真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -アナザーキリギリス- 作:ローグ5
個人的に現代社会のメリットは「音楽にしろ漫画にしろ素晴らしい作品が多くの人まで届き、喜びを共有し合える事」じゃないかなっていうのも今回意識した点です。
──────世界は狂い始めている。
それがいつからか、誰が何の目的で何をしたが故かを知る者は少ない。
何者かによる幾重にもわたる陰謀に、世界中の悪しきソウルを持つ物達が悪意や欲望を塗り重ねたまさしく地獄の多層構造。
その複雑さは世界崩壊の一因となる者ですら全容を把握していないとすら考えられる程。
そうして狂い始めた世界の有り様は悲惨その物である。
政府や既存宗教はメシア教を始めとする裏の勢力に蹂躙され、護国組織も集中攻撃を受け壊滅。
英国等は目を覆わんばかりの惨状となり、近年急成長を遂げた中国においても異常な粛清が横行している。
極東でこれまで安定を保っていた日本においても例外とは言わず、ヤタガラスが大打撃を受けた事やGPの劇的上昇が起きた。
結果として悪魔関連事件の数が右肩上がりに増加し、未成年者の行方不明数等目も当てられないことになっている。
なんとも末期的な様相であった。
このまま世界は狂い、挙句の果てに滅びてしまうのだろうか。
そんな不安を誰もが感じる世界の行く末に、滅びてたまるかと言わんばかりに抗う者達も多い。
それは大打撃を受けたものの、いまだに四天王や征夷大将軍といった強力な戦力を擁するヤタガラス等の護国組織だけでない。
良心的なフリーランスやまともなメシア教徒やガイア教徒。
そして世界が滅びると好きなサブカルも死ぬという事から世界崩壊を防ごうとしている世界救済オタクサークルキリギリス。
そんな雑多な者達もまた、滅びを防ごうと日本各地で戦い続けている。
ある者は世界崩壊の一因となる大悪魔に挑み、またある者は暗躍する組織の陰謀を暴かんと調査を続け、またある者は堕落した者達から無辜の人々を守る防壁となっている。
そんな彼らの戦いは幾度なく起きた危機を乗り越え今日も続いていた。
「はぁっ、はぁぁっひぃっ!」
名古屋近郊、薄暗く通路からは見落としやすい路地裏を少女が駆けていた。
魔女を思わせる服装の少女の顔は汗と涙でグチャグチャに汚れ、それらを拭う暇もなく息せき切って走っていく。
それは肉食動物に襲われた草食動物の様な身もふたもない決死の逃走。
しかしそれも彼女を追いかけている者達の剣呑さを考えれば無理もない事だろう。
「ウィッチドクターのメスガキが居たぞ! てこずらせやがってたくっ」
「しつけえなあ、さっさと捕まれよ。一晩かけて可愛がってやるからよぉ!」
「ウマソウダナアイツ、クッテイイカサマナー?」
少女を追いかけるのは如何にもな悪相の男達と彼等に使役される悪魔。
彼等はカジュアルサマナー、とある科学者が開発した悪魔召喚アプリlight版を手にした悪魔使いである。
その中でも現在東京で急速に勢力を伸ばしつつある八部連合阿修羅会の系列組織に雇われた特に悪質なマンハンター共だ。
昨今の情勢の変化により独立した勢力から極道に使嗾される側となった彼等は今日も人狩りに精を出している。
追いかけているウィッチドクターの少女もこれまで何とか彼らの手から逃れられていた物のついに補足され裏路地を逃げ回る羽目になっていた。
「うわ……はぁッやっひいぃ……!」
泣きながらも必死で逃げる少女の命運が尽きるまであとわずか。
出会い頭に氷結魔法を目くらましにして逃げる事が出来た物の、周囲に土地勘がないうえに多勢に無勢
何よりも戦闘が本職でない彼女に対してあちらは何体も悪魔を連れているのだ。
少女にとっては決死の抵抗でも、実際には彼等の嗜虐心を煽る効果しかなかった。
「やあっやああっ!」
「ケケッいい顔で泣きやがる。おいジャックリパー、足はいらねえから切っちまえ」
「ヒャーホホホ! ホホホアーッ!」
とうとう追いつかれた少女に対して悪魔が奇声を上げて得物を構え、細い脚へと狙いを定める。
