SAOが好きすぎる俺がSAOの中に入っちまった。それもホロウフラグメントなんだけど   作:クラッカーV

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情報屋の鼠

 

 

「おはようございます、シンさん!」

 

「おはよう、ユイちゃん」

 

朝、目覚めの一発にちょっくら外で隠蔽スキルを上げていて、それを見たシノンさんに怪しいと追放をくらった俺は現在、ユイちゃんと挨拶を交わしていた

 

今回はスキルを上げていただけと言うことで説教はくらわなかったが………怪しさ100%と言うことで大通りでやるのは辞めろと言われてしまったよ

 

「シンさんが悪いと思いますよ?」

 

「やっぱそうなのかねぇ?」

 

どうやら俺が悪かったようだ。俺は努力しようとしてたのになぁ………。まあ、迷惑ならばしょうがない

 

「てなわけで、ちょっくら隠蔽スキル上げる為にキリトでも尾行して来るよ。ユイちゃん」

 

「さっき注意されたこと忘れたんですか?駄目ですよ、シンさん」

 

「ごめんなさーい」

 

ユイちゃんとそんな会話をしながら俺は店を出る

 

さて、今日はどこに行くか

 

キリトとアスナからの情報によって生産系クエストだけでは一ヶ月で攻略組に入ることは無理らしい。だとしたらやはりモンスターを狩るしかない。経験値が沢山手に入って、俺でも安全な場所がどこか無いか…………

 

「まあ、無いだろうな!」

 

ここは最前線だぜ?そんな甘い所なんて無い無い

 

キリトとアスナは今日は攻略に行くそうだ。他は知らん。いつの間にか皆いなくなってるし………

 

エギルは店番、クラインも多分攻略かな。あぁ、リズベットも店か。シリカやリーファは何をしてるんだろ?リーファのレベルとか気になるな。ALOでは古参プレイヤーとかあったから、レベルとしては攻略組に負けないくらいなんじゃないか?羨ましい。シリカは…………まあ、ピナとどこか徘徊してんだろ、よくわからんが。シノンさんは…………どこかでお茶飲んでそう。椅子に座って紅茶飲んでたら絵になるかもね。まあ、皆そうかもだけど

 

ホロウエリアでフィリアと話でもしに行こうか。………邪魔になるな。ストレアに会いに行こうかな〜………いや、用も無いから会いに行くわけにはいかない

 

「ちょいト、そこのお兄さン」

 

あ〜、でもなんか、ストレアなら用が無くても全然気にしなさそうだな。ストレアは話し易いんだよ、なんか。なんでだろ?波長が合うのかもしれない

 

「おイ、聞いているのカ?」

 

「聞いてる聞いてる」

 

あれ、なんでストレアに会いに行く話になってんだ?だいぶ脱線してんな………

 

「絶対に聞いてないだロ」

 

「……………誰だ?」

 

今、ようやく後ろから声を掛けられてるのに気が付いた。これは申し訳ない、と思い後ろを振り向く

 

「………うっぷす」

 

「?」

 

振り向いた先に居たのはフードを被った小柄の人。金髪の髪と、頬に付いた三本線のペイント、もうこの時点で誰かがわかる

 

「アルゴ……」

 

「ン?どこかで会ったことがあったカ?」

 

「…………ま、まあ?鼠のアルゴと言えば有名だしな」

 

「アッハハハ!そうか、オレっちは中層でも有名か!」

 

「そ、それなりにな」

 

なん……だ、と。俺が中層プレイヤーだって知ってる………?いやまあ、ホントは違うけど

鼠のアルゴと言えば情報屋だ。五分雑談すると知らないうちに百コル分のネタを持って行かれると言う、会えて嬉しいのかどうか微妙なところの原作キャラだ。まあ、会って損なことがあるのかと言われると、俺には無いような気がするが…………それよりも、だ。俺のことを中層プレイヤーだと知ってる、ってことは俺に何か目的があって話し掛けて来たってことだよな

 

「しかし、オレっちは自分の見た目を情報に出したことは無いんだがな」

 

「……………」

 

す、鋭い。だてに情報屋をやってるわけじゃないってことか

 

「あ〜、アレだ!俺、アルゴのこと見たことあるんだよ。別に街中を徘徊しない、ってわけじゃないだろ?あれ誰だろ、って思ったから知ってる人に聞いてみただけだよ」

 

「ああ、成る程ナ。その知り合いが情報を買った奴なラ、の話だけド。名前は何ダ?」

 

「俺はシンだぜ」

 

「いや違ウ、教えてくれた奴の名前ダ」

 

「え……」

 

え、な………名前!?そんなのも聞かれるの!?てかなんか、俺のこと疑ってない!?なんか訝しんでない!?

 

「な、なんでそんなこと聞くんだよ」

 

絶対怪しんでるよコレェ………。え?俺が何したって言うの?てかさっきから道の真ん中で立ち止まってるけどそれって良いの?周りに迷惑になってない?なんかヒソヒソ話されてるよ、憐れみの視線貰っちゃってるよ!

