何とか6月中に更新できました、次回の更新もおそらく1月後になるかもしれませんが出来るだけ早く更新出来るようにしていきますので、どうかよろしくお願いします。
~デュエルアカデミア~
ネオバトルシティへの参加登録の為に訪れたカードショップで未来とのタッグデュエルを行った翌日、遊香がいつも通りにアカデミアへ登校してくると、アカデミアの校門近くで初等部の生徒2人と一緒に居たアキが遊香に手を振って呼びかけた。
「おはよう、遊香」
「おはよう、アキさん。
それから、そこの二人はアキさんの知り合い?」
アキに挨拶をした遊香はアキの隣にいる二人の事が気になって質問すると、アキは二人を自分の前に押し出して遊香に紹介した。
「この2人は私の仲間で、
「よろしく、遊香姉ちゃん!」
「よろしくお願いします、遊香さん」
「うん、よろしくね二人とも」
龍亜と龍可に挨拶をすると遊香達は校舎に向かって歩き出し、遊香はアキに何故自分を呼び止めたのか質問した。
「ねえアキさん、私に何か用事があるの?」
「ええ、実は遊香に頼みたい事があって」
「アキさんが私に頼みたい事って、勉強とかじゃないだろうし、デュエル関係の事?」
遊香がアキの頼みがどういうものか予想できずに首を傾げていると、アキは話を続けた。
「そうなの、実は遊香にライディングデュエルを教えてほしいと思って」
「ライディングデュエルを教えてほしいって、もしかしてアキさんWRGPに出る気なの?」
「そういう訳じゃないけど、私もライディングデュエルでしか見えない世界というのを見てみたいと思ったの」
アキが歩きながらそう言うと、遊香は腕を組んで悩みながらアキに質問した。
「でも、どうして私に頼むの?
私以外にもライディングデュエルしている人なんてこの街にはいっぱい居るし、アキさんの知り合いにも居るんじゃないの?」
「そうだよアキ姉ちゃん、なんで
「もう龍亜ったら、そんなの遊星達がWRGPの参加の為にD・ホイールの調整とかで忙しいからに決まってるじゃないの」
遊香がアキに何故自分にライディングデュエルを教えて欲しいのか尋ねると、アキの隣を歩いていた龍亜も同じ疑問を訪ね、その質問に龍可が答えると遊香は溜め息を一つ付いてアキに質問を続けた。
「はぁっ、私ってそんなに暇そうに見えたの?」
「そ、そうじゃないわよ!?
私はただ同じアカデミアに通ってる遊香だったら休憩時間とかにも話が聞けるかと思っただけよ!」
「ご、ごめんなさい!
私そんなつもりで言ったわけじゃなくて」
遊香の言葉に慌てて否定するアキと先ほどの言葉への謝罪をする龍可を見て、遊香は笑いを堪えきれずに噴出しながら二人に謝った。
「フフッ、ごめんごめん。
ちょっと意地悪したくなっただけだから、そんなに必死にならなくても良いわよ」
「もう、本当に焦ったわよ」
「ごめんなさい、けど私みたいに冗談で済ませる人ばっかりじゃないんだから気を付けてね」
「はい、すみませんでした」
遊香が先ほどの態度が冗談である事を告げると、アキは安堵で胸をなでおろし龍可ももう一度謝り、遊香は二人に注意をすると、少し考え出した。
「だけど、私じゃあWRGPに出るような人程教える事なんて出来ないよ?」
「そんな事は無いわよ。
転入試験の時のデュエルを見れば遊香が強いデュエリストなのは解るし、スタンディングとライディングで実力が変わるなんて事は無いと思うから・・・」
「ちょっと待って、今なんて言った?」
「え?」
遊香がアキの言葉を途中で遮って聞き返すと、アキは何故遊香が聞き返すのか解らずに茫然としていると、遊香は息を吸い込むと一気に話し出した。
「良く聞いておいてよ、スタンディングとライディングだとデュエルのルール自体が大きく変わって来るだけじゃない、デッキ自体もライディング用に調整し直さないといけない上に、普通の魔法カードが使えないから戦略も練り直さなきゃならないし、SPCの使い方やSPの使い所なんかもあってデュエル部分だけでもかなり違ってくるのに、それらに加えてD・ホイールの操縦にも気を付けなきゃいけないの、こんなにも変わる部分があるのに実力が変わらないなんて有り得ないわ!」
