SAOが好きすぎる俺がSAOの中に入っちまった。それもホロウフラグメントなんだけど 作:クラッカーV
こっから頑張っていくよ!多分!!
「これは………」
ホロウエリアの樹海を西の方へ抜けた先、鬱陶しい程の木々やモンスター達をなんとか切り抜け、私はこのエリアの端の方だと思える場所に来ていた
私の目の前には大きな門。この門を潜った先はこの樹海エリアとは全く違う風景が続いている。だけど、通ろうにもどうやら門が閉じてしまっているみたいだ。もしかしたら、こっちのエリアと向こう側を繋ぐゲートなのかもしれない
見渡してみるとちょっとした窪みがある
「この窪み…………あのペンダントと同じ形、だよね」
見覚えのある形だった。これはキリトにあげたペンダントと同じ形だと思う
だとすると、これ以上の探索はキリト達と一緒がいいかな
「そろそろ戻ろう」
この先に今は進めないことがわかった。だったら今日はもう帰った方がいいよね。ここまで来るのに結構時間掛かったから、ちょうど良い時間帯になると思うし
「それに、もしかしたら二人が来てるかもしれないし」
私は身を返して元来た道を戻る
うん、やっぱりパーティの方がいいよね。ここまで来るのにも結構時間掛かったのは一人だったからだし
そんなことを考えながら、そう言えば管理区に今日は誰も来なかったなと思いつつも管理区へ向けて歩く。もしかしたら二人が来ているかもしれない。もしそうならここまで連れて来よう
「……………!」
私の耳に、僅かに戦闘音が聞こえてきた
「近くにプレイヤー………?」
戦闘音の方へ進路を変更する
………これ、急いだ方がいいかな
歩きから走りに変更しながら樹海の方へと入ると、戦闘音の主はすぐ近くだった。ある程度広い開けた場所に出ると、確かにこのエリアの端の方にプレイヤーの姿が見えた
その人は一人で一気に四体のモンスターを相手にしている。白い生地に、ポケットの入り口や裾の部分が黒い服の上にプレートを付けている。右手には片手用直剣、左手にはラウンドシールドを持っていた
そして、何より私の目を引いたのは顔に付けられた狛犬のようなお面だ
「あれは少し危ないか……」
呟いて加勢に走り出す。流石にあの数を一人ではキツイと思う
けど、私のそんな心配は杞憂に終わる
「…………!!」
お面のプレイヤーが放った横一閃のソードスキルにより、四体のモンスターはポリゴン片へとなった
空中で霧散するポリゴン片に囲まれる中、お面のプレイヤーは剣を腰に刺さった鞘にしまい、こちらに顔を向ける
「…………………違う」
「え?」
冷たい声でそう呟いて、お面のプレイヤーは樹海の奥へ消えていった
…………一体、なに?
「それに………」
あの声、どこかで聞いたことがあるような気がした
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「あ〜、疲れたっちゃ」
圏外から戻ってきた俺はエギルの店にて机に体を預けてココアをズルズルと啜る。どうだ、器用だろう?行儀は悪いがな
あの後合流した俺達は四人パーティ仲良く迷宮区を目指した。迷宮区自体近かったから何の問題も無かった。特に危な気もなく、俺もシリカも一度もHPがレッドゾーンに入ることなく変えることが出来ました。流石キリトとアスナでやんす。殆ど俺達の出番なかったでごわす
でも、それと同じくらい特に面白いこともなかったんだよね〜。てか、迷宮区って二十階あるって言っても、一階一階はそんなに広くないのな。だって今日の攻略で五階辺りまでマッピング出来たんだぜ?なんて言うの、なんて言うかさ………まあ、一層に五日程度掛ければ突破出来るって言ってたキリトの言うことがわかったような気がする。まあ、安全マージンとかも含めればもうちょっと掛かるのかな?
てなわけで………いや、何がてなわけでなのかわからないが、アークソフィアへ戻ってきた俺達は解散して今に至るというわけだ。キリトとアスナも、シリカとピナもどっか行っちゃったしなぁ…………エギルの店にも中途半端な時間だからか人は少ない、知り合い誰もいない………エギルと二人きりとか誰得ですか?
