SAOが好きすぎる俺がSAOの中に入っちまった。それもホロウフラグメントなんだけど 作:クラッカーV
「確かに強そうだな………」
俺の隣でキリトが呟いた
フィリアに案内されて来た部屋の外で俺達三人は仲良く横一列で立っていた。まあ横一列だからと言ってここからよーい、ドン!あ、お前フライング!みたいなことをするわけじゃないが
俺達の目は部屋の真ん中でドッシリと佇んでいる巨体に全て向いていた
エギルよりもデカイ体躯、一つ目、どっからどー見てもゴーレムなそいつ。取り敢えず名前がわかる範囲まで歩みを進めてみると奴の名前が判明した。どうやら何もしなければ向こうから仕掛けてくることはないみたいだ
「…………サンクチュアリ」
フィリアが呟いた
「はぁ〜、サンクチュアリねぇ。随分とご大層な名前持っちゃってまぁ」
サンクチュアリ、英語での意味は神聖な場所とかそんな意味だったと思う。見た目からはそんなオーラ全然ないけどね。どっちかって言うとジョジョのゴゴゴゴゴ!みたいな。そうだ、サンクチュアリじゃなくてこれからはエギルマシーンmark2と名乗ることを許可しよう!
それにしても、宝箱を守る為の聖域ってぇわけか?シャレてんのかどうかわかんねぇな
でもそんな大層な名前の奴が守ってんだ。きっとあの中身はレアアイテムに違いない
「どーしますかねぇお二人さん。こいつ以外にも周りにはスケルトンがチラホラいるみたいですが………まずはスケルトンからの方がいんじゃね?」
取り敢えず二人に提案してみる。てか、これ以外はまずあり得ないだろう
目の前のエギルマシーンmark2と戦闘始めたら周りが誘われて来ちまう。そうなったらキリトもフィリアとキツイだろう。俺?………言わせんなよ
「そうだな、幸い数も少ない。先に終わらせよう」
言うが速いかキリトはエギルマシー………もういいや、言うの面倒だからmark2で………キリトはmark2を無視して一体のスケルトンへとヒュバッ!と音を立てながら行ってしまう。相変わらずキリトのステップは速い
俺も別に使えないわけじゃないんだが、あれ小回り利かないのよ。まだ慣れてないからさ、直線上にしか動けなくって………カクッ!カクッ!ってした動きとかマジ無理です。それに俺は某狩りゲー直伝のローリング回避とハリウッドダイブがあるからね。体育がマット使うとき絶対あれやる。偶にスネーク!?とか言われるけど
パリィン!
「っ!」
スケルトンがポリゴン片になる音で関係無いことを考えるのを止める。どうやらお二人さんは既に一体倒しちゃったみたいだ
まずいぞ………!これは俺も行かなければ!
そう思い駆け出す俺、mark2の真横を通りながら背中から勢い良くギャリィン!と剣を引き抜く
それが間違いだった
ズドン!
「おぉ!?」
いきなり俺の真横に振り下ろされるデカイ何か
この場にいる皆さん、既にお分かりだろうか?
『(ゴゴゴゴゴ………!!』
そう、mark2の腕である
………………ヘァ!?
「馬鹿!なんでそいつに攻撃したんだ!!」
キリトから割りとマジな怒鳴り声が聞こえる
「……………え、嘘!?俺攻撃しちゃったの!?」
「知らずにしたの!?もう………馬鹿!!」
今度はフィリアから怒鳴り声を貰ってしまった
え?え?…………つまり、どゆこと?
「シン、危ない!」
「え?…………ホァッ!」
追撃のmark2、振り下ろされた腕を変な声をあげながら必死に避ける
その時僅かだが目に入った。いや、入ってしまった
……………奴の横っ腹の辺りに、切り傷があることに
「………………」
俺は思わず急停止する
その…………つまり、あれだ
「ごめんキリトォォォォォォォ!!フィリアァァァァァァァァ!!」
俺が剣を抜いた時に当たっちゃったのね!?
俺は二人に謝罪しながら走り出す。目指すはmark2の後ろ側
「ホントだよ!この馬鹿!!」
「ごめぇぇぇぇぇん!!」
半泣きになりながら全力疾走、奴はその後ろを追ってくる!
やめろ、こっち来んなし!宝箱守ってろよ!サンクチュアリ(笑)だろ!?エギルマシーンmark2とか言ったこと謝るからさぁ!!だから止まってよお願い300円あげるからぁぁぁぁ!!いや、ここコルだったわ!
「のわぁ!?」
そんな俺の心の叫びを無視して奴の攻撃は俺に迫る
「くっそぉ………しゃあねぇ、こうなったらキリト達来るまで時間稼ぐしかねぇな!」
振り下ろされた右腕を避けてその上にジャンプ、申し訳程度に切り込み入れてから避難する。すぐに左腕で攻撃してくるがそれを武器で受け止める。筋力値寄りでも流石にレベル差があるからか吹っ飛ばされたよ当然だね!
