SAOが好きすぎる俺がSAOの中に入っちまった。それもホロウフラグメントなんだけど   作:クラッカーV

28 / 45
はい、無理矢理連れて来られました

 

いつもの場所でストレアと出会った。毎回ここで会うような気がするが、なんでだろう?

 

「シンは行かないの?」

 

「どこに?」

 

なんでだろう〜?と考えていると質問された

まあどこかはわかりきっている。恐らく七十七層だろうが、なんとなく質問を返す

 

「七十七層」

 

「今日はいいや、人多いし」

 

ホントはユイちゃんと一緒にいるのが気不味いだけなのだが、理由を聞かれても説明したくないので嘘を吐くことにした。もうなんか、自然と嘘吐いてるよね、俺……

 

「ふーん………アタシは今から行こうと思ってるんだけど」

 

「あいあい、いってらっしゃい」

 

「一緒に行こうよ」

 

「…………what?」

 

あれ?俺さっき行かないって言わなかったっけ?言ったよね?なのになんで俺も行くみたいになってんの

 

おっかしいなぁ〜………聞こえてなかったのかな?よし、もう一度言ってさしあげよう

 

「今日はいいや、人多いし」

 

一字一句違わずストレアに返す。聞こえたかな?わかってくれたよな?

 

「七十七層はどんなところなんだろうね?」

 

「話聞いてる!?」

 

だがストレアは俺の答えなど気にせずに俺の手を取って歩き始めた。無理矢理振り払うのもアレなのでよろけながらもストレアに合わせるように歩く

 

しかし、本当に聞こえてないのだろうか。いや、絶対聞こえてるね!聞こえてないわけないじゃん!これで聞こえてなかったらラノベのハーレム主人公並みに難聴だよ!?

 

「ちょ、ちょちょちょ、ストレア?ストレアさーん?」

 

「なに?」

 

「俺、今日は行かないって言うの聞こえてました?」

 

「アタシそんなに耳悪くないよ」

 

ほうほう、やはり聞こえていたと……

 

「じゃあ何故に俺を連れて行こうとしてるんですかねぇ!?」

 

「ダメだよ、キリト達は転移門の前で待ってるんだから」

 

「ユイちゃんに言ったからきっと行かないって伝えててくれるって」

 

多分だが、ユイちゃんの様子の変化からだいたいの事情は向こう側はわかることだろう。だから行きたくないの!絶対キリトとかアスナとかわかるから!

 

「それでもダメだよ」

 

「なんでさ!?」

 

「ん〜………なんとなく?」

 

なんとなくかよ!?

 

「なんて言うか、シンを見てたらアタシがリードしなきゃ、って気持ちになるんだよね」

 

「それどう言うことだよ……」

 

え?なに?俺そんなオーラ出してる?いやいや、なんでだよ。てか、リードってなに?首輪についてるあの紐かな?………ワン!ってか

 

「わかんないけど………ねぇシン、やっぱりどこかで会ったことないかな?」

 

ストレアは一度止まって俺の方を向いて言う

 

会ったことか………それって、一番初めに会った時にも言ってたよな?ここ、七十六層より下でストレアと会ったことなんてあるわけないんだが………だって俺下に行ったことないし、てか行けれないし

 

「前も言ったけど、ねえよ。忘れてる、ってのもない」

 

「う〜ん………」

 

ストレアは俺の手を掴んでない右手を顎に当てて悩むような声を出す

 

………そう言えば、いつまで掴んでらっしゃるのだろうか。思えば俺の人生の中でこんなに長く女の子と手を繋いだ……てか、女の子に手を掴まれたことはない。つまり、初体験

 

ストレアさんありがとうございます!

 

「誰かと勘違い、ってことはないのか?」

 

心の叫びが表に出ないようにしながらストレアに言う

 

テンションが真逆だったもので声が真剣な感じになっちまったよ

 

「そうなのかな………まあいっか!行こうよ、シン」

 

「お、おう…………おう?」

 

「キリト達待たせちゃってるかも」

 

やべぇ、なんかナチュラルに俺も行くみたいな感じになってる!?

 

「ス、ストレア?俺は行かn「どんな街なんだろうね?」さ、さぁ?………あのな?ストレア、俺は行かn「名前はトリベリアって言うんだって」うん、知ってる……いや、あの「楽しみだね」…………うん、そだね」

 

負けた…………へへ、俺の負けだぜストレア。連れてけよ、俺を業火の中によぉ

 

てかさ、ずっと手掴まれてるけどハラスメントコードとか大丈夫かな?これ俺の方には出ないの?やっぱ男だから?

