SAOが好きすぎる俺がSAOの中に入っちまった。それもホロウフラグメントなんだけど 作:クラッカーV
「………ここか」
俺は現在、アルゴから教えてもらった情報を元にアークソフィアの端の端………だよな、にあるとある場所に来ていた
目の前には封鎖されているが、アークソフィアから圏外へと繋がる門。周りには人気も無く、居るのは俺と門の横に座るNPCのお爺さんのみ
本作の方のゲームにここは出てくるんだろうか?転移門は中心にあるとしても、広場から離れた所にある場所だ。同じアークソフィア内なのにここに人気が無いのはここに来る途中によく工事現場で見る立ち入り禁止のバリケードが立っていたからだろう。この門のある場所は隠しエリアみたいなものなのかな?狭いけど
「ホントに強くなれんのかぁ?…………いや、アルゴ本人もわからねえって言ってたな。そういや」
ものの数分前…………あれ、数十分前だったか?忘れたけど
「強くなりたイ?」
俺の言葉にアルゴは眉を寄せながら言った
「そうなんだよ。俺レベルも低いし、スキルの熟練度も大したことない。でも、力になりたい人達がいるんだ。だから少しでも早く強くなりたいんだ。情報屋のアルゴなら効率の良い経験値の稼ぎ方を知ってると思って」
「成る程ナ。攻略に着いて行って守ってもらいながらレベルを上げていけば良いんじゃないカ?」
ん〜……、それじゃ駄目なんだよな
「攻略の邪魔するわけにはいかない。そうなると他に友達もいないわけで………」
「後は生産系クエストで稼ぐしかないガ、それだと時間がかかり過ぎてしまうト」
「そーそー!」
流石アルゴだぜ。話が早い
「うーム…………」
アルゴは顎に手を当てて考える
もしかして、これはあるパティーンなんじゃね?期待しても良い感じですか?やったぜひゃっh「シン坊が出来る効率の良い経験値稼ぎなんて断じて無イ」…………なん……だと…
「嘘やろ!?マジで!?マジで無いん!?」
スッゲー期待してた分結構クルものあるよ!?
「なんで急に関西弁になるんダ?シン坊は変だナ」
「俺が変態だと言いたいのか?」
「誰もそんなことは言ってないヨ」
男は皆変態だよ!って俺の友達が言ってたよ!
「とにかく無いものは無いんダ。諦めてくれ」
「そんなぁ〜…………」
アルゴの言葉を聞いて俺は目に見えて落ち込んだ。それはもう、なんだか結婚式当日に結婚相手に愛人がいて結婚式の途中で乱入して来て花嫁を連れ去られた時の新郎の如く落ち込んでいるだろう。なんでこんな具体的なのかは気にしない。俺は気にしないから皆気にするな…………皆って誰だよいねぇよそんなの
しかし、無いのならば仕方ないか。地道に頑張るしかない
「だガ、一つだけ可能性が無いでもなイ」
「……………なに?」
その言葉に、思わずアルゴの方を俺が持つ最大限の敏捷力で向いてしまった。首に最大限の敏捷力を使ったせいで首が持っていかれた……………!!状態になってしまうかと思ったが全面的に気の所為だった
「これは最近手に入れた情報なんだガ、まだ誰にも教えていない情報なんダ」
「そ、そんな情報を俺に売って良いのか………?」
それに、お高いんじゃないだろうか?小市民の俺にはキツイ、と言うか払えないような値段なんじゃ………
「なニ、気にするナ。オイラは誰にだって情報を売ル。差別はしないのサ」
「か、かっけぇ…………」
なんか、アルゴがヤバいほどカッコ良く見える。いや、女だから天使としておこう。アルゴマジ天使!シノンさんマジ天使!
「あ、でも金は……」
「それは心配するナ。情報ってのはクエストのことなんだガ、オイラもクリアしてないんダ。丁度良いからシン坊、クリアしてくれないカ?報酬はクリア条件でいいゾ」
「ホントか!?」
「クリア報酬もとっておいたら良イ」
「おぉ!」
アルゴ太っ腹だぜ!
…………でもよ
「それって、強くなるのに関係あるのか?」
「報酬は未だにわからなイ。だけどクリアすれば経験値も貰えるから損にはならないはずだゾ」
「結局地道に頑張れってことなのな………」
「もしかしたら武器かもしれないだロ?クリア出来たら情報提供よろしくナ」
「うぃ〜っす。……………フレンド登録しとこうぜ」
てなわけで行き方を教えてもらってここまで来たんだが
「NPCって、多分この人だよな………」
門の横に座るお爺さんNPCを数m横から見下ろす
この人から話を聞けば良いんだろうが…………
「話、長そうやなぁ………」
しかし、このお爺さんから話を聞かなければ先には進めない
「あの〜…………お爺さん」
「…………………………」
「お爺さん?」
「………………」
しゃ、喋らねえ。この人じゃないのか?でもこの人以外いないしな………
「お、お爺さ〜ん」
「…………ハッ!……すまん、寝ておったわい」
「いや寝てたのかよ!!」
おかしいだろ!目開けてたよね!?普通に座ってただけじゃん!
「…………ん?」
心の中でツッコミを入れているとお爺さんの頭にピコンと?マークが出た。因みにこれクエスチョンマークって言うんだぜ。!マークはエクスクラメーションマークって言うらしいよ。やったね、勉強になったね!
