真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -アナザーキリギリス-   作:ローグ5

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今回はモブ含め多数のキャラが登場する帝都でのフェクダ迎撃戦です。
原作の情報を参考にしつつ1万字ほど、掲示板込みで書いてみました。



今回からR-18に該当する描写がない為、R-15での投稿を行いますのでよろしくお願いします。


禄存星迎撃作戦 in 帝都

 2020年の冬のある日、時刻は早朝、帝都東京。

 戒厳勧告が発令され、一般市民の避難及びデモ隊の排除がなされ、人波が途絶えた街はいつもと違って見える。

 朝日に照らされたその光景は、幻想的とも言えよう。

 

「壮観ね」

 

 珈琲の入った水筒を持った女性が呟いた。

 ええ、と彼女の傍らに立つ少女も追随する。

 

「冬の朝は風情があって前から好き。

 それ単体でも趣があるけど……こうも人が集まると別の良さも感じる。

 悪魔業界に入ってそれなりに経つけど、こんな光景が拝めるとは思わなかったわ」

 

 女性はくす、と軽く笑った。

 

 西洋の出身なのか、雪に近い髪色をした女性の目つきはやや鋭いが、剣呑さよりもむしろ武道家めいた凛とした印象を見る者に与える。

 そんな彼女の姿は近代的な黒色の戦闘服に覆われ、背中にはレンズ付きの機械的なヘルメットが提げられていた。

 廉価版とはいえ高性能な次世代戦闘服であるデモニカスーツ。

 それを自身の一部として扱う彼女は一廉のデビルバスターと見えた。

 

デビルバスターデモニカ兵*1LV53装備:廉価版デモニカ

 

 ここ数年各国の軍や警察への配備が進んだとはいえ、依然として高価なデモニカ。

 それを当たり前のように纏っている彼女は、如何にも曰く有り気だ。

 少女が以前入手経緯について質問したら「マッコイ爺さんを頼ったのよ」と答えられた。

 怪訝な顔をすると名作だから読みなさいと漫画を渡された。とても面白かった。

 

「意外ですよねー。

 多額の報酬出る訳じゃないのに、こんなに多くの人が来るなんて」

「そう? 前回みたいな化け物のせいで被害が出たら困る人は多いとおもうけど」

 

 ある事件で知り合い弟子とか、後輩ともいうべき関係性の少女に女性は返答する。

 こうして話している間にも路上に人影は増えていく。

 

 政府に通じたヤタガラス発行の地上活動許可証を提げた彼らは、デビルバスター達。

 彼等の多くは鎧姿や、魔術師風のローブに軍装、まさに十人十色の個性豊かさ。

 

「なにせ、世界を護るとかスケールの大きい事はピンと来ない。

 でも自分の日常を護りたいって考える人は意外と多いみたいだからね」

 

 女性は目線を横合いへと遣る。

 彼女の目線の先、街路樹の近くでは二人の男がにらみ合っていた。

 

 山伏の姿をした<修験者>の男と、クレイモアを背負った<テンプルナイト>らしき男。

 ガイア系とメシア系。文字通り水と油の関係である二人の間には、剣呑な雰囲気が流れている。

 

「……なあ、メシアの。

 お前ロボット物とかでよく見る、内ゲバ率先してやるアホの役やりたいか?」

「いえ、私は動きの良い印象的なモブの役がいいですね。

 具体的にはUC1話のスタークジェガンとか」

「それは高望みが過ぎねえ?」

 

 が、彼らは矛を収めた。

 

「奴らに好きにさせるわけにはいかねえ。

 スプリガンのアニメが来るってのに死んでられねえよ」

「私もトップガンの続編をまだ見ていないんだぞ……!」

 

 二人共、戦意は旺盛なようだ。

 互いの戦う理由を再確認して、争うことなく離れていく。

 既存の敵対関係よりも、優先すべきことがあるから。

 

「生まれも育ちも、信条(アライメント)も違っても、世界に滅びられたら困るのは同じ。

 それが<キリギリス>参加者の特徴なのでしょうね」

 

