今回は地の文を前回よりも多くしました。
そのせいもあって今回は字数が一万オーバーになってしまいました。
今回と前回の書き方のどちらが良いか、読まれた方は良ければコメントしてくだされば助かります。
それでは、第二話をどうぞ。
~デュエルアカデミア~
遊香の転入試験の翌日、制服に袖を通してアカデミアにやって来た遊香は校舎に入って直ぐの所で昨日の試験デュエルを観戦していた内の一人であるアキに出会った。
「おはようございます、十六夜さん」
「おはよう、涼風さん」
「遊香で良いですよ。
その代わり、私もアキさんって呼んでいいですか?」
「ええ、もちろんよ私も遊香って呼ばせてもらうから。
ついでに、敬語も止めたら?」
アキの言葉に今まで体の前で組んでいた手を頭の後ろに移動させながら、肩に入っていた力を抜いて自然体で話し始めた。
「それじゃあ、そうさせて貰いますよっと。
いやぁ、転入初日くらいは敬語使った方が良いかなぁとか思ってたけど、やっぱ慣れないことすると疲れちゃうね」
「ふふっアカデミアの皆はそんなこと気にしないから、無理して敬語を続けてたら逆に気を使われたかもね」
「あー、それは勘弁だわ」
「そういえば、遊香のクラスってどこになるの?」
「昨日デュエルの後で影城先生に聞いたら、アキさんたちと同じクラスだって」
「なら一緒に行きましょう、案内するわ」
「ありがとう、その言葉に甘えさせて貰うよ」
「どういうことか説明して頂きたいであります!」
二人が並んで話しながら歩き続け職員室の前を通りかかった時、職員室から声が聞こえて来て二人は足を止めて開けっ放しになっていたドアから職員室の中を覗き込んだ。
~職員室内~
「どうして、転入生の試験デュエルを在校生にさせたのか説明をしていただきたいであります!」
遊香達が職員室の中を覗き込むと、三角メガネを掛けた独特な髭を生やした男性教師が向かい合って立っている華依を怒鳴りつけていた。
「だから、さっきから言ってるじゃないッスか。
他の先生の手が空いて無かったって」
「ですから!
なぜ、授業が終わった後にしなかったのかを聞いているであります!」
「あー、私昨日ちょっと急用があって放課後残れなかったんスよ。
だから、あの時間にしたんスよ」
「だったら事前に連絡を入れれば良かったのであります。
そもそも生徒が相手ではまともな判定にはならないであります!」
「・・・生徒の方が下手な教師がするよりよっぽどマシだっての」
男性教師の言葉にムッと来た華依はわざと聞こえるくらいの声で言うと男性教師は片眉を上げて華依に聞き返した。
「なんでありますと?」
「だから、アンタみたいな口だけ教師よりも生徒の方が試験の相手に相応しいって言ったんスよ、ハイトマン教頭?」
「な、な、なぁっ!?」
華依の挑発で顔を真っ赤にするハイトマン教頭に華依はさらに追い打ちをかけるように言葉を続けた。
「なんなら、私が証明してあげても良いッスよ?
あんたが頭でっかちの口だけ教師だって事」
「じょ、上等であります!
そこまで言うなら勝負であります!ただし、ワタクシが勝った場合は即刻このアカデミアを退職してもらうであります!」
「了解、私が勝っても特にしてほしい事とか無いんで、安心して下さいねぇ」
「ぐぬぬっ!
勝負は放課後、体育館で行うであります!