「ぐ………の!」
だけどまあ防いだことに変わりはないようで、反動の分と吹っ飛んだ分とで体力はまだ7割残ってる。ポーチに入れといたポーションを取り出して飲んで回復はこれでOK
こちらに向かって走ってくるサンクチュアリ(笑)に向かって中身の無い小瓶を投げ付けた後に手持ちの剣も投げ付けて逃走を開始する。奴から逃げ延びなければ………!
既にそこまでやって来たサンクチュアリ(笑)が腕を振り上げる。ビビッと、なんか変な感じがした
だけど気にしてる暇もないのでそれを避ける為に足を動かす
「なっ!?」
サンクチュアリ(笑)が振り下ろした拳は地面に当たると衝撃波となった
その衝撃波によって俺はダメージを食らい行動を停止する。結構強い衝撃波だったが、次に来る攻撃の方がもっとやばい!俺はそう思い体を動かそうとした
「…………!?」
体が………動かない!?
俺の体は石にでもなっちまったかのように動かなかった
その間にもサンクチュアリ(笑)は構わず俺目掛けて拳を引き絞る。やっと動くようになったかと思えば、既に奴は拳を突き出そうとしていた。これは避けれない。万事休すか………!
ガギィ!
そして響く衝突音。明らかに今の音は、俺が拳に殴られた音じゃない
「全く………!後でアスナの説教だ」
「やめてください土下座するから(真剣な声)」
俺を守ってくれたのはキリトだった
「はあぁぁぁ!」
サンクチュアリ(笑)の後ろではソードスキルの光が見える。フィリアも来てくれたみたいだ
今のソードスキルでタゲがフィリアへと向く。フィリアは奴の攻撃を跳ね返しすぐさまキリトとスイッチ、攻撃が跳ね返されてなんか動けない状態になってる奴にキリトがソードスキルを食らわせる
「俺も負けてられるか!」
続けて俺もソードスキルを発動。《バーチカル・アーク》から《閃打》に繋げることで少しでもダメージを増やす
キリトとフィリアが加わることでサンクチュアリ(笑)のHPはゴリゴリと減って行った。そりゃもう、例えるならば………うん、ごめん。わかんね。取り敢えずゴリゴリ減って行った
そして最後、フィリアの攻撃が決まり奴のHPは無くなった
「…………….お、終わった。キツかった」
俺はそう呟く。呟いた瞬間俺に視線が集まるのが感じた
お前のせいだろうが、みたいな…………いや、その意味であってるなこりゃ絶対
「「「………………」」」
え、待って?誰も喋んないの?なにこれ怖い
と、取り敢えず片膝ついて地面に拳つけて
「くっ………奴め、まさかこんな刺客を送ってきていたとはな」
「「……………」」
せめてツッコミ入れて欲しかった…………
「すみませんでした!」
立ち上がって誠心誠意心を込めて頭を下げた
「…………はぁ、もう今回のようなことはないようにしてくれよ」
キリトが溜息を吐きながらもそう言った
………と、言うことは許してくれると言うことだよな?
「あざっす!」
「貸し一だから」
「あざっ…………す?」
え、今なんて?フィリア
「流石に今回のことをタダで許すって言うのはなんだか嫌だから、貸し一」
「あぁ、いいなそれ。俺も貸し一だ」
フィリアの言葉にキリトもニヤリと笑いながらノッてくる
「う、承ったでござる」
ま、まあ仕方ない。元はと言えば俺が悪いのだから
貸しなんて向こう側は気にしてないだろうが、こちら側としては作ってる……….てか量産してるわけだし、今更一つぐらい増えても何の問題もナッシングだぜ。なんならもう作ってナンボのもんじゃい
「それじゃあ、早速宝箱を開けてみようぜ」
おぉ、そうだ。宝箱のことを綺麗さっぱり忘れていた
部屋の奥でぽつんと放置されてる宝箱はなんか寂しそうな感じで置いてあった。ごめんよ宝箱、今日からトレジャーボックスに改名してあげるから許してくんない?
「それじゃあフィリア、頼んます」
「うん、任せて!」
俺がフィリアに言うと元気良く返事が返ってくる。うわー、可愛いなー、とか思いながらフィリアを見れば手をわきわきとさせながら宝箱に近付くおっさんみたいな雰囲気を醸し出していたので目を逸らした
いや、でも案外悪くないかもな………うん、可愛いと思うよ
「お宝ちゃ〜ん、出ておいで〜」
ホント今更だけどこれキャラ崩壊とかなってるわけじゃないよね?可愛いから良いんだけどもさ、俺のせいでキャラが崩壊しちゃったみたいな?そんな感じじゃないよね!?いや可愛いけど!!
