SAOが好きすぎる俺がSAOの中に入っちまった。それもホロウフラグメントなんだけど   作:クラッカーV

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この作品を読んでくださっている皆様方、大変お待たせ致しました。遅くなってすいません


ただ、ただ一つだけ言い訳をさせてもらうとすれば………

俺は悪くない!!デジモンが面白いのが悪いんだ!!だって………!だって誰も教えてくれなかったじゃないか!?あんなに面白いと感じるなんて!!だから俺は悪くないんだ!!

ハマっちまってバトルメンバーもリザーブメンバーも全員レベルMAXだよ!姉からは「廃人の素質あるんじゃないの?」とか言われたよ!廃人に失礼だろうが!?

…………すみませんね、取り乱しました

それじゃ、どうぞ







仮定の話は結構大事だと思う………思います

「そろそろ行くか、シリカ」

 

「はい」

 

あれからシリカを落ち着かせた俺は休憩をする予定だったことを思い出してシリカと一緒に休憩していた。近くにモンスターがいるから、戦闘になるかもしれないと不安だったが、運の良いことに戦闘にならずに十分休憩することができた

 

視線の先でこちらに背を向けている人型のモンスターを一瞥する。見た感じゴブリンだ。恐らくアスナが今日攻略する予定の場所はここから近い場所にあるんだろう

 

「そう言えば」

 

俺はストレージを開く

 

そう言えば転移門を通る前、クエストを受注していたんだった。モンスターからドロップする素材を集めるというものだ。確かトレントからドロップする素材だったはず…………おぉ、ドロップしている。良かった、戻って集める必要はなさそうだな

 

「……………」

 

ストレージを消そうとして…………俺はある一点を見つめる

 

別に何か不思議なものがあったわけじゃない。いや、どちらかと言うとない(・・)から違和感が生じる

 

そこに前まであったのは、アスナとのリンクだった

 

 

 

 

 

 

 

 

七十五層のボス部屋でヒースクリフを倒し、終わるはずのデスゲームは終わらなかった。混乱の中俺達は進むことを決意し、七十六層へと上がったあの日、俺とアスナはポーションの補充の為に商店通りを訪れた。ポーションの残量を確認すると、急にアスナが驚いたような声をあげたんだ

 

俺は最初、ポーション残量が0に近かったから、あまりの少なさに驚いたのかと思った。だけど、それは違った

 

『アイテムの共有が………キリト君とのリンクが、解けてる………!』

 

アスナの口から出た言葉に俺は一瞬耳を疑った

 

急いでストレージを開くと、確かにアスナとのアイテムの共有も切れて、アスナのステータスが見れなくなっていた

 

『ほ、本当だ………』

 

『まさかとは思うけどキリト君………私と、り……離婚、した?』

 

『いや、ない!絶対ない!!間違ってもするもんか!』

 

目に涙を溜めて俺に聞くアスナを必死に宥めながら否定する

 

SAOにおいて、システム上で規定されるプレイヤー同士の関係は4種類。その中の一つが結婚、俺とアスナがこれを共有しているわけだが………結婚と言っても手続きは簡単なもので、どちらかがプロポーズメッセージを送り、相手が受諾すればそれで終了というものだ。実に簡単だ

 

だが、結婚には他の3種類………無関係の他人、フレンド、ギルドメンバーといった具合だが、これらの比にならない変化と言うものがもたらされる

 

大まかにしてしまうとまず第一に自由に相手のステータス画面を見ることができるということ、そして次にアイテム画面の統合化。言わば最大の生命線を相手に差し出す行為だ。だからなのか、アインクラッドでは男性プレイヤーの方が圧倒的に多いからなのかは知らないが、男女間のカップルはあっても結婚まで至るのは非常に稀だ。男女間ということは、同性の間では多いのか?と聞かれるとそれも絶対にないと叫びたい。そもそもシステム的に無理だろう。ネカマならあり得なくもないが、このデスゲーム開始と共に全てのプレイヤーは現実と同じ姿なのだから言うまでもない

 

少し話が逸れてしまった

 

今回のケースは、俺とアスナの結婚という関係……もといリンクがどういうわけか急に切れた、ということだ

 

