人生ソロプレイヤーのNWO   作:名無しの固有名詞

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本日第2本目です。わざわざ分けているいる理由は読みやすいようにしたいという自己満足です。


最終決戦

時刻はいつの間にか過ぎ去って3日目となっていた。【楓の木】にいたのはマテリアルとイズの2人のみである。

 

他の7名は化物メイプルと一緒に他のギルドのオーブを奪取しに回っている。

 

「すみません、また装備の修復をお願いしてしまって」

 

「いいのよ、さっき守ってもらったしね」

 

ペインに壊されてしまった装備を直してもらっていたのだ。生憎、今回は一部損壊ということで何日も修理に時間がかかるわけではなく1時間もしたら直った。

 

 

「ありがとうございます」

 

「装備が壊れたときの代替案も考えておいた方が良いわね」

 

「そう、ですね…。【破壊不能】とかあったらいいんですけど」

 

「残念だけど、私には無理ね。ゲームの仕様上できないわ。」

 

人間は神(プレイヤーは運営)には勝てないということか。なお、神を翻弄することは可能。

 

 

「じゃ、私達も行きましょうか。」

 

「はい、【身体装甲】光」

 

マテリアルとイズが光の鎧に包まれる。

 

 

「身体が軽いわ、器用ね」

 

「まだ同時に2人しか保ちませんけどね。一瞬ならもっとできますけど」

 

 

オーブの周りに何重にも【結界】を張り、2人は夜空を飛ぶ。

 

 

「ふぁーあ…眠い」

 

 

「ずっと戦ってばかりだったものね。これが終わったらゆっくり休めるわ」

 

 

あ、フラグ…あれ?何も起こらない。

 

 

「どうしたの、マテリアル?」

 

「いや、物凄い悪寒が一瞬のうちに来てすぐに去って行った感覚がしました。」

 

「どういう感覚なのかしら…」

 

 

〜〜〜

 

 

時は変わり朝6時、あの後途中でメイプル達と合流し辺りを破壊し回った。ひどい通り魔である。

 

 

 

「はー……疲れたー!こんなに走ったの初めてだよ……」

未だ化物形態のメイプルがそう呟く。

サリーの危機管理によりほとんどダメージを受けなかったメイプルだが、疲労は別である。

しかもここまで動いたのは初めてとなれば疲れるのも仕方ないことだろう。

 

 

「休みます?代わりに侵入者返り討ちにしておくので」

 

 

「うん、お願い。何かあったら起こしに来てくれたら……」

 

「了解」

 

そう言うとメイプルは元の姿に戻ることなく奥へと消えていった。壊される前に解除するのは流石に惜しいため当然だろう。

 

さぞかし眠りにくいだろうと考えつつも、侵入者の方に切り替える。

 

 

「始末は任せてくれませんか?」

 

 

「え、いいけど本当にあの数を?」

 

外にいるであろう数百のプレイヤーを1人で相手にしようというのだ。サリーが驚いたように聞く。

 

 

「はい、これくらいなら。多分大丈夫です」

 

 

そう口にしたマテリアルは洞窟の入り口へと足を向かわせた。

 

 

 

「なんだ?」

 

 

潰しあってくれている大規模ギルド達の前に1人の少年が現れる。

 

 

「【身体装甲】氷 冬将軍」

 

 

一瞬のうちにやってきた寒さと吹雪、そして雪崩はプレイヤーたちを飲み込み、その大半を凍らせる。

 

 

「どうなってやがる」

 

 

一部の運の良いプレイヤー達は凍らずに済んだものの

 

 

「【身体装甲】風 暴風域」

 

 

荒れ狂う竜巻に切り刻まれ、吹き飛ばされ、赤いエフェクトとなって散っていく。

 

 

「広範囲魔法、結構慣れてきた。」

 

 

残ったのは一面木だった森が氷や風によってボロボロにされた姿だった。

 

「うーん、流石にこれはまずいか。」

 

 

そう思ったマテリアルは違和感のないように

 

 

「【身体装甲】水 大海の雫」

 

 

洞窟前を湖にして違和感を無くしましたとさ…

 

 

 

何この化物。歩く厄災か何かですか…

 

 

さすがのマテリアルもここまでのことをしておいて、余裕の表情ではいられない。MPは半分以上消費してしまった。

 

 

「ちょっとやり過ぎた。まあこれだったら攻め難くなるでしょう、多分」

 