 今回の作戦に参加するデビルバスターの多くは、キリギリスという団体に参加している。

 世界を滅ぼさんとする組織が暗躍する現状においても、なおも戦いを続ける者達の互助会。

 これまで幾つもの戦いで戦果を挙げてきた彼らは、この日も多くが参加。

 戦意を高ぶらせ、己の力を解き放つ時を今か今かと待っている。

 

「キリギリス……そもそも誰が作ったんでしょうねこの組織。

 政府や護国組織発祥でもないみたいですし」

 

 キリギリスには最近参加した少女の顔には、頼もしさと同時に疑問。

 参加者の数も多く質も高い組織ではあるが、統一性があまりにもない。

 一説にはあるダークサマナーが提唱したと言われているが、謎の多い組織である。

 

「さあてね。けど、ありがたい事だわ」

 

 毒無効のアクセサリー*2の具合を確かめながら女性は呟く。

 

「この時世で戦うには仲間も情報も不可欠だもの。

 組織に所属するのはこりごりだけど……逃げるのは性に合わないしね」

 

 銃の弾倉を確認する彼女の口元には凛とした笑み。

 例え困難があっても、抗う事を選択した彼女には意気がある。

 

 作戦の開始を知らせるサイレンが鳴り響く。

 嫌が応にも危機感を煽る音に、各員は臨戦態勢に移る。

 女性と少女の二人も、顔を引き締めた。

 

「さ、私達もがんばりましょう。

 ストレイライトの、冬優子ちゃんの雄姿を再び見るその日まで……!」

「はいっ! 来て、オロバス!」

 

 女性はスーツのヘルメットをかぶり、対悪魔戦闘用のチューンが施されたFA-MAS*3を持つ。

 少女も自身のCOMPを操作し仲魔を召喚、この日の為に鍛えた堕天使が嘶いた。

 

 危険を告げるサイレンが鳴る中、帝都に集った戦士達は戦意を瞳に宿す。

 名古屋で、北海道で、世界各地で。

 または遥か彼方の天空で。

 それぞれ目的は違えど、襲い来る敵を倒し日常を護る為に。

 

 終焉をもたらす星に抗う、二度目の戦いが始まった。

 

 

 


 

 

 

 ────帝都東京の空に、奇妙な物が浮かんでいた。

 

 長さも色もそれぞれ異なる、無数の結晶が連なり輪の形を成した物体。

 その姿は、土産物屋に常識的なサイズに並んでいれば、綺麗と表現できるかもしれない。

 しかし、そのサイズは人をはるかに上回るそれこそ怪獣の如き巨大さで、東京のみならず各地の都市に、無数に浮かんでいるのだ。

 

 二つに分裂しては、放電と共にまた合体する物体の名は<フェクダ>。

 かつて世界各地で甚大な被害をもたらした<ドゥベ>と同様の、<セプテントリオン>と呼ばれる謎の侵略者の一角。

 既存の如何なる生物とも、悪魔とすら異なる異端の存在。

 それらが今日この日も世界を滅ぼさんと侵略を開始したのだ。

 

 毒を投下して地上を燃やし、影に埋め込んだ地雷で人を殺傷し、強力な電撃で周囲数百メートルを灰燼に帰す人類の敵。

 あまつさえ合体状態では万能以外無効という強力な耐性を持つ。

 

 それが一体どころか、数えきれないほどに襲来。

 本来なら歴戦の勇士でも、膝をつきかねない絶望的事態である。

 

「怪獣共が来るぞゴルゴンを出せ!」

「ガードキルの色を間違えるなよ? ヤタガラスの信号通りにぶち込め」

「MP補給の準備完了! 万能使える人優先で行くわよー」

 

 が、帝都に集まった者達は敵の強大さなど承知の上。

 護国組織と世界救済オタクサークル(キリギリス)の面々は、信頼できる情報を基に集合知により出した結論を元に対策を立ててきた。

 この過酷な世界でも戦い続けてきた面々は、今更臆しない。

 

「出たな使徒もどき! メギドォ!」

「メギドトランス! メギドラ!」

 

 万能魔法の爆撃の連打。

 単純だが有効な波状攻撃を先駆けとして戦士達は己の武器を抜き放つ。

 その流儀は様々である。

 

