遊戯王5D’s Extreme Wind   作:豆フクロウ

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今回も長くなりそうだったのでデュエルに入る前までで一旦区切ります。
これからも1万字を超えそうな場合は2話に分けるようにしていきます。
デュエル部分もあまり遅くならない様に投稿しようと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、第3話始まります。



第三話 青い眼の小女

 ~シティ中央部~

 

 遊香が華依とハイトマン教頭のデュエルを観戦してから数日後、提出を言い渡されたレポートも無事に提出しアカデミアでの授業にも慣れてきた遊香は休日の今日シティの中心部にD・ホイールに乗ってドライブに来ていた。

 

 「迷った時も思ったけどやっぱり大きい街だなぁ。

さてと、この辺りにカードショップが在るって聞いたんだけど」

 

 遊香がD・ホイールを停めて周囲を見渡すと一軒のカードショップを見つけ、その店に向かってD・ホイールを手で押しながら歩いて行き、店先でD・ホイールを停めて店内に入っていった。

 

 

 

 

 ~カードショップ店内~

 

 「さーて、良いカードはあるかなぁっと」

 

 「このカードはお前なんかに釣り合わないんだよ!」

 

 遊香がカードショップに入ってカードを探そうと上機嫌でしていると、店の奥から男の怒鳴り声が聞こえてきたため遊香はカード探しを止めて店の奥に向かって行った。

 

 そして、店の奥に行くと薄い青色の髪を顔の左側で一纏めにした蒼い瞳の少女の手からデッキごとカードを奪おうとしている男の姿が目に入った。

 

 「は、離してください!

 このカードは大事な物なんです!」

 

 「ハッ、どうせどっかから盗んできたか、親の金で買った物だろうが!

 お前みたいな小娘がこんなレアカードを持ってたって宝の持ち腐れだから、この俺が使ってやるって言ってるんだろうが!」

 

 「その言葉、そのままお前に返すぞ」

 

 「なっ!?」

 

 遊香が近づいて来ていることに気付かずに少女からデッキを取り上げた男の手からデッキを流れるような動作で取り返した遊香はそのデッキを少女へと返した。

 

 「貴女、大丈夫?

 はいデッキ、ちゃんと全部あるか確認してね?」

 

 「は、はい!」

 

 「おい、お前!

 何勝手に俺のカードをソイツに渡してるんだよ!」

 

 「お前のカードでは無い、この娘のカードだ。

 それに、お前はさっきこの娘にレアカードがもったいないなどと言っていたな?

 私から言わせれば、お前にはレアカードどころか全てのカードが宝の持ち腐れ。

 猫に小判、豚に真珠の体現とはまさにお前の事だな」

 

 男の言葉が頭に来た遊香が男を睨みながらそう言うと、男は顔を真っ赤にして怒りだし遊香に詰め寄った。

 

 「ア?なんだお前、関係無い奴が口出してんじゃねえよ!」

 

 「確かに関係は無い、だが一人のデュエリストとしてあまりにも見過ごせない状況だったからな。

 なによりもまず、少女のデッキを奪う等デュエリストの所業ではない!」

 

 「テメェ、言わせておけば!」

 

 男が遊香に向かって拳を振り上げたが、遊香は逆に殴り掛かってきた男の右拳を避けてそのまま右手首を掴むと、一瞬で関節を極めて男を店の床に押さえつけた。

 

 「ガッ、テメェ、何しやがる!?」

 

 「これでも色々な場所を転々として来たからな、お前の様なデュエリストの風上にも置けないような奴の扱い方は心得ている。

 このままセキュリティに引き渡されたくなければ、さっさとこの場所から立ち去れ」

 

 「くそっ、覚えてやがれ!」

 

 男は捨て台詞を吐くと遊香が手の力を弱めた隙に拘束から抜け出して店の外へと逃げて行った。

 

 「ふぅ、なんとかなったか。

 大丈夫だった?」

 

 「は、はい、ありがとうございます」

 

 男が店から出て行くのを見送ると、遊香が取り返して渡したデッキを両手で持った少女に話しかけると少女は遊香に頭を下げた。

 

 「無事なら良かったよ。

 私は涼風遊香、貴女は?」

 

 「わ、私は蒼峰(あおみね)未来《みき》と言います。

 助けてくださって本当にありがとうございます!