陰惨な悪意に追い付かれた少女に待つのは余人の最悪の想像を上回る結末のみ。
絶望の一撃が少女を薙ぎ払おうとした瞬間、横合いより銃火が迸った。
「グ、オォォ!?」
閃光の正体は何者かによる銃撃。
ジャックリパーの急所を的確に捉えた銃撃は瞬く間に身を霧散させる。
そのことへ驚いたカジュアル達は急速停止。
まさか文字通り横合いから撃たれるとは思わなかったのだ。
「はあっ何だ畜生どこのクソがあ!?」
「あっちから来やがったぞ! 撃て! 撃ちまくれェ!」
へたり込むウィッチドクターの少女をよそにカジュアル達はヤクザから提供された銃器を発砲。
あてずっぽうの雑な射撃でも数が揃えば実際脅威。
数を揃えた銃撃の制圧力はこのような路地裏においては十全に発揮される。
「……なんだありゃ、猿か?」
しかし闇雲な射撃は相手を捉える事無い。
銃撃をよける襲撃者の身のこなしまさしく軽業の様。
狭い路地の遮蔽物を利用して巧妙に銃撃を防ぎ、句の果てには配管を手掛かりに壁を駆けあがり宙を舞って射線を振り切る。
常識から外れ切ったパルクールじみた動きにカジュアル達は唖然とした。
「当たらねえ当たらねえよ!」
「なんで奴はんな体勢から当てられるんだ!? 忍者か何かかよっ」
彼等に対して返答のように放たれる弾丸。
動き回りながらの小銃による銃撃にも拘らず確実に当てて来るその射撃はまさしく絶技。
単に銃を持たされたカジュアル達とは一線を画す銃という強力な武器を使いこなす技を持った
そんな華麗な動きに翻弄された故に、一陣の風の様に飛び込んできた男により放たれた剣技を躱すすべは彼等にはない。
「揃いも揃って女の子一人甚振ってご満悦か。せいぜいあの世で悔いていろ」
「はっ? ぎゃああっ!」
無慈悲極まりない剣技はカジュアル達の戦意を喪失させるには充分であった。
「ふざけんなよ何でこんな化け物が!?」
「逃げんぞ! まだあっちからならべぎょっ」
「畜生あっちの女も馬鹿見てえに速え! 何なんだよこいつらはっ」
剣技から逃げれば銃撃に撃ち倒され、巧みに動き回る女から浴びせられる銃撃に怯めば斬り殺される。
少女を巻き込む事を考慮して広範囲を薙ぎ払う魔法を使わない物の、一撃毎に的確に命を刈り取られていく疑似的な十字砲火に近い連携に対してどうする事も出来ないままにカジュアル達は全滅した。
「ふん、対人相手をメインにしているというのに銃撃耐性すら付与してないとは。
全く品性同様程度の低い人たちです」
「自分たちが狩る側だと油断してるやつらはそんなもんさ。数を頼みに嗜虐の愉悦に身を任せていると碌なことにならねえ」
ウィッチドクターの少女は呆然と自分を救った二人を見上げる。
剣士の男の方は三十台ほど、精悍さが垣間見えるいかにもと言った風情の男だ。
対して女性の方は二十歳は超えているだろうが、自分とそう変わらない年頃。
やや癖のある黒い髪と白く艶やかな肌のコントラストが印象的な、少女の面影を残し整った顔立ちの若い女性だ。
「一人で夜遅くに大変でしたね。でももう大丈夫ですよ」
「……はい」
ついでに言うとバストも豊満であった。
ウィッチドクターの少女もまた豊満であり、二人合わせると眼福であると言って良い。
いや、違うそんな事を気にしている場合じゃないと少女は頭を振る。
護国組織も手が回らず治安が乱れ放題のこの時にこんな活動をしているこの人たちは誰なのだ。
「す、すいません。助けてもらった側にも拘らず図々しいと思うのですが、あなた達は一体?」
「ああ、まだ名乗っていませんでしたね。
ではまずは自己紹介といきましょうか。あちらの人は
当然の疑問に対して女性は待ってましたと言わんばかりに応える。
「世界救済オタクサークル、キリギリスのメンバーをやっています」
デビルアームズにしてガンスリンガー、水神恵都はそう朗らかに己を明示した。
彼女もまたキリギリスと言う奇妙な戦士たちの一人であるのだ。
────私が何でデビルバスターなんて因果な仕事をしているか、ですか?