「え、あ、ごめんなさい」
遊香が通常のデュエルとライディングデュエルの違いを一息で説明すると、その剣幕に押されてアキは困惑した表情で一歩引いてしまった。
「良いわ、アキさんがライディングをこんなに舐めているとは思わなかった、徹底的にライディングデュエルを教えるから覚悟していなさい!」
「え、ええ、お願いね」
遊香がそう言って自分の教室に向かって行く姿を見送りながら、アキ達はしばらく呆然としていたがチャイムが鳴ると正気に戻って急いでそれぞれの教室に向かって行った。
~ポッポタイム~
授業が終わった後、遊香はアキに連れられて知り合いが借りているというガレージのある時計屋にやって来た。
「アキさんの知り合いが借りてる場所って本当に此処なの?」
「ええ、そうよ。
さ、龍可達も先に来て待ってる筈だから早く行きましょう」
古い外装の時計屋を眺めて立ち尽くしている遊香にそう言うと、アキは建物の横にある坂を下っていき、遊香もその後に続いてD・ホイールを押しながら付いて行くと、シャッターを開け放った状態のガレージの中で作りかけのD・ホイールを弄っている遊星とそれを眺めている龍亜達が居た。
「あ、やっと来た!」
「遅くなってごめんなさい。
それで、遊星は今何をしてるの?」
「アキさん用のD・ホイールの基礎部分の調整だって」
アキが龍亜達に近寄って行くと、龍可から遊星が自分用のD・ホイールの調整をしている事を聞き、遊香は自分のD・ホイールをガレージの入り口に停めて遊星が作業しているD・ホイールの傍にやって来た。
「へ~、自作のD・ホイールなんて珍しいわね」
「誰だ?」
「どうもお邪魔してます。
今日アキさんにライディングデュエルを教えに来た同級生の涼風遊香です」
「そうか、君がアキの言っていたD・ホイーラーか。
俺は
遊香が話しかけると、遊星は作業していた手を止めてそう言い、遊香がガレージ内に停車しているD・ホイールの方へ近づいて行った。
「それが君のD・ホイールか、見た所随分と使い込まれている様に見えるが整備は自分でしているのか?」
「ええ、このD・ホイールに乗って色々な所を旅していたから、自分で整備や修理をしないとお金が掛かり過ぎるから自然に出来るようになっていって、今じゃ自分で整備してからじゃないと乗るのが怖いくらいになってるわ」
「そうだな、資金に余裕がなければ整備業者に頼むのは費用が掛かり過ぎる。
そもそも自分で整備しているのなら少しの違和感もすぐ修正出来るし、自分に合わせたチューニングも可能になるから、そちらの方が良いだろうな」
遊香と遊星がD・ホイールについて話し込んでいると、龍可達の所に居たアキが遊香の方にやって来た。
「ねえ遊香、そろそろライディングデュエルについて教えて欲しいんだけど?」
「あ、ごめん、そうだったよね。
それじゃあ、ライディング用のデッキはもう作ってる?」
「ええ、遊星に協力して貰ったから大丈夫よ」
「そっか、それじゃあ遊星さんちょっと良いですか?」
アキにライディング用のデッキが有るのかを確認した遊香はガレージの端に停めてある赤いD・ホイールを指差して遊星に質問した。
「あのD・ホイールって遊星さんのですよね?」
「ああ、そうだが」
「ちょっと貸して貰えませんか?」
「構わないが、何をするつもりなんだ?」
遊星が許可を出すと、遊香は遊星のD・ホイールを押して自分のD・ホイールと適度な距離の空いた場所に停めるとアキを遊星のD・ホイールの方に手招きして呼び寄せた。
「何って、もちろんライディングデュエルの練習ですよ。
アキさん、ちょっとこっちに来てくれる?」
「練習って、まさかいきなりD・ホイールに乗ってするの!?」
「まさか、そんな危ない事させる訳無いでしょ。
第一ライセンスも無いのに勝手に乗ったらセキュリティに捕まるし、D・ホイールの操縦は教習所に行ってから覚えるのが一番だよ」
「じゃあ、遊星のD・ホイールを借りてどうするの?」
「まぁ、簡単に言うとD・ホイールに乗らずにライディングデュエルの練習をするんだよ」