キリトの方を見てみるとちょっと驚いたような顔をしてる。まあそりゃそうだろうね、あのギャップだかんね
…………成る程、この先の展開読めたぞ。ここでキリトがフィリアを落とすための言葉を頻発するわけだな!?そして行く行くはフィリアもキリトのハーレムの一員になるんだぁ(泣)
俺には何のチャンスも回ってこねぇってわけですか、そうですか!!
「……………いや、待てよ?」
「?どうした?シン」
「なんでもないでござる」
もしかしたらキリトがフィリアを落とす前ならば俺にもワンチャンあるんじゃないですか!?
やべぇ、俺って天才かもしんない…………いや!ダメだダメだ。そんな不純過ぎる考えでフィリアとつるむなんて。そもそもキリトがフィリアを落としたからなんだ!キリトには正妻アスナがいるんだぞ!
くそぅ………今度クラインに飲みに連れてってもらおう………
「じゃじゃーん!」
心の葛藤の後に泣きそうになってたらフィリアが宝箱を開けたみたいで、中にある物を上に掲げてる。その姿が子供みたいで微笑ましいのなんので、さっきの葛藤なんてどこかへフライアウェイ!
「……………アクセサリー?」
「お、結構レアなんじゃないか?」
取り出したのはなんかのアクセサリー。あんまりアクセサリーの類はしないから手に付ける奴なのか首に掛ける奴なのかわからないな
「やったね!えへへ、やっぱりお宝探しは楽しいなぁ」
フィリアの目がなんか、恋に恋する乙女ならぬ宝に恋する乙女みたいな感じになってる。まあ、聞いただけじゃあまり良い感じのイメージしないけど、実際見てみたら凄いよこれ。何が凄いって、もう…………うん
「なんだか………可愛いな」
「………」
そんな声がキリトの方から聞こえた。俺も無言で頷く
「………どうしたの?」
あらあら聞こえてたのね。不思議そうな顔でこちらを見てくるフィリア
「え、あいや………えっとだな、可愛いって言ってもアレだぞ?妹みたいな、そんな感じで……」
「え………私、可愛い?」
はい来ました、キリト君の落としタァァァァァァイム!!
いきなりの発言にフィリアも顔をほんのりと赤くしてますチクショウメェ!!俺なんか横で何も言えねぇ状態だよ!ただの空気と化しちゃってるよ!!
「あ、だから違くて………」
「違う?私は可愛くないってこと?」
ううん、そんなことないよ!可愛いよ!!俺も叫びたいけどそんな度胸ないんだ、ゴメンね!!だから僕は心の中で愛を叫びます。ピナ結婚しよう(白目)
「違うよ!いや、えと………」
あたふたするキリト、よく言った!けど爆発してくれ!
二人の会話を聞きながら俺は心の中で血涙を流し、二人の行く末を見守っていた。あぁ、こうやってフィリアも落ちていくのか………いや、落ち着け俺、さっきの葛藤をまた繰り返すなんてナンセンスだ
「…………ふふ」
また俺の脳内へと現れた葛藤に筋肉バスターをかけた後にリング外へ放り出しているとフィリアが笑っていた
え、何があったの?
「あたふたしてるキリトって可愛いね」
「…………やめろよ」
うわぁい、今更だけど俺空気
「じょーだんだよ、冗談。うーん…………どうする?」
フィリアが唸る。どうするって何が?
「私は別にいいんだけど、キリトかシンのどっちが持った方が良いかなって」
いや、もう俺とか選択肢に入れなくていいんで。俺どうせ空気なんで
「フィリアが見つけた物なのに貰うってのも気が引けるが………それならシンの方が良いんじゃないか?」
え…………イヤイヤ何を言ってはりますねんキリトさん
「俺もいいって、だってなんか似合いそうにねぇもん。しかもそれ変な模様入ってるし。俺空気だし………」
「そう言う問題じゃないんだけどな…………てか、空気ってどう言うことだよ」
どういう問題なのよ。空気は空気なんだよ
「それじゃ、キリトに渡すね」
「え………良いのか?」
「俺は別に構わんのですよ」
よくよく見たらペンダントだな、これ
「ありがとう………大切にするよ」
「本当に大事にしてよね。人にプレゼントするなんてあんまりないんだから」
「もちろん」
うぁー、また空気になりそうだぁ
「Heyお二人さん。目的を達成してCongratulationsと言いたいとこだが………こっからどうするよ?戻るにしてもまだ早いし」
時間帯は昼時をとうに終わってるが、帰るにはまだ早いだろう
「そうだな………フィリア、ここの探索はどれくらいまで進んでるんだ?」
「一応、ほぼ探索したかな」
マジか。一人でやったのかよ………すげえな
「まあでも、今からゆっくり管理区に向かえば丁度良い時間になるんじゃないか?なんならシンのレベリングも兼ねよう」
「キリト………俺に時間は使わないって話じゃなかったっけ?」
「まあ良いじゃないか。こうやって時間も余ったんだからさ」
「そうだよ、良いことじゃん」
ぐぬ…………はぁ
「OK、承った。んじゃ、ゆっくりと帰りましょ「ん?」………どした?」
ゆっくりと帰ろう、そう言おうとしたらキリトが何やら様子が変わった
「クラインからだ」
どうやらクラインからメールが来たらしい
「……………シン、呼び出しだ」
「呼び出しぃ?」
俺もか?……ってことはなんかやるのかね?