確かに女性のデビルバスターが増えたといってもフリーランスは意外と珍しいですか。
東京の方だと魔導針って方とか色々聞くんですが、理由は気になりますよね。
いえ、別に大した理由じゃないんだけどあ~……これは直に見た方が分かり易いですかねー。
説明長くなりそうだし。
ちょっと待ってくださいね、今靴脱ぎますから。
……はい、見ての通りこの脚が原因です。
鳥を模した感じの赤くて金属質な、悪目立ちする脚。
サイバーパンクな世界ならともかく今の日本だとちょっと悪目立ちしますね。
普段は専用のブーツとかで隠しているんですけど。
あはは好き好んで元の脚から取り付けたわけじゃないんですけどね。
何せこの脚は『マッハの具足』──―つまり悪魔の一部が変化した魔晶武器なので、身体能力が上がる分体の維持にはマグネタイトとか必要なんです。
私は俗にいう<デビルアームズ>というなんです。
それでこの脚を誰が取り付けたかというと……まあ酷い事に私の父親なんですね。
別にマッドサイエンティストって訳ではないんですが、父は割とおかしくて。
4年ほど前にある目的の為に人体実験繰り返した挙句、クズノハに見つかってあの世行きになってしまいまして。
その最後の犠牲者が私という訳です。
何処から話しましょうか。
うん、ちょっと時間はかかりますが、私の家庭環境からにしましょう。
私の家は両親と弟と私の四人家族。
自分で言うのも何ですけどそれなりの格式ある家で結構裕福でした。
戦前は帝都で議員を出せる程には影響力があってヤタガラスとのつながりもがあったとか。
今はせいぜい地元のちょっとした名士程度何ですけど。
如何にも堅苦しそうな感じですが、両親が二人共開明的な人だったのでそこまで窮屈に感じた事はなかったです。
今思い返しても中々幸せな家庭で悪くはなかったと思いますよ。
ただ一つ問題がありまして。
私の弟、これがまた可愛くて人好きのする子だったんですがどうもそれが悪い方に作用したみたいで。
父は自分の息子、つまり私の弟を愛しすぎていたんですね。それこそ異常なくらいに。
それであなたの愛情は異常だっていう母とよくケンカしていました。
……や、流石にそういうR元服な意味ではないですよー。
父の弟へ向ける愛はそうですね……何というか神への崇拝とかそんな感じが近いですね。
父にとって弟は至上の存在で、信仰を貫くためにはなんだって犠牲にできる。
そんな家族愛と言うには異常な愛は、弟が悪魔に襲われて重傷を負ってからますますエスカレートしてしまいました。
弟はそれはもう、見ていられなくなるくらい落ち込んでいました。
元から引っ込み思案な子だったんですが陸上を始めてから明るくなって友達も増えてきたところで今後走れるかも怪しい大怪我……私もあの子が絶望で死んでしまうんじゃないかって気が気じゃなかった。
当然ながら弟の不幸に父はもう気が狂わんばかりの状態になりました。
なまじ悪魔の存在を知っていた分何もできないことに精神を追い詰められたんでしょうか。
連日大荒れして急に冷静になったと思ったら何日も帰ってこないわと私も気が滅入って滅入って。
それで弟の怪我から半年ほどたったある日、公園でグズグズしてたら薬をかがされて、気が付いたら父の研究所でこの脚を取り付けられていました。
はー……思い出すだけで嫌になります。あの頃の事は思い出したくないですね……。
私を救出したクズノハの人に何とか聞き出したんですが、父は弟の体を治すついでにもし今後悪魔に襲われても良いように体を超人的に強化したかったそうです。
それでガイア系の術者を抱きこんでデビルアームズの研究をやっていた所、弟への移植前の最終テストとして私を実験台にしたんだとか。
父さんは私にすまない、すまないって泣いて謝っていたけど、ごめんで済んだら警察もクズノハもいらないのに全く……。
普通弟の方が大切だからって娘の脚を切りますかね?
元の脚は形が良くて結構気に入ってたのに。
その後弟と母は記憶を操作して、父が事故死したことにして地方へ引越し。
私はクズノハに入ることはなかったんですが、デビルバスターとしての心得を教えてくれる方を紹介していただきました。
それからここ2年はフリーのデビルバスターとして活動しています。
中々大変な事も多かったですが、出会いも多かったし悪い事ばかりじゃなかったと思います。
クズノハからの紹介で行った北海道は良いところでしたねー。
同じ年頃の知り合いも何人か出来ましたから。
しかも、後凄い事に真っ当なメシア教徒というツチノコ並みに珍しい方々とも知り合う事が出来たんです!
信じられないかもしれないけど嘘じゃないですよ本当ですよ!
それとさ────―漫画好きさん、キリギリスの発起人の方も仕事のうちで出会った一人です、
合同で仕事を受ける時に一緒になったんですが……いやあ、あの時は助けられてしまいましたね。
何せ複数チームに分かれて異界を探索中に【騙して悪いが】されて、危うく貞操の危機と言うところで飛び込んできてくださいましたから。
イケメンフェイスと相まってあの時は王子様に見えました。