アキが遊香の傍にやって来ると、遊香はアキの腕に付けられているデュエルディスクからケーブルを伸ばして遊星のD・ホイールに接続すると、遊星に話しかけた。
「えっと、遊星さんD・ホイールのライディング設定を練習モードの停車状態にしたいんですけど、設定変更お願いして良いですか?」
「なるほど、そういう事か。
解った、直ぐに変更しよう」
「お願いします、私は自分のD・ホイールの設定を変更しますから、終わったら早速始めましょう」
遊香は遊星にD・ホイールの設定を変更してもらう様に頼むと、自分のD・ホイールの所へ行きデュエルディスクを取り外すと先ほどと同じようにケーブルを繋ぐとD・ホイールの設定を変更し始めた。
「ねぇ遊星、D・ホイールに乗らずにライディングデュエルをするってどういう事?」
「難しい事じゃない、D・ホイールに内蔵しているライディング用のプログラム設定を少し変更してデュエルディスクと同調させるだけでD・ホイールで走行していなくてもライディングデュエルは出来る。
もっとも、この方法はD・ホイールに乗れない奴がライディングデュエルの練習で使うくらいでしか出番がないから知っている人も少ないんだがな」
アキの質問に応えながらシステムを変更していた遊星が作業を終えて遊香の方を見ると、遊香もシステムの変更を終わらせてデュエルディスクを構えていた。
「さてと、準備が出来た所で早速ライディングデュエルの練習を始めましょうか」
「ええ、お願いするわ」
「「デュエル!」」
アキ LP4000 手札5枚 SPC1
遊香 LP4000 手札5枚 SPC1
準備が出来た二人はデュエルディスクを起動させると、D・ホイールに付いているデュエル画面も一緒に起動し通常のライディングデュエルと同じように《スピード・ワールド2》が発動してデュエルが開始された。
「なるほど、こうやってD・ホイールの画面を確認しながらデュエルする訳ね。
それじゃあ私の先攻、ドロー!」
「まずは《ボタニカル・ライオ》を攻撃表示で召喚!
このカードは私の場の植物族モンスター1体につき攻撃力が300ポイントアップする、《ボタニカル・ライオ》自体も植物族、よって攻撃力は1900になるわ!」
《ボタニカル・ライオ》 攻1600→1900 守2000
「そして、カードを1枚伏せてターンエンドよ」
アキ LP4000 手札4枚 SPC1
アキがターンを終了すると、遊香はアキの場に出されたカードと自身の手札を確認すると、デッキからカードをドローした。
「私のターン、ドロー。
それじゃあ最初から飛ばしていきましょうか」
「手札から《SP-エンジェル・バトン》を発動。
このカードはSPCが2つ以上ある時発動出来、デッキから2枚ドローし1枚を墓地に捨てる。
私はカードを2枚ドローして手札からチューナーモンスター《ガスタ・スクイレル》を墓地に捨てるわ」
「《ガスタ・スクイレル》?
ねえ遊香、そのデッキっていつも使っているのとは別のデッキなの?」
遊香が《SP-エンジェル・バトン》の効果で捨てたカードがいつも使っているデッキに入っている物と違う事を疑問に思ってアキが質問すると、遊香はデュエルディスクを掲げて答えた。
「ええそうよ、いつものデッキだとライディングに不向き過ぎるからね。
このデッキはライディング専用のデッキよ」
「なるほどね、いつものデッキは普通の魔法カードが重要なデッキみたいだしデュエル方法によって使うデッキを変える訳ね」
「そういう事よ、さあ続けるわよ。
手札から《ガスタの神裔ピリカ》を攻撃表示で召喚して、効果で墓地の《ガスタ・スクイレル》を効果を無効にして守備表示で特殊召喚するわ」
遊香はアキへの説明を終えるとデュエルを再開し、新たに召喚したモンスターの効果でチューナーと非チューナーを揃えた。
「私はレベル3の《ガスタの神裔ピリカ》にレベル2の《ガスタ・スクイレル》をチューニング!
幻の世界の守護者、今こそ混沌の争いを鎮めよ、シンクロ召喚!
現れよ、《幻層の守護者アルマデス》!」
「いきなりシンクロモンスターを召喚!?」
「バトルよ、《幻層の守護者アルマデス》で《ボタニカル・ライオ》を攻撃!
