暗黒大陸?グルメ界の間違いだろう……   作:クロアブースト

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本当は副料理長の方も描きたいけど、最初から暗黒大陸行かないのはグダグダしそうなので一章はイスト・ジン・ヘルちゃん・バフちゃん・アイちゃんのお話。

今回は暗黒大陸到着までの導入回なので暗黒大陸の軽い設定について触れています。




1章〜流星雨のパフェ〜
暗黒大陸とは


限界海境域にある関所、それは暗黒大陸への無断渡航を防ぐために存在する防衛機関が存在する。利権を主張したいV5とネテロ会長が暗黒大陸への進出を防ぎたいが為に、腕の立つ傭兵やプロハンター達が防衛の為に派遣されている。その無断渡航防衛率は99.99%という強固な阻止率を達成しているのである。

 

 

因みに0.01%がイスト・フロリアなのは言うまでもない。

 

 

 

 

とある人間界の海域から海の上を走る巨大な馬とそれに引っ張られる船があった。

その馬の名はギガホース。

体長1000メートル、体高800メートルという水陸両用の超巨大白馬である。

 

豪華客船というべき船の上でイスト達はくつろいでいた。

 

「まずはメビウス湖を超えないとどうしようもない。ということで暫くは船旅だよ」

「船旅なのは分かってるが、よくこんなデカい馬を用意できたな……」

「知り合いから借りたんだ。本当は俺の相棒の方がデカくて搭載量も格段に違うから連れて来たかったんだけど今は帰省中で呼び出せなかったよ」

「いやこれでも十分だろうが……」

 

呆れるジン。イストが桁違いなのは今に始まったことではないのだが、今までここまで巨大な白馬はジンでも見たこと無かった。

 

「と言ってもメビウス湖超えてからは徒歩になる。ギガホースでも暗黒大陸の猛獣達相手では喰われるから乗車してるわけにはいかない」

「は!?じゃあこのギガホースと船はどうするんだ?」

「ギガホースはそのまま帰宅。船は食糧などの保管庫だから持っていく」

「このデカい船を持っていく……発か……」

「そうだよ」

 

イストはそう言って腰巾着を取り出す。そこから巨大な皿に乗った大きなプリンを取り出す。プリンを置くと近くにいたヘルちゃん、アイちゃん、バプちゃん達が食べだした。

 

「発の一つ『パーソナルスペース』。能力は質量、重さを問わずに入れられる能力だ」

「確かにそりゃあ便利だが、だったら態々船を持ち歩く必要はないんじゃないか?」

 

ジンの言う通り、この能力があれば荷物は運べるので船を持ち歩く必要すら無くなるのである。

 

「理由はメビウス湖を超えた先にも船で渡らなきゃいけない海をまた渡ることになる」

「確かにメビウス湖以外にも海があってもおかしくねぇな」

 

メビウス湖を超えた先が巨大な大陸と言われているが、メビウス湖と同じように湖があってもおかしくはないのである。

 

「後は今回の旅に必要な物とかを色々詰め込んでいる。食糧庫の他に立ち寄る村や国への物資とかな」

「村や国があるのか!?」

 

驚愕するジン。暗黒大陸は最早人が住める場所では無いと呼ばれるほどの魔境だからこそ信じられなかった。

 

「といっても亜人のだけどな。新大陸紀行にはそこら辺載ってなかったのか?」

「ああ、新大陸紀行は主に探検先だから国とかの情報は載ってなかったな」

「まあ冒険譚に既存の国載せるかは別の話だしな」

 

せっかくの冒険譚ならば国よりも魔境や秘境を載せた方が面白いとはイストも思っている。

 

 

 

「ところで副料理長はどうするんだ?」

 

ジンはイストと共に食堂で働く唯一の弟子にしてスタッフである副料理長について尋ねる。

 

「ああ、流石にまだ生身で暗黒大陸潜るのは未熟だから代わりにハンター試験に行かせた」

「ハンター試験、確か今期は287期だな……」

「そんなに長くやってるんだな……」

「お前もハンター試験受かってるだろうが」

「俺の場合は協会の推薦があって受けただけだからな。元々ハンター自体に強い動機あったわけじゃないしな」

 