襲ってきたロクデナシを物理的に折り畳み始めた時はちょっと引きましたが。
人間てあそこまでバキバキに骨を折られても死なないんですね。
そんな過去とご縁があって私もキリギリスに参加させていただいています。
立派? いえそんな事ありませんよ。
私も最初は適当な異界に引きこもろうと思っていましたし。
ただその前に……ちょっとしたきっかけがありまして。
守りたいものもあるし、いつかやりたいこともあるし、この世界が滅びないで続いて欲しいなーと思っただけです。はい。
名古屋の繁華街にある一角。
繁華街の活気とは裏腹に寂れ荒んだ雰囲気のあるその一角には広い敷地に囲まれたビルが建っている。
そのビルは、八部連合阿修羅会系列の極道組織『
名古屋周辺を縄張りとするこの組織は東京を本拠とする阿修羅会の出先機関的な側面を持っており、東海と言う実入りの多い地方での利権確保の橋頭保となっている。
そんな事情から物的金銭的な支援も手厚く、電子的なセンサーだけでなく霊的な防備をも備えたこのビルはデビルサマナーを相手にしても優に持ちこたえられるだろう。
如何に先日から護国組織か何かの襲撃があり手駒のカジュアル達が何グループか狩られたといっても本部は無事。
組織の上から下まである程度、無意識に抱いていた想いは今霧散しつつあった。
「さっさと弱体化を掛けろ! せめて弱らせねえと俺らじゃ止まらねえよ!」
「クソ駄目だっ弱体化用の悪魔が魔封にされてやがるっ! あのアマやりやがった!」
「助けろオオオオ! 俺を助けろオオオオォ!」
今宵このビルへ奇襲をかけてきたのはいずれも手練れのキリギリスに参加するデビルサマナーやバスターたち。
名古屋ヤタガラスの応援の為展開していた彼らはカジュアル達への尋問から連続拉致事件の主犯である久楼會の拠点を特定。
この日掃討の為に襲撃を掛けたのだ。
名古屋ヤタガラスの支援の下制限なく行動できる彼らの行動は迅速。
かく乱の為何グループかに分かれ奴隷の保管場所や幹部の執務室を狙い、矢のように堅牢だったはずの防備を抉っていく。
カジュアルサマナーや極道が迎撃に出るも、質の差に圧倒され蹂躙の憂き目にあう。
ある者は悪魔の力を宿した剣技によって両断され、またある者は死神に化身した男に粉砕され、またある者は銃弾によって撃ち抜かれる。
それらは以下に久楼會の戦闘員に悪魔の力で強化されている者が多いとはいえ、練度に大きな差がある故に生まれていた物だ。
「あの売女どこへ行きやがった!? チョロチョロと動き回りやがってクソッ」
「後ろだッ後ろからあのバカ見てえな脚のが来てやがぐああああっ!」
「……育ちの事を言うのも何ですが、随分とまあ口が悪いですねぇ」
さらに統制の乱れた久楼會に比べてキリギリス側は連携が保てている事も大きい。
特に機動力を活かして動き回る恵都の的確な支援が状況の一助となっていた。
戦場をトリッキーに駆け回り相手の裏をとって銃撃し、予期せぬ角度から弱点属性の銃弾を撃ち込み悪魔を倒す。
文字通り縦横無尽に動くが故に久楼會も捕えきれず優勢を保っていた。
その機動力の秘密は彼女のデビルアームズたる由縁である『マッハの具足』。
体質的に相性の良い恵都に対してこの魔晶武器は戦闘開始時に
パルクール等彼女の習得した各種技能との組み合わせにより圧倒的な機動力で戦場を駆けまわる事を可能にする強力な物だ。
「それにこの脚好きで取り付けた訳じゃないんですけどねえ。
付き合うしかないのは分かるけど偶に嫌になる事もあるんですよ……っと」
吹き抜けで雨柳と戦っていた悪魔に対して緊縛弾を見舞う。
物理耐性を持ちタフな悪魔も状態異常への耐性は並なようだ。
文字通り縛られたように動きを止めた悪魔の脳幹に刃が埋まり、引き抜かれた次の瞬間には霧散する。
「助かったぜ水神ちゃん。物理耐性ある悪魔相手に閉所でやるのは流石にきついからな」
「どういたしまして。それにしても予想以上に戦力多いですね。
状態異常の弾は流石に残り少なくなってきました」
「ならここからは俺と同行した方がいいかもな。単独だとキツイ相手が来そうだ」
ヤタガラスや地元の情報によると久楼會には腕利きのダークサマナー等の強力な用心棒が複数いるとの事。
阿修羅会本部に雇われた彼らのが見えないのは組長の護衛にでもついているのだろうが、そろそろこちらの迎撃に出てもおかしくない。
「情報通りだと私一人じゃ難しそうですし前衛頼みます」
「任せときな。捕まってた人達は逃がしたしここからは確実さ重視で行くぞ。来い、トート」
「了解です。私は後ろから支援させていただきますね」
「ワシもそこそこに頑張らせて貰おうかのう」
雨柳は今後の戦いに備え魔法に長けた悪魔である魔神トートを召喚した。
召喚が完了すると共に恵都と共に階段を駆け上がりビルの最上階へと突入していく。
「来やがったぞ、やっちまいなヌエ!」
「チキン見てえにジューシーに焼いてやるよっ」
「全員ぶっ殺してやるっ!」
階段を駆け上がると共に待ち構えていた敵が一斉に攻撃を行ってきた。
サマナー1,魔法型異能者1、サクセサーが1。
