SAOが好きすぎる俺がSAOの中に入っちまった。それもホロウフラグメントなんだけど 作:クラッカーV
クエストクリアの為の鍵を横から掻っ攫って行ったクソバードを捜すべく俺は現在転移門前まで来ている。ここから更に広場と違う方向へ進めば圏外だ
本当にあのクソバードが圏外に巣があるのかは俺の予想なので定かではない。だが何故か行かなければならないと言う謎の使命感が俺を襲っている
お、俺……鍵を手に入れたら結婚するんだ。え?誰とって?…………誰とだろ?
しかし、もう日が完全に沈みかけてる。早く見つけてクエストをクリアして帰らなければ
「でも、行かなきゃ駄目なんだろうなぁ………さあ、行こう「どこにダ?」かなぁ!?」
急に後ろから声を掛けられてビックリした。マジビビったっす
どんくらいビビったかっていうとのび太君が100点とった時くらいビビった。その後返ってきた俺のテストは41点だった。因みに数学
いや、でも………数学だから俺。のび太君は忘れたけど……俺その時中学生だったからぁ!
「な、なんだアルゴかよ………ビックリさせんなよなぁ全く」
心の中で悔しさに歯噛みする俺がいたが無視しよう
「すまんすまン。それデ、クエストはクリア出来たのカ?」
「あぁ〜………、それが……」
取り敢えずアルゴに話しておいた方が良いかな。何かアドバイス貰えるかもしれない
「実はな」
というわけで、俺はクエストが始まってからこれまでのことを全てアルゴに話した
「…………ふム。それで今はその鳥を捜しているのカ」
「そうなんだよぉ〜。ねぇ何か道具出してよアルえも〜ん!」
「誰がアルえもんダ。しょうがない奴だなシン太君ハ」
「誰がシン太だ」
意外にもアルゴはノリが良かった
しかしこの世界でもやはりドラえもんは健在だった。やはりドラえもんは偉大だな、全国民があれを見て育つべきだと思います
「流石にオイラにはどうすることも出来なイ。しかし、結構珍しいケースだナ」
「そうなのか?」
この世界は結構自由度高いし、こういうクエストはあると思うんだけど………まあ、自分でもよくわかってないんだけどさ
「ならオイラと一緒に圏外へ行くカ?守れる保障はないがナ」
「なんとも心強いのかどうかわからない言葉だな」
そこは嘘でも守ってやるって言って欲しかった。女に守られる男ってどうなの?とか思われるだろうけどこの世界じゃそんなの関係無いし。俺これから一生絶対にアスナに勝てる気がしないしアスナに胸張って「君を守るよ!」的なこと言える気がしない
あ、でも他の人なら………駄目だ、自信が無い。でもいつかは出来るようになってやる。最低でもシノンさんは、あとなんとなくストレア。理由はわからないけど
「しかしシン坊。こう言ったクエストは圏外『くぁー』行かなくてもいいと『くぁー』ゾ?」
「『くぁー』?なんて?」
何か聞こえて『くぁー』聞こえない。いったい『くぁー』を言ってるんだ?
「「……………ん(ン)?」」
『くぁー』
こ、この鳴き声は………!俺の後ろから聞こえるこの鳴き声は………!
「まさか!」
俺とアルゴは一斉に俺の後ろを見た
『くぁー』
そこにはあの時、あの場所で!俺達の、目の前で!鍵を掻っ攫って行ったあの憎っくき………憎っくきクソバードだった!!奴の脚にはどうやって括り付けたのか鍵が着いている!
「テメェェェ!!ここであったが百年目だぜ!」
俺はクソバードへ向かって自分の許す限りの力で突撃ぃぃ!!
はぁっはっはっはっ!間抜けヅラ晒しおって!
「捕まえたぁぁぁぁ!!」
これでクエストクリアだ!!
『くぁー(バサバサッ!』
「なにぃ!?んぎゃっ!」
なんとクソバードは俺に捕まらずにヒラリと躱して飛んで行った!