「死んでおけやあっ! やれテング!」

「はああああああっ!」

 

 修験者の男の使役する仲魔と、聖別された剣を携えたテンプルナイトの集中攻撃で一体が撃沈。

 その他にも万能魔法の弾幕をかいくぐるフェクダに攻撃が加えられていく。

 即席の集団ではあるが、今のところ連携はうまく行っているようだ。

 

 だが、日本の首都たる東京に出現したフェクダは多い。

 複数体が倒れても、次から次へと現れて来る。

 一体どこから現れるのか、不可解な存在は尽きる事のない。

 奇怪な存在は、合体と共に電撃をまき散らすが────魔法反射障壁に防がれた。

 

「損傷を確認! 予想通りだぜグゥレイトォ!」

 

 浅黒い肌のデビルバスターが快哉を上げた。

 一部の悪魔が持つ、反射ダメージを相性を無視して与える特殊な魔法反射障壁(マカラカーン)

 キリギリスでフェクダ対策として挙げられたそれは、想定通りの効果を上げた。

 

 自身の攻撃を反射され損傷し、足並みを乱すフェクダ。

 対するデビルバスター達はその隙を見逃さない。

 

「スクルド、シロガネ手筈通りだ!」

「了解よサマナー」「まずはこれだよな!」

 

 キリギリス参加者、雨柳巧(うりゅう たくみ)もその一人だ。

 

 スクルドが得意の高位核熱魔法(フレイダイン)を発射。

 既にラスタキャンディで威力を引き上げられた業火の一撃。

 それは、無効化される事なく損傷したフェクダを焼き滅ぼした。

 

 続いてシロガネの放つ魔力により、フェクダの表面で何かが割れるような音が響く。

 耐性の類を無効化する電撃ガードキルが、突き刺さったのだ。

 

「ガードキルも通常通り作用した! 雨柳!」

「一刀両断、だ!」

 

 電撃無効を貶められたフェクダが退避するよりも早く、雨柳は跳躍。

 雷光と共にフェクダを切り裂くは、全力の稲妻一閃。

 空気が焦げ付き、残身を決める雨柳の背後でフェクダが、消滅していった。

 

「ひとまず1体撃墜か。

 想定通り反射を駆使しつつ耐性を抜けば行ける、かな?」

「前回を考えればこのままで終わらないだろうが、基本はそれだな。

 スクルド、手ごたえはどうだった?」

「見た感じ核熱は、万能と同じで耐性なしね。

 細かい抵抗力は流石にアナライズしないと分からないけど」

 

 防人の少女のカバーに入ったスクルドはそう答えた。

 フェクダにとって核熱属性は、万能と同じ扱い。

 それは貴重な攻略情報である。

 

「核熱が効くなら少し仕事がやりやすくなる。

 よし、核熱有効の旨伝令を頼む。

 周囲に気を付けて攻撃を喰らわないようにな」

「は、はい!」

 

 聖獣ハクタクにまたがった防人の少女が、紙の耐性表に丸を書きこみ離れていく。

 ヤタガラスの構成員の中でも、機動力に長けた仲魔を有する者がれ伝令要員に選抜されていた。

 詳細不明のアナライズトラップに対するアナログな対処法。

 そのノウハウは確かに帝都ヤタガラスに受け継がれている。

 

「俺達はこのまま前線に立つぞ。

 後方には近づけさせず叩き落す」

 

 男の言葉に仲魔はうなづき、次の敵に己の持つ手札をぶつける。

 幾つもの死闘を経て研磨された召喚師と仲魔の動きには迷いがなかった。

 

 

 ◇

 

 

「おや、個々の固さはそれほどでもありませんね」

 

 ヤタガラスの幹部である、甲冑のようなデモニカを纏った女性が構えるのは大型のボウガン。

 高速で装填しては、軽快な音を立てて矢が放たれた。

 物理法則上ありえない軌道を描きながら飛翔する矢は、複数のフェクダを射抜く。

 ヤブサメショット*4と呼ばれる妙技は耐性などものともせずに、敵を滅ぼしていった。

 