 

「職業柄そういうことには敏感にならないと駄目だからナ。どうしタ?何か言えない理由でもあるのカ?」

 

「い、いや…………」

 

これはマズイぞ………キリト達の名前を出せば、もしも確認を取られでもすれば嘘だってバレてしまう。悲しきかな俺に他の友人は皆無。ここは適当な名前でも出すか?でもこいつ情報屋だしな………

 

現在の俺の嘘つきスキルではこいつを騙しきることは出来ないのか………!騙せたら騙せたで悪い気もするが、もはや色んな人に嘘を吐いている俺としては手遅れな気もするがな

 

しかし、俺の友人………友人……………

 

「ジン…………」

 

「何?ジンだト?」

 

「え?」

 

アルゴが動揺した

 

「ふム………お前はジン坊の友人だったカ。………そうか、悪かっタ。それじゃあナ」

 

「お、おい」

 

俺に短く謝った後、アルゴは踵を返して歩いて行ってしまった

 

…………なんだ?今の反応。てか、そもそも……

 

「ジンって誰だよ………」

 

俺は誰にも聞かれないような声で、呟いた

 

なんでジンなんて名前が出たのかはわからない。きっと、アルゴを切り抜けたい一心で吐いた嘘だろう。無意識に吐くとは………嘘つきスキルの派生スキルか何かか?いや、そんなスキル無いけども

 

「まあ、いいか」

 

アルゴは何か誤解したままのようだが、俺の本当の正体を探られるよりはまだマシだろう。俺の咄嗟に言ったジンと言う名前と、アルゴの知っているジンさんが誰かは知らないがな

 

てか、なんたる偶然だよ………

 

もしかしたらだが、申し訳なさそうなアルゴの反応を見るに、ジンさんは既にお亡くなりになっているのかもしれない。そう考えると悪いことをした気がする

 

「……………はっ!」

 

アルゴに情報貰えば良かった!いい経験値が貰える生産系クエストとか、俺でも倒せるモンスターがいるところとか!

 

「追い掛けるか………てか、あいつ足速えな」

 

既に姿が見えなくなってる。しゃあない、今日はアルゴ捜索に時間を潰すか

 

…………金、足りるかな

 

 

 

======================

 

 

 

 

「ジン…………」

 

「何?ジンだト?」

 

「え?」

 

オイラは目の前の男から出た人物の名前に耳を疑う

 

目の前の男、シンと名乗る男は確かにジンと言った。ジンとシン、名前が結構似てる………

 

「ふム………お前はジン坊の知り合いだったカ。………そうか、悪かっタ。それじゃあナ」

 

「お、おい」

 

後ろで何か言ってるが無視して踵を返し歩き出す

 

「…………まさカ、ジン坊の知り合いだったとハ」

 

世界とは本当に狭いものだ。と言ってもここはゲームの中であり、現在のプレイヤー人数は今や七千人未満なのだから別段不思議でも無いのだが

 

ジンとは、よく情報を買ってくれていた奴の名前だ。………そう、買ってくれていた(・・)奴だ。もう、それは頻繁に。明るい奴で、いつも笑っている馬鹿だった。オイラはジンのことをジン坊と呼んでいた。まあ、オイラより年上だったが

 

ジン坊はアインクラッド解放軍に所属していた。《軍》と呼ばれるギルドだ。《軍》と言えばいい噂は全然聞かないが、あいつは本当に《軍》なのかと疑いたくなるほど軽い奴だった

 

数週間前、七十四層攻略の際だ。コーバッツと言うプレイヤーの部下として部隊に入り、迷宮区を攻略していたらしい

 

その時、ジン坊は命を落とした

 

コーバッツの無理な命令でだ。まあ、当の本人も命を落としたらしいが

 

ろくに対策もせずにボスに挑むからだ。一人で無謀な戦いを挑むのならば未だしも、自分の部下達を巻き込んでどうする

 

…………ジン坊は、ご贔屓様だ。何回か情報代の代わりとして食事に行ったこともあった。そのジン坊が死んだのだ、死因くらいは知っておきたい。そう思ったオイラは色々と情報を集めた

 

結果、ジン坊は仲間を守ろうとし、仲間諸共ボスの持つ剣によってHPバーを削り取られたらしい

 

それを聞いた時、何ともあいつらしいと思った。軽くて明るい馬鹿だったけど、あいつの、このデスゲームからプレイヤー全員を解放したいという意志は本物だったからだ

 

そう言えば、弟みたいな奴ができたと話していた時がある。それがさっきの男、シンなのかもしれない

 

「あ!見つけた!」

 

「ン?」

 

いつの間にか転移門前に来ていた。斜め前方から白を基調とした装備のプレイヤーが走ってくる

 

「どうしタ、オネーサンに何か用でもあるのカ?シン坊」

 

シンだった。これからはシンのことをシン坊と呼ぼう

 

「シ、シン坊?まあいいや。それに、用があったのはそっちだったんじゃないのかよ………」

 

「あア、別に大した用じゃなかったんだヨ」

 

「なんだ、そうなのか」

 

ただキー坊達やアーちゃんと一緒にいるところを見たから気になっただけで、そんなに用があるわけじゃないんだよ

 

しかし、オイラに何か用があるんだろうか

 

「情報なら良い値で売ってやるゾ」

 

「ん〜…………やっぱ金?だよな……」

 

シン坊は金が無いのか頭をガシガシと掻きながら悩ましい声を出した

 

「等価交換でも問題はないゾ。そんな情報があるならの話だがナ」

 

「えぇ〜?因みに幾らだ?」

 

「情報によるナ。どんな情報が欲しいんダ?」

 

中層プレイヤーの欲しい情報と言うと、美味い店の場所か?それとも他か

 

「…………どんな情報でも持ってるんだよな」

 

「知り合いにオネーサンのことは聞いてるんだロ?オネーサンの手腕を疑ってるのカ?」

 

「いや、そういうわけじゃないけどさ」

 

申し訳なさそうにまた頭を掻いた

 

ジン坊の奴、オネーサンのことはきちんと良いように教えてるようだな

 

「俺さ、強くなりたいんだ」

 

シン坊はオイラに向き直り、真剣な眼差しでそう言った

 

 

 




長らくお待たせしました!

主人公、アルゴと遭遇しました。これから強くなるために頑張ります

※2020/02/14 視点変更箇所に
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