 あの、何かお礼をしたいのですが・・・」

 

 「お礼なんて要らないって、そんなのが欲しくて助けた訳じゃないし」

 

 「でも」

 

 未来と名乗った少女が遊香にお礼がしたいと言い、遊香が要らないと言っても引く様子が無い事を見た遊香は少し考えると、未来に話しかけた。

 

 「そうだ、お礼なら今日この店にカードを探しに来たんだけど、一緒に探してくれない?

 その後で組み直したデッキとデュエルして欲しいな」

 

 「は、はい!

 私で良ければ喜んで!」

 

 遊香の提案に未来は笑顔を浮かべて遊香と共に店内のカードが展示している場所に向かって行った。

 

 「えっと、どんなカードを探してるんですか?」

 

 「そうだなぁ、素材指定の無いシンクロモンスター、それも闇か風属性のが良いんだけど」

 

 「あ!

 それなら、良いカードが有りますよ!」

 

 「本当!?」

 

 「はい!」

 

 未来はそう言うとカード達が展示されているショーケースではなく、その横に大量に積まれているカード群が入れられている箱の中から2枚のカードを探し出して、遊香に手渡した。

 

 「ここにあるカード達って、ステータスが低かったり効果が使いにくいって理由で他のお客さん達が置いて行った物なんですけど、その2枚はこの中でも私のオススメカードなんです!」

 

 「どれどれ、《転生竜(てんせいりゅう)サンサーラ》に《オリエント・ドラゴン》?

 2枚とも良いカードじゃない、こんな良いカードを置いて行くなんて見る目が無い奴もいたものね」

 

 遊香は未来から渡されたカードを見るとその効果を見てこの2枚のカードを置いて行った人物の行動が信じられなかったが、良いカードが手に入ったと思ってそのまま店員の居るカウンターにカードを持って行った。

 

 「すみません、この2枚のカード下さい」

 

 「はい、この2枚ですと合計で500円になります」

 

 「ご、500円!?

 ってことは、1枚250円なの!?」

 

 「はい、この2枚のカードが入っていた箱の中にあるカードの値段は全て、シンクロ以外のモンスターが150円、魔法、罠が200円、シンクロモンスターが250円になっていますので」

 

 「そ、そうなんですか」

 

 遊香はカードの値段のアバウトさと安さに驚いたが遊香はカードの代金を払うと、先ほどの男と未来のやり取りを黙って見ていた事について店員に聞いてみた。

 

 「ねぇ、さっきあの女の子が男にデッキを取られそうになってた時、どうして黙って見てたの?」

 

 「黙って見ていただけという訳では無いのですが、実は以前にも同じような事が有りまして、その時はデッキを盗る前にこちらで止めたのですが、はぐらかされてしまった上に、その後別の場所で盗られてしまったらしいんです」

 

 「そんな事があったのね」

 

 「そういう事なので、うちの店ではさっきの様な事が有った時、言い逃れできないよう防犯カメラで奪った場面を録画してからセキュリティに連絡して逮捕してもらう様にしてるんです」

 

 そう言って店員が店の一角を指さすとそこには数台の防犯カメラが有り、未来が男にデッキを盗られそうになっていた場所もしっかりと映る位置にカメラが在った。

 

 「でも、お客様に迷惑を掛けてしまったのは事実ですし、とりあえず先ほどの人は次にこの店に来たとしても入店はお断りさせて貰うつもりです。

 あと、不快な思いをさせてしまったお客様に本当に申し訳なかったと伝えてくださいますか?」

 

 「ええ、伝えておくわ」

 

 「お願いします。

 それでは、あちらのお客様共々今後ともこの店をよろしくお願いします」

 

 店員が頭を下げて遊香を送り出すと、遊香は未来を連れて店から出て店先に停めているD・ホイールの所にやって来ると、未来に予備のヘルメットを渡した。

 

 「はい、これ被って」

 

 「え、あの、デュエルは?」

 

 「予定よりも安くカードが買えたからちょっと甘い物でも食べに行こうと思ってさ、デュエルの前に一緒に食べに行こうよ」

 

 「で、でも私そんなお金持って無いですし」

 

