SAOが好きすぎる俺がSAOの中に入っちまった。それもホロウフラグメントなんだけど 作:クラッカーV
感想とか長い間返せてなくて、申し訳ないです。毎回この作品は次話投稿する時に感想の返信させてもらってるんですが、今回は大分時間空いてるんで返信しないことにします。次からは気付いたら返信させていただくようにするんで、また感想もらえたら嬉しいです
それと、次の話もいつになるかわからないし、この作品自体終わるかどうかわからないんですけど、それでも読んでいただけたら幸いです
それでは、どうぞ
「……………」
ポケーッと虚空を見つめる。現在俺がいるのはホロウエリア管理区だ。ついさっき、息を巻いて出たような気がするが……この現状からじゃあ夢か何かだったのかと勘違いしてしまいそうだ
胡座をかき、右足に肘を乗せて頰をつく
あれからホロウエリアへと乗り出した俺達は、キリトとフィリアが話していた場所へ向かった。現れるモンスターをキリトとフィリアのワンツーコンボで倒したり、偶におこぼれを貰い俺がトドメを刺したり。そんなこんなで数十分で目的地まで着いたわけだ
目的地……キリトが言うには、恐らく次のエリアへの門であろうその場所には、確かにこの前手に入れたレアアイテムと同じ紋様があった
これ開くんじゃね?もしかしなくても次のエリア行けるんじゃね?とテンション上げながらキリトの手からネックレスを奪い取り(本当は許可を貰って貸してもらったのだが)空へ掲げながら
開けゴマァァァァァ!!
と叫ぶも数十秒。全く開かなかった悲しい
キリトが掲げてみても開かなかったことから、キリトの推測ではフロアボスかなんかいるんじゃね?それ倒したら開くよ、とのこと。いや、開けゴマって言わなかったからだと俺は思う(確信)
取り敢えずフロアボスを探そうってことで一度ホロウエリア管理区へ戻る俺達。そう、お気付きだろうか。ここに二回戻ってきてるんです
「……はぁ」
そっからはトントン拍子に進んだ。思い出すと思わず溜息が出る
どこを探すかと協議したところ、まず俺の意見
樹海エリアの奥なんだから樹海の最深部じゃね?
それに意を唱えたのがフィリアだった。樹海はフィリアが粗方探索しているらしい。隠しエリア的なものはないと断言できるそうだ。出過ぎた真似してすんません!
じゃあもうなくね?と諦めかけたところ、どうやら完全に探索できてない場所があるらしい
それが、教会の中である
とあるエリアに、二体のNM……ネームドモンスターがいるらしい。どちらも名前にデュラハンって付いてて、如何にも首が無さそうと言うか、明らかに首ねえだろ強えだろ、と言いたくなるような名前だ。NMは他の敵よりもレベルが高い。フィリア一人じゃキツイから後回しにしていたそうだ
そんなのいたらそこしかねえじゃん、と三人とも思い至る。そしてサザエさんの如くキリトを先頭にその場所へ向かった。教会の近くに転移出来るから速かったね
NMを一匹ずつ引きつけて片付ける。マジで首無かった。そのくせ正確にこっちを狙ってくるんだから驚きである。まあ、俺は離れたところからチャクラムで攻撃していただけだったが………
微々たるものだが、俺も着々とレベルを上げてきている。それに比例して強くもなっているはずだ
「そう、思ってたんだけどなぁ………」
がっくりとうな垂れる
NM共を屠った後、とある扉を見つけた
その扉にはなんと、レアアイテム………三人で見つけたあのペンダントと同じ形の窪みがあった。そこにペンダントを嵌めると先へ進めるようになり、更にその奥……なんだか重苦しい雰囲気を放っている扉を見つけた
その雰囲気は二人も感じ取ったようで、三人で顔を見合わせる
キリトは、この扉を潜ればボス戦になるだろうと予想した。フィリアも同じ考えに至ったらしくその言葉に頷いていた。俺は場違いにも、これがボス戦の雰囲気かー、と呑気に扉を見上げていた
そして次にキリトはこう言う
『しっかりと準備をして挑もう。………ただし、シンは不参加だ』