 護国の士たらんとする帝都ヤタガラスの最精鋭の一角。

 城壁の如き白い装甲が立てる音の小ささ、それは彼女の練度の証明。

 建物を傷つける事無く飛び回る姿はさながら蝶のように。

 されど苛烈さを以て、次々と異形の敵を射抜いていく。

 

(信号も次々上がっている。

 大攻勢に、前回のドゥベ戦の時が嘘のような順調さですね)

 

 ガードキルで順調にフェクダの耐性を剝いでいる証に、次々と四色の信号弾が上がる。

 そこへ間髪入れずに叩き込まれるのは属性攻撃。

 的確な攻撃の数々に、フェクダは一体、また一体と崩れ落ちる。

 

(……頼もしいと感じてしまうのは、私の怠慢でしょうか?)

 

 危機に瀕して戦う者達の多さ。

 それを想うと、嗜虐心に依らない笑みがこぼれる。

 

 だからこそ、護国の志を見せんと女性は先陣を切り、フェクダに挑む。

 これまで通り今日も、この帝都を護る為に。

 

 反射される電撃に巻き込まれないように、一度地に降り立った。

 其処に居たのは何人かのチームで動くデビルバスター達。

 

「うおおおおおっ! 俺がこの街の盾だあっ!」

「ちょっとゴリ変な事叫ばないでよ……興奮するのは分からなくもないけど」

「えっ」

 

 バスター達を見て彼女は目を剥いた。

 何故なら、此処で防御障壁を展開していたのは、裸族だったから。

 

「趣味と実益を兼ねて、市街を護るのは気持ちいいねえ!」

「でもまさか私服で戦場に立つとは思わなかったなあ」

「ええっ」

 

 反射を主体とした戦法でフェクダに有効打を与えていたのは、四人のデビルバスター。

 ポーチやアクセサリーを除けばほぼ全裸の男二人に、お前さんそれは服のつもりなのかと言いたくなる露出度の高さを誇る少女二人だ。

 

 一部悪魔の使う反射魔法は、呪詛返しのように受けるはずだったダメージと同じ量を跳ね返す。

 故に反射でダメージを与えるには、全裸が最も効率がいいのは、道理なのだが。

 

「サラスヴァティへの補給が済んだら次行くぞー!」

「ゴリさん左側にフェクダが集まってるよ!」

 

 それでも意気揚々と駆けていく様を見ると何か言いたくもなる。

 残存個体を射殺しながら、彼女は複雑な気持ちを堪えた。

 

「……気持ちはわかるが、まずは敵の掃討が先だ。

 気持ちは、わかるが」

「そう、ですわね」

 

 高位の悪魔を引き連れたデモニカ姿の女性。

 悪魔の血が混じっているのか獣耳をした彼女と共にフェクダの迎撃を続ける。

 

 内心、まともな人がいてよかったと安堵しながら。

 

 

 ◇

 

 

 火炎、氷結、電撃、衝撃。

 四つの属性に対応した信号が上がる街中で戦いが続く。

 

「赤い狼煙が上がった! 莉愛!」

「分かっているよ兄さん、ええいっ」

 

 黒衣の少女が放つ炎を剣に纏い、黒鎧の騎士が斬撃を繰り出す。

 火炎撃と呼ばれる合体魔法の一種である一撃の威力は、2度にわたる攻撃力上昇魔法(タルカジャ)もあり充分。

 フェクダの一体を一撃で焼き斬った。

 

 ガシャン、と音を立てて黒騎士が着地。

 異端技術により改造された幻魔クルセイダーという戦士。

 変身する高市新(たかいち あらた)はその力を使いこなしつつある。

 

「やるじゃねえか! いい妹さんだな!」

「いいだろ。自慢の妹だぜ」

 

 槍型の武器COMPを携えた男の言葉に新は朗らかに応えた。

 幻魔クルセイダーへの変身能力を持つ彼は、妹の莉愛を大切にしている。

 どんな時も妹が一番。彼の信条である。

 

「こっちも負けてられないな。

 ウルヴァシー、準貫通は伊達じゃない事を見せてやれ!」

「いえっさー!」

 

