人生ソロプレイヤーのNWO   作:名無しの固有名詞

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はい、6話めにして第2回イベントに入ってしまいましたね。それより共闘に入ります。マテリアルの特訓の成果をとくとご覧あれ。


第二回イベント

二層の街にて

 

「ここ、か。」

 

マテリアルはイベント会場についた。既に多くの人が待っている。それもそのはず、第一回イベントは大成功で幕を閉じ、プレイヤーだけでなくその映像(主にメイプル)によって人気が増えたからである。俗に言うメイプル効果だ。そして、時間もあったためイベントに参加できる人が倍増したのである。理由はまだあり、探索型というわけで前回よりもチームプレーが重視されているため、芋づる式に人数が増えたこともあるのだ。

 

 

「そうだ、メイプルさんと待ち合わせをしているんだった。どこにいるんだろう?」

 

 

キョロキョロと見渡すマテリアルだが一向に見当たらない。いささか捜索対象が小さすぎる。

 

 

「イベント1時間前に待ち合わせしておいて良かった。っていうか、場所決めてないってどう言うことだよ。」

 

と自分にツッコむ人がいる中

 

「ちょっと、待ち合わせしてないってどういうこと!」

 

サリーの怒鳴り声が響く。

 

「ご、ごめん。忘れてた。」

 

メイプルがうぅ、と言葉にならない声を発しながら走り回る。

 

 

「見た目教えて、一緒に探すから。」

 

 

「ありがと、サリー」

 

悪いな、見た目はかなり変化してるんだ。

 

 

〈しばらくして〉

 

 

ここで、運営からのアナウンスが入った。

 

「今回のイベントは探索型です!目玉は転移先のフィールドに散らばる三百枚の銀のメダルです!これを十枚集めることで金のメダルに、金のメダルはイベント終了後スキルや装備品に交換できます!」

そうアナウンスが流れ、ステータス画面が勝手に開き表示されたのは、金と銀のメダルである。

 

 

 

「前回イベント十位以内の方は金のメダルを既に一枚所持しています!倒して奪い取るもよし、我関せずと探索に励むもよしです!」

幾つかの豪華な指輪や腕輪などの装飾品、大剣や弓などの武器などの画像が次々に表示されていく、全てこれから行くフィールドの何処かに眠っているのだ。

 

 

「死亡しても落とすのはメダルだけです!装備品は落とさないので安心して下さい!メダルを落とすのはプレイヤーに倒された時のみです。安心して探索に励んで下さい!死亡後はそれぞれの転移時初期地点にリスポーンします!」

取り敢えずは一安心である。

装備品を奪われないのならばある程度は気楽に出来ることだろう。

 

 

「今回の期間はゲーム内期間で一週間、ゲーム外での時間経過は時間を加速させているためたった二時間です!フィールド内にはモンスターの来ないポイントが幾つもありますのでそれを活用して下さい!」

つまり、ゲーム内で寝泊まりして一週間過ごしても現実では二時間しか経っていないと言う訳だ。全く便利な仕様である。

 

 

 

アナウンスされた内容は既に告知で見ていたため、マテリアルは聞かずにメイプルたちを探していた。そのため金のメダルによるダメージはない。知らぬが仏というものだ。

 

 

「そうだ、【探知】」

 

忘れていた、【探知】は見えないものを見つけることができる。むしろ、これが本質である。

 

「見つけた。【身体装甲】光」

 

文字通り光の速さで移動してメイプルの元へ駆ける。

 

「お待たせ、しました。」

 

 

マテリアルがメイプルたちのところへ着いたのは、体の一部が光ってしてしまっているときだった。

 

 

 

 

 

転移先にて

 

 

 

 

「良かった、見つけられて。」

 

 

マテリアルには安堵がもたらされる。

 

 

「ごめんなさい、場所決めてなくて。」

 

 

メイプルが小さな声で頭を下げる。

 