その言葉に俺は曖昧な返事を一回返した後、言葉の意味を理解してからもう一度『へいぃ!?』と返した。そりゃ驚くよ。だって、直前まで三人で協力してNMまで倒してきたんだから
理由を聞くと、やっぱりボス戦は危ないんだそうだ。まだ早いって言われた
エリアボスと言えど、人数は三人。しかもそのうちの一人は戦力として数えていいのかが怪しい。NMでも俺に対して注意を払ってくれていたのに、エリアボスともなるとそうはいかなくなる………って
それだけじゃなく、NMとは規模が違う
それは大きさという意味もあるし、攻撃がという意味もある。つまり範囲攻撃されたら守るもクソもねえぜってことだ。レベルの高いホロウエリアで紙装甲と呼んでも間違いじゃない俺がそんなの食らってみろ、ゲームからもこの世界からもサヨナラバイバイだ。戻ってくることのない旅に出てしまう
そのキリトからの話を聞き、俺も納得せざるを得ないわけで
そうなると一人で留守番なわけで…………因みに二人は準備を済ませてボス討伐に行ってしまった
「辛いわー、マジ大切にされすぎてて俺辛いわー」
こうやって一人で無力さを噛み締めてるわけだ
二人だけでも十分危ないのにねー。これ以上は一人しか人数増やせないからしょうがないけどねー。え?俺がいるよりマシ?知っとるわそんなこと
それでもやっぱり、こういう時に力になれないってのは結構クるもんだ。数少ないホロウエリア探索メンバーなんだ。俺も早く強くならないといけない。そう、強く思わされた
「………よし!」
だから、一人でも強くなる方法を探そうと思う
俺は立ち上がって転移の準備をする。転移するは次のエリアへと続く門付近。あそこに丁度転移碑があらからだ
「とーちゃく」
一人でポーズを決めながら転移をする
強くなる方法を探してみようとは言ったが、もう既に一つ思いついている。早速近くにスケルトンが現れたので試してみることにした
チャクラムを構え、ギリギリ届く距離まで詰める。そして投擲。当たるのを確認して………直ぐに樹海の中へ逃げる!こちらにタゲを付け、追いかけてくるスケルトン。俺はさっき見つけておいたある程度太い木を軸に、ギリギリ引きつけて回る
出てきたところをもっかいチャクラム投げて、また走り出す。そして次の木を同じ要領で回る
「名付けてヒット&アウェイ戦法!」
これを続ければ攻撃をくらわずにいつかは倒せる!
『〜〜〜〜!!』
「おぉっとぉ!?」
倒せる、はずなんだが………ちょ、速い
待って待って速くない!?こんな速かったっけ……ちょ、危ない!?掠った!
クイックチェンジで剣に持ち替えて2Hブロックでガードする。無理矢理押し込もうとしてきやがる………!!マズイな、非常にマズイ。動けないんですけど!
早速失敗してるぜどうすんだよコレェ…!今更ながら自分の浅はかさを呪いたくなるくらいだぜ。ノリで試すようなことじゃなかったなこれ。キリトか誰かが見てる前でやれば良かった。時間が巻き戻るのならば急いで巻き戻してほしい
必死に受け続けていると、スケルトンが剣をもう一度振りかぶった。チャーンス!
振り下ろす前に横へステップで避ける。そのまま転移碑まで猛ダッシュ。後ろを振り返っては絶対にいけない。振り返った瞬間にバッサリいかれそうな気がする
「ホロウエリア管理区!!」
転移碑にタッチと同時に叫ぶ。そして視界が変わる。なんとか無事に帰れたようだ。安堵の息を吐いてその場にへたれこんだ
イケると思ったのに大失敗である。なんだあれ意外にも速かったんですけど。あんなに速かったっけ?大抵タゲを取ってもすぐ他の人に移るからなぁ………
「さて、どうしたもんか……」
また胡座をかいて考える
ヒット&アウェイ戦法、良いと思ったんだが………やっぱりそれを活かせる速さが必要になるのか。なんかいいスキルないかな?一瞬で他の、それも離れた場所まで移動できるとかそんな感じの
でも、そこまでいったらもう魔法の域か。言ってしまえばテレポートだもんな、それ
「……………あん?」
テレポート?
「テレポート……転移?」
転移門を見て呟く
「ヒット&アウェイ。転移……いけるか?」
敵に攻撃を当てる。すぐさま転移。俺大勝利?