 

「転移"トリベリア"!」

 

そうこうしてるうちに転移門の前にやってきてストレアが地獄への門を開く。俺達は青い光に包まれ、次の瞬間には初めて見る街並みが

 

転移門広場だからかそこまで人が多いわけじゃないが、アークソフィアよりは人が多いな。当たり前だけど

 

「わぁ、居住区が浮いてる」

 

「ん?」

 

ストレアが上を見ながら言うので俺も同じように上を見上げると、デッカい岩の上に街を作ったような、そんな感じのが浮いていた。あそこにはどうやって行くんだ?転移とか出来んのかな

 

「お、ストレア来たのか。………あれ?シンも来たのか?」

 

二人でおー、すごいねー、などと呟いてたら後ろから聞き覚えのある声。この声は我らが"黒の剣士"様じゃないですかヤダー

 

発言的にユイちゃんから俺は来ないと既に聞いていたか、しかしユイちゃんは事の発端を話してないようである。嬉しいのか罪悪感マッハなのか………

 

「やっほーキリト」

 

「ストレアに無理矢理連れて来られた」

 

ストレアは挨拶を、俺は来た理由を話す

 

「成る程、だから手を繋いでるわけか」

 

どこが手を繋いでるように見えるのか知らないが確かに未だ手を掴まれてはいる。いやね?別に嫌じゃないのよ。むしろ嬉しいんだけど、なんて言うか恥ずかしいと言うか、ストレアの手があんなデカイ大剣を振り回してる割には小さくて可愛いと言いますか、いや何言ってんだ俺

 

「あ、掴んだままだったね」

 

そう言ってストレアは手を話す。掴まれてた部分が一気に外気に晒されてなんか少し物寂しくなったようで、てか普通に残念

 

「他の皆は?」

 

一抹の寂しさを噛み締めているとストレアが今の俺には非常にバッドな質問をキリトにした

 

俺としては来てしまったものはしょうがないのでこのまま一人で街を探索にでもダッシュしたいのだが…………

 

「ずっと立って待つのもアレだし、近くに丁度良い喫茶店があったからそこにいる」

 

「キリトはここでストレアを待ってたってわけか」

 

成る程律儀じゃないか。まあ、待ってるって言ってた本人がいなかったらそれもそれでどうかと思うが

 

「そうだ、シン。ユイと何かあったのか?リズ達がなんか話してたからさ」

 

「うぇぃ!?」

 

キリトの言葉に俺の体が跳ねた

 

や、やっばり気付くか………そりゃ気付くよな、自分の娘だもんな。てかリズベットなにしてんの、勝手にお前が俺の墓穴掘ってんじゃねぇ!マジやめてくんない!?

 

ヤッベェ……どうする?

 

「それより早く喫茶店に行かない?」

 

まさかのここで救世主ストレアの登場!?

 

「そ、そうだぜ、早く喫茶店行こう!俺ココア飲みたいな〜!」

 

「?わかった。けど、シンは本当にココア好きだな」

 

「ま……まぁな!」

 

よし!なんとか誤魔化せたぞ。そして次は隙を見て離脱するだけ

 

「キリトくーん!」

 

「」

 

どうやって抜け出すか作略を巡らせようとした矢先、かの"閃光"様がユイちゃんと女神シノンとその他一行を引き連れてやってきた

 

喫茶店にいたんじゃねえのかよぉぉぉぉ!?

 

「あ、シンさん」

 

シリカが俺の姿を見てなんだ結局来たのか、みたいな目で俺を見る。他の面々も殆どが俺にそんな視線を投げかけており、リーファなんか生温かい目で俺を見ている。やめろ、俺をそんな目で見るんじゃない!

 

「なんだ、結局来たのね」

 

リズベットが視線に込められた意をそのまま言葉にして撃ち出してきた

 

「ストレアに無理矢理」

 

「まあ、なんにせよ丁度良かったよ。今から皆で街を回ろうと思ってたから」

 

うぇー………なんで

 

「SAOに来てまだ間もない奴もいるから、新しい街での楽しみを教えようってわけだ」

 

「なんだエギル、いたのか」

 

「………お前は俺の巨体が見えなかったのか?」

 

「いや、自分で言うのもどうかと」

 

「はぁ………帰ったらココアの新作を作ってみようかと思ったが、その様子じゃいらないな」

 

なん……だと!?