 

「いえ、こちらこそ。」

 

 

マテリアルも同様に頭を下げて、2人は顔を上げる。

 

 

「えっと、初めまして。私はサリー、イベントが終わるまでよろしく。」

 

 

「初めまして、マテリアルって言います。こちらこそよろしくお願いします。」

 

 

もう一度マテリアルは深く頭を下げ、イベントの目標と作戦、各自のスキルについて話し合った。

 

 

「回避盾、ですか。」

 

 

「うん、サリーはね、どんなスキルも全部避けちゃうの。」

 

 

「それは楽しみですね。」

 

「ちょっとメイプル、あんまり持ち上げないでよね。」

 

それでも褒められて嬉しいのか少し笑みが浮かんでいるように見える。

 

「さて、準備もできたし行こうか。」

 

 

 

3人がいたのは開けた草原のど真ん中。

空には重力の影響を受ける事なく浮遊する島々が見え、遠くの方には山岳地帯なども見えている。そして広く、澄み渡る大空を竜が優雅に飛ぶ姿も見る事が出来た。

 

「あれと戦うことになったら嫌だなぁ」

 

マテリアルはボソッと呟くがそのまま遠くへ飛び去って行った。

 

運営が用意した今回のフィールドは自然豊かな、モンスター達の理想郷。

誰もが夢見た事のあるファンタジーの世界を写し取ってきたような幻想的な世界だった。

 

 

 

「さて、見れば見るほど運営もかなり凝ったことをしますね。」

 

 

「おおー!綺麗!」

 

「すっごい…綺麗すぎてぞくぞくした」

3人は草原を話しながら歩いていく、もちろんマテリアルはほとんど会話に参加していないのだが。そんなことはともかく、プレイヤーは見当たらない。前回、メイプル達がすぐに会敵したことを考えると今回はかなり広めに設定されたステージなのかもしれない。

 

「メダルとか見つかるかなあ…」

 

「さあ?まあ、じっくりやろう?まだ時間はあるしね」

 

「えっと、お二方。戦闘態勢になられた方がよろしいかと。」

 

 

「「え?」」

 

 

地中からゴブリンが現れた。しかも、2,3匹の話じゃ無い。すぐにマテリアルたちは山のような数のゴブリンに包囲されてしまった。

 

 

「わわっ、どうしよう」

 

 

「落ち着いて、メイプル。ここは「任せてください」え?」

 

 

「【身体装甲】炎 炎燒」

 

 

そういうと、地面から炎が湧き上がりゴブリンたちを燃やしていく。そのまま数分して

 

 

「ふぅ、やっと全部倒せた。お待たせしました。」

 

 

 

本の数分で山ほどいたゴブリンを全員倒したのだ。

2人は驚愕して空いた口が塞がらない。

 

 

「えっと、話してたのと違うんじゃ」

 

 

マテリアルは【身体装甲】の説明で相手からの攻撃を防ぐ、とだけ言っていたためであった。もし、事前にこんな攻撃もできるということを実演でもしていたらこうはならなかっただろう。まあ、MPを消費するので気づいたとしてもやらなかっただろうが。

 

 

「なんか、すみません。隠すつもりはなかったんです。」

 

 

申し訳なさそうに頭を下げる。(本日2度目)

 

 

「まあ、悪気がないならいいんだけど」

 

 

「すみません。」

 

 

 

 

3人はそのまましばらく草原を歩き続けた。しかし、以前として景色は変わらない。

 

 

「右、草原!左、草原!後ろ、草原!前、草原っ!」

サリーがヤケになって叫ぶ。何処をみても草原しかない。地平線まできっちり草原だ。

 

 

「広すぎるよ~…さっきからゴブリンしか出てこないし…」

 

メイプルも元気がなさそうに言う。

 

「マテリアル~、何か使えそうなスキルない?」

 

サリーがマテリアルにどこぞのロボット感覚で聞く。

 

