人生ソロプレイヤーのNWO   作:名無しの固有名詞

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イベントの初日は一日で終わります。長いのは2日目です。


疾風怒涛

ついにイベントがやってきた。

今回はフルメンバーの9人での参加である。

 

「目指すは上位で!」

 

「異議なし!」

ギルドを立ち上げたメイプルとサリーのこのゲーム初の団体戦。

少数精鋭の力を見せつけてやろうと意気込んで、9人揃って光に包まれてバトルフィールドへと転移した。

 

 

 

「じゃ、早速始めます。【探知】」

 

 

両手を地面につき、解析を始める。

 

 

「サリーさん。後はお願いします。」

 

 

「了解、じゃよろしく」

 

 

うーん、どうしたものか。マテリアルが探知に使ってる時間はかなり無駄だな…。しょうがない、他のメンバーの方に移るか。メイプルは…無理だ、防衛組はやめとこう。無難にサリーで良いか。

 

 

 

 

 

(マテリアルがいなかったら私がやろうとしてたマップ作りもやらなくて良い、だったらできることは…)

 

 

「オーブの奪取に行きましょう」

 

 

サリーはクロムとカスミと共に近くの小規模ギルドを潰しにかかる。

 

〜〜〜

 

「カスミ、これを先に持って帰ってくれる?」

 

「いいが…サリーは何を?」

 

 

「もう少し奪ってから戻ってくる」

 

 

(いくら強者が揃っていたとしても数による暴力と真っ向勝負となっては不利。できるうちにオーブを回収しておかないと。メイプルがいる限り、防衛には難がない。先行逃げ切り、ここで頑張れば勝てる…)

 

 

 

かくしてサリーは必死の戦法でオーブを集めていった。

 

 

〜〜〜

 

 

「やっと終わった、地図できましたよ。」

 

 

スタートから日が少し傾くまでの間、ずっと探知で解析し続けたマテリアルがようやくそれを終了する。MPはもちろんのこと、体力もかなり消費してしまったようだ。

 

 

「こんな地図…一体どうやって」

 

 

フィールドの地形とギルドの場所、そしてそのギルドの大まかな様子が書かれている。いくつかのギルドにはばつ印が書かれていた。

 

「このバツは?」

 

メイプルが不思議そうに聞くと

 

「オーブを取られた場所です、まあ3時間後には元に戻ってしまいますがね。」

 

 

苦笑しながらも、この情報はとても役に立つ。

 

 

「…これって」

 

 

ユイが指を指す。そこを見ると

 

 

「【集う聖剣】のオーブが取られてる」

 

 

 

 

「すごいギルドもいるもんだねぇ」

 

 

カナデが感心しつつ、

 

 

「僕も偵察に出てくるよ。うまくいけばオーブも取ってこようかな」

 

 

「うん、わかった」

 

 

メイプルの許可を得たカナデはすぐに走り去っていった。

 

 

「防衛は3人で平気でしょうし」

 

 

この後には私も行きます、というのが続くのだろう。もちろん、メイプルは首を縦に振った。

 

「では、行ってきます」

 

 

光の姿となったマテリアルは極力みんながいない方に飛んでいった。

 

 

〜〜〜

 

「待てよ…光じゃ目立つからすぐに狙われるんじゃ」

 

 

しばらく飛んだ後、ようやくそのことに気づく。日は沈んできているので明るいのはかなり目立つ。敵からの攻撃がやけに多いのにも頷ける。

 

 

「まあ、捕らえられないけれど」

 

 

迫る攻撃を全て避けてお返しの攻撃を放つ。小規模ギルドは光に包まれ、そこにはオーブのみが残った。

 

 

「うん、良い調子」

 

 

合計5個目のオーブを手に取る。大抵の強プレイヤーの位置は把握していたのだが移動しているうちに何となく程度にしかわからない。ペインとドレッドに至っては居場所すら分からなかった。警戒するに越したことはない。

 

 

 

「よし、戻るか。」

 

 

戻るときだった

 

 

 

 

「「!?」」

 

「マテリアル、こんなところで一体何を」

 

サリーだった、全く驚かせるんじゃない。

 

 

「オーブを回収してました。それより、ずいぶんと動きましたね。」

 

先程チェックしたところとはかなり離れている。サリーのフットワークの軽さには感心するばかりだ。

 

 

「それより、気づいてる?」

 

サリーが急に深刻な表情になった。

 

「はい、周囲に敵が1,2.3…たくさんいますね。やっつけます?」

 

マテリアルには探知があるため、周囲の情報が把握できる。囲まれてもこの様子、余裕そうだ。

 

 

「総員、一斉攻撃」

 

その一言と共に多種多様な魔法攻撃が二人を襲う。

 

「【身体装甲】鋼 硬化」

 

マテリアルとサリーの周囲に鋼の塊が現れて攻撃を防ぐ。が

 

「ちょっと狭いんだけど」

 

二人が背中合わせでピッタリになるようにくっついている。こんなところでラブコメみたいな展開するんじゃない。

 

「すみません、これ一人用なので。嫌なら出て行ってもいいですよ」

 

「あー、やっぱいいや。」

 

音で外の様子がわかったのか、外へ出るつもりはないようだ。

 

 

「これっていつまで保つの?」

 

「ある意味永遠に保ちますよ。MPつきない限り【結界】張り続けて援護も可能ですし。」

 

「それは勘弁かな、外の攻撃が弱まった瞬間に出るよ。私が接近戦で行くから」

 

「了解、遠距離と防御は任せてください。」

 

 

術者たちの疲労が溜まってきた頃、それが何故か見えないサリーに気づかれていたようで

 

「今だよ」

 

その言葉でサリーが【超加速】で駆け出す。サリーには一発でも当たればほとんど終わるので狙い撃ちにするも

 

