アンケート追加、前に言ったように十老頭と幻影旅団の全面戦争は全カットの流れになるので、オークションの裏で文字通り命懸けの死闘を繰り広げてくれるでしょう。ネテロやゼノレベルに弱体化する制限ありきで勝てるか不明なのでアンケート結果を二章に反映する予定です。
一章終わりまでようやく半分まで来たぜ。個人的に早く副料理長のハンター試験を書きたい……
まあ流星雨のパフェを書くまで一章終わるまで二章に進めませんが……
実は一章の謎として本作の捏造として【ドン=フリークスが新大陸紀行の西がまだ出版されてない理由】のヒントをここで出す予定でしたが、四千文字超えたので次回以降に持ち越しになりました。
ということで砂海でのお話です。
「青い空!白い雲!絶好の旅日和だなジン!」
「そうだな。砂漠であることを除けばの話だがな……」
良い天候なのに対して一面に広大な砂漠が広がっている為にぶち壊しでもあった。砂漠超えなんて普通は水分補給とか問題点が多いのでどっちかというと苦行である。
「近道なんだろうが、砂漠を迂回する方法もあったんじゃないか?」
「ちょっと用事があってここは通らなくちゃいけないんだよ。因みに砂漠だと思うだろうが、砂漠の装備だとここは乗り越えられない。理由はこれだ」
イストは袋から一本の巨木を取り出して砂の大地へぶん投げる。
本来なら砂の大地と激突するだろうと思われたが……
チャプン…
「なっ!?」
ジンは驚愕する。巨木が砂漠へ吸い込まれるように消えていったからだ。砂漠は巨木が沈んだ直後は波が揺れるように揺らいでいたが、時間が立つと隆起する砂漠の形に戻った。
「ここにある砂は特殊で液体状になってるんだ。だから砂の海と描いて砂海と呼ばれている」
「つまり必要なのは砂漠の装備ではなく、海を渡る為の装備ってことか……そりゃあ普通じゃ二度手間だが引き返す必要があるのも頷ける」
「と言っても熱砂の特徴も兼ね揃えてるから、耐熱性もなきゃ渡れない。迂闊に砂海に沈んだら火傷するぞ」
「溶岩水泳させられたのよりはマシなんだろ?」
「まあな。こういう高熱の場所は暗黒大陸にはよくある。環境適応能力がなければどんなに強くても暗黒大陸では詰むってわけさ」
「だから副料理長には先に環境適応能力を身に着けさせたってわけか」
「そういうこと。まあ調理術とグルメ細胞の悪魔の力を引き出せるから人間界でも副料理長は上位に入るけどな」
そう言ってイストは袋から以前収納した豪華客船を出す。そして砂海に船を設置するイスト。
「以前収納した豪華客船か、この為に収納したのか」
「そうだ。いや一応俺とジンならこの砂海泳いで渡れるけど、今回はスターダスト・ヒルにも向かうから遊んでる場合じゃないしな」
「確か副料理長にお留守番する代わりの約束が流星雨のパフェだったな」
ジンは思い出す。
副料理長は師匠を敬愛しており、師匠であるイストの側にいることと、彼の料理を食べることこそが生き甲斐だ。
だが今回はお留守番なので案の定、副料理長はごねた。
一流のごねリストである副料理長がごねた余波で、鍋山を覆う程の山火事が起こったのは、ジンを持ってしても見抜けなかった。
ていうか、仮にも活火山の溶岩すら焼き尽くす炎って何だよと言いたかったレベルである。
尚、現場にいたイストとジンは火傷一つ負ってないから駆け付けた人間界の消防隊から「お前ら人間じゃねぇ!」と言われるのは余談である。
お留守番する代わり、副料理長がハンター試験に合格したら彼女の望む、好きな料理を一つだけリクエストを叶えるという約束をした。
そのリクエストが流星雨のパフェなのだ。
「そんなにデザートが好きなのか?」
「まあ副料理長を拾った時に最初に食べさせたのが流星雨のパフェなんだよ…女子というのもあるが思い出の品ってやつなのさ…」
「イストは態々暗黒大陸まで取りに行くとか本当にお人好しだよな…」
「俺はお人好しじゃねぇよ。別に見知らぬ他人がどうなろうが構わない人間だしな。まあかつてコンビを組んでた相棒の影響を受けてるのは否定できんが……」
「確か一龍だっけ?そんなに凄いのか?」
「ああ、俺が知りうる限り世界で一番強い人間だな(八王は除くがな)」
イストは今の八王が何故かパワーアップした原因が分からない。
何せアカシアの三弟子は確かに八王と渡り合える程の強さだったのにも関わらず、急激にパワーアップしたのである。
まさかの成長期?