この瞬間《幻層の守護者アルマデス》の効果でダメージステップ終了時まで相手は全てのカードの効果を発動出来ない!」
「効果の発動を禁止する効果ですって!?(これじゃあ伏せた《
アキ LP4000→3600
《幻層の守護者アルマデス》が《ボタニカル・ライオ》に攻撃を仕掛けると、アキの場に伏せられていたカードが灰色に変化して発動が封じられ、《ボタニカル・ライオ》はそのまま破壊された。
「クッ!」
「カードを2枚伏せてターンエンドよ」
遊香 手札3枚 LP4000 SPC2
「私のターン、ドロー!
やるわね遊香、今度はこっちの番よ!」
アキは自分のターンになると、ドローしたカードを手札に加えて手札の別のカードを手に取って発動させた。
「私も手札から《SP-エンジェル・バトン》を発動!
デッキから2枚ドローし手札の《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》を墓地に捨てるわ」
「《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》、厄介なカードが墓地に送られたわね」
「さらに手札から《ローン・ファイア・ブロッサム》を攻撃表示で召喚して効果発動!
私の場の植物族モンスター1体をリリースしてデッキから植物族モンスターを特殊召喚する、私は植物族の《ローン・ファイア・ブロッサム》自身をリリースしてデッキから《
《椿姫ティタニアル》 攻2800 守2600
アキは召喚したモンスターを自身の効果でそのままリリースするとデッキから下半身が椿の花と一体化している女性型のモンスターを召喚した。
「バトルよ!
《椿姫ティタニアル》で《幻層の守護者アルマデス》を攻撃、カメリア・ウィップ!」
「罠カード《ガード・ブロック》を発動!
このカードの効果で戦闘ダメージを1度だけ無効にしてデッキから1枚ドローする!」
「だけど、モンスターは破壊させて貰うわ!」
アキのモンスターの攻撃によるダメージを罠カードで防いだ遊香だが、攻撃されたモンスターはそのまま破壊されてしまった。
「私はこれでターンエンド、そしてエンドフェイズに墓地の《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》の効果を発動!
墓地に存在する植物族モンスター《ポタニカル・ライオ》を除外してこのカードを守備表示で特殊召喚するわ!」
《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》 攻2200 守0
アキ 手札4枚 LP3600 SPC3
アキは自身のターンのエンドフェイズに《SP-エンジェル・バトン》の効果で捨てた《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》を守備表示で特殊召喚してターンを終了させ、遊香はそのフィールドと手札のカードを見た後デッキからカードをドローした。
「私のターン、ドロー!」
「手札からチューナーモンスター《ジャンク・シンクロン》を攻撃表示で召喚!」
《ジャンク・シンクロン》 攻1300 守500
「《ジャンク・シンクロン》ですって!?」
遊香が《ジャンク・シンクロン》を召喚するとアキは驚いて声を挙げ、アキが驚いた事を遊香が疑問に思っていると二人のデュエルを観戦していた龍亜が遊星に話しかけている声が聞こえてきた。
「《ジャンク・シンクロン》って遊星が使っているカードじゃん、なんで遊香姉ちゃんも持ってるのさ」
「いや、不思議な事じゃないさ。
《ジャンク・シンクロン》は別に俺だけのカードでは無いし、俺が使っているのも昔拾ったカードの中に有ったものだからな」
遊星が龍亜達に説明している内容を聞いてアキが驚いた理由を理解した遊香はデュエルを再開させた。
「なるほどね、遊星さんも使っているカードが出てきたから驚いた訳ね。
じゃあ効果は当然解ってるわよね、《ジャンク・シンクロン》の召喚成功時に私は墓地からレベル2の《ガスタ・スクイレル》を効果を無効にして守備表示で特殊召喚するわ!」
「だけど召喚したモンスターは2体ともチューナー、それにもう通常召喚を行った以上シンクロ召喚は出来ないわよ」
「私の狙いは初めからそこじゃないわ、手札から《SP-ハイスピード・クラッシュ》を発動!
このカードはSPCが2以上ある時発動可能、フィールド上のカードと私の場のカードを1枚づつ選択して破壊する!」
「私はこのカードの効果で私の場の《ガスタ・スクイレル》とアキさんの場のセットカードを破壊するわ!