 「私の奢りだから、気にしないで。

 貴女のお蔭で安くカードを買えたんだから、これくらいの事はさせて頂戴。

 ほらほら、早く乗って」

 

 遊香がそう言ってD・ホイールに跨ると未来は受け取ったヘルメットを被り、遠慮がちに遊香の後ろに座った。

 

 「それじゃあ、しっかり掴まっててよ?」

 

 「は、はい!」

 

 未来が遊香の腰に手をまわしてしっかりと掴んだのを確認すると、遊香はD・ホイールを発進させた。

 

 

 

 

 ~公園~

 

 遊香達はD・ホイールに乗って移動を始めてしばらくすると公園があるのを見つけ遊香はその公園へとD・ホイールを走らせて行き、その公園近くの駐車場にD・ホイールを停めて公園の中へと向かって歩いて行った。

 

 そして、公園内で車上販売をしていたクレープ屋を見つけると遊香は未来にベンチで待っているように言うと、自分と未来のクレープを買いに行きベンチで座って待っている未来の元に向かって行った。

 

 「お待たせ、イチゴ味とチョコレート味どっちが良い?」

 

 「えっと、それじゃあイチゴの方で」

 

 「はい、どうぞ」

 

 未来にイチゴ味の方を渡すと遊香は未来の隣に座って自分のクレープを食べ始めた。

 

 「美味しい?」

 

 「はい、ありがとうございます」

 

 「そっか、それは良かった」

 

 遊香が未来の言葉を聞いて笑顔になると、未来は食べかけのクレープを見つめて申し訳なさそうにうつむいた。

 

 「すみません、気を使わしてしまったみたいで」

 

 「ん?」

 

 「これを買って下さったのは、私が落ち着くまで待つためですよね?」

 

 「あー、ばれちゃった?」

 

 未来の言葉に遊香は頬を掻いて空を見上げるとそのまま未来に話しかけた。

 

 「まぁ、あんなことがあった後直ぐにデュエルしてもさ、楽しくないと思ったんだよね」

 

 「楽しくない、ですか?」

 

 「そ、やっぱりデュエルは楽しまなくっちゃね」

 

 遊香がそう言って未来に笑みを向けると未来は遊香の笑顔に見とれてしまい、固まってしまいそんな状態の未来を遊香が不思議そうに覗き込んだ。

 

 「どうしたの?」

 

 「あ、えっと、な、なんでもないです!」

 

 「?」

 

 遊香が未来の顔を覗き込むと、正気に戻った未来は自分のすぐ目の前にまで顔を近づけていた遊香に驚き、顔を真っ赤にして手元のクレープを食べるために下を向いて遊香から顔を逸らした。

 

 そして、そのまま一気にクレープを食べ進めていき、その様子を見た遊香もさっきの未来の様子を不思議に思いながらも自分のクレープを食べ進めて、二人はほぼ同じタイミングで食べ終えると遊香は気になっていた事を未来に訊ねた。

 

 「そういえばデッキのカードって全部揃ってた?」 

 

 「はい、ちゃんと全部揃ってました」

 

 「そう、なら良かった。

 あの男が何枚か抜いてたかもしれないと思ったから、でも全部揃ってて本当に良かったわ」

 

 遊香がそう言って微笑むと未来もその笑顔につられて笑顔になった。

 

 「そうそう、やっぱり笑顔が一番よ」

 

 「ふふっ、ありがとうございます涼風さん」

 

 「遊香で良いわよ、青峰さん」

 

 「なら、私も未来でお願いしますね。

 遊香さん」

 

 「ええ、よろしくね未来」

 

 未来がそう言って微笑むと二人はお互いの事を名前で呼び合いクレープを食べながら先ほどのカードショップの品ぞろえについてや遊香が今まで行った場所について等様々な事を話し合いながら過ごしていった。

 

 




どうだったでしょうか、今回3人目のオリキャラを出しましたが、主人公側のオリキャラは後2人の予定です。
予定のキャラが出せた所から原作の話へも絡んで行こうと思いますので、よろしくお願いします。
次回はデュエル回になりますので、感想やご指摘が有ればして頂けるとありがたいです。
それでは、次回もよろしくお願いします。
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