ただでさえ上位層である八王が、成長期とか考えたくないのでイストはこの考えを思考から外した。
尚本人は知る由もないがイストが原因だったりする……
船がグルメピラミッドまで進むまでの道中、イストとジンは寛ぎながら雑談をしていた。
「ここで砂嵐とか海で言う竜巻と変わらないよな」
「止めろ、変なフラグ立てんな」
「嵐中水泳の訓練やったから問題ないだろ?」
「あれは割と命懸けだったんだからな。渦潮水泳もだ!乗り越えた後でもよく生きてたなと今でも思ってるぞ!」
イストとジンにとっては水中だろうが、嵐だろうが泳げるというとんでも理論で話していた。
因みに副料理長は先日デスウォールという毎分一兆リットルという最早膨大な水の爆弾で滝登りをさせられるという経験をさせられた。
それを乗り越えてすらまだ戦力外通告される時点で人間界のハンター達が暗黒大陸進出するのは無謀としか言えないのだ。
「そう言えばイストはニトロ米と三原水の他に万病に効く香草も取ったのか?」
ヘルベルが番人であるニトロ米、アイが番人である三原水は生物を手懐けてることから、獲得していると思ったジンはここにはいないブリオンが守護しているとされている、万病に効く香草について尋ねた。
ピシッと固まるイスト。そして冷や汗を掻いて目を逸らす。
「ああ……取ったよ」
「おいコラこっちを向け、何をしでかした?」
「人を問題児みたいに言わないでくれるかい?」
「そんなあからさまな反応してなきゃ否定できただろうよ」
どうせ何か問題を起こしたんだろうとジンは予想する。だがその想像を遥かに上回るとはこの時のジンは思いもしなかったのである。
「思いもしなかったんだ……」
イストは後悔するかのように呟く。まるで懺悔するように。
「まさか……
殺気を向けたらブリオンが枯れるだなんて……」
「えぇ……」
ドン引きするジン。まさか人類滅亡級の厄災が一人の人間?の人睨みで滅亡仕掛けてるとか知りたくなかった。
「五大厄災の一つをそんな容易く滅ぼすのが手に負えねぇ」
「俺も悪かったと思ってるんだ。お陰で枯れたブリオンを再生しなきゃいけないわ。何か再生させたら上下関係を自覚したからかブリオンが媚びて来るわ大変だったんだよ」
「自業自得だ。この馬鹿」
そしてジンは他の五大厄災も思い出す。恐らく他の五大厄災であるヘルベル、アイ、バプは対面した際に上下関係を本能的に感じてしまったのだろう。
ゾバエ病は知らん。きっと病が避けたとか言うオチだろうが、ジンはそんな事実は聞きたくないのである。
豪華客船で進んでいると遠方の砂海が揺らぎ、中から豪華客船に匹敵する程の巨大なサイズの大鮫が飛び出してくる。
豪華客船を呑みこもうとするつもりなのか巨大な口を開いて迫ってくるが、イストが包丁を一振りするとさいの目切りに分解される。
さいの目切りにされたサンドシャークの肉片はイストが豪華客船を包める程の巨大な網ネットを展開して回収した。
「サンドシャーク、砂海を泳ぐ巨大な鮫だ」
「こいつ豪華客船ごと俺達を呑みこもうとしてたな。こりゃあボートとかで渡ってたら容易に呑み込まれてたな」
「まあ同サイズだったし、良くて半分削れる位だっただろう」
「それでも船の半分削られたら沈没の危機だけどな」
「ん?まだ危機は過ぎ去ってないぞ」
イストの返答と一緒にババン!と豪華客船の周囲にある砂海から50を超える小型の影が上空へと飛翔する。その姿はペンギンだった。
「こいつらはクラウンペンギン、ロケット兎と同様に群れで突っ込んでくるぞ」
「暗黒大陸では小動物が物騒過ぎるな」
クラウンペンギン達は嘴を中心に三角錐のようにオーラを形状変化させるだけでなく、身体を捻って回転することで弾丸のように突っ込んで来る。50匹が前後左右から船を沈めようとしていた。
「気圧ドーム」
イストは豪華客船の周囲を包むように巨大な気圧の壁を作成してクラウンペンギン達の突進攻撃を防ぐ。
クラウンペンギン達の時間差攻撃により弾丸を弾く音が絶え間なく響き渡るが、気圧ドームには傷一つ付かない。
ジンは右手を頭上に掲げて、右手から膨大なオーラが噴き出し、空中で十二個の巨大な手を具現化する。
「
イストが気圧ドームを解除した瞬間に十二個の巨大な手がクラウンペンギン達を次々と叩き落として行く。