それまで辞表でも書いておくが良いであります!」
ハイトマン教頭がそう言って自分の席に戻っていく姿を見ながら華依は頭を掻きながら中断した仕事に戻っていった。
~アカデミア校内通路~
職員室での二人の会話を聞いた遊香とアキは困惑した表情で互いの顔を見て、いつまでも職員室の前にいるのは不味いと思い再び歩き出しながら会話を始めた。
「さっきの声って、一人は昨日の影城先生だよね?」
「ええ、もう一人はこのアカデミアの教頭でハイトマン先生。
ちょっと前までは頭の固い先生で生徒たちからの評判も良いとは言えなかったけど、最近は生徒たちからも色んな事を教えてもらえる良い先生になったって声を良く聞くのよ」
「へぇ、何か心境を変えるような事でもあったの?」
遊香がアキに質問するとアキは嬉しそうに微笑んで少し遠くの方を見ながら答えた。
「ええ、少し前に私の知り合いが校長先生からの依頼で教頭先生とデュエルして、教頭先生の考えを変えさせたの」
「なるほどねぇ、そういう事か。
あ~、暑い、暑い」
アキの答えを聞いた遊香はニヤけた顔を手で仰ぎながらアキの方を目だけを向けて見ると、少し歩く速度を上げてアキの前に出て振り返った。
「な、なによ、いきなり?」
「いやいや、外見の印象はイケメン系女子なのに実際は恋する乙女なアキさんを転入早々見れて私は幸運だなぁって、思っただけですよっと」
「こ、こ、恋!?」
「ふふっ、いや~青春ですなぁ」
遊香の言葉で一気に顔を真っ赤にしたアキを見て、堪えきれずに噴出した遊香はアキが復活する前に移動を再開し、アキはそんな遊香の後を追って動き出した。
「ま、待ちなさい遊香!」
「ほらほら、ゆっくりしてたら授業始まっちゃうよ~?」
「くっ、覚えてなさいよ!」
遊香とアキはその後も雑談をしながらクラスに向かい無事に教室に着くと、遊香の転入挨拶や授業が一通り進んで行き、昼休憩の時間となり遊香はアキに案内されて食堂にやって来た。
~アカデミア食堂~
遊香がアキに連れられて食堂にやって来ると、先に席を確保していた開花が二人を見つけて手を振って呼びかけ、それを隣に座っている麗華があきれた様子で見ていた。
「おーい、二人ともこっちだよ~!」
「はぁ、まったく嶺さんはもう少し静かに出来ないのでしょうか?」
そんな二人の様子を見て苦笑いしたアキは遊香を連れて二人の座っている席に向かって行った。
「ごめんなさい、遅くなっちゃって」
「いえいえ、全然遅くなんてないですよ」
「ええ、私たちもさっき席に着いたばかりですから気にしないでください」
アキと遊香が二人の所にやって来たアキと遊香は空いている席に座って昼食として買ってあったパンを取り出して食べながら今朝の事を話始めた。
「遊香、今朝の先生たちの事どうするの?」
「うーん、私も当事者だし出来れば見に行きたいよ、先生たちのデュエルにも興味あるし」
「えっと何の話?」
遊香とアキが何の事を話しているのか気になった開花が質問すると困った表情で今朝職員室で聞いた内容を開花と麗華に話した。
「昨日さ、私の編入試験をしたじゃない?」
「うん」
「それで、その試験の相手を嶺さんがすることになったのって、影城先生が他の先生に黙ってやった事みたいでさ、その事を教頭先生に怒られたらなんか影城先生の退職を掛けたデュエルをするって話を偶然聞いちゃったのよ」
「えっそれじゃあ私の成績の加点は!?」
遊香の話を聞いた開花の反応に遊香とアキは苦笑し麗華は呆れて溜め息をついて開花を見た。
「な、何、皆その反応は?」
「全く貴女という人はどうしてそうなんですか。
もし影城先生が負けて退職なんて事になれば加点云々の話ではなく今までの成績そのものが無効になりかねないんですよ?」
「げっマジで?」
「当然でしょう。
退職となれば影城先生が受け持っていた授業は別の先生がする事になるでしょうし、そうなれば授業内容や加点方法も変わりますから」
麗華の言葉を聞いて開花は机にうつ伏せとなり乗せて頭を抱え出した。
「うぅ、影っちの授業だけは何とか平均以上の成績なのにそうなったら不味いよぉ」
「ねぇ、原さん。
嶺さんってそんなに成績悪いの?」
「麗華で良いですよ。
嶺さんはテストの点は悪くないんですが、出席日数が少なくてその分成績が悪くなってしまってるんですよ」
遊香の質問に苦笑いを浮かべながら麗華が応えると、遊香はさらに質問を続けた。
「出席日数が足りないってアルバイトか何か?」
「ええ、まあそんなところですかね」
「まぁ、その話はちょっと置いておくとして。
私は行こうと思うけど、先生たちのデュエル見に行くの?」
遊香と麗華の話がひと段落着いた所でアキが遊香達にデュエルを見に行くかどうかを聞いた。
「私も行こうと思うけど、皆は?」
「私も行くよ!