 明るく答えた妖精がダイヤモンドダスト(広範囲を凍結させる魔法)を放つ。

 フェクダの焔を消火しながらも、一体を凍結。

 凍え高度を落とす一体を、男と鬼神が叩き壊す。

 熟練したコンビネーションは男の、鹿角禄郎(かづの ろくろう)の戦歴を感じさせた。

 

「はい~こちらポルタ―ガイスト宅配便~」

「お、ナイスチャクラドロップ。

 流石桔梗ちゃん痒い所に手が届くねえ」

 

 ウルヴァシーにアイテムを落としたのは、支援役の印をつけたポルタ―ガイスト。

 遠目に見える補給ポイント、防人と呼ばれるヤタガラス構成員が警護する場所に待機する少女。

 機動力のある仲魔を使役する彼女は、この戦いはアイテム係に徹しているようだ。

 

「あんたもいい子がついてるんだな」

 

 強化された視力で垣間見えた、手を振る少女。

 その微笑ましさに兜の下で新はふっと顔を安らげる。

 対する鹿角も槍を旋回させ、サングラスの下の目を和らげる。

 

「ああ俺なんぞには勿体ない子が、ね」

「そうか」

 

 一瞬の共感の後、男達は次の獲物を求め、前に出る。

 哀しみを知り苦悩し、それでも何かの為に戦う。

 男達の足取りは決然としていた。

 

 激しい攻撃が吹き荒れる帝都で、彼らは戦い続ける。

 誰もが当事者として、禄存星を迎え撃つ。

 

 その雄姿を、無機質なカメラの目が傍観していた。

 

 

 


 

 

 

D D S ― N E T ― 【Room 10210】

 

670:【NO・NAME】

 電撃を放つ結晶の輪か傍から見ると壮観だな

 

671:【NO・NAME】

 何呑気な事言ってるんだか

 こっちはいい迷惑よ買い物にもいけやしない

 政府は何をやっているのかしら

 

672:【NO・NAME】

 どうも自衛隊と警察は周辺の警備に戦力を割いているようだ

 

673:【NO・NAME】

 ってことはあそこで戦ってる奴等は実質国の傘下か? 

 政府の犬になるとは先見の明のない奴等だ

 

674:【NO・NAME】

 そうとは限らないが雇われているようではあるな

 

675:【NO・NAME】

 政府の依頼なんてこの数ならせいぜい100万程度でしょ? 

 よくやるわねそんなはした金で

 よっぽどマッカか円に困っているのかしら

 

676:【NO・NAME】

 キリギリスといったか? あの連中は出しゃばりだ

 お祭り騒ぎを聞きつけて出て来たんだろう

 

677:【NO・NAME】

 政府とのコネ目当てかね? 

 そんなの適当な政治家に取り入った方が効率いいのに

 

678:【NO・NAME】

 伝手がない奴も多いんでしょ

 

679:【NO・NAME】

 愚かな連中だが数は脅威になる

 名古屋や北海道にも相当数が展開しているらしいぞ

 

680:【NO・NAME】

 東京はヤタガラスの戦闘員も多いあの女見覚えがあるわ

 

681:【NO・NAME】

 あの女は四天王かメシアの襲撃を何度も生き延びただけあって動きがいいな

 

682:【NO・NAME】

 もう少しカメラを近づけられないか? 

 仲魔を含む手札を確認したい

 

683:【NO・NAME】

 こんな時も小遣い稼ぎかい

 それとも金の臭いに敏感なのかな? 

 

684:【NO・NAME】

 まさか自分の命と財産を守りたいだけだ

 昨今は物騒だからなヤクザ以外のもハイエナが多い

 

685:【NO・NAME】

 チッ早くしろお前にいくら払ったと思ってる

 

686:【NO・NAME】

 あなたも早く近づきなさい

 煩わせると何も食わせないわよ

 

687:【NO・NAME】

 おいおい随分と酷い奴等だなw

 

688:【NO・NAME】

 いやいや下僕の扱いなんてそんなものでしょう

 

689:【NO・NAME】

 見えてきたぞあれは……<慙愧閃刃(クライエッジ)>か!? 