三人とも若いながら揃って凶悪な面相の彼等の目は敵意に燃えていた。
「死ねやああああっ!」
「残念だが死ぬわけにはいかないんだよ。ほら、俺を待っている子とか守らなきゃいけない子もいるし」
力を溜める妖獣を背に、大鎌を構えて突進するサクセサーに対して雨柳は刀を掲げ進み出るがそれはフェイント。
横薙ぎの大振りを誘われ、奇妙な身のこなしで空振りさせられた大鎌は壁に突き刺さる。
「なっあっおい、放電やめっあがっあががガガガッ」
続いてトートが使用したマカラカーンにより魔法二つが反射され乱れ飛ぶ。
反射の恐ろしいところは撃った当人のみならず、予期せぬ誤射を引き起こしかねないという事である。
この場合は耐性のある当の悪魔のみならずサクセサーにまで電撃が跳ね返り感電させた。
「ヌエをノックバック、その隙にサマナーをお願いします」
「了解だよっと」
雨柳がサクセサーの首を切り落とし、恵都が物理攻撃に切り替えようとしたヌエを衝撃属性の弾丸を装填した銃撃でノックバック。
キリギリス結成以降の短い付き合いな物の、共闘経験を積んだ二人の連携は澱みない。
そうして連携の乱れた三人を各個撃破していく。
「反射って怖いよなぁ俺もテトラカーン超嫌い。
どっかに物理貫通デフォで持っている刀ねえもんかなー」
「その様な物があったら全世界から雨柳さん狙いの人が殺到すると思いますよ~」
「……だよなあ。世の中うまくいかねえ、な」
肩に入った力を抜く為の会話を二人して切り上げる。
通路の奥からコツコツと規則正しい靴音が響いてきたからだ。
「私が奇襲する隙すら稼げないとは全く使えない奴らだ。
最も貴様達が相手では仕方ないか」
部下を侮蔑する男は長身のスーツ姿。
その秀麗な容貌は一見すると上品なエリートに見えるが、酷薄な目と従えた悪魔の姿が本来の凶暴な気質を物語っている。
雰囲気は一見ヤクザにも見えるが、二人の勘はそうではないと告げている。
「雰囲気からするとファントム……いや違うなファントム式の電子装備が型落ちだ。提携してたダークサマナーってところか
「ご明察。申し遅れたが、私は片桐。隣のは仲魔の邪竜ムシュフシュ」
「GRRRRRR……」
片桐の隣で唸り声をあげるのは緑がかかった白い甲殻に獣の四肢を持った邪竜。
ベテランのデビルバスターである雨柳と同格の強力極まりない悪魔だ。
恐らく外法でレベルを上げているのだろうが、このクラスのダークサマナーが当たり前のように出てくるとは。
地方のインフレは話の通り深刻らしい。
「何分食い意地の張った奴でね。餌代もかかる故貴様らが素直に腹を満たさせてくれると良いが」
「そんな悪魔に肉を食わせて喜ぶような特殊な性癖はもってないですよ。むしろあなたこそ素直に投降しませんか?
今なら命だけなら助かるかもしれませんよ」
「ハッ知れたことを言うねお嬢さん」
恵都の提案に対して片桐は鼻で笑う。
その様には長年人を食い物にしてきた人間特有の傲慢さがあった。
「私は面倒事が嫌いでね。私の仕事をさんざん邪魔した挙句ここまで押しかけて来るとははらわたが煮えくり返りそうだよ
こっちはせいぜい非覚醒者のクズを数えられる程度廃人にしただけだというのに」
「……ひょっとしてあなた狂っているんですか? それ以上の罪が何かあるとでも?」
「この手の輩には言っても無駄だぜ。こいつらの馬鹿は死んでも治らねえよ」
不快な言葉にリロードしつつも眉根を寄せる恵都とレベルの近いオルトロスを召喚する雨柳。
二人の目は力に溺れたダークサマナーの逸脱性に不快感を覚えていた。
「私を愚弄するとはまた罪が増えたな、殺せムシュフシュ」
「RUAAAAA!」
叫び声をあげて突進する邪竜は鋭い爪を振るう。
中空を引き裂く激しい爪は人体等紙のように引き裂く凄まじさ。
それを同格のオルトロスの爪が防ぎ、雨柳がその隙間を縫って片桐へ斬りかかるも大振りのナイフで受け止められる。
「チッ流石にそううまくはいかねえか」
「当然だ。悪魔だよりの三下と舐めてもらっては困るな」
返す刀で振るわれる迎撃の斬撃とジオダイン。
挟み込むような攻撃を雨柳は側転で回避し、追撃は恵都が牽制射撃を加えて防ぐ。
成程、流石に奇襲一つで殺せる程度の相手ではない。
(ムシュフシュを一瞬止められればイケますね)(イケるな)
が、雨柳と恵都の二人も幾度なく視線をくぐってきたデビルバスターである。
サマナー一人と仲魔の一体程度封殺手段は幾らでも思いつく。
「目を潰しますよ雨柳さん。こっちは氷で」
「応よ、ファイアブレスを合わせろオルトロス」
ムシュフシュの顔面目掛けてオルトロスがファイアブレスを吐くと同時にサブアームの短機関銃を発砲。
視界を塗りつぶす炎と殺到する氷結弾に対してムシュフシュは電撃で迎撃。
殆どを叩き落とした物の炎氷雷のエネルギーで視界が塗りつぶされる。
「GRRRGYAAA!?」
「目つぶしからのサマナー狙い、馬鹿の一つ覚えを!」
戸惑うムシュフシュに対して片桐は冷静に迎撃。
床スレスレから飛び出してきた雨柳を迎え撃つ。
(サマナーとはいえ読めればこの程度容易い! 剣士としてはそこそこなのだろうが油断したなっ!)