影っちに勝って貰わないと、私の成績が掛かってるし!」
「すみませんが、今日の放課後は外せない用事が有るので私は遠慮させて貰います」
アキの質問に遊香と開花が行くと応え、麗華が用事が有って行けないことを伝えると、四人のすぐ後ろでその話を聞いていた二人の女生徒が遊香達に話しかけてきた。
「それなら、私達が代わりに行っても良いか?」
「あら、
「・・・ん」
アキが振り返って見ると、赤いキャップを被った女生徒、ジャッカル
「華依の姉御のデュエルとなりゃあ、見に行かない手はねえからな」
「・・・初見、興味が有る」
「そう、なら一緒に行きましょうか」
この後、昼休憩の時間が終わりに近づいた事もあり遊香と岬達は軽く自己紹介をするだけで食事に集中し、食べ終わると午後の授業の準備の為に自分たちの教室に向かった。
~体育館~
午後の授業も問題なく進んで行き、問題のデュエルが行われる放課後となると遊香達は岬と恵を連れて体育館にやって来た。
「ん?
なんだ、お前らこんな時間にこんな所に大勢で来て」
「いえ、今朝職員室の前で偶然先生たちの会話を聞いてしまって、少し心配になりまして」
体育館に着くと既に華依とハイトマン教頭がデュエルの準備を始めており、遊香達に気付いた華衣が此処に来た理由を尋ねて遊香が応えると、華依は困った顔で頭を掻いた。
「あー、聞かれてたのか。
てか、コイツと十六夜にアイドル娘はともかく後の二人は関係ないだろ、何で居んだよ」
「・・・デュエル観察」
「姉御のデュエルを見れる機会なんて全然なかったからさ、私達気になって付いて来たんだよ!」
「そうか。
まぁ、見られて減るもんでもないから私は良いんだが・・・」
遊香達がデュエルを観戦する事を聞いた華依がハイトマン教頭の方を向きながら言葉を切ると、ハイトマン教頭は準備を終えたデュエルディスクを構えて遊香達の方を向いた。
「ワタクシの方も問題ないであります。
ただし、教職員同士のデュエルを観戦するのでありますから、良く観察して後日レポートにして提出するでありますよ?」
「うげっレポートかよ」
「当然であります。
これも授業の一環、デュエルを良く観察しレポートに纏めることで自らのデュエルにも生かすことが出来るでありますからな」
「「・・・はーい」」
ハイトマン教頭の言葉に嫌な顔をしていた開花と岬がしぶしぶ了承すると、その姿を見て遊香とアキは苦笑して恵は無表情のままで教頭の方を向いて頷いた。
そして、華依もデュエルの準備を終えるとハイトマン教頭と向かい合ってデュエルディスクを構えた。
「それじゃあ、始めるッスか教頭先生?」
「では」
「「デュエル!」」
ハイトマン教頭 LP4000
華衣 LP4000
お互いにデッキからカードを5枚ドローするとデュエルディスクに搭載されている先行、後攻を決める装置によってハイトマン教頭が先行でデュエルが始まった。
「ワタクシのターン、ドロー!」
「手札からフィールド魔法《
ハイトマン教頭がフィールド魔法を発動させると古くなって錆びついた歯車や機械が一面に広がるフィールドへと周囲の景色が変化した。
「そして、《歯車街》の効果でリリースするモンスターの数が一つ少なくなっているので、《
《古代の機械合成獣》 攻2300 守1300
「そして、カードを1枚伏せてターンエンドであります」
ハイトマン教頭 LP4000 手札3枚
ハイトマン教頭が機械の体をした獣の姿のモンスターとセットカードをフィールドに出してターンを終了させると華依は自分の手札を見て微妙な表情をしながらデッキからカードをドローした。
「私のターン、ドロー」
「モンスターをセット、カードを2枚伏せてターンエンド」
華衣 LP4000 手札3枚
華依がモンスターとカードをセットしただけでターンを終了すると、ハイトマン教頭はその行動とターン始めの表情から手札が良くないと思いつつも気を引き締めてデッキからカードをドローした。
「ワタクシのターン、ドロー」
「ふふっ手札が良くないようですが、手加減等しないであります!