 

690:【NO・NAME】

 今はフリーとはいえ元はヤタガラスのエースだった男だ

 この時世でも生きていれば戦っていると思っていたがキリギリスに参加していたか

 

691:【NO・NAME】

 とは言っても所詮は不祥事で追放された男だろ? 

 金か女を積めば案外簡単に転ぶんじゃないか

 

692:【NO・NAME】

 私としてはあの金髪の女悪魔が気になる

 出来ればコレクションに加えたいところね

 

693:【NO・NAME】

 とは言ってもこの時世に戦っているならLVは以前より上がっているだろう

 確かネットでの情報では47だったが10はプラスした方が良さそうだ*5

 

694:【NO・NAME】

 横で戦っている白装束の男は左文字ワーグナーか

 英国での殲滅戦で死んだと思ってたぞ

 

695:【NO・NAME】

 その他にも<七曜>のダービットに<鬼狩り>ワタリといった有名どころ

 サマナー連中の使う悪魔は女神? に魔神や死神か噂に違わず豪勢なものだな

 

696:【NO・NAME】

 デモニカ装着者やサイボーグの女もいるぞ

 

697:【NO・NAME】

 あのサイボーグの女身長は低いが胸はデカいな

 手に入れてえ所だが

 

698:【NO・NAME】

 こんな所でも盛るなんてまるで猿ね汚らわしい

 

699:【NO・NAME】

 何だと雌豚! てめえも俺の肉便器にしてやろうか! 

 

700:【NO・NAME】

 まあまあ二人共この様な所で喧嘩しないでもよいでしょう

 今は貴重な情報を入手するのが優先です

 

701:【NO・NAME】

 全くだ手持ちや使用する魔法の情報だけでも貴重だが……あ

 

702:【NO・NAME】

 馬鹿が! 巻き添えで落ちやがった! 

 使えない奴だ! いったいいくら払ったと思ってやがる! 

 

703:【NO・NAME】

 範囲魔法が飛び交っている戦場だこういうこともあるさw

 

705:【NO・NAME】

 付かず離れずで撮影しなさい ああ機材はちゃんと持ち帰りなさいよね

 

706:【NO・NAME】

 しかしこの中の多くがキリギリスなんだろうが何とか取り込めないものでしょうか

 腕利きと言っても人間なら五欲には抗えないはずですが

 

707:【NO・NAME】

 奴等の専用コミュニティは硬いから難しいかもな

 一度侵入したがただでさえ固いうえに変なテストがある

 

708:【NO・NAME】

 変なテスト? 

 

709:【NO・NAME】

 確かよく知らんがガンダムだったはずだ

 8個ぐらいの画像から「この中でガンダムではない機体を選べ」とかなんとか

 羽や動力パイプ付きに大砲付きどれも同じだろうに訳が分からない

 

710:【NO・NAME】

 俺の場合は"仮面ライダーファイズの変身者を3名書け"だった

 どういうことだ? 普通変身者は一人じゃないのか? 

 

711:【NO・NAME】

 何かのまじないか? 

 

712:【NO・NAME】

 どうしてロボットや特撮のクイズが出題されるんだ……? 

 

713:【NO・NAME】

 まあとにかくコミュニティへの侵入は難しそうだな

 

714:【NO・NAME】

 とは言ってもそこまでの存在じゃないだろ

 情報だと合体状態だと万能以外無効って話だけどバンバン堕とされてるしよ

 

715:【NO・NAME】

 グラダインでも撃ち落とせているしな*6

 

716:【NO・NAME】

 物理でも堕とせてるようだし

 本当の耐性はせいぜい【物理耐性に四属性無効】って所でしょうね

 

717:【NO・NAME】

 呪殺破魔も無効なようだがその程度ならまあ行けるだろ

 

718:【NO・NAME】

 マカラカーンでもダメージを受けているならせいぜい耐性程度かもな

 

719:【NO・NAME】

 となると良く分からない相手だが強みは数とマハジオダイン級の電撃

 各個体同じ戦法なら対策は楽そうだ

 

720:【NO・NAME】

 次々駆逐してるし順当に勝ちそうね

 流通への被害も小さくてすぐに買い物に行けそう

 

721:【NO・NAME】

 私としてはもう少し被害が出て欲しかったんですがねえ

 ま 投資分の回収は出来ているからいいのですが

 

722:【NO・NAME】

 これが終わったら取り込めそうな奴を選定してみるのもいいな

 この数なら現在の待遇に不満をいだいている奴もいるだろう

 

723:【NO・NAME】

 いや敢えて情報だけ与えて放置するのもいいんじゃねえ? 