恐るべきは一つ一つの巨大な手がオートではなく、遠隔操作で全て動かしていることだ。
もしこれがオート操作だった場合、クラウンペンギンの方が数が多いので豪華客船まで到達して風穴が空いていただろう。
しかもこれはジンのメインである念能力ではなく、受けただけで会得したサブの一つでしかない。
暗黒大陸へ渡航するに当たってジンは今まで習得した念能力を独自に改良を加えた。彼が保有するサブの念能力は数十を超えるのである。
同じ念能力を使っても三流と一流が使うのではレベルが変わってくる。
圧倒的なオーラ量と桁外れの精密操作がジンが五本指の念能力者と言われる所以である。
「最早水族館だな」
「まあ大地じゃなくて海だからな。因みに百式観音を使わなかったのは?」
ジンは受けた物理攻撃は習得出来る。つまり十二支んになるに辺り、手合わせしたジンはネテロの百式観音による攻撃をガードしたこともあるので百式観音も使えるのである。
「
「毎回出し入れするんじゃオーラの消耗量が更に悪くなるってことか」
「百式観音が強いんじゃなくて
「耐久力の低い亜人種とかの知性体ならともかく、今の鮫だって百式観音よりもデカくて硬い生物だからな」
不可避の速攻と言われるようにネテロの百式観音は圧倒的な速度と巨大な掌底による破壊力で仕留めるヒット&アウェイタイプだ。
だがこの暗黒大陸においては百式観音よりも大きい生物はザラにいる。
草食の森にいた金属のような鎧を持つ要犀や先程のサンドシャークのように……
そしてそんな獣達が練を使えば百式観音の一撃を平然と耐えてくるのは容易に想像出来る。
そうなった場合に待つのは百式観音の連打を平然と受けながらも巨大生物による反撃が牙を向く。
彼らの攻撃を百式観音の掌底で受け流すという選択肢もあるが、百式観音自体は暗黒大陸に住む巨大生物の攻撃を防ぐ為に作られた能力では無い。
つまり百式観音以上の破壊力を受け流し続けた場合、先に百式観音側が壊れる可能性が高い。
イストがネテロを誘わなかった理由は百式観音が通じない相手にネテロでは実力不足だったからである。
船で進むこと数時間、見えるのは巨大な三角形のピラミッド。
「さてグルメピラミッドだが、地下へと向かう」
「地下?上に向かうんじゃないのか?」
「これは城にある天辺の一部だよ、ここの地下には広大な城下町がある。そこにファラオがいるんだ」
「ファラオ?エジプトで言うところの王様か」
「そうだ。この地下にある城下町はファラオを名乗る王様が治めている。メロウコーラを取る前に会いに行こう」
船はピラミッドの近くにある蟻地獄のような穴へと向かい落ちていく。
「流砂か!?」
「そうだ。ピラミッドの城下町へ行くにはこの流砂へ降りないといけない」
船は流砂に呑まれて沈んでいく。
そして流砂から沈んだ途端に景色が切り替わる。
砂海が落ちた先は巨大な空間が存在していた。
砂海の下だというのに青い空や太陽が天井に存在し、船は空中をゆっくりと降りていく。
降りた先には草原が広がっており、遠方には大きな城下町があった。
「これは……」
「ピラミッドの地下にある城下町から少し離れた草原だ。城下町の名は太陽都市ソルガレス。俺達はそこにいるファラオと謁見しに行こう」
船から降りたイスト達は太陽都市へと向かって歩き出した。
悲報:原作開始前にブリオンがイストの逆鱗に触れて枯れる
イスト「再生させてるからセーフ、セーフだから!」
ジン「いやアウトだろ」
一体いつから五大厄災が無事だと錯覚していた( ・ิω・ิ)
オリ設定解説
【
持ち主:?→ジン(受けて習得)
…十二の巨大な手を具現化して操る能力。イメージ的には超次元サッカーの某ゴールキーパーの技でOK。
本来の持ち主は三流なので名前の割にはオート操作かつ手自体も人の掌サイズというお粗末な能力だが、ジンが使うだけで変貌する。
勿論これはジンのサブ能力でしかない。
サンドシャーク
…豪華客船サイズの巨大な鮫。
クラウンペンギン
…群れで三角錐にオーラを形状変化させ回転でライフルのように弾丸の如く突っ込んで来る危険なペンギン。ほぼロケット兎と同じ。
十老頭と幻影旅団が全面戦争したら勝つのはどっち?
-
十老頭
-
幻影旅団
-
どちらも全滅
-
ヒソカの一人勝ち