手札から速攻魔法《ダブル・サイクロン》を発動であります!」
「《ダブル・サイクロン》の効果でワタクシの場の《歯車街》と影城先生の場の右側のセットカードを破壊するであります!」
「チッ、意味ねぇけど使わないよりは良いか。
その効果にチェーンして選択された罠カード《ブレイクスルー・スキル》を発動!
《古代の機械合成獣》を選択してこのターンのエンドフェイズまで効果を無効にする!」
ハイトマン教頭が魔法カードを使用すると、フィールドに二つの竜巻が発生しハイトマン教頭の場の《歯車街》と華依がチェーン発動した罠カード《ブレイクスルー・スキル》が破壊され墓地に送られた。
「この瞬間、《歯車街》が破壊され墓地に送られた事で効果が発動し、デッキから《アンティーク・ギア》と名の付くモンスター《
《古代の機械巨竜》 攻3000 守2000
フィールド魔法が破壊された事で周囲の景色が変化していき、元の体育館に変わるとハイトマン教頭の場に前のターンに召喚したモンスターの他に巨大な機械のドラゴンが出現した。
「それにしても、破壊したのはフリーチェーンで発動できた罠カードでありましたか。
まぁ、今の状況ではあまり影響の無いカードでありますから問題は無いでありますな」
「では、少々手札の消費が激しいでありますが、ワタクシの本気を見せるであります!」
ハイトマン教頭は破壊した華衣の場のカードを確認するが華衣がどんなデッキなのかを判断することが出来ず、少し考え込んだが直ぐに手札から魔法カードを発動させた。
「手札から魔法カード《
手札の《
「現れるであります!
デュエルアカデミアに代々伝わる《アンティークギア》デッキ最強のモンスター《|古代の機械究極巨人《アンティーク・ギアアルティメット・ゴーレム》》!」
《古代の機械究極巨人》 攻4400 守3400
ハイトマン教頭の場に4本足の機械の巨人が現れると、観戦している遊香達から驚きの声が上がった。
「アルティメット・ゴーレム!?」
「あれ、4400でまだまだって思っちゃった私って・・・」
「・・・パワボン、巨大化、リミ解、ダブルアップのセットが無いだけまし」
「いや、それ全部あったら流石に引くよ?」
「姉御、がんばれー!」
アキはハイトマン教頭が召喚したモンスターに驚き、開花は昨日の試験でのデスサイスの攻撃力と比べてしまった自分に若干落ち込んでしまい、攻撃力を倍加させるカードばかりを上げる恵に遊香がツッコミを入れ、そんな4人を無視して岬だけは華依の応援を続けていた。
「まったく、応援してんの岬の奴だけじゃないか」
「オホン、デュエルを続けても?」
「あ、すみません、どうぞ」
華依が遊香達に気を取られているのを見たハイトマン教頭が声を掛けると、華依は再びデュエルに意識を集中させた。
「では、メインフェイズ1を終了してバトルフェイズに入りますが、何か発動するカードは在るでありますか?」
「じゃあ、バトルフェイズ開始時に罠カード《
このターン中、私の場のモンスターは破壊されず私へのダメージを0になる!」
「それでは攻撃をしても無駄でありますな、私は攻撃はせずにそのままターンエンドであります」
ハイトマン教頭 手札0枚 LP4000
華依の発動させた罠カードの効果でモンスターを破壊出来ずダメージも与えられないため、ハイトマン教頭は攻撃をせずにターンを終了し、華依のターンとなった。
「私のターン、ドロー!