 

「ありますよ、てれれてっててー【たーんーちー】。

このすきるをつかえばこのむだにひろくとってあるそうげんからなにがどこにあるかまではっきりとわかるのだ~」

 

 

マテリアルも少しテンションがおかしくなってしまっていたようだ。平仮名が読みにくくて申し訳ない。マテリアル自身は2人が草原を歩きたくてやっていると思っていたようでなかなか口に出せなかったのである。

 

 

「よし、早速それを使ってよ。」

 

 

「了解、解析します。」

 

 

〈30分後〉

 

 

 

「オーケー、大体把握しました。」

 

 

【探知】は通常なら一瞬でダンジョン内の様子を確認することができるのだがこの馬鹿げた広さの草原を確認しきるまで30分もかかってしまった。それほど運営が本気を出したのだろう。

 

 

「何がわかったの?」

 

 

「まず、そこです。」

 

 

マテリアルが指を刺したのは何もないただの草原、

 

 

「そんなところに何があるって言うの?」

 

 

サリーが不思議そうに聞くがマテリアルがその場所へ行くと

 

 

「ま、見ててください。って、ちょ」

 

 

その場所に立った瞬間、床が抜けたかのようにマテリアルだけがフェードアウトする。

 

 

「え!え、どういうこと!?」

 

 

メイプルもそれに呼応するかのように驚く。それに対して、サリーは何かに気付いたようで

 

 

 

「【蜃気楼】みたいなスキル…それで入り口を隠してた。もしかしたら、他にも入り口はあったかも。この草原広いしね…」

 

「入る?」

 

「当然!念入りに隠したこの洞窟…きっとメダルの一枚や二枚あるって!それにマテリアルももう行っちゃったし。」

 

「よーし!じゃあいこう!」

二人は洞窟の中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

「よしっと、お掃除完了。」

 

 

2人が見たのはゴブリンの山を積んでいたマテリアルであった。ゴブリンスレイヤーの称号を上げよう。(非公認)

 

 

「何してるの?」

 

 

「見れば分かるでしょう?降りかかった火の粉ならぬ襲いかかったゴブリンの始末です。」

 

 

「じゃ、マテリアル。【探知】でボスのところまで連れてって。」

 

 

「了解、っていうかかなり扱いがラフになってきましたね。」

 

 

「それじゃまずい?」

 

「いえ、特に。右、右、左、右、左でボスです。」

 

逆にこうして気軽に声かけてくれるのは少し嬉しいようだ。表情には出ることはないだろうが

 

〜〜〜

 

 

 

 

「ボス部屋っぽい部屋発見!」

目の前には道中には一つも無かった扉の存在があった。五メートル程の木製の扉を開き中へと入る。中は広く、薄暗い。天井までは十メートル近く、周りを見るに横幅も同じくらいだ。

 

そこにいたのは今まで会ってきたゴブリンの中で最も大きく、醜悪な見た目をした巨大ゴブリンであった。

 

 

「さて、とっとと終わらせましょう。」

 

 

「いや、マテリアルはここで待ってて。」

 

 

サリーからそう言われて不思議そうに首を傾げる。

 

 

「だって、さっきからかなりMP消費してない?そろそろ休んだ方がいいよ。」

 

 

サリーの言った通り、【探知】で広い場所を解析した上、洞窟内のほぼ全てのゴブリンを掃討したため、かなりMPが削れてしまっている。

 

 

「いえ、問題ありません。」

 

 

そんなことは気にせず、戦おうとするマテリアルであったが

 

 

「ううん、そろそろ私たちにも任せてくれないかな」

 

 

メイプルも口を開く。

 

 

しかし、巨大ゴブリンの咆哮のせいでその声が掻き消される。

 

 

「あー、もううるさいな」

 

 

「さっさと倒しちゃおう、マテリアルはそこで私たちを見てて。」

 

 

「はい、わかりました。」

 