離婚が出来ないわけじゃないが、俺はアスナと離婚する気なんて全くもってないし、アスナもそんな気はないだろうから、どちらかが離婚申請ボタンを押したというわけではない。それに、申請ボタンを押した場合、相手の受諾がなければ離婚は出来ないようになっている。一方的に離婚する方法もあるが、そうなるとストレージ内のアイテムは全て相手の分になってしまうから、ストレージを見た限りそれもない

 

となると、七十六層に上がってきた時にバグが起こったとしか考えられない

 

取り敢えず、その件についてユイに聞いてみたところ、以前参照したデータから情報を掻き集めて来てくれたらしく、とても有力な情報が手に入った

 

『今、二人が結婚したという値は、システムの不具合が起きた時に壊れてしまったものだと考えられます。

なのでパパとママは《祝福の儀式》というクエストを受けてみてください』

 

《祝福の儀式》、聞くところによるとそのクエストをクリアすることで値が書き換えられ、元の状態に戻せるかもしれないらしい

 

クエストのトリガーは七十七層以上で貰える対になる特殊な指輪。イベントが起こるのは七十七層より上のどこか…………まだ曖昧な状況だが、それでも最初よりは何歩も前進している

 

「キリトさん、どうかしましたか?」

 

「…………あ、いや、なんでもない」

 

気付けばストレージとずっと睨めっこしたままだったようだ。それを不思議に思ったのかシリカが聞いてくる

 

……………さっきはあの森を走って抜けてしまったが、帰りにもうちょっと探索してみるか

 

「行こうか」

 

「はい!」

 

元気の良い返事を聞いて俺は剣を抜く

 

……………俺は正直言って、別にアスナとのシステム上での関係を修復するのに、そんなに急がなくてもいいと思っている

 

アスナのステータスが見れないのは心配だし、不安になるけど………それでも、システム上での値だ。今更俺のアスナへの気持ちが変わることはない

 

例えアイテムが共有されていなくても、リンクが切れていても、心の部分で俺達は繋がっていると信じてるから

 

「……………ふっ!」

 

我ながら恥ずかしいことを考えてるな………そう思い若干頰が熱を帯びるのを感じながら、俺はゴブリンへと剣を振り下ろした

 

 

 

======================

 

 

 

「そんなことがあったのか………」

 

森の中、取り敢えず座れそうな所を見つけて、そこでアスナの話を聞いていた俺は今とっても驚いた顔をしているだろう。今なら睨めっこでも全勝出来そうな顔に違いない…………いや、それはないか

 

しかし驚きだ。まさかそんなイベントが起こっていたとは………

 

「他の結婚していたプレイヤーもそうなってんだよな?」

 

「…………ううん、七十六層には間違って来ちゃった人達以外は皆攻略組だから、結婚してる人とかはいないし、そもそも結婚するっていうケースが稀だから」

 

あぁ、そうか。そう言えば原作でそんなこと書いてあったような気がする

 

しかし、となるとキリトもアスナもシステム的には現在フリーなわけですか…………リズベットがやけにキリトを掻っ攫う態勢全開なのはこれのせいか。なんて厄介なことを、リズベットの目が届かない範囲でこれ以上ハーレム要因を増やさないように、リズベットの目に不本意にもなってる俺の気持ちを考えてくれよ

 

いや、まあね?俺もこれ以上キリトが誰かを落として行くのを見たくないわけよ。俺の心が限界なの!わかる?ねぇ、わかるかな神様!モテ期よ来い!いや、来てくださいお願いします!

 

くっそ、おふざけ半分でアスナに結婚申請でも…………やめよ、普通に殺されるわ

 

「んで、トリガーとなる対の指輪を探してると」

 

「うん」

 

成る程ねぇ…………つかさ、申請すれば結婚出来んのにわざわざクエストにする必要なくない?しかもこんな上層でさ。雰囲気も大事だと思うけど、それだったらもっと下の層であるべきクエストだよな…………いや、実はあったりすんのか?下に行ったことないからわからん。てか行けれないし

 

…………いや、待てよ?下に行けれないからこそ存在してる、ってことか?よくわからんが………SAOのシステム、つまりカーディナルシステムはバグが起きた後でも現在動いてるはずだよな?ゲームからしたら、下に行けれないなんて、それこそ修復するべきバグのはずだ。だとしたら、わかっていながら放置してんのか?でも何の為にだ?……………システムの考えることはわからんな