 

「冗ぉぉぉ談じゃないですかヤダナー!もう、その頭の先から爪先までちゃぁんと見えてましたとも!いやぁ、今日もそのツルピカリンな頭が光ってますね!」

 

「現金な奴……」

 

「しかも褒めてるのか貶してるのかわからないし」

 

いやいや、新作のココアとなればこうもなるでしょうに

 

楽しみだなぁ、どんな味なんだろう

 

「ココアもいいが、早く行かないか?」

 

「そうだね」

 

キリトの提案で俺達はぞろぞろと転移門広場から商店通りの方へ出る

 

転移門広場から丁度、商店通りとの境を跨いだ時、俺の左手が取られた

 

「シンさん、一緒に歩きませんか?」

 

その手を取ったのはどうやらユイちゃんらしい。声の方へ顔を向けるとユイちゃんはいつもと変わらぬ笑顔で俺の横にいた

 

……………what?

 

 

 

 

 

 

 

 

商店通りに入るとプレイヤー達の群れと言うか、とにかく人が沢山いた

 

「おぉう、やっぱ多いのな」

 

「シンさんは人が多い所苦手ですか?」

 

「うぇ!?い、いや……別に?」

 

ユイちゃんの質問に俺は吃りながらも答える

 

「そうですか。…………あ、あれおいしそうですね!」

 

「お……おう、そだね。食べる?」

 

「良いんですか?」

 

「OKOK、YESYES」

 

俺はユイちゃんが指を指した屋台へとユイちゃんと共に歩いて屋台で牛串のような食べ物を購入、そしてキリト達の元へユイちゃんと共に戻る

 

そう、ユイちゃんと共に。手を繋いで

 

「…………」

 

どうなってんの?

 

あれ?おかしいな。俺達、転移門通る前まで気不味い雰囲気だったよね?別れたばかりの男女がコンビニとかでばったり会っちゃったぐらい気不味い雰囲気だったよね!?え、なに?何が起こったの?七十六層と七十七層の間になんか不思議な力でも働いてんの?

 

キリトやアスナとか、攻略組の奴らはホント何も知らないから温かい目で俺達を見てるけど、シノンさん達なんかすんげぇ………何があった?みたいな目で見てくんだけど、何があったかなんて逆に俺が聞きたいよ………

 

もう何がなんやら訳がわからないよ状態だ。小休憩としてさっき購入した牛串擬きを口に入れる

 

「…………なにこれ固いし味薄い」

 

「うーん………なんだか、すごく筋張ってておいしくないです。タレの味もしません。ママが作ってくれた料理の方がおいしいです」

 

ユイちゃんも同じ意見なようで、二人して顔を顰める。確かにアスナの料理はうまそうだ。未だに一度も食べてないが

 

「はっはっ!どうやらハズレだったようだなぁ、お二人さん?」

 

そんな俺達を見てクラインが笑ってそう言った

 

くそぅ………こいつの口の中に突っ込んでやろうか?あ、でも俺が食った後だし何より俺が嫌だからやめとこう

 

…………しかし、金の無駄遣いだったな。捨てるか?……いや、このまま捨ててしまったらそれこそ無駄遣いだ

 

「折角買ったからな、男ならば完食するべし!」

 

もう一度牛串に食らいつき、今度は豪快に残り全ての肉を口の中へと誘う

 

固い肉を歯で潰す。味のない肉を食っててなんかゴムみたい………

 

「私も、折角買って頂いたものですから完食します!」

 

俺を見習ってか同じように………いや、俺みたいに一気にとはいかないが完食しようと頑張るユイちゃん。見ていてとても微笑ましい

 

「ふふ……」

 

「んぐ?」

 

肉と奮闘してると後ろから笑い声が。後ろを見るとシリカだった

 

「あ、いえ……お二人が兄妹のように見えたものですから」

 

「…………」

 

兄妹、か

 

俺は口を動かしながらユイちゃんを見る。するとユイちゃんも必死に口を動かしながら俺を見上げていた

 

「んぐ」

 

こくん、と可愛らしい音を立てながらユイちゃんは口の中の物を飲み込んだ

 

俺もごくりと飲み込んで、二人で無言で見つめ合う

 