 負け組共の馬鹿カルトとか目障りだしアイツ等に掃除させるのどうよ

 メシアへの目くらましにもなるしな

 

724:【NO・NAME】

 成程それも悪くありませんね

 

725:【NO・NAME】

 政治ラインから洗ってみるとしよう

 与党か野党かは知らないが獅童以外にもDBとのつながりを持つ政治屋は少なくない

 ここ最近金か人を動かしたはずだ

 

726:【NO・NAME】

 なんにせよせいぜい私達の為にうまく働いてくれるといいわね

 協力するなら旨い汁を吸わせても

 

727:【NO・NAME】

 ……全く使えない子ね 電撃反射で吹き飛んじゃった

 

728:【NO・NAME】

 あーららw

 

729:【NO・NAME】

 ドロンパは範囲攻撃に弱いしな

 

730:【NO・NAME】

 まあもうどうでもいいわすぐに死ぬと思ってたし

 

 

 

 


 

 

 

 瓦礫の中から突き出した腕が握る撮影機器。

 半壊した機器の、ひび割れたレンズに映るのは、熾烈な戦闘光景。

 

 帝都におけるフェクダとの戦闘、その最終局面。

 

「防御を最優先に動け! テトラマカラを絶やすなよ!」

「サラスヴァティのMPには余裕はあるが攻め手が尽きた! 誰か攻撃担当頼む!」

「了解だ! ゴルゴンは下がれ。スクルド、もう一度行くぞ!」

 

 別個体同士の合体等の小細工により、バスター達を翻弄するフェクダ。

 名古屋での本体の攻略も、異様な魔法と耐性のせいで糸口が見えない。

 それでも彼らは諦める事無く戦いを続ける。

 

 

 

「あと23秒もたせなさい」

 

 

 

 名古屋にて参戦した何処かの誰か(永世■■■■)が成し遂げる事を信じて、己のなすべきを成すのみ。

 

「ガードキル掛けました! これでMPカンバンです!」

「上出来よ!」

 

 突進するフェクダに対して、少女の使役するオロバスが衝撃ガードキルを発動。*7

 耐性を落とされたフェクダに対して、デモニカスーツの女性が衝撃弾を斉射。

 強化魔法により、威力が限界まで引き上げられた銃撃は、フェクダを砕く。

 

 先頭が堕とされ、多数のフェクダの中に開いた隙。

 それを歴戦の彼らは見逃がさない。

 

「一気に撃ち貫くぞ! そこの美人さんよろしくなあ!」

「ええ。奴らの数を減らさせてもらうわ……!」

 

 なけなしのMPを注ぎ込んだメギドラの連弾に、核熱系魔法を重ねて発動する合体魔法ヒートブラストの波状攻撃。*8

 全力の射撃が殺到し、フェクダを焼き滅ぼしていく。

 

 損傷を受けたフェクダの群れに対して、続いて飛び込んでいくバスター達。

 

(目くらましの偽合体って事は耐性は物理or魔法弱点。

 てことは攻撃を重ねればどちらか弱点を付けるってことだ!)

