坂柳さんと比企谷君の独裁政治   作:掛川 翔

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降雪

「八幡さん、お部屋に行く前に、お買い物に着いてきてくれませんか?日用品など色々買うものがあるのですが、生憎この足ですから…。」

 

「それくらいのことなら構わないぞ。まあ俺も買わなきゃいけないものとかあるしな。」

 

「ふふ、そうですね。それに、行ってみないと分からないこともありますから。」

 

***

「ねえ八幡さん…あの方…怪しくありませんか?どうも万引きを企んでいるような。ちょっとした賭けをしませんか?あの方…おそらくうちのクラスの神室さんですよね。神室さんが、万引きをするか、しないか。」

有栖はもうクラスメイトの名前覚えたのかよ…。見てもパッと来なかったな。これがコミュニケーション能力の違いなの?

 

「そうだな…あそこまで念入りに動いてるならやりそうだとも思うけどな…。てか初日から万引きって凄いやつだな…。」

 

「確かに、そうですね。それにしても、10万円を貰った当日にそんな事をする程ですから、何かしら事情なりあるのかもしれませんね…。

まだ初日ですから、イジメなどは考えにくいですが、癖になっているんですかね。ちなみに私はまだ下見だとおもいますけどね。」

 

「やけに具体的だな。なんか理由でもあるのか?」

 

「そうですね…彼女もAクラスの生徒であるなら、かなり優秀な部類に入るのでしょう。そして、この学校の優秀という概念の中には勉強面ではなく別の指標が存在すると考えられます。そしてその中には少なくとも人格なりを問う基準もあると考えられますから、現在に続くような犯罪をする人間が入学、それもAクラス入りする確率はかなり低いかと。これまでにバレてない可能性が高いという事は、綿密に作戦を組むでしょうし、初日から大胆に動くとは思えないので、下見だと予想しました。」

おう…すごいな…こんな一瞬でそこまで気が回るのか…。

随分頭の回転がいいんだな…。

 

「本当に下見だけで終わったな。」

 

「でしょう?私の勝ちです。ちなみに罰は私の言うことを今日はずっと聞くことです。分かりましたね?」

満面の笑みでイキイキというのやめよう?

マジで何する気なんですか???

 

「とりあえず神室さんの後を追いましょうか。ちょっとばかり彼女に用があるのです。」

 

「おう、わかった。」

 

***

「神室さん、ちょっといいですか?」

 

「なに?私今からやる事あるから忙しいんだけど。」

 

「先程コンビニで万引きしようとしてましたよね?」

 

「は?いきなりそんなの言わないでよ。だいたい証拠かなんかあるわけ?」

 

「端末に動画を録画しましたけど、それを見せればいいですかね?」

有栖いつの間に動画なんてとってたんだ…?

 

「はぁ、認めるから。学園に言うつもりなの?」

 

「そうですねぇ…」

言い淀むと神室がビクビクしてる。

これ、反応見て有栖楽しんでない?

 

「そうしてもいいですけど、今回は言わないでおきますね。その代わりに、私の言うことを聞いてください。ちょっとしたお願いでいいですし?お金払えとかは言わないですから。」

 

「学園に言われるよりマシだからいい…か。」

 

「少しばかり御手洗に行ってきますね。」

 

「ねえ…あんたもなんか脅されて坂柳と一緒に居んの?」

ちょっと目付き鋭くて怖いっす…比企谷くん泣いちゃう。泣かないけど。

 

「いや、そんなことはないぞ。いやまあ今日だけはお前と同じ状態だけどな。」

 

「何したのさ…それこそ」

 

「お前が万引きするか万引きしないかで賭けてた。」

 

「いやほんとに何してるのさ…まったく。

裏でそんな賭け事行われてたの…。」

 

「ああ。それに、坂柳が見事な考察して的中させてた…。びっくりするくらい理由が出てくるものだから焦ったけどな。」

 

「そうなのね。」

***

「まあとりあえず、そのまま解散しましょうか。では明日からよろしくお願いしますね、真澄さん。」

 

「はいはい、わかりました。」

 

***有栖の部屋***

「八幡さんをお部屋に呼んだ理由は2つあります。まず1つ目なんですけど…、お恥ずかしながら、荷物を開けるのを手伝って欲しいんです…。重いものもありますから、どうにも自分で配置するのには苦労がかかりまして…。」

 

「何だ、そんなことくらい手伝うぞ。とりあえず、どれからやる?」

 

「とりあえず適当なのを開けてもらって、場所を聞いてくれれば大丈夫ですよ。これでも荷物は絞った方ですので。」

 

じゃあ…とりあえずこの箱にするか…。

………そのダンボールに入っていたのはピンク色だった……

ピンク色のパンツ…

 

いきなりすぎて思考停止してた…うん、俺は何も見てない。どこかのよくトラブってるハーレム王並のラッキースケベだった気がする。

 

「八幡さん…///私も悪かったですけど…確かに忘れてましたけど…恥ずかしい…です。とりあえずこのダンボールをお願いします…。」

 

「お、おう。わかった…なんだ、その。すまん」

 

「いえいえこちらこそ…お見苦しいものを…」

 

別にお見苦しいものじゃないけどな…」

 

「急に何言ってるんですか///!?もう!!!早く終わらせてください!!!」

なんだか焦ってる有栖を見るのはちょっぴり可愛くて楽しいな、と思った。

 

 

八幡は無意識のうちに期待して、"彼女"に重ねかけていた。

自分の持った希望を、正しさを。

自分の求めていた、暖かい居場所を。

既に失ってしまった、あの空間を。




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追記6/10加筆しました
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