「……………あ、今日ホロウエリア行ってねぇわ」
犬飲みのままココアを全部飲み干して、ふとそう思った。ここ最近毎日行ってたような気がするからさ。ほら、習慣ってやつなのだぜ
「なら行ってきたらどうだ」
「…………ん〜、まぁいいっしょ。今日は初めての最前線圏外で疲れに疲れてるのだよマァァァァック」
うん、別にいいよね?新しい一日を開拓するのも大事だと思うよ俺は
「誰がマックだ。変に伸ばすな」
「あぁ、うん。わりわり」
しかし、どうすっかねぇ〜………ホロウエリアには今日は別に行かなくても良いかな、って感じするし。後はもう街をブラブラするかいつもの場所で熟練度上げでもするかのどっちかなんだが
…………うむ
「よし、剣振ってくる」
「おう、行ってこい」
俺は立ち上がりエギルにコップを返すと外へ向けて走り出す
「俺達の戦いはまだまだこれからだ!」
店を出る時にそう叫びながら出たら丁度良く店の前に居たシノンさんに目撃されてしまった
「あ、こ……こんちは」
「………………」
すいませんでした!土方先生の次回作にご期待ください!!
恥ずかしさを噛み締めながらいつもの場所へ来た。もうあんなこと叫びながら走らない、きっと!
「ああぁぁぁぁぁ!!」
さっきの失態を忘れるべく《スモールソード》を取り出し振り回す。きっと俺はタイフーンになれる、そう確信出来るような回転スピードだ。素晴らしいことこの上ないよ
「………………フゥ」
スッキリ♪
額に浮かんだ汗を拭う。回ってたら軽く酔うから回るのをやめて暫く剣を振る
バシャァン
「ん?」
横へ一閃すると何やら手元から嫌な音が聞こえた
まさかまさかとは思いながらも手元にある剣を目の前まで持って来る
…………いや、手元には何も無かった。さっきまで剣があったはずなのに
「……………ボッキリ♪」
そう、どうやらボッキリ剣が折れてしまったそうでな!
「はっはっはっはっはっ………はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
えっ!?何!?なんで折れてんの!?
「why!?なんでや!どこに行ってしまったんでせうかぁぁぁぁ!!」
……………はっ!!
「そうか………剣の耐久値がゼロになったんだな!!」
そうに違いない!だってそれ以外考えられないんだもの
いや、待てよおかしいぞ!剣の耐久値が切れたって…………剣のメンテをしてれば折れることなんてないじゃん!なんで折れたの!?まさかシステムのバグが!?
……………いや、違う!
「そもそも俺、剣のメンテ行ったことねぇじゃん…………」
うん、めっちゃ簡単なことだったわ
いや、鍛冶屋には行ったことあるよ?この前フィリアの武器を強化した時にね。そん時、リズベットとさ
『あんたの剣はいいの?メンテとか』
『ダイジョーブダイジョーブ!また今度すっから!それより早よ早よ早よ早よ!」
『はいはい、早くするからダンダンしない』
みたいな会話したよな、確か
「あん時にフィリア待たしてでもメンテすりゃ良かったぁぁぁぁ!」
俺は頭を抱えて空へと叫ぶ
今回スモールソードだっからいいが、これが他の………アスナから貰った武器とかだったらどうなってたか!アスナに申し訳なさすぎるし一番強い武器を失ったことでただでさえない戦力がダウン!デフレスパイラルや…………あれ、なんか違う
しかし、スモールソードでもダメージは大きい。あのスモールソードは樹に突き刺さった(突き刺した)状態のものを頑張って引き抜いた剣!あの剣には俺の数十秒間の努力と思い出が詰まっているのだ
しかもあれ投げやすいから結構お気に入りだったのに!……………ダメージは少ないけど。あれだよ?与えたダメージによって、あ………あれスモールソードだな、とかわかるんだよ
「はっ!まさか他のやつも耐久値がヤヴァイことになってるのん!?」
これはいかん!!早くリズベットに見てもらわねば!!