「ま、それも悪くないかもな」

 

「!………はい!」

 

俺がそう言うと、ユイちゃんは笑顔で返事をしてくれた

 

いやしかし、さっきまでの二人の雰囲気とは180度ひっくり返っている。何故かは知らんが、ユイちゃんの心境に何か変化があったとしか思えない

 

俺としては仲直り出来てとても嬉しい。だけどやっぱり、俺の中でつっかえが少し残っている

 

これを失くすには………

 

「なぁ、ユイちゃん」

 

出来るだけユイちゃんだけに聞こえるように言う。まあ、他の皆は屋台や武器屋やらにいつの間にか行ってしまったから気にする必要はないかもしれないが

 

「はい、なんですか?」

 

「…………ごめんな、避けたりなんかして。俺ってば強くないからさ、絶対に死なない、なんて嘘を吐きたくなかったんだ」

 

最初からこれを伝えてれば良かったんだけど、それだとあの時のユイちゃんには逆効果な気がしたから、だから言わなかった

 

「だから、その為にこれから頑張らなきゃ駄目なんだけど………ごめん、まだ俺は弱いから。明日、気付けばもう死んでました、なんてこともあるかもしれないし」

 

それに、何より

 

「嘘吐きだって思われるのが恐かった」

 

嘘なんて沢山吐いている。自分から吐いているのだから、そう思われても自業自得なのかもしれない。俺の正体がバレるのが恐かったから嘘を吐いてるけど、お前は嘘吐きだ、って言われるのも恐かった。考えただけで、何故かとても恐ろしく感じた

 

「シンさん、それは違います」

 

「………なにが?」

 

「それだと、シンさんが死んでしまう前提での話になってしまいます。シンさんはそうなりたいんですか?」

 

「……………」

 

ユイちゃんの質問に少し黙らされる

 

確かに俺が死ななければ良いだけの話だ。だが正直言って絶対的に死なないと言える根拠なんてどこにもない

 

…………でもまあ、死にたいのか死にたくないのかと聞かれたら

 

「死にたくない」

 

「じゃあ、それで良いんですよ」

 

?どういうことだ?

 

「その思いが大切なんです。結果ばかりを見ては駄目です。過程も大事にしてください

………シンさん、あなたの頑張る姿を見て、嘘吐きだなんて言う人はいませんよ」

 

「…………そっか」

 

ユイちゃんの言葉が、俺の不安を取り払ってくれた

 

死にたくないから、頑張る。その過程にあるものは嘘じゃなく、本当のことなんだな

 

「……話してくれてありがとうございます」

 

「ん?」

 

ユイちゃんにお礼を言われた。逆に俺が言う方だと思うんだけどな

 

「さっき、転移門の前で思ったんです。シンさんには何か理由があるから、問い詰めようとする私を避けていたと言うことに。その理由が知れて、私は嬉しいです」

 

「ユイちゃん…………」

 

成る程、そう言うことだったのか。だからユイちゃんは何事もなかったかのように

 

………うし!

 

「ユイちゃん、ちょっといいかな?」

 

「?なんでしょう?」

 

「いよっと!」

 

「わっ!?」

 

俺は確認をとった後にユイちゃんの脇に手を通して持ち上げる

 

そしてグイッ!と上に持ち上げて俺の肩へガッシーン!

 

「どうよ!肩車!」

 

「わぁ……高いです!」

 

どうやら喜んでもらえてるみたいだ。これ、拒否られたらマジで精神的にキツかったな。良かった〜…………ハラスメントコードとか出てないよな?

 

しっかしユイちゃん軽いわ。俺のステが筋力値寄りだからかは知らないけど、うん軽い

 

「よし!走るぞユイちゃん、しっかり掴まっとけよぉ!」

 

「はい!」

 

「特急シン号、発車致しまぁす!」

 

ユイちゃんを乗せた俺は街中を走り回った。時に屋台で食べ物を買い、時に店で服を見たり、時に誘拐と間違われ追いかけられたりと様々なことがあったが、とても楽しかった

 

「今日は楽しかったな?ユイちゃん」

 

「はい!また肩車してくれますか?」

 

「もっちろん!」

 

そして俺達は仲良く手を繋いでエギルの店へと帰るのだった

 

「さて、また明日から頑張ろうかな」

 

 

 




思ったこと

仲直り、はえーー!





  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。