「ど、どうかしましたか?」
?マークはクエストのサイン。このお爺さんは今現在俺に助けを求めている!
「………実はの、大切な鍵を失くしてしもうたのじゃよ」
「鍵?」
「儂の家の中にある宝箱の鍵なんじゃが「宝箱!?」
宝箱とな!その中にはきっと強い武具か、もしくは金目のもんがあるに違いねえぜ!!
「大切な物が入っておるんじゃ。肌身離さず持っておったのじゃがな…………年は取りたくないもんじゃよ。この街のどこかで落としたことは間違い無いんじゃがのぉ」
成る程、それを見つけてくれば良いんだな
「探しとる最中で腰を痛めてしまうし………お前さん、どうか探して来てはくれんか?」
「まっかせろい!」
確かYesとかはいだけでも良いらしいが、キリトが言ってたように気分だな、これは
元気良く返事をするとお爺さんは微笑んだ。そしてクエストログが更新される
「クエスト名《大切な宝物》、か。それを開ける為の鍵を探すってわけだな」
「もしかしたら人が拾っておるかもしれぬから、地面を探すだけでなく人にも聞いてみておくれ」
「わかった。楽しみに待ってろよ!」
俺はお爺さんに手を振ってその場から走り去る。細い道を通りバリケードをぴょんと飛び越えて人通りのある場所へ出た
取り敢えず下を向いて何か落ちてないか探してみるか
「鍵〜カギ〜」
下を向きながら大通りを真っ直ぐ進んで行く
……………無いな
「いや、探す範囲はこの街全体だ。そんな簡単に見つかるわけないよな」
これは俺の思ってる以上に大変なクエストかもしれないぞ………!気合入れて挑まないと
「いよっし、やるぞ!」
俺は天高く拳を振り上げ、意気込むのだった
周りの視線?ナニソレオイシイノ?
「……………目立つなぁ、シンさん」
『キュルルルルル………』
その頃、大通りの真ん中で意気込む俺を見て、シリカがそう呟いたことは後になって知った
太陽が西へ………西、だよな?に沈みそうになっている。夕焼けが綺麗な赤色をしていて、それを見ていたらとても幻想的というか、なんか感慨深いものを感じた
「鍵、見つからねぇ…………」
なので現在、俺はエギルの店でココア片手に項垂れていた
「どうしたの?」
「…………ん?」
俺の向かい側の椅子が引かれ、そこに誰かが座った。この声は………シノンさん!
「ど、どしたのシノンさん」
「いや、それこっちの台詞だから。何か悩んでるみたいだから声掛けたんだけど」
な、なんとお優しい………俺、感激し過ぎて涙出ちまいそうだ!天使はここに居たんだね!
「実は、今クエストやっててさ。鍵を探すクエストなんだけど、この街のどこにも落ちてないし、NPCにも話を聞いたけど、誰も知らないって言うんだ」
「ふーん」
「一体どこにあるんだろ…………」
俺は深い溜息を吐く。別にタイムリミットがあるわけじゃないが、出来れば今日のうちにクリアしておきたい。時間が掛かれば掛かるほどその分強くなるのが遅れてしまうからな
「どこか、見落としてる場所があるんじゃないの?」
「見落としてる場所ぉ?」
「ちゃんと見たの?植木鉢の中とか、溝の中とか」
「ん〜………一応探したけどな……」
だいぶ細かく探したつもりなんだよな。うーん………
「屋根の上から探したら案外見落としてるものに気付いたりして」
……………成る程
「ちょっと俺屋根に登ってくる」
「え?い、いやちょっと冗談で言っただけよ。そんな真に受けなくても」
む?なんだ、随分と自信無さそうだな
「案外正しいかもよ?それに、何もしないよりはマシだ。自信持ちなよ」
俺は立ち上がってシノンさんにそう言った。なんか、シノンさんにこんな偉そうなこと言うのはお門違いかもしれないが………
「そうかしら。ただの、素人の意見よ」
「わかんないって、シノンさんはもしかしたら探し物見つけ上手かもしんないぜ?」
実際はどうかは知らんがな!てか、今の俺めっちゃシノンさんと話してない?ヤバくない?…………マジ感動っす
「……………そうね。ま、今となっちゃわからないけど」
「ん?…………っ!あ〜………んじゃ!行ってくる!」
「はい、行ってらっしゃい」
俺はシノンさんに元気良く挨拶をしてエギルの店を出た
「そういや、シノンさんは…………」
そうだ、確か公式サイトには、シノンさんは記憶喪失だってあった
「ってことは、あのことも忘れてんだよな」
記憶喪失ってことは、あの事件のことも忘れてしまったってことなんだよな………?
きっと、今この世界では…………いや、このゲームの世界では、もう俺だけしか知らないあの事件。シノンさんが忘れてしまったあの事件。俺も、その場を見て聞いたわけではないが、本で何度も読んだ悲しき事件
それも含め、全ての記憶を取り戻して欲しいと切実に思う俺はシノンさんファンとしてどうなのかな?
あの事件を忘れることが良いことなのか、悪いことなのか。それは俺にはわからないけどさ
「……………でも、思い出さなきゃ駄目だろうな」
だって、シノンさん…………俺はあんたに、シノンさんが救った人のことを知ってほしいから
「………難しいねぇ」
ま、なるようになるかな
まずはそれよりも…………
「屋根の上って、どうやって登るんだ………?」
最後の最後でしまらないシンだった………