 

と、その場に椅子代わりに結界を張って座るマテリアルであった。

 

 

先に仕掛けたのはサリー、走って距離を詰めようとするが、ゴブリンは傍においてあった剣を手に取り、振り回す。

 

 

「【カバームーブ】!」

 

その瞬間、メイプルが剣を大盾で防ぎ切る。既に闇夜ノ写に盾を切り替えており、剣は失われた。

 

 

「【悪食】、攻撃を全て吸収するのか。流石にそんな高等スキルにも少なからずデメリットはあるはず」

 

 

サリーはそのまま走り、ゴブリンへ向かう。拳を振り上げて押し潰そうとするが

 

 

「【カバームーブ】!【カバー】!」

 

 

メイプルがまたもやサリーの目前でゴブリンの攻撃を防ぐ。ゴブリンが驚いている隙に

 

 

「【ダブルスラッシュ】!【ウィンドカッター】!【パワーアタック】!【ダブルスラッシュ】!」

 

 

サリーの猛撃がゴブリンを襲い、

 

 

「【毒竜】!」

 

 

メイプルの声が三つ首の毒竜を呼び出す。

サリーを追いかけてより大きな脅威を放置してしまったゴブリンはその背に毒竜の攻撃を受けることになってしまった。

ゴブリンは光輝いて消えてしまった。

 

マテリアル達はゴブリンが座っていた玉座の元へ向かう。そこには装飾は無いものの大きめの宝箱があった。

 

「開けるよ?」

 

「おっけー!開けちゃって!」

サリーが宝箱を開ける。

中に入っていたのはゴブリンが持っていたのと同じ見た目の巨大な剣。そして、銀色に輝くメダルが二枚だ。

 

「やった!メダルだ!」

 

「しかも二枚、二枚だよ!」

二人は剣などそっちのけでメダルに夢中になる。そもそも、剣は二人とも装備出来ないのだから興味がなくて当然とも言える。

 

 

 

「えっと、じゃこの剣もらいます。」

 

 

 

【ゴブリンキングサーベル】

【STR+75】

【損傷加速】

 

 

「ふむふむ、すぐ壊れちゃいそうだけど重要な一戦で使えそう。」

 

2人がメダルに気を取られているうちにマテリアルは冷静に武器の分析をし始める。

 

 

「あれ?そんなのあったの?」

 

 

ようやくこちらに気づいたようで剣の話になる。

 

 

「もらっていいですよね?」

 

 

「うん、私達使えそうにないからね。」

 

 

短剣装備と大盾装備がこんな大きなサーベルを使うことなんてないだろう。まあ、マテリアルも使う可能性が高いわけではないのだが。

 

 

 

 

「次のダンジョン探しに行く?玉座の裏に魔法陣あるし、乗れば外に出れると思う」

 

「……あと一つくらいなら今日中に行けそうかな?スキルも持つと思う!」

 

 

一瞬、【スキル】についてマテリアルが首を傾げるが聞かなかったことにしたようだ。

 

 

3人は魔法陣に乗ると、戻ったのは元にいた草原だった。

 

 

「さて、どこに行きます?」

 

 

「前進!多分それが一番。最初から見えてるあの高い山までずっと草原ってことは無いはず」

 

「それもそうだね!」

3人は山岳地帯を目指して歩き出した。

 

 




作 「なんだ、意外と滞りなく進行してるみたい。杞憂だったかな」

サ 「あれ?ここどこだろ?」

作 (またこの展開かよ)
  「お嬢さんは迷子かな?」

サ 「はい、そうですけど」
  (メイプルとダンジョン行ってたらはぐれちゃった。)

作 「出口なら向こうだよ」
  (何かやらかす前に退場してもらおう。)

サ 「あ、今週は毎日投稿するらしいよ。じゃ、バイバイー」

作 「ちょ、何を勝手なことを…もういない、恐るべしサリー」
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