SAOが好きすぎる俺がSAOの中に入っちまった。それもホロウフラグメントなんだけど 作:クラッカーV
キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを告げるチャイムが鳴る
そして生徒が教科書等、片付けを終え、教師の話を聞く為に席に着く。それを教師は見て、明日の連絡事項等を述べる
「えー、明日は宿泊研修です。忘れ物の無いようにしてくださいね」
教師の言葉を聞いてざわざわと教室内が沸く。生徒達は口々に「明日宿泊研修かー」「なあ、バス隣になろうぜ」と話し出す
…………だがその中、他の生徒とは違う反応をする一人の男子生徒がいた
「……………」
彼の名前は土方 信一《ひじかた しんいち》。彼は机に頬杖をつき、SHRが終わるのをまだかまだかと待っていた
「(いいから早く終わらせろよ!こちとら早く帰って早くお目当てのもんを買いに行きてえってのによぉ!くぅ〜、小学校から約9年聞き続けて来た先生の話がこれほどまでにいらねえと思ったのは初めてだぜ)」
彼は心中でそう叫ぶ
「(今日発売の新作ゲーム、ソードアートオンラインーホロウフラグメント-が俺を待ってんだからさぁ!!)」
若干教師を睨む彼は登校用のバッグを手に握る
「それでは、終わります」
「(きとぅあ!!)」
教師の言葉に心から歓喜の声を心中であげた
「きりーつ、礼」
『ありがとうごz「ありあっしたー!!」………』
そして元気に挨拶をし、誰よりも早く教室を跡にするのだった
彼をよく知らない者は彼についてこう言う
「土方君ってオタクだよね〜」
「そうそう、この前なんかわけのわからないこと熱弁してたしさ〜、それに自己紹介の時なんかアニメやラノベ?だっけ、大好きですって自分で言ってたしぃ?引くよね〜」
「マジオタクとか無理だわ〜」
そして、彼をよく知る者はこう言う
「あいつは、なんて言うか………自分に正直だよな。間違いだと思うことは間違いだって誰にだってハッキリ言うし、自分が違ってたらきちんと謝れる奴だと思うよ」
「そうだよな。それにあいつは自分の好きなことに妥協、っていうのをしないんだよ。好きなことは最後までやり通す、って感じ」
人によって彼への見方は違うが、これで彼はどの様な人間かわかっただろうか?
彼は、自分の心に素直だ
彼は、好きなことには妥協しない
そんな人間である
「いやあ〜、買えた買えた♪」
彼、信一は袋を持って小刻みにスキップしながら店から出てきた
「SAOーホロウフラグメント-。生産限定版GETだぜ!早速家に帰ってやらないとな〜♪」
彼の袋の中にあるのは一つのゲーム
ソードアートオンライン、通称SAO。最近信一がどハマりしているライトノベルだ
簡単に言えばデスゲームに閉じ込められたプレイヤー達がゲームクリアを目指すものだ。だが一巻の時点でそのゲームはクリアされており、二巻は短編集。三巻からはデスゲームではないにしろ、新たなゲームを舞台とし、主人公キリトが戦うというライトノベルなのだ
今回信一が買ったゲームは一巻の、これまた簡単に言えばifの話らしい
ライトノベルでは、本来クリアすべき所までは行かずにラスボスと戦い、そして勝ってデスゲームから解放される。ということなのだが、これはどうやら解放されなかった時の話みたいだ
「インフィニティ・モーメントは時期が時期だからプレイしてないけど、これは殆ど話が同じだって言うし」
SAOは前作として、インフィニティ・モーメントというのが発売されていたのだが信一はまだその時ソードアートオンラインの存在を知らなかったのだ。後に何故知らなかったのかと後悔し机に頭をぶつけまくった
そして知った頃に今日買った、ホロウフラグメントが発売するという情報が出回っていたのだ
「ゲームオリジナルキャラクター、フィリアにストレア。どちらも可愛い、甲乙付け難いぜぇ」
くぅ〜、とその場でしゃがみ唸る。周りから見れば変な人だろう、彼は机に頭をぶつけまくった日からネジが何処か緩んでしまったのかもしれない
「だがしかし、シノンさんも忘るるべからずだ。GGOシノンさん、ALOシノンさん共にクールでビューティだが、リアルシノンさんも十分可愛い。さらにクールでビューティだ、マジでクールでビューティ、略してクールビューティ」
何やらわけのわからないことを口走っている。横にいる女性はおもむろに携帯を取り出していた
「よし、早く帰ろう。今すぐ帰ろう」
そして立ち上がり走り出す。女性には奇行に見えたのだろう、110番を押し始めた
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「ただいま!」
家の鍵を開け、ドアを勢い良く開き言う
中から返事などは帰って来ない。当然だろう、高校になってからは一人暮らしなのだ。家もあまり広いわけじゃない
「♪〜♪♪」
鼻歌を歌いながら靴を脱ぎ、歩きながら制服を脱ぐ
ハンガーを手に取り手早く制服を掛け、カッターシャツを脱ぎ洗濯機へシュート
「いよっし、3P。緑間もビックリだね!」
今ならどんな距離でだって入れられる気がする。これがゲームパゥワァ
そして部屋着を着てベッドへダイブ!