 

まあいい、今は深いこと考えるのやめよう。多分、まだそんな時期じゃない。恐らくだけど、ホロウフラグメントというこのゲームのメインのメインはまだ始まってない。そんな気がするから

 

そんなことよりも、まずはアスナのことだ

 

俺はゆっくりと立ち上がり、アスナと向き合う。そんな俺を、何かするの?みたいな目で見ているアスナと目を合わせ、俺は左手を顔の前にぃ

 

さぁ、アスナ君。そしてこんな行動に興味が微塵もない………てか、興味というものを抱かないであろうカーディナル君、わかったかなー?

 

 

 

そう!ジョジョ立ち!!

 

 

 

バァーン!という効果音が付きそうなほど勢いよくやる。めっちゃ勢い良く捻ったから少しだけ不快感に襲われるも我慢我慢………これ現実でやってたら体痛めてたわ。勢いつけるもんじゃねぇなこれ

 

「…………なに、してるの?」

 

「ん?………いや、ちょっとやりたかっただけ」

 

そう言うとアスナから絶対零度に近い視線を貰ってしまった

 

…………うん、ぶっちゃけ言うとマジでやりたかっただけなんだよね。いやぁ、たま〜にやりたくなる時あんだよ

 

「なぁアスナ」

 

「あ、そのままで話し始めちゃうんだ」

 

むぅ、嫌ならやめるけど………

 

お気に召さないようなのでジョジョ立ちをやめて座り直す。この世界にジョジョないのかなぁ………?それはそれでショックかも。いや、アスナが知らないだけかもしれないし、まだ希望は捨てない!僕頑張るよ!

 

「それで、何?」

 

「ん?あぁ、ごめんごめん。忘れてた」

 

超高校級の希望を胸に抱きながら頑張るとアインクラッドの天井に向かって想いを飛ばしていたら、アスナのことを忘れていた。あ、ごめん、謝るから!だから溜息吐かないで

 

では、気を取り直して

 

「アスナはさぁ、キリトと出会ってなかったら、って考えるとどう思う?」

 

「え?…………そんなの、考えられないかな」

 

うむ、まあ予想通りの答えです

 

「仮定の話をしようぜ、IFの話だ」

 

そう言いながら俺は、空を見上げた

 

 

 

======================

 

 

 

「仮定の話をしようぜ。IFの話だ」

 

そう言いながら空を見上げるシン君に釣られ、私も上を向く

 

空………正しくは七十七層の天井、青い景色の中に所々白い靄があり、視界の端には木々達の葉が目に入る

 

「もし、俺とアスナが結婚していt「それはないよ」……………」

 

あ、ついつい話を遮っちゃった。でも………うん、それはないかな

 

なに?もしかしてシン君、自分の妄想のこと話そうとしてる?

 

「仮定の話だってば………まあいいや、んじゃあ………もしSAOがデスゲームじゃなかったら、っつう話で」

 

うん、それならいいかな

 

「もしSAOがデスゲームじゃなかったらさ、今頃俺達、こんな必死になってまで攻略なんかしてなかっただろうなぁ」

 

「……………」

 

確かにそうかもしれない。SAOがデスゲーム化していなかったら、きっと今頃私は普通に高校に通って、学校の友達と挨拶したり………でも、きっとナーヴギアは使い続けていると思う。そこでキリト君に会って………きっと、ユイちゃんにだって会える。リズに出会って、友達になって、私の兄も一緒に皆で攻略に行って………あれ?なんだかあんまり変わらないような………ううん、変わるよね。だって学校に通ってるし

 

楽しそうだなぁ………今が楽しくない、ってわけじゃないけど

 

「幸せだろうなぁ。そりゃあ幸せそうだ」

 

シン君がそう呟く声には、少しだけ悲しみが混ざってるように感じた。私はシン君の今までを知ってるわけじゃない。もしかしたら、出会う前までに、辛い出来事があったのかもしれない

 

「だから、その俺にこう願うんだよ。てめぇ不幸になれぇ〜!って」

 

「えぇ!?」

 

不幸を願っちゃうの!?