片腕で悪魔用の高火力の銃弾をばらまき、もう片腕のナイフを備えにした万全の体勢。
如何に剣技に優れて居ようと人間には幾多の限界が存在する。
心を平静に保ち適切な対処をすれば、特攻してきた剣士の一人や二人等返り討ちにすることは容易い。
それは単なる机上の空論ではなく片桐の蓄積された経験による物であったが
「な……があっ」
「────まあなんだ……首元がお留守だったな」
防御の、否人間の意識の死角へもぐりこむような形容しがたい動きからの急所への斬撃。
高い難易度の上、なまじ対人に特化しすぎた結果悪魔戦が主体となる現代では廃れつつある対召喚士用の異形の剣技。
凝った名前もなく"暗殺剣"とのみ呼ばれる雨柳の剣技は片桐の首元を確かに切り裂いた。
(なんだ今の剣技は速すぎた訳じゃないのに見えなかった。まずい、このままでは死に)
致死量の出血をしながらも生存本能のままに片桐はムシュフシュの影に隠れ宝玉で治療しようとするがそうは問屋が卸さない。
片桐の重傷を好機と見た恵都が、跳んだ。
「残念ですが、これで終わりです」
恵都は助走なしで壁を蹴って空中を舞い、回転。
さらに両脚から圧縮空気を噴出し咄嗟に振るわれたムシュフシュの爪をかいくぐる。
人間には通常不可能な三次元機動。
熟達したフィギアスケーターのジャンプの様な、幻想的な美しさすらある動きのままに構える小銃の先には先程までは捉えられなかった片桐の姿。
「畜生、め」
毒づく片桐めがけて放たれた銃弾は右手、心臓、脳を順に撃ち貫いて見事なまでに絶命させた。
「RUU!? SUMOMMONER? GYAAA!?」
司令塔を失い動揺したムシュフシュの首にオルトロスが食いつく。
レベルは同格で相性も悪くないもののこうも見事に食いつかれては最早終わり。
程なくしてムシュフシュも息絶えた。
「ナイスな動きだったぜ水神ちゃん。良い援護があるとすらすら進むわ」
「ありがとうございます。後少し油断せずに進みましょう」
雨柳と言葉を交わし息を整えると恵都も雨柳の後を追おうとする。
その時ちらりと自分の赤い具足の様な脚を見る。
元は無理やりつけられたもので完全に受け入れるのには何年もかかった自分の脚。
嫌で嫌で仕方なかった物は今日も大いに役立った。
(……この脚も結構捨てた物じゃなかった、かな?)
そんな思いを抱けるのは自分が変わったからだろうか?
そんな事を考えると後少しと気を引き締めなおして剣士の後を追い始めた。
程なくして久楼會は壊滅した。
主力の一角である片桐と、他の用心棒もキリギリスのメンバーに討たれて久楼會は総崩れ。
抵抗した者は殺され組長を含む少数の捕縛された者達が残るのみ。
最も彼等が犯した罪の重さを考えると情報を絞られきった後の末路は御覧の有様と言ったところだろう。
因果応報とはそういう物だ。
かくして久楼會壊滅作戦は成功裏に終わったが当然ながら戦いはまだ終わらない。
阿修羅会本体は多少のダメージを受けてはいるものの、健在。
その上メシアガイアの両巨頭の動きもまだ不透明。
状況が良くなったとは容易には言い難い状況が続いている。
幾ら
しかしそれでもキリギリスのメンバーたちはいつか世界が救われる日を目指して戦い続ける。
彼等には守りたいものが幾らでもあるのだから。
その日の空の色はぬけるような蒼さだった。
冬特有の澄んだ空気が爽やかで、寒さよりも気持ち良さを感じさせる好天。
それは先日までの逃走劇やその後の戦闘が嘘な程。
「ん~電話まだかかりそうですし、おにぎり食べます?」
「あっいただきます。何から何まですみません」
「いえいえ。こちらも薬を色々頂きましたし」
高速道路に併設されたドライブインは平日の早朝と言う時間もあり、彼等以外の車はまばら。
車の中で他のキリギリスと連絡を取る雨柳を待つ、ウィッチドクターの少女と恵都はその間に腹を満たしていた。
先日キリギリスが保護した少女は拠点が元居た破壊された事もあり、帝都かその近くに拠点を構える知人のウィッチドクターに合流したいとの申し出ていた。
その為東京に行く予定だった恵都や雨柳と同道し今日この車に乗っている。
「あの雨柳さんて人なんか凄い顔してますけど大丈夫なのかなー?」
「うわぁ本当だあ。オーブ最終回のジャグラーみたいな暗黒だよ……って顔してる。見ている分には面白いですねえ」
「今度は荒んだ目になってきましたよ!? 一体何が?」
「……世の中には知らない方が良い事があるんですねこれが」
雨柳は東京を拠点としたキリギリスのメンバーと電話中。
相手は面識のある人間だったのか当初は気安い感じだった物の、話が進むうちに何かこう……目からハイライトが消え、頭が痛いという風に片手で頭を押さえだした。
そのうえ年甲斐もなくプルプル震えていると思ったら、相手が変わったのか極めて荒んだ目つきになっていた。
