SAOが好きすぎる俺がSAOの中に入っちまった。それもホロウフラグメントなんだけど   作:クラッカーV

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地雷は踏み抜くためにあるんじゃないと知った

「うぉー………こりゃあスゲェ」

 

俺は目の前に広がる光景に驚嘆の声を漏らす。初めてホロウエリア以外で圏外に来た気がする。てか、初めてだよね、うん

 

目の前に広がるのは凡そ日本に住んでいては見られない光景。てか、多分世界中にもないと思うけど………地面には偶に吹く風に揺られる芝生のような草、まさに草原と言った感じ。しかし右を向けば所々白いコーティングをされた青空。左を向いても同じ

 

主住区にも浮いてる所があったから、きっと七十七層は浮遊島とかそんな感じな設定なんだろう。まさに今浮遊島の上に立ってる状況だ

 

てかさ、さっきの白いコーティングをされた青空って表現、なんかよくね?俺マジ詩人て感じ

 

「行くよ」

 

「いえっす!」

 

自画自賛して悦に浸っているとアスナから声が掛けられる。それに返事してアスナの後を追うように歩き出した

 

「ちゃちゃっとキリト達に追い付こうぜ」

 

「無理はしないようにね」

 

「わぁってる、よ!」

 

アスナの注意に返事をしながら俺はチャクラムを目の前に現れたモンスター、《セイレーン》に投げ付ける

 

なんか知らんが、当たる瞬間こっちを向いたせいか奴の顔面にクリーンヒットした。うわぁ、痛そう………とか思ってたら猛スピードで俺に向かってくる。このままじゃ流石にマズイから急いでチャクラムを引き戻して目の前に来たセイレーンにもう一発顔面へスパーキンッ。飛んでるからアッパーする感じでもう一発スパーキンッ。途中からアスナの素早い攻撃も入る

 

ホロウエリアの奴らよかレベルが70後半と幾分か低いため減らすHP量も違うような気がする。目測だからよくわからんが、レベル制なのでやっぱり違うものは違うんだろう

 

もう一発行くか悩んだところでセイレーンが飛んだまま体を後ろに、頭を下げるというよくわからんモーションをしたから後ろへ跳んで避ける

 

「シン君、そっちは駄目!」

 

……………んぇ?

 

アスナが叫んだ瞬間、セイレーンが翼を勢いをつけて払った

 

「っ!」

 

次に俺を襲ったのは緑色の衝撃波のようなもの。音と共に緑色の衝撃波のようなものの端を体にくらい、跳んで空中にいた俺はそのまま倒れ込む

 

な、なんっじゃそりゃあ………!

 

転んだままで呆然としてるわけにもいかないのですぐに立ち上がってチャクラムを投げる。直撃したチャクラムを引き戻していると、アスナがリニアーを発動し奴を屠った

 

「なんっだありゃあ……」

 

緑色の衝撃波、多分あれは風なんだろう。目に見える風なんて見たのも体験したのも初めてだ。貴重な体験が出来たことを喜ぶべきか、はたまた間抜けにもくらってしまい二割ほどHPを減らした自分を叱るべきか

 

「あぁいうのは初撃によく使ってくるから気を付けて」

 

「あい、わかりました」

 

成る程………勉強になった。これから初見の敵に後ろへ跳んで避けるのはやめよう。もしくはステップをうまく活用した方が良いかもしれない。てか、ステップしてたら絶対に避けれてた

 

「よし、行こうか」

 

「おう」

 

アスナの合図でまた歩き出す。セイレーン相手にはまずステップで避ける………よし、覚えた

 

俺から誘ったんだ。俺が足手纏いになっちゃ駄目だよな。頑張らないと

 

 

 

======================

 

 

 

「ふぅ………」

 

俺は目の前のモンスターにトドメを指すと息を吐いた。ここまで結構ハイスピードでぶっ通して来たが、そろそろ休憩を入れた方がいいかもしれない。ちょうどモンスターのいない安全地帯のような場所が近くにある。そこに行こう

 