「いや、待てよ」
そもそも、さっき戦ったスケルトンはまだあそこに残っているのか?
俺が考えた戦法、それはまさにヒット&アウェイと言うか、ヒット&転移
転移碑の近くで待機しておき、敵が来たら攻撃を当てる。そしたらすぐに転移して管理区へ。少し時間をおいてまた転移し直し、敵に攻撃
だけどこれには問題があって、転移を繰り返してる間も敵がそこに残っているかどうか。そして、HPがそのままの状態なのかどうかだ。普通考えたらリセットされてるのが普通だ。だけどここはSAOの中、例外はあるがプレイヤー個人個人にマップデータが割り当てられているわけじゃない。俺がこうしてる間にも、あの場所で誰かがあのスケルトンと戦っていたら………その戦いに俺も参戦出来るはずだ。つまり、リセットされていないことになる
ただ少し気になるのが、今までフィールドを闊歩している状態の敵に出くわしたことがないということだ
あいつらは俺達の前に現れるとき、決まってエフェクトと共に現れる
つまり、プレイヤーの視界に入ってないとポップしない?と言うことは、プレイヤーの視界から外れれば、すぐにとはいかないが敵も消える……?
「こればっかりは試してみるしかないな」
百聞は一見に如かず、そんなことわざもあるぐらいだ。ちょっと見るだけならいいだろ。ちょっとだけ、先っちょだけだから
もう一度気を引き締めて、さっきの場所へ転移する。周りにさっきのスケルトンがいないか急いで見渡す
「………!」
結論から言うと、スケルトンはいた
だが……
「はっ!」
「やぁ!」
見つけてすぐに、二人のプレイヤーによってポリゴン片へと変えられたところだった
プレイヤー……俺達三人以外のプレイヤーを見るのは、実はこれが初めてだ。キリトとフィリアから、偶にプレイヤーを見るとは聞いていた。だけど、そのプレイヤーはどれも変な奴らばかりらしい。と言うのも、何か命令を受けているかのように一つの行動に執着しているんだとか。キリトが会ったプレイヤーは、HPがレッドゾーンだったにも関わらずに目的地に向かって進んでいたらしい
初めてキリトと会った時、転移させられたプレイヤーは珍しいとか言ってたが……意外にもそうじゃないのか?でも、キリト達から聞いたプレイヤーの様子を聞くと、どうも何か怪しいというか……
「あ!お兄さん、人だ!」
「お兄さんも人ですけど?」
「もう、そういうこと言ってるんじゃないってば」
あちらもこっちに気が付いたらしい。俺は思考を中断して、近付いてくる二人に視線をやる。片方は……なんだあれ、狐みたいなお面をした奴が一人、さっきまでこっちに歩いて来ていたみたいだが、今は立ち止まっている
そしてもう片方が、紫がかった髪の少女。耳はリーファみたいに尖ってて………
そこまで考え、その少女の顔を見て俺は止まる
「やっと他の人に会えた!」
…………嘘だろ?
俺に笑顔を向ける少女は、紛れもなく俺の知っている少女。だが、このSAOの中にはいるはずのない少女だ。何故こんなところにいる?何故SAOにいるんだ
「こんにちは!」
……いや、思い出した。そうだ、確かにそうだ。公式サイトに載っていたはずだ今思い出した
「ボクの名前は……」
この子の名前は……
「ユウk
首に衝撃が走る
「っが!?」
何が起きたか認識する暇もなく、転移碑に押し付けられた
目を見開くと、目の前には変なお面。こいつは、もう一人の……!!どうやらこいつに首を押さえつけられているらしい。腕を掴んで睨みをきかせる。首の違和感が半端じゃない。後ろの少女……ユウキも硬直している
「………お前の、大事な物はなんだ」
目の前のお面はそう俺に問い掛けた。わけがわからない
「なに、言ってやがる……離、せ!」
「言え!お前の探してる大事な物ってなんだ!!」
「はぁ!?なんだよ!わけわかっかんねぇ……よ!」
無理矢理腕を振り払う。本当に、本当にわけがわからない。大事な物?俺が探してるって?俺が探してんのは強くなる方法だけだ馬鹿野郎。まさかそのこと言ってんのか?そんなわけあるめぇよ
「なら、もう良い」
「あん?…………おい……!」
目の前のお面野郎はそう言って剣を抜いた。こちらに向けて構えている。面の下の目が鋭く光ったような気がした。突然のことで、それを呆然と眺める。なんでこいつは俺に剣を向けている?
