sideコウ
「はい、それじゃあスキーやっていくよ〜」
「なんでいきなりスキーなんですか?」
「いや〜今日本当は午後からスキーだったはずなんだけどなんか午後は天気が荒れるらしいからね〜急遽午前中にスキーをすることになったんだよ」
「でもスキーの用意してませんよ?」
「あ〜それなら大丈夫」
「うい〜っす」
「・・・駄菓子屋さんなのにスキーレンタルしてるんですか?」
「さすがに駄菓子だけじゃ食っていけないからね。スキーは私の趣味だけど大抵の生活用品とかは売ってるしレンタルもしてる。だからもし何か必要な時は声かけてくれるように親御さんに言っといてもらえないかな」
「楓さん。そこでストップです。高価な取引関係の話は大人同士でやってください」
ほんとこの人は金が絡む話になるとがめっついな。
「それじゃあ早速滑ろうよ」
「滑るって言ったって私やったことないよ?」
「コウとかほたるんは?」
「僕はスノボーなら」
「私はどっちもないですね」
だから個人的にはスノボーやりたいんだけど。さすがに授業だからスキーにしとこう。
「じゃあコウはスノボーやるか?」
「・・・・持ってきたんですか?」
「一人くらいそっちの人が現れてm「ほんとは何かあった時のためにカリをつくりたいんじゃないですか?」・・・・なんでわかるんだよ」
「バレバレですよ。顔に書いてありましたもん」
「感の鋭い奴め。それで、どうする?スノボーかスキーか」
「・・・・授業ですしね。スキーにしますよ。また別の時にスノボーはレンタルさしてもらいます」
「そうかい」
「よし、それじゃあ気を取り直してやっていこうか」
「じゃあ滑ったことある私から講義を行いまーす」
「大丈夫ですかね?」「無理だと思う」「そもそも夏海スキーしたことなかったでしょ」「泥舟なーん」
「別の意味で抗議が始まったな」
「コウスノボー滑ったんならスキーできないの?」
「さあ、どうだろう。同じウィンタースポーツだけど、というかこっちにきてスノボーやってないから感覚忘れている気がする」
さって、これに足をはめて滑るんだけど。どうしようこれ足縦なんだよね。スノボーは板に対して足が横なんだが。
「コウどうしたの?」
「これ足縦なんだよね、僕まずそこから無理だよ」
「頼みの綱のコウがダメか〜」
「どうしましょうか」
「楓さ〜ん少し教えてくださ〜い」
「いいが、スパルタだぞ私は?」
「まず、基本姿勢だが足は肩幅くらい。これで前傾姿勢にしてたら基本は滑れる。ブレーキは足をハの字にする。この時になんだがステッキは前に出さない。急にブレーキなったら自分の腹にくるからな。ざっとこんな感じだな」
「よし、じゃあ講習も終わったことだし滑ろ〜!」
「おー!」
ふう、遊んだ遊んだ。
「ちょいちょいコウくん」
「なんですか先生、もうだいたいわかるけど」
「さすがにわかるか」
「隠す気ないですよね」
先生の後ろにはガスコンロと大きな鍋、具材多量。
「今蛍たちがかまくら作ってるからそれに合わせて豚汁をつくって欲しいんだ」
「なるほど、豚汁ですか」
確かに材料的には豚汁の材料なんだが。
「材料これ全部使うんですか?」
「いや、流石に全部は使わなくていい、余ったら私がもらうから」
「まあ、それならいいか」
寒さで手がかじかんでるから包丁の扱いに気をつけないと。
「コウ先輩!かまくら出来ました!」
「お〜ずいぶんでかいの作ったね」
中に人が6人はいるからそれなりの大きさは必要だろうけど、大きい分中は寒くなった気がする。
「な、中は寒くない?」
「はい、ポカポカして暖かいです!」
「そうなんだ〜」
(多分それはかまくら作るときに出た熱だろうけど。まあ、中で豚汁食べたら暖かくなるか)
「おぉーずいぶんと大きいの作ったねほたるん」
「じゃあ私たちは中でお餅焼いてますね」
「もーち もちもち」
ちょ、七輪なんてどっから持ってきたの。そしていつの間に火までつけたの?!
「今日の蛍行動が早いね」
「さすが、アグレッシブほたるん」
「まあ、東京ではこんなに雪降らないからテンション上がってるんだよ」
「コウ先輩の方は大丈夫なんですか?」
「あとは青ネギの部分に火を通してるだけだからもうできるよ」
「え、コウ何か作ってるの?」
「豚汁を作ってたんだよ、大丈夫みんなの分ちゃんとあるから」
「言ってくれたら手伝ったのに」
「いや小鞠は遊ぶのに必死そうな顔してたから」
「え、そんな顔してた?」
「うん、すごく楽しそうだったよ」
「うぅ・・」
あれ?下向いちゃった。
「あれ本人無自覚でやってるんですか?」
「うん、恐ろしいね〜」
「餅ひっくり返す〜ん」
「あ、じゃあ豚汁取ってくるね」
「こっちのお餅ももうすぐ焼けそうです」
「・・・・コウのばか」
「ばかって言うなばかって〜」
「うわぁ!コウ?! 豚汁取りに行ったんじゃ?!」
「取りに行く前に小鞠がばかって言ったんじゃん」
「言ってない!」
「・・・・何を拗ねてるのさ?」
「ッ、拗ねてない!」
「コ〜ウ〜豚汁まだ〜?」
「はいはい、今取ってきますよ」
「いや〜まさか学校に泊まることになるとはね〜」
「でもいいじゃないですか楽しそうですし」
「そうかね〜」
もう日が落ちて数時間。あのあと午後の授業をしてる最中に大雪が降り、そのままバスが停止。おかげさまで今日はみんなで学校にお泊まり会ってわけだ。
「というか先生午後から天気荒れるってわかってましたよね」
「いや予報だともっと遅い時間から強くなるってあったからさ。そのままやってたんだよ」
「あぁ、なるほど」
「さて、学校に泊まるわけだが。ただ問題が一つ
非常食はあって食は問題ないが布団がない」
今は先生と生徒合わせて7人。布団が3つ。そのうち1つが保健室にあるがこちらは兄ちゃんが既に就寝。そして、寝袋が2つ。この状態だから必然的に二人は寝袋で寝ることになってしまう。
「それじゃあ寝る場所決めるん」
「僕寝相悪いから寝袋でいいよ」
「え?」
「いやだから寝袋でいいって」
「とまあそういうわけで」
「あと布団2つ寝袋1つ人が五人」
「ほんとに参ったよ」
・・・・ん?!