慌てた俺は急いでリズベットの店へ向けて走り出した
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「ん〜………微妙ねー」
「そうか?結構いい出来だと思うけど」
俺は剣を振りながら答える
迷宮区をある程度マッピングし、アークソフィアへ戻ってきた俺は、アスナ達と別れリズの店に来ていた。今使ってる剣のメンテが終わり、今はリズの熟練度上げを手伝っている。アスナもさっきまでここにいたが、剣のメンテが終わった後に用事があると言って別れた
と言うか、リズが作った武器を俺が振って出来を確かめるということだ
俺としては少し軽いが、使うには申し分ない出来だと思うんだけどな…………どうやらうちの鍛治士は納得がいってないみたいだ
「少し休憩を入れないか?」
さっきからぶっ通しで続けているから休憩をした方がいいだろうと思いそう提案する
「あ、ごめんごめん付き合わせて。キリトも攻略で疲れてるもんね」
いや、まあそれは大丈夫なんだけど
「しかしあんたも大変ね。シリカだけを連れて行くんならまだしも、シンまで一緒だと大変だったでしょ」
リズと工房を出て店の方まで出てきて、椅子に座り談笑する。するとリズが俺を労うようにそう言った
「案外そうでもないぞ。結構連携もとりやすいし、何より狙ってるのかは知らないが援護が的確な時もある。まあ、それと同じくらいミスをする時もあるけど………」
「結局プラスなのかマイナスなのかわからないわけね」
「いや、プラスだな」
「ふーん……」
なんか怪しそうに俺を見てるが、実際本当のことなんだよな
まあでも、ホロウエリアで《サンクチュアリ》と戦った時はな………次からはあんなミスはしないでほしい
「ま、それなら安心したわ」
そう言ってリズはニッコリと笑った
それから少しの間二人で話をしていた。主に武器の話だったりするが……………そうこうして、そろそろ再開しようかと思ったところ
バタン!
「リズベットォォォォォオオオ!!!」
「うわっ!?」
いきなりドアが開け放たれ、大きな声が響いた
リズは驚愕の声を上げ、俺は思わず肩を跳ねさせた
「リィズベットォォォォォォォォォォ!!!」
入ってきた声の主はリズの名を叫んだ
腰を落とし、拳を握り、まるで仇を前にしたかのように叫ぶそいつを俺は………いや、俺達は知っている
「ルィッズべットォォォォォ!!」
シンだった
「うるっさい!!」
「げぶっ!?」
シンの絶叫の中、リズはハンマーを持ってシンに投げ付けた
そのハンマーは綺麗な円を描きながらシンの頰に突き刺さる。いや、正確にはコードに阻まれるのだが………結構スピード出てたし、あれはトラウマものだな。現に後ろに大きく仰け反って、今床へと転げる途中だ
「な、なにすんだ!この店はお客様にハンマー投げ付けんのか!?」
頰を抑えてなよなよしい座り方をしながらこちらへ向かって怒鳴るシン
いや、自業自得だと思うんだけどな………
「工房まで勝手に入って来て叫び散らす奴を客とは言わないわよ!」
「俺がいつ叫び散らしたって!?」
自分がしたことを理解していないのかっ!?
