皮を被り頼光を奇襲するも、見抜かれ一刀で切り捨てられた鬼である。
そんな悪魔が斬撃に強い事があるだろうか?
ましてや鬼童丸は物理攻撃に対する頑健さが売りの鬼にも拘らず、執拗に物理反射を維持することにこだわっていた。
その様を見れば仮説の正しさが裏付けられるというものだ。
| 妖鬼 | キドウマル | LV58 | 斬撃に弱い 魔法攻撃に強い 神経無効 |
「ぐっ……がああああああああ!」
斬撃に弱いという物理型悪魔として致命的な弱点。
文字通り古傷を見抜かれた鬼童丸は、憤怒のままに虚空を切り刻む鋭爪を振りかざす。
「何故だっ! 貴様らも神野もっ何故私の邪魔をするっ!
この力を認めず女子を「────面倒だが、何度でも言うぞ」
鬼童丸の爪に切り裂かれ、血を流しながらも疾駆する清浦は確かな言葉をつぶやく。
怒りを込めて、この旧き灰となった都の悪に対して。
この地で生まれ育った人間の一人であるからこそ、断固たる意志を込めて。
「テメェが好きにしていい人間なんて、何処にもいねえんだよ……!」
清浦の回転切り*9と雨柳の十文字切り。
スクルドによって強化された、両方向からの斬撃の連続。
渾身の力を込めて、同時に放たれた会心の一撃は、悪意の鬼を確かに切り裂き滅ぼした。
(新年早々すっげえ疲れたな……
やっぱ30超えると疲れやすく、いやあんだけ激戦続いてりゃあ仕方ないか)
帝都へ帰る新幹線の中。
雨柳はじんわりと感じる疲労に思いをはせていた。
鬼童丸討伐の後処理を含め、京都で過ごした期間は一週間ほど。
短くも濃密な一週間であり、ここ数年間れ類を見ない程働いた。
本来はもう少し短い予定だったが、予想以上に長くなってしまった。
とはいってもその分の成果はあった。
鬼童丸を含め、京都妖怪の残党や出現した悪魔を倒した事で京都の治安は回復傾向にある。
無論上昇したGPや京都の抜けた穴をどうするかの問題はあるがやれるだけの事はやった。
それにだ。鬼童丸に狙われていた子も少しずつ元気を取り戻しているらしい。
雨柳や清浦からすれば当然の事であるが、自分を虐げる人間だけでなく、助けようとする人間もいる事を知ったのが大きかったらしい。
単に下劣な悪魔一体を倒しただけだが、これから生きていく気力が生まれたなら何よりだ。
蕎麦好きこと清浦はもう少し残って後始末をするらしい。
それだけでなくあの彼のこと言う少女も、彼女の希望もあり面倒を見るそうだ。
一先ずは一件落着といっていいだろう。
(まあ、京都でやれるだけのことはやったけど……何分遅くなったからな~。
その分の埋め合わせはしねえと)
雨柳の拠点はここ半年合間を縫って自分が抜けても大丈夫なように、拠点となる異界の防備を固めている。
とはいっても安全上はともかく、新年早々家族を放置したのには変わりない。
そろそろ人出も落ち着いてくるし、サービスしなくてはなるまい。
(帰る前に何か買う物あるか御影さんに聞いておくか)
ちょっとした電話の為に、雨柳は席を離れる。
幸いにも席は後ろの方にあり、電話用のスペースはすぐそこだ。
プシュと、空気が抜ける音がして扉が開くと落ち着いた色の空間が出迎える。
最近の新幹線って設備整ってんなーと思った所で、視界の隅に転がっている者に気づく。
「うっげえ、目が回る……これはヤバイマジで死ぬ。
誰でもいいから助けてくれぇ……」
まるで酔っぱらいの様に床の隅に転がっていたのはまだ若い男だ。
それも嫌に目だつ。
服装自体は何の変哲もないジャケットにジーンズ。
しかし神話の彫像のように整った顔立ちに、金色の目。
それに何よりも白に近い銀色の髪が、非現実的なまでの存在感を発揮している。
最も床に転がってぐったりとしている状態では、魅力半減どころではないだろうが。
(なんだコイツ? ヤクとかじゃなさそうだが、水くらい渡してやったほうがいいか?)