ただしこの効果は対象を取る効果、よって《椿姫ティタニアル》で無効に出来るけどどうするの?」
「・・・無効にはしないわ」
遊香がSPを発動させお互いの場のカードを破壊すると、遊香はさらに破壊した自身のモンスターの効果を発動した。
「それじゃあ選択した2枚は破壊!
そして、効果破壊された事で《ガスタ・スクイレル》の効果発動!
デッキからレベル5以上の《ガスタ》と名の付くモンスター1体を特殊召喚することが出来る、この効果は墓地で発動するため《ジャンク・シンクロン》の効果で無効にはならないわ」
「よってデッキからレベル5の《ガスタの疾風リーズ》を攻撃表示で特殊召喚するわ!」
「私のセットカードを破壊した上に、これで遊香の場にシンクロ素材が揃った。
という事は・・・」
「行くよアキさん、私はレベル5の《ガスタの疾風リーズ》にレベル3の闇属性チューナー《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」
「暴食を司る魔王よ、その絶対の力を示し全てを食らい尽くせ!
降臨せよ、不死なる魔龍《魔王龍ベエルゼ》!」
《魔王龍ベエルゼ》 攻3000 守3000
遊香の場に2つの首を持つドラゴンが召喚されると、アキと遊星、龍可の3人の右腕に有る痣が一瞬輝いたが直ぐに消えてしまい、その事に3人は驚いたが痣の事に気づいていない遊香はバトルを続行した。
「バトルよ!
《魔王龍ベエルゼ》で《椿姫ティタニアル》を攻撃、
「ぐっ!(とりあえず、痣の事よりもデュエルに集中しないと)」
《魔王龍ベエルゼ》の攻撃でアキの場の《椿姫ティタニアル》は破壊され再びアキのライフが減少した。
アキ LP3600→3400
「カードを1枚伏せてターンエンドよ」
遊香 手札2枚 LP4000 SPC4
「私のターン、ドロー!」
アキは自身のターンになると、ドローしたカードと遊香の場の《魔王龍ベエルゼ》を交互に確認して考え出した。
「(あのドラゴンに痣が反応したのは間違いないはず、だけど今はデュエルに集中しないと。
だけど、今の私の手札には攻撃力3000のモンスターを倒せるカードは無い、ここは守りに徹するしかないしかないわね)」
「私はモンスターを裏守備表示で召喚、そしてカードを1枚伏せてターンエンドよ」
アキ 手札3枚 LP3200 SPC5
アキがモンスターと魔法・罠ゾーンにカードをセットしただけでターンを終了させると、遊香は勢いよくデッキからカードをドローしてアキに話しかけた。
「私のターン、ドロー!
アキさん、守りに入ったのは失敗だったわね、このターンで終わりにしてあげるわ!」
「なんですって!?」
「私は手札からチューナーモンスター《ガスタ・ガルド》を攻撃表示で召喚したこの瞬間、罠カード《
「《激流葬》ですって!?
そんなカードを使ったら遊香のモンスターも全滅していしまうわよ!」
アキの言葉に遊香は笑みを浮かべると自分の場のモンスター2枚をアキに見えるようにデュエルディスクを掲げて話し出した。
「残念だけど私の場の《ガスタ・ガルド》はフィールド上から墓地に送られるとデッキからレベル2以下の《ガスタ》モンスターを特殊召喚することが出来るモンスター、そして《魔王龍ベエルゼ》は戦闘でも効果でも破壊されない不死身のモンスターなのよ!」
「効果破壊にも対応しているリクルーターに完全破壊耐性持ちのモンスターですって!?
だけど、私の場の《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》が破壊されたことで効果発動!」
遊香が自身の場のモンスターの効果を説明し、アキがその効果に驚いていると《激流葬》の効果により遊香の場の《魔王龍ベエルゼ》を除いた全てのモンスターが破壊されると、アキは破壊されたモンスターの効果を発動した。
「《フェニキシアン・クラスター・マリリス》が破壊された時相手に800ポイントのダメージを与える!
さらに、私がセットしていたモンスターは《ダンディライオン》の効果をチェーンして発動、このカードが墓地に送られたことで私の場に《綿毛トークン》を2体守備表示で特殊召喚するわ!」
「それじゃあ《ダンディライオン》の効果にチェーンして《ガスタ・ガルド》の効果発動!