わけがわからないまま、剣が振りかぶられ
「お前からドロップするかもしれないしな」
真っ直ぐ俺に振り下ろされた
「ダメ!!」
突如響く金属音。思わず目を瞑っていた俺はその音に目を開き、目の前に俺を背にした紫の剣士。お面野郎の剣を、その黒曜石のような剣で受け止めている
「……何してんだ。邪魔すんなって最初に言わなかったっけ?」
「お兄さんこそ何してるのさ。それに、人が見つかるまでって約束だったはずだよ」
どうやら、俺はユウキに助けられたらしい
「人、だぁ?」
そう言うお面野郎の目が、ギョロリと俺を見た。なんで人、ってワードで疑問符浮かべてんだよどう見ても人だろうが
ほぼ睨まれてる状態だったので俺からも睨み返す。するとお面野郎は舌打ちをして剣を下げた。完全に剣を収めたのを見て、ユウキも剣を収める
「………ごめん」
「は?……や、うん」
なんかいきなり謝ってきた。いきなり切りかかってきたと思ったら今度はいきなり謝るなんて、本当にわけのわからないお面野郎だ。こっちは内心ヒヤヒヤだったぞ。いきなりが続きすぎてまたいきなり切りかかってきそうで怖いんだが
「ごめんね、お兄さんも悪い人じゃないんだ。ちょっと頭がおかしいだけなんだ。………それでもいきなり切りかかるのはどうかと思うけど」
「………会って間もないのに頭おかしいと思われてるってどういうこと」
「日頃の行いかな」
「お前が俺の何を知ってんの……!?」
そしていきなり自然と話し始める目の前の二人。俺は一体何を見せられてるんだろうか。て言うか、ユウキと仲のいいこいつの中身は誰だ?インパクトありすぎてユウキがここにいることに対しての驚きが吹っ飛んだんだけど
しかも会って間もないのか
………となると、ユウキはSAOに来たばかりなのか?俺が考えるに、リーファと同じ方法……というか原因でSAOに来ているんだと思うが、まずリーファがどうやって来たのか知らないからな。今度それとなく聞いてみるか?
しかし、俺はリーファがSAOに途中参戦しているってことを、知らないことになってるから………目の前の二人が俺を置いて話しているので、顎に手を置いて考える。すると、ユウキが「そうだ!」と手を叩いた
「さっきはお兄さんが邪魔しちゃったから、改めて自己紹介するね。ボクはユウキ、よろしくね」
「シンって言います。シンお兄さんとでも呼べば?」
「よろしくね、シン。あ、この人は狛犬お兄さんって呼べばいいって」
華麗にスルーされたんですけど。なんか慣れてない?お面のことは狛犬野郎でいいだろう
にこやかにスルーするユウキを見てちょっと苦笑い。あのお面野郎の相手で慣れているんだろうか。会って間もないのにそれってどうなの?あいつそんなに頭おかしいのか………そりゃ切りかかってきたのに納得ですわ
「ねえ、シンはどこを拠点にしてるの?この辺に人の集まる場所ってないかな」
ユウキにそう聞かれる。人の集まる場所……普通に考えて街のことだろう。しかし、この辺?ホロウエリアでそんな場所を見た覚えはないんだけどな
いや、来たばかりなのだからしょうがないのか
俺は転移碑に手を置いて答える。ユウキの後ろの狛犬野郎が辺りをキョロキョロと見渡しているのが気になった
「これで転移出来るんだけど、この先にホロウエリア管理区って場所があるんだ」
「管理区?」
小首を傾げるユウキ。ちょっと可愛いと思った
「そ。そこからまた転移するんだけど、アークソフィアってとこなら人がいるぜ」
「本当に!?ありがとう、シン!早速行ってみるね!」
そう言ってすぐに転移碑に触れて転移していくユウキ。なんだかすごく急いでいるというか、目的をいち早く達成したいという感じがありありと見て取れた。SAOに来たのと何か関係が?
