SAOが好きすぎる俺がSAOの中に入っちまった。それもホロウフラグメントなんだけど 作:クラッカーV
「おはよー!」
俺は挨拶をしながら階段を駆け下りる。最後の5段くらいでピョンッ!とジャンプして見事に着地!
「ふっ、10点満点だな。エギルー、ココア頂戴」
「あいよ、ちょっと待ってろ」
カウンターの前に座っていつものようにエギルにココアを催促。思えばここ数日で飲んだココアの数は数え切れない程だ………ただ単に数えてないだけで本当は大したことないだろうけど
「今日はどうするんだ?」
カチャリとココアを俺の前に置いてエギルが聞いてきた
「サンキューエギル。そうだなぁ………」
今日はどうすっかねぇ……やっぱりホロウエリアにGOだろうか?
よし、キリト巻き込んでホロウエリアに遊びに行こう。そう言えば昨日エギルのトランプを返し忘れてたし、三人で仲良くババ抜きってのも良いかも
全員連れて行けないのが悩みの種だよなぁ……
「ホロウエリアにでも行こうかな」
あ、でもそれはそれでキリトが攻略に行きたいって言うかもしれないな。俺がいたら邪魔だし、俺も邪魔はしたくない
レベル上げないと………そろそろ街の外に繰り出してみるか?危なくなったらすぐに圏内に入れば良いし
「そうか、一人じゃ危ないからキリトかアスナ、もしくはクラインを連れて行けよ。俺は店番があるからな」
「ダイジョブダイジョブ、圏内で遊んで帰ってくるだけだから」
「まあ、それなら安全で良いがな。それよりシン、俺のトランプを知らないか?」
…………あ〜
「俺が持ってる。ごめん、返すの忘れてた」
俺はポケットから入れっぱなしだったトランプの束をエギルに見せる
「なんだ、お前が持ってたのか。どうする、貸しとくか?」
「頼む。サンキューエギル」
いやぁ、ホントエギルにも頭が上がりませんなぁ
そんなことを思いつつココアをぐいっ!と飲み干す
「なんだ、今日は早いんだな。シン」
階段を下りてくる音と一緒に上から降ってくる声
「おはようキリト。俺はいつも朝にはお強い人だぜ?」
「昨日は俺達がボス戦に行った後に起きたって聞いたけど?」
「うげ、誰に聞いたんだよ…………」
もしかしてシノンさんか?うーむ………まあいい
「シン、今日はホロウエリアに行かないか?」
「ん?」
俺の横に座ったキリトがそう切り出す
「丁度良かったじゃないか。今日はホロウエリアに行く予定だったんだろ?」
エギルがココアのコップを片付けながら言った
確かに丁度良いかもしれないが………
「あぁ、うんまぁ………キリト、それってやっぱ攻略?」
攻略だとすると、話は別になってくる
「そうだな、攻略が主になると思う」
「あー、んじゃいいわ。フィリアと二人で行ってらっさい」
キリトの言葉を聞いた瞬間俺はバッサリと断った
「おいおい、そりゃあどういうことだ?」
「だってよー……」
俺はカウンターにだらしなくもたれる
俺がいたら俺のレベリング中心になって先に進まねぇんだもんよぉ。そんなの、申し訳ないったらありゃしねぇ
「シン、もしかして前回のことをまだ気にしてるのか?」
「………」
気にしてるって言うか、なんと言いますか
「攻略に行ったら、レベルの低い俺の為にレベリング中心になる。イコール時間掛かる。労力増える。俺にとって悪いことじゃないけど………お前らにとってはあまりよろしくない。だからとても非効率的です。Do you understand?」
そして数日前に誰の邪魔もしないと宣言した俺がそれを破るのもいけないことだ
まぁ、攻略以外の場面では思いっきり頼るけどな
「…………わかった」
キリトもどうやらわかってくれたようだ。流石攻略組トッププレイヤー、自分の攻略が遅延すれば全体が遅れることをちゃんとわかっていらっしゃr「じゃあ、こうしよう」………ん?
「俺もフィリアも攻略を優先させる。シンはその後に着いてくるだけでいい。勿論、援護してくれても良いし何もしなくても構わない」
「ん?ん?んん?」
「だけど、俺達にピッタリくっ付いてないと危ないぞ。HPが危なくなったら一人ででも良いからいち早く転移結晶で戻るんだ。良いな?」
「ジャストモーメントだキリト。言ってることがイマイチ理解出来ねぇです」
こいつはいきなり何を言い出してる?ちょっとごめんわかんない
「つまり、何も言わずに着いて来いってことだ」
エギルがわかりやすく且つシンプルに教えてくれる。あまり変わらないような気がするが、冷静に考えてみると理解出来ないことなかったわ
きゃあ漢らしい!………じゃねえよ!