男の存在に感じる違和感。
それを感じつつも様子を見るべきかと思い近づいた雨柳は、気配に気づき飛びのく。
「っ!? お前……悪魔か?」
上手く化けているのか、男の、いや悪魔の気配は近づくまで違和感を感じなかった。
咄嗟に管を抜くも近づきすぎたことを後悔するが、悪魔は襲い掛かるそぶりも見せない。
「あー……多分そうなんじゃないかなぁ……。
この感じ多分僕のマグネタイトがスッカラカンなんだと思う……例えるなら数日間水すら飲んでない感じ。
目が回って超キツイぃ……」
マジで限界だよぉと情けない声を出しながら悪魔は続ける。
「あんた管持ってるってことは悪魔召喚師だろぉ……。
ちょっと軽く契約してマグくれよマグ~。
僕は基本人間に危害加えない健康優良悪魔だからさぁ……たぶん」
「たぶんってお前なあ……」
悪魔から感じた気配が小さかったのはマグネタイトが欠乏しているせいもあるだろう。
事実悪魔が人を襲おうとするとき特有の、悪意とか殺意は全く感じない。
呆れつつも目の前の悪魔を見定めようとして、雨柳はあることに、当然のことに気づく。
「いやぁ何せ僕は自分が何処の誰だか全く覚えてねえんだもの。
人間襲う気は全くないけどたぶんとしか言えないよ。
昨日か一昨日に目覚めたのが記憶の始まりなんだから」
「はぁ!? お前記憶喪失かよ!? 悪魔でもそんなのあるのか?」
「そうそう自分の事が何も分からんのよ。
一応名前は憶えてるんだけどなー」
アナライズしてみ? と告げる悪魔に対し、逡巡しつつも雨柳は視る事を決めた。
万が一の時にいつでも仲魔を召喚できる体勢をとり、警戒を解かないようにしつつも。
悪魔の情報を【アナライズ】する。
「なんだ、これは……?」
ガードを解いている為か瞬く間に完了するアナライズ。
だが、その結果は────
| 神■■人 | シロガネ | LV49(弱体化中) |
| 飛具・破魔にやや弱い 火炎に強い 電撃吸収 呪殺・魔力・神経無効 |
「なんかシロガネっていうらしいよ僕は? なんか知ってる?」
「いや知らん……聞いた事ないぞそんな悪魔」
「ですよねー」
あまりにも、異質に過ぎる解析結果。
帝都へ向かう何の変哲もない新幹線の中、雨柳は悪魔を、神■■人シロガネと邂逅した。
それは世界を変える程ではない、けれど一人の人間と、一体の悪魔にとっては紛れもなく大きな出来事であった。
◆この神■■人は…?
◎主人公紹介
・雨柳巧 <デビルサマナー><剣士> LV64
シリーズポジション:ニッカリ及び悪魔討伐隊(真・女神転生Ⅳ Final)
本スレの【京都大華編】でもちょっと戦っていた悪魔召喚師。
今回はシリアスに敵をスレイした後、帰る途中に神■■人シロガネと出会った。
この出会いは果たして……
・清浦栄二 <カメンヒジリ> LV53
<京都大華編>でちらっと出た京都出身のデビルバスター。
古式のペルソナ使いであるカメンヒジリであり、現在は妹分の美祢の面倒を見つつ長野を拠点に活動している。
以前よりレベルが大幅に上がった他、実家から幾つかの仮面や術式を回収した事で手札を増やした。後面倒見るJCも増えた。
次回は軽めの話を1話挟んでからまた脳破壊おじさんの話の予定です。