よし、ここから一気に行かせてもらうッスよ!」
「フッどこからでも掛かって来るが良いであります!」
華依はドローしたカードを確認するとハイトマン教頭に啖呵を切り、自身の場にセットしているモンスターを反転召喚した。
「まずは、セットしているモンスター《シャドール・ヘッジホッグ》を攻撃表示に変更してリバース効果!
デッキから《シャドール》魔法カード《
「《シャドール》でありますか、確か新しく出たカテゴリーの内の一つでありましたな。
手札に加えたカード名からして《ジェムナイト》の様な融合を主軸にしたデッキという事でありますか」
ハイトマン教頭が華依が手札に加えたカードから華依のデッキが融合主体のデッキと予想しその事を口にすると、華依は少し驚いたがそのままデュエルを続行した。
「カード1枚の名前だけでそこまで解るのは、流石教頭先生ってことか。
だけど私のする事に変わりはない!」
「私は手札に加えた《影依融合》を発動!
このカードは《シャドール》融合モンスター専用の融合カードであり、手札または場の《シャドール》モンスターと融合モンスターによって決められた属性のモンスターを墓地に送って融合召喚を行う」
「早速融合カードを使用でありますか、ですが残り手札4枚の内最低2枚を消費してワタクシの場を突破出来るでありますか?」
ハイトマン教頭が華依が手札を消費した状態で自分の場のモンスターを突破出来るのかを問うと華依は悪い笑みを浮かべてその言葉に答えた。
「手札2枚消費?
何言ってんスか、私は手札消費無しで融合するんスよ!」
「なんでありますと!?」
「《影依融合》は1ターンに1度しか使用できない制限がある代わりに相手の場にエクストラデッキから特殊召喚したモンスターが存在する時、デッキのモンスターを融合素材にすることが出来る!」
「デ、デッキのモンスターで融合でありますと!?」
華依が《影依融合》の効果を説明するとハイトマン教頭はその効果に驚きの声を挙げ、遊香達も驚いて互いの顔を見合わせた。
「デッキ融合って、そんなのアリ!?」
「私、さっき先生が言った素材指定で嫌な予感がするんだけど」
「奇遇ね、私もよ」
開花はカードの効果自体に驚いたが、遊香とアキは融合モンスターの素材の片方が属性指定である事にある可能性を感じて冷や汗を流し始め、岬と恵の二人は驚きで声を上げる事も出来ずにデュエルに集中し続けていた。
「教頭先生の場にエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが存在しているので、私は《影依融合》の効果でデッキから《シャドール・ビースト》と光属性モンスター《
「天より堕ちし闇人形の天使よ、今ここにその姿を現せ!
融合召喚、運命を手繰れ《エルシャドール・ネフィリム》!」
《エルシャドール・ネフィルム》 攻2800 守2500
華依がデッキからモンスターを墓地に送って融合すると、華依の場に背中から羽のように糸を広げた全体的に紫色の天使を模った人形のようなモンスターが現れた。
「《エルシャドール・ネフィリム》の融合召喚に成功したこの瞬間、墓地の《シャドール・ビースト》と《エルシャドール・ネフィリム》の効果を発動!」
「まずはカード効果によって墓地に送られたことで《シャドール・ビースト》の効果を発動!