「で、どうなんだ?」
ぬ………ぐぬぅ……
どうする?キリトは口ではこう言ってるから確かに俺のレベル上げなんざ二の次にするんだろうが………周りでチョロチョロされたら邪魔なんじゃないだろうか?
でも、折角のキリトの好意を無下にするわけにも……それに、戦闘にちょいちょい手出ししてれば経験値も入ってくるだろうし、俺にとっても得になるのか
「…………OK、わかった」
納得し返答する。言い包められた気がしないでもないが、そこは気にしたら俺の負けかもしれないから敢えて気にしない
「よし!そうと決まったら早速行くか」
「へーへー、黒の剣士様の仰せのままにー」
俺達は立ち上がりエギルに別れを告げて店から出る。必要となるアイテムの残量を確かめ、武器を装備する。その後にパーティ申請がキリトから来た。それに承認すると転移門の前はもうすぐ、軽く駄弁りながらだったからもう目の前にまで来ていた
「「《ホロウエリア管理区》」」
二人で口を揃えて転移先を言うと俺達は青い光に包まれて転移が完了する
「フィリアー、フィリアはいるかね?」
入って早々俺はフィリアの姿が見当たらなかったので大声を出して呼んだ。ここにいないなんて珍しい。どこか行ってんのか?
「いないみたいだな………多分、外に出てるんだろ」
「うぇー………じゃあどうすんの。帰る?」
フィリアがいないんじゃあキリト一人で俺というお荷物を背負ったままじゃキツイはずだ。てか、フィリアもよく一人で外に出ようとか思たよな
いや、でも俺達と出会う前は一人だったみたいだし、そうでもないのかな?
「別にフィリアがいなくちゃ進めないってわけじゃないだろ?なに、心配ないさ」
「本当かぁ………?」
なんかスッゲー不安なんスけど。いや別にキリトの実力を疑ってるわけじゃないんだよ?でもね、俺も安全性と言うのを高めておきたいわけですよ。フィリアとは二人で確かに行ったけどさ、あれは保証があったわけだからね。新しいとこを歩こうってんなら念には念をだな………
「今日は奥の方まで行ってみるか。行くぞ、シン」
既に行く気満々………だと!?
「まあまあ、待ちーやキリト」
管理区から転移するのに必要な石碑みたいな、パソコンのキーボードみたいな感じのやつの前にいるキリト。その肩に手を置いて言う
「なんだ?なんで関西弁だ?」
「未だ未開の地に二人パーティなんて心許なさすぎるだろ?な、ここはフィリアを待とう。それまで二人でトランプでもしてようぜ?」
ポケットからエギルから拝借したトランプを見せる。種目は二人だからスピードで良いだろう。もしくは神経衰弱でも可
「探索の途中でフィリアに会えるかもしれないだろ?」
「確率的に考えろ、会う確率の方が低いだろうが」
「引き際ぐらい弁えてるさ。俺がシンを守れないようなレベルのモンスターが出た場合、速攻引き返すよ」
あぁ、もうなにこのイケメン………、もう何も言えねぇ
「へーへー、黒の剣士様の仰せのままにー」
「それさっきも言ってたな……」
なんか若干嫌そうな顔をしなさる黒の剣士様。これは弄るいい機会かもしれない
「仰せのままにー!仰せのままにー!黒の剣士様のぉ〜仰せのままにー!」
キリトの肩から手を離してクルクル〜っと回りながら言いまくる。キリトの顔が若干嫌そうな顔からものすごく嫌そうな顔にグレードアップした。多分きっと心の中では『なにこいつ、ウザっ!』とか思ってるに違いない
「やめろよ、傷付くだろうが!!」
「…………いや、自業自得だろ」
おぅふ、言い返せねぇ
「んじゃぁ、行くか」
言い返せないので話の転換。キリトの肩に再度手を置いてGOサインを出す
「行きたくないんじゃなかったのか……」
「仰せのままにー」
「まだ言うか。ったく、行くぞ」
「イエっす!」
こんな馬鹿な会話をしながら俺達はホロウエリアを生き抜けるのか不安になってきたが………そんなことは顔にも出さずに転移した
転移するとフィリアと来たのと同じ場所に出た。後ろには建物がある
「まずは向こうの森を抜けよう」
そう言ってキリトが指差す方向は昨日とは違う方向だった。森の入り口らしき付近には蜂モンスターが複数匹いる
蜂か………鉢には良い思い出が全くない。あったとしたらハチミツおいしぃなぁ〜、ぐらいしかないぞ。今度ハチミツ入りココアをエギルに申請してみるか……….ハチミツが採れるのかは知らないけど
「行くぞ」
「イエッサー」
キリトの声で同時に駆け出し、俺はチャクラムを取り出して目の前にいた《パワードスケルトン》のど頭に一撃を食らわせる。相手が後ろを向いてたし、周りに他のモンスターがいなかったから引き付ける必要もなかったので、投げてはない
頭に強烈……って程でもないけど、一撃を食らったスケルトンは俺をロックオンする
だがしかし、お前の相手は俺だけではないのだよ!!