「ったくよ〜………剣のメンテに来たらいきなりハンマークラッシュくらうなんて。アスナに言いつけてやるからな!怒られちまえリズベットのバーカ!」
自業自得と言うことで片付けられるのが目に見えてるぞ
「バカはあんたでしょ!」
「はぁ!?バカって言った方がバカなんですー!バーカバーカ!……………はっ、言っちゃった!」
「ほーら、バカじゃない」
「にゃにおう?」
目の前で子供みたいな喧嘩が繰り広げられている。もしかしたらリズ、シンに感化されてるのか………?なんだかシンと相違ないように思えるぞ
…………このままじゃ埒があかないな
「それで?シン、どうしたんだ?」
お互いにバカと言い争っている二人を止める為に俺は口を挟んだ。シンがここに来たのには何か理由があるはずだ。まあ、鍛冶屋という時点で何をしに来たのかは大体わかっていた。恐らく強化かメンテナンスにでも来たんだろう
「ん?………おう、剣のメンテに来たのよ。ついさっき剣振ってたらさ、耐久値無くなったみたいで壊れちまったんだ」
「はぁ!?」
リズの大声が響く
やはりと言うべきか、シンの目的は剣のメンテナンスだったようだ。こまめにやっておかないと、レアドロップの武器とかを使ってた場合、壊れたらショックどころじゃないからな。物によっては二、三日は塞ぎ込んでしまうかもしれない
しかし、壊れたって………どうしてもっと早くに来なかったんだ
「あんた!なんでもっと早く来ないのよ!!戦闘中に壊れたらどうするわけ!?」
リズは顔を真っ赤にしてシンを怒鳴る
リズの言う通りだ。今回は圏内での出来事だったから良いとしても、圏外で……しかも戦闘中に同じようなことが起こった場合、咄嗟のことに反応出来ずにやられてしまう。反応出来ればそれで良いんだが………それでも危険過ぎるんだ
まさかシンの奴、中層に居た頃もこんな風だったんじゃないだろうな
「お、おぅふ。そんなに怒らなくても良いではござらんか、次からは気を付けるからさ」
「全く反省の色が見られないわね…………ほら、早く出しなさい。ちゃっちゃと済ますから」
「いや、そこは丁寧にやってもらえると「何か言った!?」何でもございません………」
そりゃあそうなる………
シンがガックシと肩を落としながらストレージから剣とチャクラムを取り出してリズに差し出す。リズはすぐさまそれらを引っ手繰って胸へ抱えた
「全く……武器が可哀想だと思わないわけ?しかも一本台無しにしたとか言ってたわよね………」
「い、いや違うんだよ?俺だって忘れてたわけじゃないし、また今度でいいかなとか思ってただけでしてね?ほら、よくあんじゃん。まだ行けると思ってたけど案外キツくて、んで失敗しちゃったりとか。そんな感じだよねぇわかる?リズベットさん」
彼氏が彼女に言い訳をするように早口でまくし立てている。汗を掻きながら手をシュパパパと動かして言う様はなんとも情けない
「それに壊れたのはスモールソードだったからさ。うん、モーマンタイモーマンタイ!」
「開き直ってんじゃないわよ」
シンの言い訳も終わりリズが工房に向かった
「リズが怒るのも無理はないぞ。シンはまだ出会って日が浅いから知らないかもしれないけど、リズの武器に対しての思いは俺が知ってる鍛治士の中で一番だと俺は思ってる」
…………まあ、リズが専門
「…………悪かったよ。これからは一日に一回は来るよ」
「いや、そんなに頻繁には来なくても良いけど」
まあ、反省してるようだしいいか
……………ん?もしかしてシンの奴、ここに来る前もこんな調子だったんじゃないだろうな
「なあ、シン」
中層にいたって言っていたし…………いや、正しくは中層に上がったばかりなんだったっけ?そうだとしても、一昔前の俺みたいにソロだったって言うのは考えにくいよな。シンの性格上、一人ぼっちだったって言うのも考えにくい
「ん?なに」
だから、今まで注意してくれなかった人がいないとも思えない
「シンは、ここに来る前はどんなことをしてたんだ?」
更に親睦を深めるって言う意味でも、聞いておいてもいいかもしれないな
話す際何もないのもアレだろう、俺はそう思いストレージから飲み物と野宿用のコップを二つ取り出して中身を注ぐ。そしてシンに目の前に座れとと言わんばかりにコップを差し出した
「………………えっ」
…………おいおい、そんな顔はないだろ
俺はシンの引きつった顔に苦笑いを浮かべた
頑張れ頑張れ頑張れ頑張れ俺!
出来るよ出来るよ出来るよ出来るよ俺!
だから模試なんて忘れよう俺!