このカードが効果で墓地に送られた時、デッキからカードを1枚ドローする!」
華依は融合素材となった《シャドール・ビースト》の効果でデッキからカードを1枚ドローし、続いて《エルシャドール・ネフィリム》の効果を発動した。
「そして、《エルシャドール・ネフィリム》が融合召喚に成功した時、デッキから《シャドール》カード1枚を墓地に送る!
私はデッキから《
「《影依の原核》がカード効果で墓地に送られた場合、墓地に存在する《影依の原核》以外の《シャドール》魔法、罠カード1枚を選択し手札に加える!
よって、墓地の《影依融合》を回収する!」
華依が融合召喚からの連続した効果の発動でカードを手札に加えていくと融合召喚したにも関わらず手札は5枚に増えており、その光景を見たハイトマン教頭は驚きで文字通り開いた口が閉じなくなっていた。
「ゆ、融合して手札が増えるだなんて、どういうことでありますか」
「まだ終わりじゃないッスよ?
私は手札から魔法カード《融合》を発動!」
「普通の《融合》カードまであるのでありますか!?」
「手札の《シャドール》モンスター《シャドール・リザード》と闇属性モンスター《シャドール・ドラゴン》で融合!
融合召喚、《エルシャドール・ミドラーシュ》!」
《エルシャドール・ミドラーシュ》 攻2200 守800
華依が《融合》の効果で手札のモンスターを墓地に送るとフィールドにネフィリムと同じ色合いの人形の様なドラゴンに乗った少女の姿をしたモンスターが現れた。
「そして、《融合》の効果で墓地に送られた《シャドール・リザード》と《シャドール・ドラゴン》の効果発動!」
「まずは、《シャドール・リザード》の効果でデッキから《シャドール》カード1枚を墓地に送る。
私はデッキから《シャドール・ファルコン》を墓地に送り、続いて《シャドール・ドラゴン》の効果で教頭先生の場のセットカードを破壊するッス!」
「な、なんでありますとぉ!?」
《シャドール・ドラゴン》の効果が発動するとハイトマン教頭の場に伏せられていた罠カード《リビングデットの呼び声》が破壊され、それを確認すると華依はさらに墓地に送られたモンスターの効果を発動した。
「さらに、《シャドール・リザード》の効果で墓地に送られた《シャドール・ファルコン》の効果で墓地のこのカード裏守備表示で特殊召喚する!」
「て、手札消費実質3枚で融合モンスターを2体召喚し、ワタクシの場のセットカードを除去、さらに墓地からモンスターをセットするなんて、どうなっているでありますか!?」
「まだまだッスよ教頭先生!
さらにセットした《シャドール・ファルコン》をリリースして《
ハイトマン教頭の驚きの声を聴いた華依は、さらに自身の先ほど場にセットした《シャドール・ファルコン》をリリースして手札から黒いオーラを放つ《帝》の名を持つモンスターを召喚した。
「こ、ここでさらにガイウスでありますと!?」
「驚くのはここからッスよ!
私は《邪帝ガイウス》の効果で教頭先生の場の《古代の機械究極巨人》を除外するッス!」
「クッ、やはりそう来るでありますか」
華依が《邪帝ガイウス》の効果を発動させるとハイトマン教頭の場の《古代の機械究極巨人》の足元に大穴が開くとそのまま穴に落ちていきゲームから除外された。
「除外してしまえば墓地の《古代の機械巨人》を蘇生する効果は使えない!
これでメインフェイズを終了してバトルフェイズに入るッスよ!」
「まずは《エルシャドール・ネフィリム》で《古代の機械巨竜》を攻撃!」
華依の攻撃宣言で《エルシャドール・ネフィリム》は背中の糸を伸ばして《古代の機械巨竜》の周囲を包囲していき、《古代の機械巨竜》はそれを振りほどこうと暴れだした。
「攻撃力が低いモンスターで攻撃、という事は!?」
「流石は教頭先生、想像通りッスよ。
《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動!