チェーン順逆処理により、まずは私のデッキからレベル1の《ガスタ・イグル》を攻撃表示で特殊召喚するわ!」
「私も《ダンディライオン》の効果で《綿毛トークン》2体を守備表示で特殊召喚して、最後に《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》の効果で800ポイントのダメージを与える、スキャッター・フレイム!」
《綿毛トークン》×2 攻0 守0
遊香 LP4000→3200
遊香が発動させた罠カードの効果で破壊されたモンスターの効果により、遊香とアキはお互いに新たなモンスターを召喚し、さらにアキのモンスターの効果で遊香がダメージを受けると同時に、遊香の場に破壊されずに残っている《魔王龍ベエルゼ》の攻撃力がダメージと同じだけ上昇した。
「ふふっ、その効果を待っていたわ!
《魔王龍ベエルゼ》の2つ目の効果、私が相手モンスターからの攻撃と効果ダメージを受けた時、その数値分このカードの攻撃力がアップする!
今回私が受けたダメージは800ポイント、よって攻撃力は3800になる!」
《魔王龍ベエルゼ》 攻3000→3800
「プレーヤーがダメージを受けるたびに攻撃力が上がる効果ですって!?
だけど、私の場には壁モンスターが居る、いくら攻撃力を上げても貫通効果の無いそのモンスターではダメージを与えられないわよ」
アキは《魔王龍ベエルゼ》の攻撃力が上昇したことに驚くが、このままではダメージを与えることが出来ない事を遊香に伝えると、遊香は前のターンに伏せていたカードを発動させた。
「そんなのは手数を増やせば良いだけよ、罠カード《ガスタへの祈り》を発動!
このカードは、私の墓地の《ガスタ》モンスター2体をデッキに戻してシャッフル、その後私の墓地から《ガスタ》モンスター1体を特殊召喚することが出来る!」
「私は墓地の《ガスタ・スクイレル》と《ガスタの疾風リーズ》をデッキに戻してシャッフル、そして墓地から《ガスタの神裔ピリカ》を攻撃表示で特殊召喚するわ!
さらに、《ガスタの神裔ピリカ》が特殊召喚に成功したことで効果発動、私の墓地から風属性チューナー《ガスタ・ガルド》を効果を無効にして守備表示で特殊召喚するわ!」
「そしてレベル3の《ガスタの神裔ピリカ》にレベル3の《ガスタ・ガルド》をチューニング!
疾風の中で舞う乙女、風の眷属と共に戦場を駆けよ!
シンクロ召喚、舞い踊れ《ダイガスタ・スフィアード》!」
遊香は連続して墓地から特殊召喚したモンスターでシンクロ召喚を行うと、そのままバトルフェイズに移行した。
「《ダイガスタ・スフィアード》の効果で墓地から《ガスタへの祈り》を手札に加えるわ。
そしてバトル、まずは《ガスタ・イグル》と《ダイガスタ・スフィアード》で2体の《綿毛トークン》を攻撃!」
「くっ!」
アキの場に守備表示で存在していた2体のトークンが遊香のモンスターの攻撃によって破壊されると、続けて攻撃力がアップした《魔王龍ベエルゼ》で攻撃で攻撃を行った。
「これで最後よ!
《魔王龍ベエルゼ》でアキさんにダイレクトアタック!」
「させない!
《魔王龍ベエルゼ》の攻撃宣言時に罠カード《
このカードの効果でフィールド上に存在する攻撃表示モンスターは全て守備表示に変更するわ!」
「・・・私はカードを1枚伏せてターンを終了するわ」
遊香 手札2枚 LP3200 SPC6
遊香は自分のモンスターが全て守備表示に変更され攻撃を中断させられるとそのままターンを終了し、アキのターンへと変わっていった。
「私のターン、ドロー!
私は手札からチューナーモンスター《
召喚成功時に手札からレベル4以下の植物族モンスター《ロードポイズン》を攻撃表示で特殊召喚するわ!」
《夜薔薇の騎士》 攻1000 守1000
《ロードポイズン》 攻1500 守1000
「シンクロ素材が揃ったということは」
「行くわよ遊香、今度は私のエースを見せてあげる。
私はレベル4の《ロードポイズン》にレベル3の《夜薔薇の騎士》をチューニング!」
「冷たい炎が世界のすべてを包み込む、漆黒の花よ開け!
