人生ソロプレイヤーのNWO   作:名無しの固有名詞

17 / 22
本日3回更新します。ホントに明日で終わるかな…


防衛戦

2日目夜

 

 

体調が戻ったマテリアルはもう一度外に出てオーブ集めをしていた。

 

 

「【探知】のお陰で捗る捗る。」

 

通常だったらオーブがあったりなかったりで一喜一憂するのだがマテリアルにはその必要がない。【探知】

のお陰でオーブがあるかないかの判別ができるのだ。本当に便利なスキルだ。

 

 

戦闘を避けてささっとオーブを掠め盗ったマテリアルは時間を確認し、急いでギルドへ戻っていった。

 

 

「ただいま戻りました」

 

 

マテリアルが戻った頃には全員が揃っていた。そして何故か少し緊張感が迸っている。

 

 

「マテリアル!後ろ」

 

サリーが叫んだ頃にはもう既に遅かった。

 

「え?」

 

 

マテリアルの背中に赤いエフェクトが響く。その勢いままにマテリアルはメイプル達の元へ飛ばされる。

 

 

「大丈夫!」

 

メイプルが心配そうに聞くも

 

「ええ、こんなこともあろうかと【結界】を。ダメージはないのですが。」

 

飛ばされた衝撃でオーブが落ちてしまった。それを拾ったのはペインだった。【集う聖剣】の精鋭の総勢15名が【楓の木】攻略にやってきたのである。

 

 

対峙する2つのギルドの均衡を先に破ったのは【集う聖剣】だった。

 

「【多重加速】!」

 

フレデリカによって【集う聖剣】全員のスピードが上がる。ドレッドとペイン、続いてドラグが前に出る。

 

 

「【結界】」

 

 

何名かのプレイヤーはマテリアルの用意した結界に動きを制限されて立ちすくむ。その間に

 

「「【飛撃】!」」

 

 

すかさずユイとマイが止まったプレイヤーを狙い撃つ。

 

 

しかし、半分以上が【結界】を破壊して迫ってくる。

 

 

「やっぱり、仕様変更が辛いな」

 

そんなことを呟きながら、ドラグに斬りかかる。

 

 

「【土波】!」

 

 

衝撃波によってマテリアルは姿勢を崩すも

 

「【身体装甲】風 竜巻」

 

 

自身を竜巻に取り込むことによって外からの攻撃を遮断する。その場の地形が削れていく。

 

しかし、ドラグの衝撃波によってノックバック効果が反映されたようでメイプルが後退する。それによって、ユイとマイが前線に取り残される。

 

作戦通りにそのままドレッドとドラグがユイとマイを仕留めようとするも

 

 

「【カバームーブ】!」

 

「やらせるか!」

 

「【魔力障壁】!」

カスミがドレッドをクロムがドラグを止め、カナデが魔法で守りを固める。

メイプルが崩れてもクロムやカスミもトップレベルのプレイヤーだ。

攻撃をいなすことには慣れている。

 

 

しかし、ペインはまだ一直線でメイプルの元へ走る。

 

 

サリーが前に出て時間を稼ごうとするも

 

 

「【超加速】」

 

ペインとサリー、一対一で戦えばサリーの調子にもよるが互角、いやそれ以上の結果が見込めるだろう。しかし、それは戦わなければならない、そんな状況でないと意味をなさない。積み上げられたレベルによるステータス差によってサリーはペインの後ろ姿を見ることしかできなかった。

 

 

「くっ、【結界】」

 

 

メイプルの周りに【結界】を張り時間を稼ごうとしたマテリアル。その技もペインの剣の一振りで消えてしまう。

 

 

 

「ど、どこ!?」

ペインを探しつつ大盾を構えるメイプルは大盾のない側を警戒していた。

その背丈よりも大きい大盾はその身を守ってくれるだろうと。

それ故に大盾の向こうから声が聞こえたのは予想外だった。

 

「【断罪ノ聖剣】!」

姿を現したペインの光り輝く剣が一瞬の溜めの後に振り抜かれる。

 

 

「うっ……ぁ……」

数える程しか味わったことのない感覚にメイプルの思考が一瞬停止する。

 

 

ペインの剣は迫る化物とメイプルの大盾を真っ二つに切り裂いて、鎧すら破壊してメイプルの体を深々と抉り、メイプルを壁まで弾き飛ばし、メイプルのHPを1にするまでに至ったのだ。

 

 

メイプルが激しい音を立てて壁に叩きつけられたことでそのメイプルが致命的ダメージを負っているのを見てしまった【楓の木】のメンバーのほとんどに隙が生まれる。ここまでメイプルが追い込まれたのは誰もが初めて見るからだ。