難攻不落の要塞は地の利に富んでいる。その要素は、石垣や迷路、そして川だ。飛んででも来ない限り、湖を簡単に渡るには時間がかかってしまう。泳いでくるのだとしたら恰好なエサだ。ユイとマイのトレーニングになるだろう。

 

 

 

逆に、攻めに行く方も戻るのは困難になるわけなのだがその時は飛ぶ亀や潜水スキル、足元を凍らせれば問題ない。他には湖に衝撃を与えて道を作ることもできる。ああ、もう訳がわからないよ。

 

 

「ふぅ、戻るか。」

 

 

〜〜〜

 

 

あの後、サリーが偵察に出てしばらく経過しました。

サリー以外はみんな休んでいます。

 

中規模ギルドも大体潰されて大規模ギルドもかなりの数が全滅している。この分じゃ最終日に残るのはトップ10くらいだろう。

 

 

 

「そういえば、【探知】が使えるからある程度はわかるんだった」

 

 

そう思い出したマテリアルは現在の状況を確認する。

 

 

「ん?すごい勢いで大規模ギルドが解体されてる。」

 

 

示し出された【探知】の地図が写されるとカスミが言う。

 

 

「これは…おそらくは【炎帝ノ国】だろう。」

 

 

ここでサリーから連絡が入る。

 

『大規模戦闘が始まった、座標を送るから今すぐきて』

 

とのことだった。

 

 

眠っていたメイプルを叩き起こし、湖を渡るまでの間凍らせて場所へ向かう。向かったのはメイプル、カナデ、カスミ、マテリアルの4人だ。もう4人には一応防衛をしてもらっている。必要はほとんどないだろうが

 

 

それより

 

 

「わー、氷が砕ける」

 

 

湖を全て凍らせていないため、化物メイプルが歩くと割れてしまう。マテリアル達のところにもその余波が伝わりいつ崩れ去るかわからない。

 

「あれ、なんとかしようよ」

 

カナデの一言でマテリアルが動く。

 

 

「【結界】」

 

色をつけたブロック状の結界が湖の端まで作られる。

 

「ありがとう、マテリアル」

 

「これで一安心だな」

 

「ええ、ここ渡ったらメイプルさんに乗せてもらえばすぐ着きますし。」

 

 

〜〜〜

 

 

 

 

「行くぞ! 【炎帝】」

 

一方、大規模ギルド達に囲まれた【炎帝ノ国】は決死の覚悟で立ち向かおうとしていた。

 

 

【炎帝ノ国】はメイプル襲来によって順位は5位となっていた。美味しいところを貰わんとばかりに蜜に群がる虫が如く集まってきたのである。

 

 

同時に【炎帝ノ国】目掛けて魔法攻撃が繰り出される。

 

 

 

襲いかかる攻撃を全て焼き尽くし、カウンターに炎に包まれる。

 

 

「ミィ、いつの間にこんな攻撃を?」

 

 

ミザリーが感心し、救世主をみるようなキラキラした目で言う。

 

 

「いや、これは私ではない。」

 

はっきり言い切ったミィに

 

「じゃあ誰が? ミィ以外でこんな攻撃をできる奴なんていないだろ」

 

シンが答える。

 

「もうどうでもいいよ、味方してくれるなら」

 

マルクスが諦めたような目で言う。

 

 

場所は変わり

 

 

「本当に良かったのか、サリー」

 

サリーに斬りかかりながら尋ねる。剣ノ舞でSTRを上昇させているのだ。

 

「うん、【炎帝ノ国】にはここでやられてもらったら困るからね。」

 

避けながら答える。

 

あの炎の正体はやはりマテリアルだったのだ。

 

 

【楓の木】の目的は【炎帝ノ国】に群がる大規模ギルドの壊滅。

その際に【炎帝ノ国】の中でもより強いプレイヤーは出来るだけ倒されないようにするということになっている。つまりミィ、マルクス、ミザリー、シンの四人は生かされる。四人が大規模ギルドに重大な損害を与えてくれるからだ。

 

 

メイプルとカナデは既に戦場で戦っていた。

 

 

「お疲れ様です」

 

先程まで中心にいたマテリアルが合流する。通ってきた道には火柱が立っており、何人のプレイヤーが犠牲になったのかわからない。

 

 

「やっぱり、パニックが起こってるね」

 