シンクロ召喚、咲き乱れよ《ブラック・ローズ・ドラゴン》!」
《ブラック・ローズ・ドラゴン》 攻2400 守1800
アキのフィールドに自身の翼になっている黒薔薇の花びらを舞い散らしながらアキのエースでありシグナーを象徴するドラゴンの内の一体である《ブラック・ローズ・ドラゴン》が現れた。
「《ブラック・ローズ・ドラゴン》にはシンクロ召喚時にフィールド上に存在する全てのカードを破壊する効果が有るけど今回はその効果は使わない。
その代わりにこのカードのもう1つの効果を使うわ!」
「《ブラック・ローズ・ドラゴン》は1ターンに1度私の墓地から植物族モンスター1体を除外する事で相手の場に存在する守備表示モンスター1体を攻撃表示に変更してこのターンのエンドフェイズまで、その攻撃力を0にする!
私は墓地から植物族の《ダンディライオン》を除外して守備表示の《魔王龍ベエルゼ》を攻撃表示に変更して攻撃力を0にする!」
「さっきのターン《魔王龍ベエルゼ》が攻撃するまで《進入禁止No Entry!》を使わなかったのはこの為!?」
《魔王龍ベエルゼ》 攻3800→0
アキが《ブラック・ローズ・ドラゴン》の効果を発動させると遊香の場で守備表示になっていた《魔王龍ベエルゼ》は攻撃表示へと変えられ、上昇していた攻撃力も0へと変化させられてしまった。
「私はさらに手札から《SP-スピード・エナジー》を発動!
SPCが2つ以上ある時発動することが出来、私のSPCの数×200ポイントフィールド上のモンスター1体の攻撃力をアップさせる!」
「私はこのカードを《ブラック・ローズ・ドラゴン》を対象に発動!
現在私のSPCは7個、よって200×7で1400ポイントアップして攻撃力は3800ポイントとなる!」
《ブラック・ローズ・ドラゴン》 攻2400→3800
アキの発動させたSPによって《ブラック・ローズ・ドラゴン》が攻撃力を上昇させると、遊香はセットカードを一瞬見たが発動はせずにアキの次の行動を待った。
「さらに《スピード・ワールド2》の効果発動!
SPCを7個取り除くことでデッキからカードを1枚ドローする!」
SPC 7→0
「・・・バトルフェイズに入るわ。
これで終わりにするわ、《ブラック・ローズ・ドラゴン》で《魔王龍ベエルゼ》を攻撃、ブラック・ローズ・フレア!」
「攻撃宣言時に罠カード《ダメージ・ダイエット》を発動!
このターン中に私が受ける全てのダメージを半分にする、グゥッ!」
遊香 LP3200→1300
「そして、私が戦闘ダメージを受けたことで《魔王龍ベエルゼ》の攻撃力がダメージ分アップする!」
遊香の発動させた罠カードの効果で戦闘ダメージが半分になった事でライフが0にならずに済み、相手モンスターの攻撃でダメージを受けた事で《魔王龍ベエルゼ》の攻撃力が0から1900へと再び変化した。
《魔王龍ベエルゼ》 攻0→1900
「くっライフを削りきれなかった(今の攻撃の瞬間また痣が疼いた、やっぱりあのドラゴンに秘密が)」
「カードを2枚伏せてエンドフェイズ時に墓地の《ロードポイズン》を除外して墓地から《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》を守備表示で特殊召喚して、ターンエンド」
「ターンが終了したことで《ブラック・ローズ・ドラゴン》の効果は切れて《魔王龍ベエルゼ》の攻撃力は4900ポイントにアップするわ!」
《魔王龍ベエルゼ》 攻1900→4900
アキ 手札0枚 LP3200 SPC0
ターン終了時にアキは墓地から《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》を召喚し、遊香の場の《魔王龍ベエルゼ》も《ブラック・ローズ・ドラゴン》の効果が無くなり攻撃力が上昇した状態で遊香のターンになった。
「私のターン、ドロー!」
「この瞬間、罠カード《
私の場の炎属性モンスター《ブラック・ローズ・ドラゴン》をリリースして発動、相手にリリースしたモンスターの攻撃力分のダメージを与える!」
「思ったと通りね、私は墓地の罠カード《ダメージ・ダイエット》を除外して効果発動!