「シリカ、少し休もうか。ぶっ通しで来たから疲れたろう」

 

「あたしはまだいけますよ。戦闘は殆どキリトさんに任せきりのようなものですから………あたしがもうちょっと戦えたら良いんですけど」

 

そうは言うがシリカもピナとの連携を活かし戦闘に大いに貢献していると言ってもいい。そう自分を卑下する必要はないと思うだけどな………それに、シリカがここ最近頑張っているのも知っている。まだ大雑把なところはあるが………そこは俺がフォローしながら直していこう

 

「でも、これからのことを考えると休憩はしておいた方がいいだろ。ちょうど近くに休める場所があるみたいだし」

 

俺は安全地帯を顎で指す

 

「わかりました」

 

笑顔で頷くシリカを確認して安全地帯へ向けて足を進める。そろそろアスナや他の皆は起きただろうか。エギルの奴、アスナに俺がいない理由をきちんと説明してくれているといいけど………シンがややこしい方向に話を進めてそうで怖いな

 

そんな予想に若干微笑ましく思い………いや、全然微笑ましくないな

 

少し顔を青くする俺の索敵にいきなり複数の反応が現れた

 

「っ!?シリカッ!」

 

「へ?………きゃぁぁぁ!?」

 

急いで振り向くとシリカの真後ろにはちょうど振り上げた腕をシリカに向け振り下ろそうとしている人型をした木のモンスターがいた。その他にも左右にそれぞれ一体ずつ、キノコみたいなモンスターを引き連れている

 

安全地帯に近付いた途端これかよ………!

 

シリカを引き寄せる。人型の木のモンスター………《ウィズダムトレント》はさっきまでシリカのいた場所に腕を振り下ろす。シリカの前に出てトレントを攻撃し俺がタゲを取る。ついでに周りのキノコみたいなモンスター………《ファナティック・ファンガイ》と読めばいいのだろうか?そいつのタゲもとってしまったがむしろ好都合だ

 

俺はシリカと離れ過ぎないようにモンスター達を引き付け、まずはトレントから狙う。振り下ろされる腕を避け、斬りつける。相手のHPが減ったところで、この数だ………多少のHP消費は覚悟の上で7連撃ソードスキル、《ローカス・ヘクセドラ》を放つ

 

三撃目でトレントのHPを削り切る。ある程度先に減らしておいたから早かった。四撃目からファンガイへ向かって放つ

 

「はあぁぁぁぁ!」

 

七撃目を気合を入れて放ち、ファンガイのHPを残り一割程まで減らせた。硬直したままファンガイからの攻撃を受け、硬直が解けた瞬間残りを削り取る

 

シリカの方を見るともう一体のファンガイと戦っていた。すぐに俺は走り出す

 

「っ!?」

 

だが目の前にまたトレントが現た

 

「連続ポップ!?なんでこんな時に………!」

 

トレントの攻撃を避け、剣を連続で叩き込む。チラリと見れば更に二体の敵がシリカを囲んでいた。俺の方にもトレントともう一体、ファンガイがいる

 

『きゅるる!!』

 

「えっ……周り、囲まれちゃってる!?」

 

あのままではシリカが危ない!!

 

「すぐ転移結晶を使うんだ!」

 

トレントをポリゴン片に変えながら叫ぶ。間髪入れずにファンガイへと攻撃をくらわせる。いつまたポップするかわからない………ファンガイは置いて俺はシリカの前へ躍り出た

 

「でも、キリトさんが………!」

 

「俺なら大丈夫だ。この程度なら充分凌げるから………だから早く!」

 

「わ、わかりました。転移結晶ならここに………あっ」

 

何やら不穏な声が背後から聞こえたが杞憂であることを信じ目の前のモンスター達と対峙する。剣を横薙ぎに一閃すると四体共後ろへ跳んで避ける。それを追撃し真ん中の二体に攻撃をくらわせ、HPを減らしていく

 

「キリトさぁ〜ん!ピナが………ピナが、転移結晶食べちゃいました!」

 

「な、なんだって!?」

 

一体を屠り、二体目のHPを0にしようとするや否や、シリカからそんな声が聞こえてきた

 

ど、どういう状況だよそれ!…………はっ!いや、ダメだ。余所見したらダメだ

 

二体目にトドメを指し、三体目へと剣を向ける。その際に残ったもう一体がシリカの方へ行ってしまった

 

「しまっ………シリカ!モンスターがそっちに……!」

 

「え!?きゃ、きゃぁぁぁっ!!」

 

くっ………!早くこいつを倒さないと!