イストはあっさりと答える。イストは本来ハンター自体に興味がなく、自由気ままにグルメ食材を求めて旅をしていた風来坊だった。

その旅の途中で砂漠を緑の大地に変えたり、紛争解決したりと国際問題ガン無視で色々やらかしてたら刺客として心源流拳法師範がやって来た。

拳法使いという割には何故か観音像を出して攻撃してくるという変わった相手だったが、本人と比べて観音像自体の動作速度は大したこと無かったので観音像の腕を全部切り落として返り討ちにしたら何故かハンターにならないかと誘ってきたのである。

権力とか全く興味が無かったのだが、ハンターライセンスが公共交通機関無料になると言われて受けたハンター試験が余りにも簡単すぎて一発で通ってしまったのである。

 

因みにイストが参加した280期のハンター試験は”悪夢の280期”と言われていたりする。何故なら合格者は一名だが試験官参加者含めて約半数が廃人になるという前代未聞の事件が起こったからである。その原因がイストなのは言うまでもなかった。

 

「副料理長には生身で深海、溶岩、極寒、重力、低酸素とあらゆる環境適応能力は身に着けさせた。暗黒大陸渡航に必須の環境即応能力に関しては充分だ」

「いや生身だと流石に人間どころか生物の対応力を超えてるだろう。ていうか俺も流石に準備も無しにそんな環境は無理なんだが……」

「大丈夫、ジンの護衛にヘルちゃん達を回すから」

「それは別の意味で安心出来ないんだが……」

 

何せ護衛するのが下手すれば人類滅亡級という特大の爆弾とも言える三匹である。肉体の安全は保障するが精神の安心はガン無視である。

 

 

「まだ実戦経験が不足していてな。暗黒大陸に巣くう亜人や獣相手は荷が重い」

 

暗黒大陸で敵対する存在は主に二つ。

人と同じく知生体として知性を得て独自の生態系を構築した通称”亜人種”イメージ的には猫や犬などの獣人と呼ばれる種族やリザードマンなどと言った存在がいる。

猿が人へ進化したように、人がいないとされる暗黒大陸では猿以外の動物が知生体となった事例が存在するのである。彼らは人間と同じように武器だけでなく武術などの技術や戦略だって練ってくる。基本的には敵対しないのが一番だが敵対すればほぼ人間の上位互換なのでタイマンだと殺されたりする。

 

そしてもう一つは獣。これはここにいるヘルベルやバプ、アイが該当する。これは文字通り知生体とはならなかった生命体。だがこちらは亜人種と違って知生体になる必要がない存在が多い。

ヘルベル達のように知生体特化した能力や不死身のような再生力、若しくは知恵を持つ必要が無い程の潜在能力を持っているケースが多い。

そもそも知恵とは弱者が弱肉強食の世界で生き抜くために身に着けた術である。追い込まれなかったらそもそも知生体になる必要すら無い化け物だっているのである。

 

 

「副料理長の話だと実戦経験なら魔獣や賞金首を狩ったりしてたんだろう?」

「賞金首はともかく魔獣は余り参考にならなかった。念を使ってこなかったしな」

「念を使ってこなかったということはやはり暗黒大陸では……」

 

暗黒大陸での死者数が多い理由の一つをジンは思い浮かべる。亜人種という人間と同じ知生体は例外として五大厄災以外にも獣によって探検者の数多くが命を落としたとされる要因の一つが存在する。

 

 

「そう。暗黒大陸では亜人種だけでなく獣だって念能力を扱える。暗黒大陸において人間は発以外で念能力の優位性は保てない」

 

洗礼とも言える念能力者を狩る念能力を扱う獣達の蹂躙である。簡単なイメージで例えるなら向こうのゾウは人間と同じく念能力の基礎である四大行はおろか、応用技まで使ってくるのである。同じオーラを纏われた場合、身体能力で差がある為ゾウの凝での一撃は人間の硬ですら受けきれないので攻防力以前の問題で死亡する。

唯一の救いは彼らは遺伝子レベルで念の継承をしている為に発の能力や系統図は種族単位で共通なことだ。まあ油断してると兎ですら人間を殺せてしまうのが暗黒大陸の怖いところではあるのだが……

 

「因みにV5の渡航記録には一つ語弊がある。暗黒大陸で五大厄災のせいで全滅したかのように記載されてるけど、実際は厄災到達前にも甚大な被害を負ってる」

「確かに国の面子としては被害出しながら渡航してたというより大きな厄災で全滅の危機にあって敗走したと記載した方が体裁は良いのか……」

「まあどっちもどっちな気もするけどな」

 