(大体のあらましは聞いてますけど……この子には刺激が強いしやめておきましょう。
その方が色々な人にとって良いでしょう)
恵都は雨柳にとっての頭痛の種を想い瞑目する。
人と人とのつながりはキリギリスのように良い物をもたらすこともあるが、このように思わぬダメージを与える事もあるので善し悪しがある。
「まだまだかかりそうですし音楽つけていいですか? 私の好きなユニットの奴なんですけど」
少女が了承したので恵都はカーオーディオ(金をかけて最新式の物を搭載している)のスイッチを押す。
高精度の音響装置から流れてくるのはここ数年人気の音楽ユニットが歌唱する楽曲だ。
「このユニットの歌好きなんですよね~。魂から活力が沸いてくるというか、生命力がすっごいブーストかかる気がするんです」
「確かに……元気な曲。なんか瑞々しい林檎みたいな生命力を感じます」
「おっいい表現ですね、瑞々しい林檎とは。非常にナイスです」
生まれも性格も全く違う5人で構成されるこのユニットが恵都は大好きだ。
単に生き生きとしているだけじゃない、必死さを感じる命を燃やすような曲の数々。
そんな曲をこんなご時世でも提供している彼女達の事を心から尊敬している。
恵都がこの音楽ユニットを好きになったのはそう昔の事ではない。
今から半年ほど前、世界滅亡の兆しがささやかれ始めた時の事だ。
当初恵都は自分も何か適当な異界に引きこもろうかと考えていた。
デビルバスターという仕事は得る物も多いが危険も大きい。
丁度強力な悪魔と戦って体に大きめの傷が残ってしまい、その傷と自分の脚を交互に見比べてみたらなんか泣きたくなってきた。
(私何でこんな仕事やってるんだろ……疲れたしもうやめよっかな……)
元から好き好んではじめた稼業ではないし、今来ている仕事もキャンセルして何もかも終わるまで引きこもってよう。
今日はやる気出ないし明日から準備を始めよう、そう思ってメソメソしていた時テレビから聞こえてきたのが彼女達の歌だった。
それはちょうどその日あったLIVEの生中継。
当初は己の捻じ曲がった人生と比較して批判的な気持ちで聞いていたような気もする。
けれど輝くような歌を聴いているうちに耳が離せなくなってきた。
LIVEが終わっても動画サイトで曲を聴くほどには気になって好きになっていた。
「特にこの曲! 良いと思いませんか? このタイトル通りの諦めないって感じが私の弟も大好きでして!」
それに彼女達の歌は自分だけじゃなくて弟も勇気づけてくれた。
まさかあの子がねえと姉目線からの苦笑もあるが弟の幸福が嬉しい。
あの事件が原因で疎んだこともあったけどたった一人の弟なのだから。
色々あったけど幸せになって欲しいと思う。
何日かして大分活力を取り戻した後、ドタキャンは流石にまずいしと思い直し予定の通り幾つか依頼をこなした。
どれもある程度の安全マージンをとれる仕事だったが、場所が複数の都道府県にまたがる程にばらけていたことは驚いた。
何せ世界滅亡の噂を受けてまともに仕事をこなせるデビルバスターの数が激減しているご時世だ。
幸いどれも順調に終わった物のこれまでにないその有様に一抹の不安を覚えてしまう。
まさかこれ程真に受けて異界に引きこもった者が多いとは思わなかったからだ。
最後の依頼をこなしたものの気分はどうもうそ寒く嫌な気分。
これまではまああっても良いかと受け入れていた世界の滅亡がどうも気に入らない。
あのユニットの歌のせいかと自分の単純さに自嘲するもはたと、あることに気づく。
(あ、コレ八生と母さんが住んでいるところの近くだ。……ちょっと見てみようかな)
無意識か偶然か気が付いたら車の位置は以前葉書が来ていた住所のすぐ近く。
そうなるときになるのが人情という物で折角だしと恵都は近くのホテルで一泊しこっそりと弟の様子を見に行くことを決めた。
そうして翌日コッソリと弟がどの様に過ごしているかを見た所、なんとまあ驚いた。
(驚いたー……まさか八生があんなに元気になるなんて。しかも奥手だったあの子に彼女が出来るなんてびっくり)
八生は怪我と父の死ですっかりふさぎ込んでいるはずだったが案外幸せに過ごしていた。
転校してから友達が出来たのか遠目にも親し気に話す相手が何人もいて、しかも放課後には彼女とデートまでしていた。
八生はそれこそ遠目には少女にも見えるような整った顔立ちをしているから、モテるのも理解できるが
いつの間に彼女ができて居るとは。
相手の活発な感じの子と手をつないで談笑しながら帰る様子は恵都にとって実に衝撃的だ。
そして話を聞いているとさらに驚いたことに二人も先日恵都が元気づけられた音楽ユニットのファンなのだという。
二人共推しのメンバーや新しい楽曲について、心から楽しそうに好きな音楽の話をする弟の姿。