 

俺はシリカの方を心配しながら、目の前のファンガイを高速で片付ける為に剣を振るう

 

『きゅる!!』

 

その時、ピナがシリカの前に出た

 

「ダメ、ピナ!身代わりになんか………!」

 

ピナ必死に止めようとするシリカ、それを見て俺はファンガイにトドメを指してシリカ達の方へと向かう

 

『きゅるぅぅぅぅぅ!!』

 

「なんだ!?ピナが光って………」

 

急にピナが光り出した。突然のことに俺は足を止め、モンスターが攻撃のモーションに入っていることに気付くのが遅れた。今からどんなに急いでも間に合わない。ピナ、一撃耐えてくれ………!

 

ピナがトレントの攻撃に撃ち落とされる姿が頭を過る

 

だが、目の前で起こった事実は違った

 

『きゅるぅ!!』

 

なんと、ピナが敵の攻撃を弾いたのだ。一瞬呆然とするも、次の瞬間にはシリカの横へステップで移動する

 

「シリカ、大丈夫か!?敵は怯んでる。この隙にここを離れるぞ!」

 

連続ポップはまだ続くだろう。さっきの戦闘で少なからずシリカのHPが減っている。ここは離れるのが得策だ

 

「ピナ、着いて来い!」

 

俺は小脇にシリカを抱えて走り出す。伊達に重い剣を振るために筋力値に趣を置いているわけじゃない。そのままその場から急いで離れる

 

「あわわわっ!?キ、キリトさん!あたし自分で走れますよぉ!」

 

シリカが何か言ってるが取り敢えず安全な場所に着くまではこのままで我慢してもらおう

 

 

 

 

 

「ふぅ………結局森を抜けたな。でもここまで来れば大丈夫だろ」

 

安全な場所を求め走り彷徨っていたら森を抜けてしまった。しかし危なかった

 

「大丈夫か……?」

 

「…………」

 

そのままシリカの安否を確認する。一応何かにぶつかったりしないように考慮したから大丈夫だと思うが………なんか様子がおかしいな。酔ったのな?もう少し強く抱き抱えた方が良かったかな…………

 

ん?抱えると言えば、妙に手の感覚が柔らかいのが気になると言えば気になる

 

これは一体…………

 

「……………」

 

「……………あ」

 

柔らかいもの…………うん、あれだ。きっと、あれだ……………うわああっ!?あれだ!?

 

「ご、ごめん!!変なとこ触ってた!!」

 

急いでシリカを下ろす。走るのに夢中で気付かなかった。俺はなんてことを………アスナに知れたらタダじゃ済まされないし、何より女の子の………その、なんだ、とにかくやってしまった

 

「本当にごめん!無我夢中で考えてなかったから………」

 

「い、いえ………いきなりでびっくりしましたけど………その、あたしがそんな大きくないからキリトさん気付かなかったんだと思いますし………」

 

「い、いや、そういうわけじゃ……」

 

「そうですよね、皆さん大きいですもん…………シノンさんも、あると言えばありますし。でも、体は二年前ままだからまだ希望は捨て切れないと……うぅ、でもでもストレアさんのとか見ると自信なくすなぁ……」

 

『きゅるる………』

 

ネ、ネガティヴ………ネガティヴすぎるぞシリカ!

 

こ、こういう時はどう言えば………えぇと………そうだ!