 

「【結界】 傷つけさせやしません。」

 

マテリアルの支援によって攻撃が防がれる。着実に切り裂いていくサリー。出る前にイズのドーピングシードを使用していたため、そして【剣ノ舞】も使用したのも合わさり火力はかなり上がっている。

 

 

「先にマテリアルの方から叩いて」

 

指揮者がマテリアルへの集中放火を指示するも動く気配がない。何故か?それは既に

 

 

「【身体装甲】炎 猛撃の豪炎」

 

 

焼き払われてそれどころではないからだ。マテリアルと一対一で戦うとき、ペインもドレッドもそこまで大したことがないと言った。(メイプル&サリーが比較対象)しかし、マテリアルが真価を発揮するのは相手が多いときだ。瞬く間に仲間達がやられていく。そこに

 

 

「【毒竜】」

 

何故かメイプルの参入だ。時間がかかると言ったのだがお迎えに来てくれたらしい。二倍速で敵が減っていく。

 

「メイプル……どうやって……?」

 

メイプルと合流したサリーは理解ができなかった。メイプルの移動速度はテイム化した亀、シロップのAGI15が限度であるということを。こんなに早く来るのはおかしい。

 

 

「話は後で!ユイとマイだけを残してきちゃったから早く帰らないと!私に掴まって?」

 

メイプルはサリーの手を取ると、武装して

 

 

「【全武装展開】!【攻撃開始】!【毒竜】!」

 

 

空へと打ち上げられたメイプルは空高くからおびただしい数の攻撃を仕掛ける。フレデリカ達の中に【毒無効】を持っている物は殆どいなかった。今回はメイプルと戦う気でいた訳ではないため、メイプル用の装備でもない。そんな装備では【毒竜】は止められない。

 

 

「ううっ……何あれー……」

全力の防御と【毒無効】によって辛うじて生き残ったフレデリカは毒の海に倒れ込んだ。

 

「でもただでは終わらないよー……!」

ボロボロになったフレデリカはしかし一つ機転を利かせていた。

 

 

 

〜〜〜

 

 

「っ!ユイ、敵!」

 

「えっ!?」

二人がそれぞれ大槌を構える。入り口からゆっくり歩いてくるのは一人のプレイヤー。

 

 

「はぁ……フレデリカも人使いが荒い。だが、本当にメイプルがいない?なら……いけるな」

ぶつぶつと呟くドレッドはフレデリカからメッセージを受け取ってすぐにここにやってきていた。

 

 

 

入り口を見る2人、そこにはドレッドが立っていた。どうやらメイプルが本拠地から出たことを知っていたようだった。

 

 

 

「マイ!倒すよ!」

 

「うん!」

 

「はっ……そりゃ無理だ」

ドレッドが走って距離を詰める。

それに対してユイが大槌を振り下ろす。

 

 

「まず一人!」

ドレッドの短剣がマイを切り裂く。

マイがその攻撃を耐えられる筈がなかった。

 

 

「なんて、思いましたよね。」

 

マイとドレッドの間に入り、ダガーを籠手で抑える。

 

「「マテリアルさん!?」」

 

「なっ、なんでお前がここに」

 

驚くドレッド、それもそうだ。フレデリカから連絡されたときにはマテリアルもそこにいるとのことだった。詳しくは、そこにいた、と表記するのが正解だったのに。

 

 

「え、ここは【楓の木】の本拠地ですよ?」

 

いや、ドレッドの質問はそういう意味ではない。

 

 

代わりに解説しよう。メイプルがサリーと合流したとき、既にマテリアルはいなかった。バトンパス形式でマテリアルはギルドへと向かっていたのだ。だから、残念なことにフレデリカがドレッドに連絡する頃にはもうかなり近くにいたのだ。

 

 

「あー、もう面倒くせぇ」

 

【神速】でオーブを回収しようとするも何かにぶつかる。

 

「残念、【結界】があるんですよ。」

 

背後から聞こえたのはマテリアルの声だった。咄嗟の判断でオーブの近くから離れる。しかし

 

「なっ、足元が」

 

ドレッドの足場とした場所が柔らかくなり足が浸食されていく。

 

「【身体装甲】砂 砂上の楼閣 敵のホームで戦うのに注意が足りてませんよ。」

 

既にここはマテリアルの思うがままに動く要塞と化していた。これが大型ギルドのような吹き抜けた場所では不可能であっただろう。

 

 

「では、さようなら。」

 

砂に取り囲まれたドレッドはHPを吸収され、倒れていった。最後にドレッドは

 

「……オーケー、今回は俺の負けだ。次は万全の状態で……な?」

 

と言っていた。これでマテリアルの1つの隠し球がなくなってしまった。

 

 

「良かった、マテリアル間に合ったんだね。」

 

少しして、メイプルとサリーが戻ってきた。サリーに黙って作戦を実行していた二人は後でサリーにたっぷりと怒られました。

 




作 「1日目乗り切ったか…あれ、どうしてだろう。【楓の木】攻略する方法なくね?いや、物は試しだ。ちょっとお邪魔するとしよう。」

マ 「いらっしゃいませ、こちら大変足元がぬかるんでおりますのでご注意ください。」

作 「まずここで足場を取られる、これはさっき見た。」

マ 「上方からの落石にご注意ください。」

作 「で、一発でも当たったら即死の鉄球が流れてくる。ついでにマテリアルの【結界】で避けにくい。」

マ 「次に、【毒竜】が参ります。」

作 「【毒耐性】がないとここでほぼ詰みか。」

マ 「最後にオーブをどうぞ。【結界】は破ってくださいね。」

作 「うん、【結界】壊せない。そしてこの間にも攻撃されると。【集う聖剣】よ、頑張ってくれ」
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