呆れるしかない。何せ次の先駆者達には暗黒大陸の脅威は厄災しかまともに伝わらないのだから。確かに厄災は脅威だが外敵対策だって怠ってはならないのである。何せ暗黒大陸において人間は弱者なのだから……

 

「後はサイズには気を付けて置いた方が良いな。デカさは潜在オーラの多さに直結しやすいからより強固でしぶとくなる」

「イストはどうしたんだ?」

「いや俺は普通に包丁で削ぎ切れるから普通に殺してるけど……」

「お前やっぱ化け物だわ……」

 

そしてギガホースの側面からギガホースに匹敵する500m級の巨大な魚が飛び出して突っ込んで来るが、ジンが瞬時に船から飛び出して蹴り飛ばす。吹き飛んだ魚は水飛沫を上げるが、ギガホースは気にせず海の上を駆けていく。

 

ジンは何ともないように船に着地する。

 

「ところで暗黒大陸の何処に行くつもりなんだ」

「スターダスト・ヒルって場所だが知ってるか?」

「いや新大陸紀行には載ってないから知らないな」

「確か新大陸紀行は300年前だったから仕方ない。何せそこの環境が変わったのは5年前だからな」

「5年前?一体何があった」

 

ジンは尋ねる。暗黒大陸は人類未踏の地とされるが目の前の男は明らかに暗黒大陸を独力で渡れる実力者である。彼はそこで5年前に何を見たのか知りたかった。

 

「局所的厄災と呼ぶべきか、とある雨のせいでそこの生物達が絶滅したんだよ」

「雨で絶滅!?どういうことだ?」

「口で説明するより直接目で見てみれば分かる。まあ本当に恐ろしいのはそんな環境を作り出した奴なんだが、今回はジンはともかくヘルちゃん達連れてくと敵対したとみなされて確実に殺されるからそっちは行かないから勘弁な」

「イストだけでなく、そこにいる厄災達もか……」

 

ジンは驚愕する。何せここにいるヘルちゃん、アイちゃん、パブちゃんは一つだけでも人類を滅ぼしかねない厄災。それを上回る存在がいるとイストは示唆しているからである。

 

「(ジンも最初より強くなったとはいえ八王と対峙は不味いしな)…そろそろ関所だな」

「とんだ強行軍だったな……2~3ヵ月かけて行く距離がまさか2~3日で着くとは……」

 

進行方向先にあるのは聳え立つのは巨大な壁。ギガホースに匹敵する1000m近い見上げる程の大きな壁を……

 

 

「邪魔」

 

甲板に立ったイストが包丁を振るうと巨大な斬撃が壁に激突して壁を文字通り吹き飛ばした。壁を吹き飛ばしたことでギガホースが通れる一本道が出来上がる。

 

 

「相変わらず滅茶苦茶な奴だよお前は……」

「良いんだよ。会長もゾルディックも呼べなかったらしいから今年の刺客はただの有象無象しか雇えてないらしい。これで挑んでくる輩がいるならギガホースに周を纏わせて踏みつけさせてやるけど」

「どうやら来る気はないらしい」

 

壁を吹き飛ばした先をギガホースが駆け抜ける。少し待ってもギガホースへ攻撃を仕掛ける様子はない。関所とのやり取りをガン無視して暗黒大陸へ向かうのだった……

 

 

 

 

 

そして数日後、イスト達はメビウス湖を渡り到着する。メビウス湖を超えた先には巨大な森があった。イストはギガホース達に餌を与えた後は人間界へ向けて帰還させる。船を腰巾着に収納してジンへ向けて言う。

 

「さて、まずは危険地帯である"草食の森"を抜けようか」

 

イスト達は"草食の森"へ一歩を踏み出した。

 

 




細かいやり取りはガン無視して進行するスタイル。個人的にアニメ再開しても継承戦はカットしても許されるレベルだと思う。

本作の暗黒大陸設定
・主な外敵は人間みたいに知性体になった亜人種と獣
・暗黒大陸の外敵は念能力を四大業だけでなく応用まで扱える
・潜在能力に差があるので、発以外では優位に立てない
・厄災級は大体亜人種ではなく、獣である。

トリコ要素
・グルメ食材がある
・トリコで扱われているスポットが存在する

トリコ読んでた人なら場所の名前とかは連想しやすいと思います。
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