実際に声には出してないが、脳内でスケルトンに吐き捨てた直後、スケルトンに一瞬にして二回、切り傷が刻まれる
言うまでもなくキリトの攻撃だ。相変わらず速い。その速さを少しでいいから俺に分けて欲しいな………あとモテ度も
俺がそんなことを考えているうちにもキリトの追撃は更に続く。だけどやっぱり、相手さんも勇者の前に立ちはだかるモンスターであるようで、スケルトンは剣を所定の位置に構える
間違いない、俺もここ数日でよく知ってる。あれはソードスキルの構えだ
「キリト、ソードスキル!!」
そこで俺はキリトにそう叫んだ
キリトは相手から目を離さないまでも、俺の言葉に首を傾げてるようだ。何を言ってんの?みたいな顔してる
だがそんな顔が出来るのも今だけだ
「いょっとぉ!」
俺はチャクラムの鎖を掴み、モーションに入り始めたスケルトンの腕に素早く鎖を巻き付ける。剣の軌道上俺には当たらないようにしているから大丈夫だ。そしてスケルトンが剣を振るう時、同時に鎖がジャラジャラと鳴る
剣がキリトを捉える前に、俺は体術スキルを発動した。スケルトンとは逆方向にだ
モーションと自己ブーストで最大限の威力になっただろう俺の拳は、チャクラムの鎖を全力で引っ張る
「っ!そう言うことか!」
キリトは俺のやろうとしていることに気付いてくれたのだろう。俺を信用して、すぐにスキルのモーションらしきものに入る
ならば信用、答えようじゃないの!
ガキィ!
そんな音と共に、俺の右腕に多大な負荷が掛かった。それに負けぬように一生懸命踏ん張り、それはすぐに消えた
負荷が無くなったので後ろを見ると、スケルトンの攻撃は中断されていた。どうやら上手くいったらしい
嬉しいことには態勢が斜めになっている。いきなり別方向に力が働いたからソードスキルの威力が出し切れず、姿勢も崩したことで中断することとなったんだ
更にそこにキリトのソードスキルが迫る。スターバーストストリーム!!………とまではいかないけど、何時ぞやに見た7連撃が見事にスケルトンに決まった。だがまだ油断するな
「とりゃっ!」
俺はすぐにスケルトンへチャクラムを投げつける。至近距離から、投げなくてもいい距離だったかもしれないけど、見事頭に当たってスケルトンとはオサラバ。ポリゴン片となって散っていった
「ナイス、シン。凄かったぞ」
「いやぁ、それ程でも」
あるかもね!
多分さっきの相手の行動を中断した奴だろうけど、褒められると嬉しい。でもあれ、人型にしか使えない手なんだよな………浮いてたりとかしても多分駄目だ。あと他にも、股の間に通して転ばすとかあるけど、これは実践したことないからわからん
しかし、上手くいって良かった
「よし、行こうぜ」
「ああ」
俺が拳を突き出すとキリトも同じように拳を出してこつん、と合わせる
それと同時に次のターゲットは入り口付近の蜂3匹。まず離れた一匹をチャクラムで誘き寄せ、攻撃にヒヤヒヤしつつも撃破。残りの2匹はキリトが引き付け、一気に撃破していた
そして森の中へと侵入。蜂が多い!
「もーやだー!蜂多いよー!」
「我慢しろよ……」
泣き言言ったらキリトにそう言われた
お前は蜂に殺されかけたことが無いから!………いや、実際は知らんけど、そう言えるんだよ!
蜂に泣く泣く対処しながらも順調に歩みを進めて行く。蜂をキリトの二刀流で千切っては投げ、俺のチャクラムでおちょくり、偶に俺の剣でセイヤッサ!
そう言えば今思い出したが、確かにキリトの言うように俺のレベル上げは優先していないみたいだ。でも邪魔になってはしないだろうか?