このターン中に私が受ける効果ダメージを半分にする!」
「墓地から罠ですって!?」
遊香が前のターンに使用して墓地に送られた罠カードを除外して発動した事にアキは驚き、発動した効果で遊香は効果ダメージを半分にすることで何とかライフを残すことが出来た。
遊香 LP1300→100
「くっ、まさかあのカードにそんな効果が有るなんて、だけどこれで遊香のライフは僅か100、このターン中に効果ダメージが半分になっていても《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》の効果ダメージは800ポイント、この効果が決まれば私の勝ちなのは変わらないわ!」
「そうね、だからこのターンで終わらせて貰うわ!
手札から《ガスタの巫女ウィンダ》を攻撃表示で召喚!」
「どういうつもり、いまさらそんなモンスターを出しても私のライフを削る事は出来ないわよ!」
「こうするのよ、私はレベル2の《ガスタの巫女ウィンダ》とレベル6の《ダイガスタ・スフィアード》にレベル1の《ガスタ・イグル》をチューニング!」
遊香は新たに召喚したモンスターと自身の場に守備表示のまま存在していたモンスターでシンクロ召喚を行うと、遊香を中心に霧の竜巻が発生して遊香とそのフィールドを覆い隠してしまった。
「霧に潜む大いなる力よ、その力を持って全てを吹き飛ばせ!
シンクロ召喚、蹂躙せよ《ミスト・ウォーム》!」
《ミスト・ウォーム》 攻2500 守1500
遊香がシンクロ召喚を終えると自身をフィールドを覆い隠していた竜巻が消え去り、遊香の場に体から霧を噴出している巨大な蛇の様なモンスターが現れた。
「そして、シンクロ召喚成功時に効果発動!
《ミスト・ウォーム》がシンクロ召喚に成功した時、相手の場のカードを3枚まで選択して持ち主の手札に戻す!
このカードの効果でアキさんの場の伏せカードと《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》を手札に戻すわ!」
「なっ、ここでバウンスですって!?」
遊香が召喚したモンスターの体から出ている霧がアキのフィールドのカードを包み込むと、選択された2枚のカードは手札へと戻されてしまった。
「これで邪魔は入らないわね、バトルよ!
《魔王龍ベエルゼ》でダイレクトアタック!」
「そんな、きゃあっ!?」
アキ LP3200→0
攻撃力が上昇した《魔王龍ベエルゼ》の攻撃を受けたアキのライフは0となり、遊香の勝利でデュエルが終わるとデュエルディスクを接続しているD・ホイールの画面にもデュエル終了の表示が現れ、二人はお互いにカードを片付けると観戦していた遊星達の所へと移動すると、デュエル中に感じた違和感を確かめるために遊星が遊香に話しかけて来た。
「すまないが、1つ質問しても良いだろうか?」
「ええ、良いですけど」
「君が先ほど使ったシンクロモンスター、《魔王龍ベエルゼ》は一体どこで手に入れたんだ?」
遊星が質問すると遊香は自身のエクストラデッキから《魔王龍ベエルゼ》を取り出して、遊星の質問に応えだした。
「このカードは私が色んな場所を転々としてる最中に立ち寄った神殿みたいな所に収められてた物なんですけど、そこでちょっとした事件が在りまして、色々有ってそこの神殿の管理をしている人に使って欲しいと頼まれたので、今こうして使わせて貰っているんです」
「その事件というのは、何か不思議な力が働いた物だったのか?」
「いえ、ちょっとややこしい事情が有りましたけど簡単に言ってしまえば只の泥棒ですよ」
「そうか。
いや、いきなり済まなかった」
遊香からの話を聞いても痣が反応した理由が解らずに遊星達は困惑していたが、ガレージにやって来る時間が遅かったこともあり日が落ち始めて来たため、遊香は今日はここで帰る事にしてもうしばらく此処に残るというアキを残して龍亜と龍可を送っていくためにガレージを出て行った。
どうだったでしょうか、次回からオリジナル展開の大会編に入ろうと思います。
それでは、更新が遅くなってしまいましたがこれからもこの作品をよろしくお願いします。