「ちょっと先生?」
「・・・・ダメだ完全に寝てる」
「え、嘘だろ?!」
「私も嘘だと思ったよ?!でもこの人本気で寝てる」
おいおい、さっきまで参ったよって言ってた人が速攻で寝るの?
「仕方ない。かず姉の布団には姉ちゃんかれんちょんを入れるとして、私とほたるんで寝袋か布団かで決めようか」
「なんか小さい子扱いされてる気がするけどいいや布団で寝れるし」
小鞠それは気のせいじゃないぞ。
「というか別に二人で争わなくていいんじゃないか?」
「え、どういうこと?」
「だってほら〜」
指を向けた先は布団で寝てる人が一名。
「うひゃ〜こんな食べていいんですか〜」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「ちょ〜うめ!」
「察した?」
「はい、夏海先輩協力してください」
「うん、布団で寝るためだもん引き受けるよ」
こうして、布団で寝るぞ作戦が開始された。
といってもそこは先生だ。普段寝ると起きないのは僕らが一番わかっている。結果的に乱暴にしても起きないのでわずか3分で任務が完了。
「いや〜よかった〜布団で寝れるよ」
「先生は明日何か仕掛けようか」
「手伝うよコウ」
side蛍
う〜ん寝れない。枕が変わると寝れないって本当かも、・・・水飲んだら寝れるかな? 寒い。この寒さでも水道管が凍結してないのはやっぱり毎年のことだからなのかな?
「わぁ、雪!」
窓の外を見ると一面の銀世界。東京では冬になっても雪はあまり積もらないしまず雪が降らない。
というかコウ先輩がいない。トイレにでもいったのかな?
「明日起きたら小鞠先輩と雪だるまとか作りたいな〜」
コウ先輩どこ行ったのかな?
眠れないから適当に教室を回って見るといつも通っている教室に薄い明かりがついていた。
「コウ先輩何してるんですか?」
「あ、起こしちゃったかな」
「いえ、それは大丈夫ですけど何してるんですか?」
「読書だよ。寝る前にいつも読んでるんだ」
「寝る前ってもう1時半ですよ?」
「僕大体3時まで起きてるから大丈夫だよ?」
「えぇ?!」
「ほたるんお静かに」
コウ先輩。よく授業中に寝ないな。
「はは、小鞠も初めて聞いた時は同じような反応してたよ」
「小鞠先輩は何か行ってなかったですか?」
「もっと寝なきゃダメだよ!って言われたね。あと、散々心配されたね」
「ふふ、小鞠先輩なら言いそうです」
「だってさ〜小鞠〜夏海〜」
「え?」
コウ先輩がドアの方を指差すと見慣れた姿が二人。
「なんでわかったのコウ?」
「バレバレだよ二人とも、目が見えてたら頭も見えるでしょ」
「先輩たちは何してたんですか?」
「姉ちゃんがさ〜ほたるんが部屋から出て行くの見たから何してるのかなって」
「それでついてったらコウが居たから」
「それで今に至ると」
「あ〜あ〜姉ちゃんのせいで目が覚めちゃったよ」
「仕方ないでしょ、ほたるんがいきなり部屋から出て行ったんだもん」
「それじゃあさ、ちょっと外で遊ばない?」
さっきも見たが校庭側はまだ見ていなかったがコウ先輩が電気を消しながら言うとみんなで窓の外を見る。
「おおー!」
ガラス越しの景色は絶景というものだろう。
数時間前まで吹雪いていた雪はやみ、校庭に積もった雪は月の光に照らされて青白い光を反射している。今日は満月なのも合間って月光が強い。
「何してるのん?お祭りなんなー?」
「あ、れんちゃんも起きてきた」
「ウチも祭るーん!」
「じゃあ雪まつりでもする?」
「雪まつりってなんなー?」
「ただただ単純に雪で遊ぼうってことだよ。眠気が覚めちゃったし」
「じゃあさ、雪合戦しよう!」
「雪だるまとか作りたいな」
「かまくらとかも作りましょうよ」
「遊ぶ〜ん!」
side小鞠
あれから約1時間。みんなで遊んだ。ほんとに1時間しか遊んでないのかってくらい楽しかったし疲れた。みんなで布団に入ったが私とコウ以外は寝た。なんでこの二人を残して寝るかな。・・・・・寝れないじゃん
「それじゃあ電気消すよ」
「あ、コウ!」
「?」
「えっと・・・・・さ、寒いから・・手を握って欲しいんだけど・・・・」
「うん、いいよ」
そう言って寝袋に入り右手を出してくる。横を向いて目を合わせた状態で手を握る。
「あったかいね、コウの手」
「ありがとう」
手が冷たい人は優しい人だと聞いたことがあるけど、コウの場合は手があったかいけど優しい。
「おやすみ、コウ」
「うん、おやすみ。また明日」