特にユイとマイの表情からは誰の目にも動揺が見て取れた。

 

「…まずい、状況が変わった」

 

【集う聖剣】はマテリアルの初見殺しの【結界】トラップとユイマイの【飛撃】で8人になっていた。

 

その後、2名をサリーが斬り、1人がイズの爆弾で吹き飛ぶ。そしてもう1名をメイプルの【捕食者】で始末した。数による優位を速攻で変えたはずだった。しかし、数の優位というのはどちらにも関係なかった。

 

ドレッドにカスミとサリーが対峙し、ドラグにクロムが抑えに入りその後ろでユイとマイが止まっている。

後衛にフレデリカ、イズ、カナデ、そしてマテリアルがいる状況だ。

 

 

ペインはそのままメイプルにトドメを刺そうとする。

 

 

 

「【黒煙】!」

メイプルの元へはそう簡単に辿り着かせないとカナデが放った魔法がペインの視界を奪う。

そこに投げつけられたイズの爆弾が轟音とともに炎を上げる。

 

「【退魔ノ聖剣】」

ペインが剣を一振りすると場を覆っていた黒煙は消え去り目の前にイズとカナデを捉えることが出来た。

 

「【身体装甲】鋼」

 

咄嗟に作られた鎧でイズとカナデを守る。そして、マテリアル自身は

 

 

「鋼の一斬」

 

離れたところから瞬時に駆けつけてペインにマテリアルは作り出した巨大な剣で斬りかかる。

 

「【破砕ノ聖剣】!」

 

それに見透かしたように剣で抑える。

 

 

ペインとマテリアルのレベル差はそこまで大したものではない。ステータス変化のおかげで力負けもしていない。だが、近距離対人戦経験はペインの方が圧倒的に上だ。

 

マテリアルの剣にヒビが入り瞬く間に崩れ去る。そしてマテリアルはメイプル同様に反対側の壁に打ち付けられた。

 

「まだまだ、【身体装甲】 !?」

 

 

発動しない。そう、装備の中心が壊されたことで【身体装甲】が機能しなくなったのだ。

 

だが、マテリアルは時間を稼いだ。

 

「ありがと、マテリアル。」

 

 

メイプルの装備が完全に治る時間、そして反撃に出るまでの用意を。

 

「【カウンター】!」

 

メイプルが第三回イベントで手に入れたらしいスキル。ダメージを受けた際、その攻撃の威力を次の自分の攻撃に乗せる。

 

 

マテリアルを飛ばした反動で動けないペインに砲口から放たれた一条のレーザーがペインの体を焼き尽くす。自身の最大威力攻撃が跳ね返ってくる。

 

 

「ぐっ……まだだ……!」

ペインもまたHPをたった1だけ残してメイプルにまだ斬りかかる。

 

 

「【破砕ノ聖剣】!」

 

 

「【暴虐】!」

黒い靄が形を成して現れたのは一瞬前までメイプルだったもの。

逆転した手数とリーチにペインが目を見開いて迫る化物の数本の腕を見る。

 

 

そこに現れたのは化物の形をしたメイプルだった何かだった。

 

 

さらにその後に伸びてきた醜悪な口がペインの上半身を食い千切ったのである。

 

しかもそれだけでは飽き足らず、残った手足を動かしてドレッドとドラグに迫っていく。

 

「マジかよ!?おい!?」

 

「あー?……まだ変形……?」

困惑と絶望を貼り付ける二人に向かって口から炎が吐き出され、怯んだところでドレッドは腕で掴まれドラグはそのまま捕食された。

 

「いっそ安らかな気持ちだ……」

ドレッドは静かに目を閉じて諦観と共に捕食された。

 

 

「に、逃げなきゃ【多重加速】!」

 

 

1人残されたフレデリカは逃げようとするも

 

 

「【結界】」

 

 

運悪くマテリアルの【結界】によって閉じ込められ

 

 

「「【飛撃】」」

 

「っ!【多重障壁】!」

咄嗟に展開した魔法。

しかしフレデリカはそれを後悔した。

ユイとマイ相手に防ぐタイプの防御は意味を成さないからだ。マテリアルの【結界】ごと破壊しフレデリカは光となって消えていった。

 

 

 

かくして、【楓の木】と【集う聖剣】の一戦は終焉を迎えた。

 




作 「また装備壊れたのかよ。」

マ 「いや、自分で壊したわけではないんですけど」

作 「次回はやっと3日目に入ります。」

マ 「無視しないでください。」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。