ベッドの上に置かれている充電器に繋がったPSVitaを手に取り充電器を引き抜く。充電はフルにしておいた、用意は十分だ!
買ってきた袋から箱を取り出し、中からカセットを取り出してVitaへと挿入。生産限定版に着いてくる特典も見たかったが、まずはプレイしてからだな
「電源ON!」
電源ボタンを押した。メニュー画面からSAOを選ぶ
うう、何故だか緊張するぅ……
「…………その前にトイレ」
緊張に耐えれず尿意を催しお手洗いへ
少しお待ちください(お花畑〜)
「ふぃ〜…………。さて、やるかぁ!!」
大声と共に俺はSAOの欄をタップする為に指を伸ばした
『♪〜』
「ん?」
押した瞬間にスマホから音が出る。なんだ?メールでも受信したか?
「やれやれ、こんな時に誰だ?迷惑メールだったらただじゃおかねえ」
スマホを掴みメールを開く
「えーと、なになに…………あん?んだこりゃあ」
そのメールには、0と1が文字数制限ビッシリと書き込まれていた
「んだよ、イタズラか。マジふざけんなよ、俺の邪魔しやがって」
あー、イラつく。迷惑メールとかマジ大嫌い、この世から無くなれ!
俺は迷惑メールにそんな感情をぶつけながらそれを削除した
「さてと、それではお楽しみの『♪〜』あぁん!?またかよ!」
またメールが来た。どうせなら無視すりゃいい話なんだが……、無視したらしたで内容が気になってしょうがねえ。それでゲームに集中出来ないのは嫌だからな
「ったく………」
再度メールを開く
「うえ、またかよ………」
さっきと同じ様なメールだった。ただ違うところと言えば、一番最初が0か1かだが
「チッ、知らねえ知らねえ。ほっとくのが一番だ」
俺は削除もせずにスマホを放り投げる
「それよりゲーム♪」
そしてゲームを手に取り、いつの間にか消えていた電源を付ける
チカッ…………チカッ
「……………あん?」
何故か画面が点滅し始めた
「おいおい、どうしたよ。壊れたとか言わねえよなぁ?」
心配してVitaを見回す
チカッチカッチカッチカッ
点滅が激しくなった
「お、おい………」
明らかにおかしい。何が起こっ『ピカァ!』!?
「ま、眩しっ!!」
画面から突如放たれた光に俺は目を瞑った
「……………」
もう大丈夫か?
俺は目を開ける
「…………………な、なんだこりゃあ!?」
俺の目には今、信じられない光景が映っていた
目の前には0と1の羅列。それが波の様にうねっている
「おわっ、なんだ!?」
その中から一部が俺の体に纏わり付いてきた。0と1は俺の服の形を変えて行く
そして最後、背中に纏わり付いていた0と1が剣を形作った
「…………は?剣?」
何が何だかわからない。状況が理解出来ない。処理が追いつかない
わからない、わからないわからない。何が起こってるんだ?
バリィィィィィン!
俺がそんなことを考えていると、突然破砕音が聞こえる
「なっ!?」
破砕したのは、俺がいた空間そのものだった
そして破砕した空間向こうに空が見える
「………………」
刹那、地味な浮遊感を感じた
「え…………のおぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!」
そして俺は、下に見える深い深い森へと落ちて行った
※2020/02/14 視点変更箇所に
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に変更