 

いきなりの発言に私は思わずシン君を見る。シン君はと言うと頭の上で手をヒラヒラとさせていた。まるで不幸になるオーラを送っているようで若干頰が引きつるのを感じた

 

「ま、冗談として」

 

じょ、冗談なんだ………

 

「急に話は変わるけど、平行世界(パラレルワールド)って信じる?

 

平行世界(パラレルワールド)?似たような世界がもう一つある、っていうアレ?」

 

「それそれ」

 

私の言葉にシン君は頭を振って答える。一体何が関係あるんだろう……?

 

私は信じるか信じないかと言われれば………どちらとも言えない。今までそれについて深く考えたことがないから

 

「さっき話した仮定はさ、確かにそん中に存在してんだよ。誰かが言ってた」

 

シン君は両手を上に上げ、ゆっくりと横にスライドさせる。もしかしてあれで表してるつもりなのかな

 

…………それ、本当に正しいの?

 

だって今、突拍子もなく考えた内容だし、それに平行世界(パラレルワールド)自体存在しているとは言えないと思う。存在していない、とも証明出来ないけど、ちょっと不確定要素が多すぎるかな

 

「んで、話は今俺達がいる世界に帰って来ます」

 

上げた両手を目の前まで持ってくる。どうやらアレで表してるみたい。シン君の指先が私の目と一直線に並んでいる

 

「俺達今不幸です。あー、つれー。もうやだ、絶望だわ。希望見えてこないわー」

 

そんな棒読みで言っても説得力ないんだけど

 

「だからさ、そんな時は平行世界の自分を見てみましょう」

 

また両手を上に上げるシン君。結局そっちに戻るんだ………

 

「お、あいつ幸せそうだな!なんであいつ幸せそうなんだ!?俺なのに!あいつが幸せなのに俺だけ幸せじゃねえっておかしくね?ってことは、俺にも幸せ回ってくることじゃね?いやっほい!ヤッタネ!!なんだかやる気が出てきたぜぃ!!

 

……………って感じになるわけよ!」

 

…………うん?

 

「だからさ、アスナ!元気出せよ!!平行世界の自分見て!それに、クエストがあるんだから絶対元に戻るって!諦めたら駄目よ?そこで試合終了しちゃうよ?もっと熱くなれよ!だからこそNever give up!!」

 

「……………ねぇ、シン君」

 

「ん?なに?元気出た?」

 

「もしかして、ずっと励まそうとしてくれてた?」

 

「YesYes!俺も出来るだけ協力するぜぇ。アスナはキリトの嫁ッ!不変の摂理っつうもんがあんのよ」

 

何言ってるかわからないけど…………そっか、私ずっと励まされてたんだ

なんて言うか、もっとコンパクトに出来たんじゃないかなって気もするけど、最初のくだりいる?って気もするけど

 

シン君はシン君なりに、私を励ましてくれてたんだ

 

「ふふ」

 

「ん?………え、なにどしたの。なんで笑ってんの?」

 

「シン君はさ………」

 

うん、シン君は………

 

「バカ、だよね」

 

愛すべきバカ………ってやつ?

 

「what!?なんでいきなりの罵倒!?」

 

「罵倒してるんじゃなくて、褒めてるんだよ」

 

「バカってのは褒める為の言葉じゃねえんだぜ!?」

 

「平行世界では褒める為の言葉かもしれないよ?さ、十分休憩もとれたし、そろそろ行こうか」

 

私は立ち上がって、ギャーギャーと叫んでいるシン君を尻目に歩き出す

 

「ちょ、待てって!なんで?なんで俺、バカって言われたの?」

 

慌てて追いかけて来たシン君の顔は、困惑一色に埋め尽くされている。その顔を見て私は笑いつつ、そう言えばまだお礼を言っていなかったことを思い出した

 

「ありがとね、シン君」

 

「うぇっ…………あ、あい」

 

お礼を言ったのに顔を赤くしてそっぽを向かれた。照れてるんだろうなぁ

 

「頑張らないと」

 

私は剣の柄を握り、気合を入れた

 

システム上のことだけど必ず………必ず、もう一度キリト君と結婚するんだから!

 

 




ロストソングも発売真近ですね。アンケートとってます、是非よろしくお願いします
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