そのせいで俺は地面へとフレンチキス(激突)をすることになってしまった
「くそぅ、なんてことだ!奴は俺の動きを読んでいたと言うのか!?あの動き、あの飛び方!奴はエスパーなのか!?」
なんてことだ………勝てるわけがねえ。エスパーノー、ノーエスパー。ノーエスパーノーライフ!………あ、これ違うわ
「いヤ、あんなに大声出しながら突撃したら普通気付くだロ」
「でも相手は鳥だぜ?」
「関係あるわけ無イ」
「なん……だと……」
…………まあそりゃそうか
ふぅ、あのクソバードに怨みの念がありすぎてついやっちまったぜ
「あー、また鳥捜さなきゃならんのかい………もうやだ〜。疲れたよ〜」
もう完全に日が沈んで街灯も点き始めた。もうなんか、今日は疲れたよ………
地面に俯せで蹲っている俺をアルゴがチョイチョイと足で突いてるがもう反応する気力も失ってしまった
助けてえーりんならぬ助けてシノンさん。いやマジ助けてシノンさんじゃなくても良いから誰でもいいからぁ!二次でもいいから!………ここ二次元じゃん
「シン坊、鳥は広場の方へ飛んで行ったゾ。行かなくて良いのカ?」
「どうせいやしねえよ」
「こう言ったタイプはエリア移動を繰り返していくものだと思うんだガ」
「む………」
アルゴからそう言われると何だかそんな気がするな……
「オネーサンの言うことは素直に受け取っといた方が良いゾ?今回は珍しいケースだからナ。その分の働きはするゾ」
「むむむむ……」
アルゴから突っつきが速くなる。ツン、ツンからツンツンツンてな感じに変わった
「むむっ……わかったよ。オネーサンの言うことちゃんと聞くよ」
「良い子はオネーサン嫌いじゃないゾ」
「じゃあ付き合って」
「断ル」
「デスよね〜」
冗談ですよ。そんな真顔で答えないで、そして頭に足を乗せないで
「んじゃ、行くか」
アルゴの足を避けよっこらせ、と立ち上がる
「んじゃ、行こーぜオネーサン」
「悪いナ。これから依頼人と会う予定があるんダ。ジャーナ」
「…………」
そう言ってアルゴは広場ではなく商店通りの方へ走っていく。流石敏捷極振り、速い速い
「え、えぇ〜………」
そりゃねえぜ。アルゴさん
「と言うわけで、来ました広場。只今クソバード探索中であります」
そしてアルゴの言いつけ通り広場まで来た俺はクソバードがどこかにいないか首をグイングインと動かしながら探索中である
色んな人が俺の横を通り過ぎて行く。偶にシリカやクラインが通り挨拶をしてくれるのでなんだか嬉しい
「こ、こんばんわ〜……」
「?こんばんわー!」
知らない人に挨拶された。工事現場でよく見るヘルメットを被ってるのを見てそう言えば昼頃にこの人に挨拶したなー、と思い出した。でも挨拶してくれるなんて良い人だね、あの人
『くぁー』
そんな感じでほこほこしてる俺の耳に奴の鳴き声がっ
「見つけた!………アルゴの言う通りだったのか」
これはアルゴに感謝しなければ
『くぁー』
奴は丁度あのクエストを受けたお爺さんのいる場所へと続くバリケードの上にとまっていた。しかもご丁寧に向こうを向いている
「ゆっくり………バレないように」
抜き足差し足忍び足だ
「ふへ、ふへへへ……」
抜き足
「へへへへ」
差し足
「ふぅっはははは!」
忍び足ぃ!!
『くぁー(バサバサッ』
「んなっ!?」
マジかよ!?また飛んで行きやがった!
「くっそ!」
しくじった!高笑いなんぞするんじゃなかったぜ!
いや、だってさ、なんか笑えたんだもん。これでクリアだー!って思ったら嬉しくって
…………俺、疲れてんだなー
「でも、なんか次で最後っぽいんだよな」
今のクソバードが飛んで行ったのはこの道の向こう。俺の予想が正しければこの先あいつはお爺さんがいる所へ行くんだろう
もしあのクソバードが鍵を掻っ攫って行ったのもクエストのうちなら、そこでクリアしなきゃ意味ねえだろ?
「うっしゃ、行くか」
いざ行かん、クエストクリアーへ
「……………はぁ」
俺は広場から抜けてお爺さんのいる場所へと来た。予想通りここにクソバードは来ていた。来ていたんだが………
『くぁー』
「なんでテメェはお爺さんの側に佇んでんだよっ!」
「おぉ、君。鍵を見つけてくれてありがとうの」
「…………は?」
何言ってんだこのお爺さん。ついにボケちまったのか
くっ………俺が早く鍵を持って来なかったばっかりに!
「この子と協力して鍵を探してくれたんじゃろう?ありがとうの」
お爺さんはそう言いながら隣に佇むクソバードの脚にある鍵を手に取り、クソバードの頭を撫でる
「この子ぉ?」
「やっぱり一人じゃ心配じゃからのう。この、ファルクスにも鍵を探すよう頼んだんじゃ。この子は探し物が得意じゃからのう。しかし、この子は散歩が趣味でな。なかなかわしの所へ帰って来ない時もあるのじゃ」
「……………」
つ、つまりあれか?
俺がお爺さんの依頼をしたのはこのファルクスとやらが丁度いなかったから。そしてそれを俺が承諾した後、その散歩からファルクスが帰宅、丁度良いし俺一人じゃ心配なのでファルクスを派遣。気付かぬところでツーマンセルになってた
そして俺が鍵を持つNPCを見つけ、受け取ろうとしたところにファルクスも鍵を発見。お爺さんからの頼みなのでファルクスは鍵を奪取。それを俺が奪われたと勘違いし、追いかけっこの始まり
ファルクスとしては散歩の一環だった
そしてその散歩も終わりここへ戻ってきたファルクス。それを追いかけてた俺は必然的にここに来る、と
………確かにここで終わると思ったよ?確かに思ったけどね?