考えてもわかることでもないので、俺も後についていこうと考えて転移碑に触れる。そこで狛犬野郎に顔を向けた
「なぁ、あんたは」
行かないのか?そう声を掛けようとした時、ちょうど誰かが転移してきた。その誰かはさっき転移していったユウキで、どうやら俺達が来ないから呼びにきたようだ
「行かないの?」
ユウキが狛犬野郎に向けて声を掛ける。狛犬野郎は辺りを見渡すのをやめて……てか、まだキョロキョロしてたのか……こちらに顔だけ向けた
「俺はいいよ。さっきお前も言ってたけど、人が見つかるまでって話だったろ?俺のことなんか気にせずに行っちまえ、せーせーすらぁ。もう来んなよ」
ちょっと照れ臭そうに頭を掻きながら狛犬野郎は言う
「そっか………また来るね」
「おう、また会いに来い。会えたらな」
………いや、なんだそりゃ。言ってること違うぞ
「あはは、さっきと言ってること違うね。やっぱり変なの」
ユウキはそう笑って、俺に顔を向ける。俺は頷いた
「ちょっと待て」
「?」
「お前だけは戻って来い。絶対だ」
俺を指差し、狛犬野郎はそれだけ告げてまた向こうを向いた
「は?あぁ、わかった」
曖昧に返して、管理区に転移した。そして、すぐにユウキとアークソフィアへと向けて転移を開始する。いつもの場所に帰ってきた俺は、ユウキをどこに案内すればいいかを考えた
やっぱりまずはエギルの所だろうか?
「ありがとう、シン。ここからはボク一人で大丈夫だから。それじゃあね!」
「え?あ、おい……」
折角考えていたのに、ユウキは俺のそんな内情を知らずに行ってしまった。ちょっと寂しくなんかない。決してフレンド登録したかったとかそんなんじゃあない。ほ、ほんとだぞ
行ってしまったのは仕方がない。なんか知らんが、狛犬野郎が俺を呼んでるのでさっきの場所まで戻るとしよう。本当に、さっきから急展開過ぎて笑えない。今更ながら凄いことが起こってるぞ………ユウキの参戦、わけのわからないプレイヤー、ユウキの目的とは一体?それに、狛犬野郎の用ってのは……?
「来たぞ」
空を見上げる狛犬野郎の背中へ投げかける
「……来たか」
ゆっくりと、俺と向かい合わせた
暫く沈黙が続く。呼んだのはそっちじゃなかったか?どうすればわからず、頭を掻く
「もう一度聞く」
向こうが口を開いた
「お前の大事な物って、なんだ?お前は………本当に、プレイヤーなんだな?」
またその質問か
「わけのわかんねえこと言うなよ。大事な物がないってわけじゃないんだけど………てか、プレイヤーじゃないってなに。カーソル見えない?明らかにプレイヤーでしょうが、あぁん?」
「あぁ、もういい。わかった、わかったよコンチクショー。くそっ、わけわかんねえのは俺の方だ」
何やら向こうも混乱しているらしい。顔、というかお面を押さえてなんか唸っている
「………いいか、今からお前は信じらんねえもんを見るだろうが、パニクんなよ?首も締めにくんな、切り掛かってもくんな。絶対だぞ」
そう言って狛犬野郎はお面に手を掛ける
何言ってんだ?てか、そのお面外す気のか?
「忠告したからな。絶対だぞ。言ったからな?」
何度も俺に確認をとりながらお面を外していく。段々露わになっていくその顔を俺は視界に収めた
「………ぁ?」
辛うじて出せる声なんて、そんぐらいのもんでしかなかった
実際に体は別なのに(直接SAOの中に来たと俺は思ってる為、俺はどうなのか知らないが、多分そうだ)心臓が脈打つのが速くなる感覚。どんどん息が荒くなって、体の底が冷え上がっていく
目の前に立っているこいつの顔から目が離せなくなる。思わず目を何度も何度も擦っても、消えることがない
信じられない、嘘だ、そんな筈があるか、おかしいだろ?は?
「………嘘だろ」
目の前のそいつの顔は、俺にそっくりで
いや………
俺の目の前には、俺が立っていた
やっとこの作品でやりたかったことが一個できた……!