邪魔な蜂を葬ったキリトに俺は聞くことにした
「なぁー、キリト?俺ってば邪魔じゃない?」
そう聞くとキリトは何言ってんだこいつ、見たいな目で見て来やがった。そんな目で俺を見ながら口を開く
「シンは俺が思ったよりも戦えてる。前回、4人で来た時は剣に振り回されてるようで不安だったけど、それも解消されてるようだし。全然邪魔じゃないよ。寧ろ若干頼もしい」
うぉ、意外に高評価。てか、剣に振り回されてたのか俺………
「すごい成長振りだよ。前は本当に振り回されるだけだったのに、それはもう……」
キリトがあの時のことを思い出すかのようにしながら言うのを俺は黙って見てる。まあ、毎日沢山剣を振ってるから多少は改善されてるんだろうな
そして俺は、その次の言葉に一瞬だけだが、息を呑んだ
「まるで、誰かが戦うのをずっと隣で見てきただけかのようだったからな」
「っ!……そーなのかー。だが、今の俺は違う!私は常日頃進化するのだよ」
驚いた表情を悟られないように敢えてそう続けた
今のキリトの言葉、確かに的を得ている。剣の素振りを始めたばかりの俺は………いや、まあまだたった数日しかやってないのだが、振り方は全てアニメで見た動きとかを自分で適当に組み替えていただけだった。目の前で本格的に見るまでは今まで真面に剣なんて振ってこなかった俺はただのチャンバラごっこにしか過ぎなかった
それにキリトは気付いていたのか………流石、攻略組トッププレイヤーの名は伊達じゃない
「はは、そうだな。よし、そろそろ行くか」
キリトは俺の些細な変化に気付くことなく歩き出した
良かったと言うべきか、なんと言うか………別にそこまで気にする必要もないのかもしれない。今は改善されてるって言うし、何よりそこから俺の全てがバレるようなことはないだろうな
「いぇっすー!もう直ぐ森抜けんじゃね?」
「あぁ、そうみたいだぞ」
キリトに追い付くとそこはもう出口だった。ただ、森を抜けて開けた所に出るだけなんだけどな
引き続き俺達はモンスターを倒しながら前へと進む。あまりレベルの変動がないようで助かる。俺はほぼ後衛で遠距離武器だけど
「はああぁぁぁぁぁ!」
キリトが変な牛人間みたいな奴にトドメを刺す。ここらに来てから結構進んだ。次はどこに………
「ん?」
俺は視界の先に建物を捉えた。見た感じ、教会っぽい見た目なような………
そして、その入り口から全体的に青い服装の人が出てくる
「おいキリト、あれフィリアじゃね?」
「え?………本当だ。おーい、フィリア!」
大声でキリトがフィリアを呼んだ
そんな大声出したらモンスターがッ!とか思うかもしれないが既に周りにモンスターの影は無し。あるとなったら俺達の大分後ろの方にリポップした奴らだ
大声で呼ばれたフィリアは俺達の存在に気付き、走ってこっちに来た
「よっすフィリア!こんなとこで何してんの?」
目の前まで来たフィリアに声を掛ける
「探索してた。二人はどうしてここに?」
「今日は奥の方まで行ってみようと思って、つい数時間前に来たんだ。フィリアがいなかったから二人で」
「そうなんだ。…………そうだ」
フィリアは何か思い出したかのように声をあげる
「ついさっき、そこの教会でモンスターが守ってる宝箱を見つけたんだけど、そのモンスターがすごく強そうで。良かったら二人とも手伝ってくれない?」
ほう、モンスターが守ってる宝箱とな。それは中には結構レアな物が入ってるとかそんなパティーンですか?
「ああ、わかった。案内してくれるか?」
手早くパーティ申請を出して言うキリト。宝箱の中身が気になるのか早く行こうぜ!的な感じでそわそわし始める
「うん、こっち」
新しくパーティにフィリアが加わったことを確認したら、フィリアに案内されて教会の中へと入った
おっと、ここで大事なことがある
「まあまあ、お二人さん待てよ」
俺は教会の入り口で二人を引き止めた
「強い敵と戦う前ってなったら、やっぱりこれじゃねぇっすか?」
俺は拳を前に突き出す
「好きだなぁ……それ」
「気合いを入れるなら他の方法もあると思うけど……」
口々に言いながらも拳を出してくれる二人が俺は好きだ!あ、でもバイセクシャルとかそんなんじゃないよ?俺普通に女の子が好きだから。だから結婚しようピナ(白目)
「行くぞ!」
「「おぉ!」」
キリトの合図で3人で拳をぶつける
さぁ、気張って行きまっしょい!!
結構長くなったな………戦闘描写ってね、難しいっす……