「これはねえだろぉぉ………」
今までの俺の努力無駄じゃねえか……
「どれ、そろそろ腰の調子も良くなってきたし、家に帰ろうかの。君、お礼がしたい。着いてきておくれ」
「なぬっ!?」
お礼とな!?成る程、クエストクリア報酬だな!ならば有難く頂戴しよう
「こっちじゃ」
お爺さんは足に力を入れて立ち上がるとゆっくりとした足取りで俺の横を通りとある一軒家の前まで行く。そして鍵を開け入って行った
「家近っ!?」
『くぁー(バサバサッ』
俺があまりの家の近さに驚いているとクソバード、もといファルクスは飛び上がり家の屋根へととまる
もたもたしててもしょうがないので俺もお爺さんの家へとお邪魔する
「お邪魔しまうま」
入ってみるとあら不思議、外から見た感じではちょっと洋風っぽいかなぁ、と言う家なのに中は和洋折衷。畳部屋やら襖、何故か畳部屋には明らかに洋風なランプと大きな宝箱がある
まさか、あれが件の鍵が必要な宝箱か。結構デカイな………中身は何が入ってるんだろ?
「この鍵はな、あの宝箱を開ける鍵なんじゃよ」
うん、知ってる。聞いたし
お爺さんは台所と思わしき所でコップにお茶を淹れている
「お茶、いるかの?」
「貰う!」
俺が言うとお爺さんはニッコリと笑ってもう一つコップを取り出しお茶を淹れる。そしてこちらに歩いて来て手渡してくれた
その後に椅子に移動してゆっくりと座る
「昔、わしはビーストテイマーだったんじゃ。ファルクスも優秀な相棒じゃった。今ではわしと同じで老いて見る影もないがの」
「へぇ、あの鳥テイムモンスターだったのか」
なんと、お爺さんは昔は凄かったのか。このお爺さんの昔話を詳しく聞いてみたい気もするが、腹も減ったし早くすませて帰りたいので早くクエストクリアのログを更新してもらいたいのだが
ずずっ、とお茶を飲む。うまい
「その箱の中には、今まで共に歩んできたわしの武具が入っておる。もう古くて使えぬ物もあるかもしれんが………ものは相談なんじゃが、君。あれを持って行ってくれんか?」
……………マジで?
「え!?………え?良いの?宝箱の中に入ってるってことは大事なもんなんだろ?遠慮しないよ?良いの?」
「わしじゃもうあいつを使いこなすことは出来ん。ならば使ってくれそうなお前さんに預けた方が武器も嬉しかろう」
お爺さんはそう言いながらほれ、と鍵を前に差し出す
「あ、ありがとう……」
俺は歩み寄って恐る恐るそれを受け取った。手の平に乗せて見てみると、一瞬だがランプの灯りに照らされてキラリと光る
「装備してみてはくれんかの?」
「あ、うん」
そう言われたので鍵を握りしめて宝箱の前に立つ。そして鍵穴に鍵を入れてゆっくりと回した
ガチャリ
音を立てて開く宝箱。中に入っていたのは真っ白なマフラーと………
「これは………」
手に取って見てみる
それは直径30cmくらいの輪っかの形をしており、輪っかの中心には持ち手なのか円を半分に割るように棒がある。更にそこにはジャラジャラと鎖が付いていた
輪っかの周りには3cm程の刃が付いていて、とてもシンプルなデザインだ
「《
そう、そこにあったのはチャクラムだった
チャクラムと言えばプログレッシブの一巻に出てきたネズハ……いや、ナタクか?どっちでも良いか………が使ったシーンがある武器である
確か投剣スキルと体術スキルがなければ使うことが出来ない代物だ
「………」
無言でチャクラムとマフラーとを見比べる
この二つにはお爺さんの今までが詰まっていると言うことだ。鍵を探しただけでこんな大事な物を貰うのには少し抵抗もあるが、快く貰っておこう
「よし」
そして俺はアイテムストレージの中にその二つを入れて装備画面を開き、装備した
俺の首回りには真っ白なマフラーが、俺の腰の右にはチャクラムが装備される
「おぉ、似合っておるぞ」
「ありがと」
笑って言ってくれるお爺さんに嬉しくなって俺も笑った
「……お」
すると俺のクエストログが更新された。クエストクリアだ
更に体が光る。これは………レベルアップしたんだ!
「大事に、使ってやっておくれ」
「あぁ!」
元気良く返事をして家を出た
『くぁー』
「お爺さんと元気でやれよ!クソバード!」
外に出ると鳥が下に降りていて俺に一鳴きした。祝福してくれてるようで少し嬉しかった。だが呼び名は変えない
「帰ったらアルゴにクエストのこと報せねえとな!」
新しい武器も手に入ったし、防具もGET!
しかもマフラーなんて、GGOシノンさんとお揃い!
「さぁ、帰ろう!」
俺は帰ったら皆にこれらを自慢しまくると決めて、エギルの店に向かった
はい、というわけでシンの武器はチャクラムになりました。いや、剣を使わないわけじゃないですよ?使い分けします
でもチャクラムだし………がっかりした人も多いかもしれないなー。まあいいや
次からは………やべえ、どの時点でホロウエリアのストーリーをクリアすればいいんだろう?