 

「お、俺は小さくても良いと思うぞ!」

 

「うぅ………ピナァ……」

 

『きゅるぅ………』

 

あ、あれ!?駄目だったか!?女心って難しい

 

これは慰めるのに時間が掛かりそうだ

 

あぁ、ユイはきちんとお留守番してるかな…………

 

 

 

======================

 

 

 

「高級キノコゲッチュー!」

 

木の下で《高級キノコ》と言う名前の如何にも高級そうなキノコの採取に成功した俺とアスナは現在、森の中にいた。未だキリト達には追い付かず。多分もう先まで行ってしまったんだろう、追い越したってのもなさそうだし

 

しかし、さっきまで島の上!って感じだったのに、転移したらすぐ森だもんな。中心部に近いってことなのかねぇ?中心部に近いってことは、多分迷宮区にも近付いてるのかな

 

まあそんなことは今はどうでもいい。それよりこのキノコ、食えるかな

 

「なーなーアスナ。このキノコうまい?」

 

高級って程だからうまいんだよな?

 

「うーん………どうだろう。調理したことないからわからないけど、帰ってやってみる?」

 

「いいのか!?」

 

「うん、いいよ」

 

いやっふぅー!アスナの手料理がまた食えるとは!…………あ、でもクラインが取って来た肉で作ったサンドイッチが今日の弁当だから、どっちみちか

 

でも楽しみだなぁ。高級キノコ、合計で三つ採れたし、結構大きいし

 

「いいよなぁキリトは、アスナの手料理毎日食えるんだもんなぁ」

 

「そう?ありがとね」

 

「俺も彼女がいたら毎日料理振る舞って貰えるんかねぇ…………。今度ピナにでも結婚申請しようかな」

 

いや、まあ出来ないだろうけどね?ピナモンスターだし

 

だがしかし、ここはツッコミ待ちなわけなのだよ。俺はアスナからツッコミが欲しいんです。いや、ピナとは結婚出来んやろー!とか、なんでピナやねーん!とか、そんなツッコミが!

 

さぁ、来い!アスナ!!俺はいつでもウェルカムよ!?

 

「………………」

 

…………あれ?

 

何も来ない、どころかアスナの足が止まってるような気がする。どうしたんだ?なんかマズイこと言ったかな…………

 

俺は恐る恐る後ろを振り向く。そこには暗い顔をして俯いているアスナがいた

 

「ア、アスナ………?」

 

「………ん?あ、ごめんごめんシン君。なに?」

 

「いや………何も」

 

いきなりの変化に戸惑ってしまう。これは、ガチで俺が地雷を踏み抜いたパターンだろう。なんだ?何が地雷だった………!

 

アスナのあんな顔は珍しいと言える。笑った顔、怒った顔、色んな顔をここ最近で見たが、あんな暗い顔は初めて見る。何が原因だったか、さっきの俺の言葉から頭をフル回転させて答えを導き出す

 

キリトを羨んだ時はアスナはまだ笑っていた。だったらツッコミ待ちだったあの台詞

 

まさか…………

 

「結婚申請………?」

 

ピクリと、アスナの肩が動いた

 

「なあアスナ、なんかあったのか?」

 

聞くのも野暮な気がするし恐ろしいが、意を決して聞いてみる。結婚申請と言うことは………またキリト絡みだろう。アスナとキリトは結婚していて、夫婦の状態にある。例えばその状態で結婚申請がされればどうなるんだろう?もしかしたら、キリトが………もしくはアスナが、誰かから求婚されたとかか?

 

「…………そっか、シン君はあの時まだいなかったもんね」

 

アスナはそう呟くと、俺に向き直る

 

「え、えっと………別に無理に話さなくていいんだぞ?」

 

「ううん………出来れば、シン君にも手伝って欲しいし」

 

目と目が合う。その綺麗な目に少しだけ憂いが見え、俺の心の中の不安は余計に募る。そのまま、アスナの言葉に耳を傾ける

 

そして俺はこの瞬間誓った。これ、キリトのせいだったらあいつ絶対ぶん殴る、と

 

 

 

 

 

 





タイトル………思い、つかない……!!

七十七層、まだまだ続くよ!
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