特殊召喚したモンスターとバトルする時、ダメージ計算前に相手モンスターを破壊する!」
「くっ、やはり効果破壊の効果があったのでありますか!」
華依が《エルシャドール・ネフィリム》の効果を発動させると《古代の機械巨竜》は無数の糸で身動きを完全に封じられ、機械の体の至る所に罅割れが出来ていった。
「《古代の機械巨竜》を破壊しろ、シャドー・ストリングス!」
「ワタクシの《古代の機械巨竜》が!」
《エルシャドール・ネフィリム》に糸によって締め付けられた《古代の機械巨竜》はそのまま締め上げられ、最後は糸によってバラバラになって破壊された。
「これで、終わりッスよ!
《エルシャドール・ミドラーシュ》と《邪帝ガイウス》でダイレクトアタック!」
「ぐううっ!」
ハイトマン教頭 LP4000→1800→0
華依の場の《エルシャドール・ミドラーシュ》の攻撃に続けて《邪帝ガイウス》の攻撃がハイトマン教頭へと向かい、2体のモンスターの総攻撃によってハイトマン教頭のライフは0となった。
「くっまさかこのワタクシが臨時講師相手に負けてしまうとは・・・」
「あー、その教頭先生?」
「な、なんでありますか」
「今朝はすいませんでした!」
「えっ!?」
ハイトマン教頭のライフが0となり華依の勝利でデュエルが終わった後、華依はハイトマン教頭の傍まで行くと今朝の事について頭を下げて謝った。
「い、いきなりなんでありますか!?」
「その、今朝はちょっとイラついてて、色々喧嘩を売るような真似をしてしまってすいませんでした」
「ま、まぁ、ワタクシも少々大人げなかったであります。
ですが、今回の様に事前連絡も無しに勝手な行動をするのはやめて頂きたいものでありますな」
「はい、解りました」
「よろしい、では生徒たちの事は任せるであります。
しっかりとレポートを書くよう指導をお願いするでありますよ、影城先生」
ハイトマン教頭はそういうと華依から背を向けて体育館から出て行き、華依はその背中を見送ってから遊香達の方に歩いて行った。
「さて、お前らこれから私と一緒にレポート書くぞー」
「すみません影城先生、私この後用事がありますのでレポートは明日の朝で大丈夫ですか?」
「おう、全然大丈夫だぞ。
帰るんなら気を付けてな」
「はい、それでは。
皆もごめんね、先に帰るから」
アキが華依に用事で先に帰ることを告げて皆に別れを告げてから体育館から急いで出て行くのを見た岬も華依に話しかけた。
「あ、姉御、私もこの後ちょっと用事が」
「実は私もなんだよ~、嫌~残念だなぁ」
「じゃあ、お前ら一人でがんばれよ。
これから直ぐに始めるなら、レポート書くなら私が手伝うけど」
「「すんません(ごめんなさい)、よろしくお願いします!」」
「あはは、初日から結構濃い学園生活だなぁ~」
「・・・ドンマイ」
華依と岬のやり取りを見て遊香が若干現実逃避を始めたのを恵が現実に引きも戻すと、開花や岬はレポートにうんざりとしながらも華依や遊香達と一緒にレポートを書くために教室へと向かった。
どうだったでしょうか?
今回の話には直接関係はしないですが、この作品内では神のカードや個人の特殊能力などで出現したカード以外は普通に販売されている設定です。
なので、ブルーアイズやブラックマジシャン、開闢等も確率が低いですが普通にパックで当たります。
ただし確率が宝くじの1当連続当選以上なので中々当たらない設定ではありますけど。
それでは、今回はこれで終わります。
次回もよろしくお願いします。