それはとても、とても幸せそうな光景だった。
そんな美しい光景は恵都にと腑に落ちるような感覚を与えた。
世界が滅びるという事は誰かを勇気づけるような歌があったとしても届かなくなってしまうという事。
若い恋人同士が互いに好きな物を楽しく語り合う事が出来なくなるという事。
そう考えるとこれまでそんなに好きじゃなかったこの世界が、絶対に終わってはいけないものに思えた。
(……まったく手のかかる弟だこと。でもまあいいか。
お姉ちゃんが可愛い弟の為にちょっとは頑張ってあげましょう。ちょっとした夢も出来たし)
そんな事があって恵都は今キリギリスの一員として戦っている。
悪魔もカジュアルも強くなるわ、よく分からない化物が出てくるわで大変なことだらけだが、それでも今日も世界は続いている。
件の音楽ユニットも歌い踊り、新たな曲を出し続けている。
「5人全員がそれぞれの個性を活かして、それでいて同じ方向を向いて歌い続けている……共鳴している感じがいいっ凄く良いです!」
「分かってくれていますねえ~フフフまたファンを一人増やす事が出来ました」
ウィッチドクターの少女の言葉に気を良くしてどや顔を決める恵都。
そんな中に電話を終えた雨柳が帰ってきた。
「連絡終わったぞー。先日の件もひと段落したし予定通りだってさ。
俺達もしばらくは東京に張り付く事になりそうだ」
「了解です。それじゃあ行きましょうか」
雨柳が乗り込むと車が走り出す。
道路の向こうへ広がるのは何処までも蒼い空。
油断は禁物だが悪くない天気に、好きな歌が流れている。
楽しいドライブになりそうだ。
(色々ありますけど、これからも死なない程度に頑張っていくとしましょう。
平和になったらやりたいこともありますしね)
行き先は帝都東京。
GPは抑えられている物の激戦地である大都市は危険な戦場だが、恵都は未来を目指してむしろ勇んで行く。
何せ彼女には夢があるのだから。
何時かの日──―弟と一緒にまた笑いあい、コンサートに行って同じ歌を聴く日を楽しみに、恵都は今日も仲間達と共に戦い続ける。
◎主人公紹介
・水神恵都 <デビルアームズ><ガンスリンガー> Lv38
魔晶武器『マッハの具足』を活かした高機動を活かした支援を得意とするガンスリンガー。
基本的に後衛として他のバスターと組むことが多いが、本人もある程度の近接戦闘能力を備えている他、今回は披露しなかったものの狙撃も出来る。
デビルバスターとして名を上げながらも、それなりに好きだった父親に裏切られたことから鬱屈した思いを抱えていたがとある音楽ユニットの歌に勇気づけられた。
また一時は疎みながらも嫌いになり切れなかった弟もまたそのユニットの歌に救われ再び歩き始めたことからキリギリスとして「誰かを救う歌を世界中に届けられる」現代社会を守る為に戦うことを決意した。
主要ジャンルは音楽系全般、その他にアイドル等。
◎キリギリス構成員紹介
・雨柳巧 <デビルサマナー><剣士> LV54
シリーズポジション:ニッカリ及び悪魔討伐隊(真・女神転生Ⅳ Final)
長いヘタレ期間から大切な人たちの支えで脱出したキリギリス構成員。
ようやく全盛期に近い腕になってきた剣士兼サマナー。
今回披露した暗殺剣はデビルバイバー2に登場した敵リーダーへ高威力物理攻撃を行う暗殺拳が元ネタ。古式の退魔剣技を使う本人のイメージに合ったために採用した。
最近知り合いの娘であり、自分が再び戦い始めたきっかけになったJCの雌顔に脳を破壊されたがそれでも頑張る。
・佐々木/レッドアイ・ホーク LV 79
貪欲に強さを求めることで知られた漫画好きのダークサマナー。
全国を旅していたこともあり、本作の恵都を始め様々な悪魔業界関係者と交流がある。
キリギリスの発起人であり、雑多なメンバーと共に世界滅亡阻止の為の戦いを続けている。
この話の直後に北海道へカチコミに出かけた。
悲惨な過去から子供を守ることを心掛けている物のJCとばかり【あのね】する機会が増え、クズ共への殺る気を募らせている。
◎補足(くじら座のプリクエルについて)
今回の主人公である水上恵都本人は本作オリジナルキャラだが実は父親の「水神茂久」と弟「水上八生」の内茂久は峰津院大和の側近であるジプス高官、八生は大和に憧れ父によってジプスに預けられた少年として登場するが、当然ながらジプスが存在せず峰津院大和もいない為彼らのたどった道筋は原作と大きく異なる。
しかしそれでも八生が怪我によって陸上の道を諦め、それが茂久の狂的な愛情を加速させたところまでは変わらず本作の様な暴挙に至った。
そんな茂久が大和に対して自らの計画と共に息子への愛を吐露する場面は必見なので、興味がある方は是非『くじら座のプリクエル』を読んでみて欲しい。