「まあ、呼び出しと言っても18時に必ずエギルの店に来い、って言ってるだけだからな。ゆっくりとは行かないが、余裕はありそうだ」
「そうなのか?………クラインのことだから丁度に行っても、遅ぇぞ!とか言ってきそうだからな………そうとなりゃあ早目に帰ろうぜ!」
「楽しそうだね」
キリトと話してるとフィリアがそう言う
楽しいかどうかは…………うーん、どうなんだろう。………あ、てかフィリア来れねえじゃん!ホロウエリアに置いてけぼりになっちまうのか。それはそれで可哀想だな………
うーん、どうするか
「取り敢えず管理区に戻ろう」
俺が悩んでいるとキリトがそう言うので悩みながら管理区へ戻ることにした
「うーん………」
「何悩んでるの?」
無事管理区へ着いた俺達。時間も丁度良いくらいになっている
しかし、フィリアを残してクラインにお呼ばれする。もといフィリアをここに放置して俺達だけがワイワイと騒ぐのに、なんだか負い目を感じてしまう
うあー………さっきフィリアの「楽しそうだね」って言葉が無かったら絶対気付かなかったんだろうなぁ
「どうした?シン」
キリトは別段何も思ってないようだが………鈍感って良いよね!変に悩まなくていいからね!
「呼ばれてるんでしょ?早く行きなよ」
「まあまだ時間はあるんだけどな。ごめんなフィリア」
「ううん、呼ばれてるんなら仕方ないし」
うむ、悪いと言う気持ちはキリトにはあるのか………。でもね?俺はフィリアも連れて行けたらな〜、とか思ってるわけよ
てかもう、クラインお前が来い。あ、でもどうせ皆集まるから無理なのか………
「うーん………」
悩む。悩みまくるぞ。不意に手をポケットに入れて俺は悩むのだ
……………ん?これは……
「そうだ!!」
「うお!?」
「ビックリした……」
あ、ごめんごめん
いや、それよりもだな
「フィリアフィリア」
「なに?」
俺はフィリアを呼びながら、ちょいちょいとポケットを呼び指す
「…………ズボン?」
「いや、ポケットじゃないか?」
はいキリト正解!
「ポ〜ケットのなぁかぁには………♪」
二人が注目したのを確認すると俺はポケットを漁りながら歌い出した
「ト〜ランプがひとたーば♪」
そしてエギルのトランプを取り出してジャジャーン!と二人に見せ付ける
ふっふ………どうよ!
「「……………」」
あれ、無言?まあいいや
「クラインの用が終わったらさ、今日はまた管理区に来るよ。んでもってトランプゲームしようぜ!」
トランプを掲げたまま二人の顔を交互に見ながら言う。キリトは少しトランプを見た後、ニヤリと笑い、フィリアはキョトンとしている
「いいな、それ。どうせなら暇になるだろう誰か二人を選出して連れて来ようぜ」
「ユーNICEアイディーア!」
「一人目は、そうだな………昨日は見てるだけだったし、ユイを連れて来ようか」
「んーと、じゃあ俺は………」
未だにキョトンとしているフィリアを差し置いて二人で話を進めて行く。誰を連れて来ようか?シノンさん?アスナ?ストレア?知り合いだし、無難にアスナかな
「え、えっと………」
「そうと決まれば早く行こうぜ、キリト!じゃあな、フィリア。何時間掛かるか知らねぇけど、必ず来るからな!」
「ああ。じゃあまた後でな、フィリア」
フィリアに別れを告げて俺は転移門にダイブ!《アークソフィア》の名前を叫ぶ。キリトも後ろに着いてきてるみたいだ
そして視界は既に見慣れた街並みへ、キリトに競争だ!と叫んで俺はエギルの店目指して走り出した
ポ〜ケットのなぁかぁからト〜ランプがひとたーば♪
ポォケットを叩くと………….もう何も入ってませんよ?