マテリアル達の攻撃によって大規模ギルドの足並みは崩れ、大乱闘が起こったのだ。裏切りが起こったとでも思ったのだろう。冷静に考えれば【炎帝ノ国】を倒す前に裏切るメリットはないというのに…。戦闘に集中している彼らにはそんな判断はできなかった。

 

 

「サリーとカナデの作戦通りだね」

 

化物メイプルがプレイヤーを喰らいながら話す。

 

「メイプルさん、お食事中はおしゃべりはダメですよ」

 

と、冗談口調で言う。

 

「あー、うん。わかった。」

 

黙々と敵を喰らい続けるメイプル、強力な範囲魔法で周囲を攻撃するカナデ、爆炎に身を纏いミィがいると錯覚させるマテリアル。そこにサリーとカスミが合流する。

 

 

と、同時に

 

「まずい、【暴虐】が」

 

 

化物メイプルがノーマルメイプルに戻る。今だと同時に攻撃するも

 

「うぅ、びっくりした」

 

咄嗟に出した攻撃は貫通攻撃だったとしてもメイプルには貫通攻撃を減少させるスキルがある。ほとんどダメージが通らない。

 

 

「メイプル!来るよ!だから……」

 

「うん!【暴虐】!」

昨日の分の【暴虐】が壊れてもまだ今日の分が残っている。

絶望が再臨する。

さらに。

 

「「【幻影世界】!」」

カナデとサリーが叫んだ魔法。

3分後対象の分身を3つ作り出す魔法。

それらはメイプルに吸い込まれていき化物メイプルが

7人…7体になった。

 

 

「どこからどう見ても世紀末なんだが」

 

合流したカスミが言う。

 

「そうですね、7人もいればハンドボールで1つのチームができますね。」

 

 

遠い目でメイプルを見つめる。

 

他の何にも変わりない、一方的な殲滅が始まったのだ。

 

 

 

近づいてきていたのはペイン以外にもドラグとフレデリカとドレッドもいた。

メイプルの姿が元に戻った今、攻撃のチャンスだと一歩を踏み出していたのだ。

 

「見る度におかしくなってるぞ、おい!【地割れ】!」

ドラグが慣れと諦めと共に地面を割る。

どのメイプルが近づいてきても危険なのだから足止めしなくてはならない。

 

 

襲われる側からしたら悪夢以外の何とも形容し難いだろう。マテリアルも負けじと竜巻でプレイヤーを喰らう。やはり一対一よりかは相手が多い方がマテリアルの戦闘は輝く。

 

 

3分後には既にいた半数以上のプレイヤーが光となった。

 

 

しかし、化物メイプルも小さなダメージが蓄積し元の姿に戻ってしまった。

 

今度こそと言わんばかりにプレイヤー達はメイプルに狙いを定めるが

 

「【全武装展開】!」

空中にいるメイプルから地面に向けていくつもの銃口砲口が向けられる。

ガシャガシャと音を立てて次々に黒い兵器が展開される。

 

「あーあ、馬鹿だ。実に馬鹿だね」

 

マテリアルはメイプルの方を眺めて言う。なぜメイプルを仕留められると思ったのかという嘆きのような一文でもある。

 

殲滅力は下がったものの、【毒竜】や武器の攻撃、【捕食者】などと多彩な攻撃がある分こちらの方が厄介だ。

 

 

〜〜〜

 

 

ほとんどのプレイヤーが去った後、残ったのは【炎帝ノ国】の4人とメイプル達であった。

 

【炎帝ノ国】は満身創痍であり、もう既に多くの切り札も使ってしまった。ここから【楓の木】とは戦えないだろう。ミィもそう判断したようで、ちょうどメイプルと自分達との間にある自軍オーブを回収に向かうことすら諦めて炎をその体に纏わせた。

 

 

「【結界】」

 

マテリアルが【楓の木】メンバーを結界で守る。

 

直後起こったのは大爆発。

そう、ミィはありったけのMPを使ってメイプルの自爆飛行を真似て、ミザリーとシンとマルクスをつれてその場から緊急離脱したのだ。

メイプルとは違い回復をミザリーに頼るのだが、結果としてそれは成功した。

これは【炎帝ノ国】のギルドメンバーの総意だった。

上位に留まることをギルド内最強の4人に託したのである。

 

メイプル達は再びオーブを手に入れることに成功したのであった。

 




作 「3日目の山場は越えたな」

マ 「ほとんどメイプルさんが持ってったんですが」

作 「安心して、明日たくさん活躍してもらうから。」

マ 「安心ができないんですが」
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