 

 片方がカバーに入ったのか、もう片方のみが生き残った個体も多い。

 それらに対して同士討ちのみに注意しつつ、全身全霊の力を彼らは振るう。

 

フュージレイド銃撃スキルSH2出展 銃撃属性で敵全体に中ダメージを与え、命中・回避率を低下させる。

 

冥界破物理スキル敵全体に物理属性で大威力の攻撃を1回行う。
 

 

マハジオダイン電撃属性魔法敵全体に電撃属性大威力攻撃を行う。
 

 

妖花烈風衝撃属性魔法敵全体に疾風属性で大威力の攻撃を行う。中確率で魔封の追加効果。

 

 吹き荒れる攻撃の数々は正しく破壊の嵐。

 斬られ、穿たれ、吹き飛ばされたフェクダが砕け散っていく。

 砕け散り、一瞬輝いた結晶が、やけに綺麗だった。

 

 「一先ずここらの個体はつぶした。次は何処だ……!」

 

 フェクダが一掃された後に、数秒。

 新手の姿は何処にも見えない。

 油断することなく、固唾をのみ警戒するも何もない。

 数十秒が過ぎた頃、何処ともなく歓声が上がった。

 

「名古屋の本体が倒れたらしい! 

 あっちの連中がやってくれたって事だ!」

 

 名古屋におけるフェクダの本体撃破。

 情報が波のように伝播し、歓声が上がり広がっていく。

 彼等はこの度の戦いもやり遂げたのだ。

 

「はあーなんとか終わったかあ……さっすがに疲れたわねえ……」

 

 デモニカ姿の女性はヘルメットを脱ぎ、額に浮かんだ大粒の汗をぬぐう。

 体力には自信があるが長時間の戦闘は堪えた。

 

「それでも、勝てて良かったわね」

「はい! 街も思った以上に無事ですし!」

 

 傍らの少女も予想以上に元気で、目だった怪我はない。

 そのことに安堵しつつ、地下駐車場の車に向けて歩き出す。

 お疲れと、共に戦った者達と声を掛け合いながら。

 

「弾もアイテムも大分使ったから次回に備えてため込まないと。

 政府の報酬込みでも儲けは微妙だしね」

「これで終わりじゃなくて、次来ますかね?」

「二度あることは三度あるって言うしね。来るでしょう」

 

 そう、戦いはまだ終わった訳ではない。

 セプテントリオンの全容は見えず、次があるのは予想されている。

 今度はどんな難易度になるかを考える時が重い。

 

「それでも、今回は勝った。

 なら、凡人らしく次回に備えてコツコツ準備するだけよ」

 

 だけど今回彼らは、日常を護ろうとする勢力は勝った。

 ならば次も勝つだけだ。

 世界を救える英雄でなくても、己の出来る限りのことをして貢献する。

 当然死なないで生き延びるという事が前提にあるが。

 

「……そうですね。

 次は私もLVを上げて色々な悪魔を揃えられるようにします!」

「そう、その意気よ」

 

 笑いあう女性と少女の上で、祝福するように星が瞬いた。

*1
肉体LVは30代半ば、スーツの補助でLVを上げている。

*2
真Ⅳに登場する破毒のリング

*3
P1登場。敵単体に4~6回の銃撃を行うライフル。

*4
真Ⅴにおいては敵全体に貫通効果付きの小威力の物理属性攻撃を行い、必ずクリティカルが発生する。

*5
現在のLVは68。1話の戦い始めた頃よりも手持ちやスキルも増えかなり強くなっている。

*6
P2罪罰において重力系・衝撃系魔法は万能属性に分類されている。

*7
オロバスはSH2で衝撃ガードキルを習得している。

*8
P2に登場する合体魔法




○登場人物紹介
・デモニカ兵の女性を始めとするデビルバスター達。
フェクダ迎撃の為に帝都に集まったキリギリス構成員達。
雨柳を始め、これまでの話に登場したネームドからモブまで多種多様なデビルバスターが集まっており、それぞれの護りたい物の為に士気は高い。

・サマナーネット【Room 10210】の住人
サマナーネットのとある鍵部屋の参加者達。
全体的に悪よりな上に他人事のように騒乱を感じている。
なお下剋上されたり、情報抜かれてキリギリスに討伐されたりで遠からず大半が死ぬ模様。
特に今回酷使された上に使えないと酷評されたサーヴァントの少年は、蘇生された後紆余曲折を経てキリギリスに参加し、かつての復讐を成し遂げたとか。インガオホー!



学園の惨状が気になりますが、次回も今月中に投稿したいと思います。
次は準備回か短めの話の予定です。
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