のんびりながれるにちじょうびより   作:空島さん

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ぼーっとできる時間 前編

 sideコウ

 

「いきなりどうしたんですか?」

「デパートに行くだけだが?」

「じゃあなんで軽トラの荷台に一穂先生乗っけて僕の家の前にいるんですか。方向真逆ですよね。」

「いや〜、コウも買いたいものがあるかなって寄っただけだよ。」

「電話で伝えればいいじゃないですか。」

「あ、忘れてた。」

「・・・・完全になにか企んでますよね。」

「先輩、無理だと思います。」

「だね〜。実は家の畑に蒔く土や肥料がなくなって来てね。」

「それで、軽トラ要員で呼ばれて来たんだよ。」

「つまり僕は荷物運びですね。いいですよ財布取って来ます。」

「ありがとうね〜。」

 

別に荷物運びくらい頼まれたらやるのにな。

 

 

 

「準備できました。」

「それじゃあ荷台に乗って。デパート行くから。」

「頼まれたら予定がない以上は行きますよ?」

 

まあでも、この人たちならおそらくまた同じ方法で連れていかれるだろう。

それに、一人暮らしなら連れて行きやすいだろうし。

 

「それで、土や肥料以外にはなにかありますか?」

「それ以外ならでっかいトロ船だけかな。それに買ったもの入れて運ぶからさ。」

 

台車じゃだめなんですかね?

買い物できるからいいけど。

 

「それじゃあ時間になったら呼んでください。携帯持ってるので。」

「わかった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えっと〜必要なものは。

洗剤・文房具・ノート・麦茶のパック。服はいいかなまだ着れるし麦茶のパックからでいいか。

 

 

 

 

「お〜い出番だよ〜。」

「携帯持っているとは言いましたけどこの距離で必要ですか?」

「いやごめん気づかなかった。」

「まあいいですけど、すごい量買いましたね。」

 

表面に見えるだけでも5Lと書かれた袋が3つ、膨らみからしてもう少しありそうだが。これ僕だけじゃ絶対人手たりないって。もう一人くらい来ないと無理だよ。

 

「じゃあこれ荷台に積んで行くよ〜。」

 

1つ5Lなだけまだマシと思うべきか。物によっちゃ10も20もするものあるし。

 

「ちにみにこのトロ船は最後ですか?」

「そうだね〜・・・順番的に最後かな。」

「了解です。ちなみに何袋買ったんですか?」

「5袋買ったよ。」

 

やるしかないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あー重かった。腰砕けるかと思ったわ、まだ中学生なのに腰が危ない気がする。これ年寄りになったときに大丈夫かな?

あとで労災でも下そうかな、誰にとは言わないけど。

 

「おつかれ〜じゃあ荷台に乗って送るから。」

「先輩、居眠り運転はやめてくださいね。」

「さすがにしないよ。というか私が一番被害合うんだから。」

「安全運転お願いします。」

「まかせときな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここいらへんでいいかな?」

「はい大丈夫ですよ。」

「あ、ついでに駄菓子買っていっていいですか?」

「いいよ、今開けるから待ってな。」

 

シャッターにはってある休業の張り紙を剥がし、そのまま開ける。

これ外からも開けられるならシャッターの意味なくないか?

 

「ほら、開いたぞ。この時期だからラムネはないけどな。」

「まあ無意識にうちにラムネは夏の風物詩っぽくなっちゃいましたからね。」

「昔は季節問わず仕入れていたんだけどな。」

「じゃあ、これとこれとこれを。」

「全部で123円だ。」

「はい、丁度で。」

「毎度。」

 

「久しぶりだし、私もいいかな。」

「いいですよ。ただし割引はしませんからね。」

「買っていいか確認しただけでこの反応。」

「普段の行いじゃないですかね。」

「生徒からもこの返しである。」

 

「なー!駄菓子屋・ねぇねぇ・コウにぃ!手伝ってほしいん!」

「どうしたの?れんげ?」

「はぁ・・・はぁ・・・。池のヌシが釣れそうなん!」

「ヌシ?!」

「とりあえず力のある人が必要なん!」

「そんな大きさなの?」

「なっつんがバケツに入らないかもっていってたん!」

「じゃトロ船使っていいよ〜」

「こっちなん!」

 

「なっつん、呼んで来たん!」

「ナイスれんちょん!」

「というか、竿と糸大丈夫か?タモ網とかある?」

「今は虫取り網しかない!」

「とりあえず竿貸してみろ・・・・・うわ! この強さだと虫取り網折れるぞ。」

 

おいおい、大人一人と子供三人でやっと引けるのかよ。

どんな力だよ。

 

「そんなぁ・・・それじゃあ!」

「え、なにする気?」

 

「とぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

  ザッポーン!

 

「「「「・・・・・・」」」」

「プハァ!ヌシ取ったったぞー!」

「マジかお前。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~タモ網がないから自分がなろうと。」

「タモ網は走って飛びません。」

「なっつん怖いもの無しなんな。」

「ないのも考えものだけどね。」

 

さっきのヌシ、もといコイはトロ船に乗っけて運んでる。この人数いてよかったな。

 

 

 

「コウにぃ、ウチ釣り行きたいん!」

「釣り?」

「今日ウチだけ釣れなかったん。ウチ、タイ釣りたいん!」

「た、タイ?・・・・れんげ、タイってあの赤い魚のこと?」

「そうなん、あの池で釣れないって言われたん、だからコウにぃなら釣り方知っると思ったん。」

「いやまあ知ってるちゃ知ってるけど、海だよ?」

「じゃあウチ海行きたいん。」

「それに関しては一穂先生の許可が下りないと。」

「ウチはいいよ。」

「居眠り目的では来ないでください!」

「何でわかるのさ・・・」

「まあ許可を得たから海はいけるけど、みんなも呼ぶ?」

「呼ぶもなにも聞いてたよ。」

「あかねちゃんも誘っていい?」

「はい、大丈夫ですよ。」

「じゃあこれ運ぼ~!」

 

 

 

 

 

 

 

「たっだいま~。母ちゃん!コイ取ってきたよ。」

「えっと、こんにちは。」

「あ~、、、みんな付き合わせてゴメンね、どうせならご飯食べていく?」

「あ、じゃあお願いします。その間にこいつ池に放してきますので。」

 

後から聞いた話、このコイは越谷家の池に放すらしい。さきに聞いて止めとくべきだったかな?

 

「さて、どう放す?」

「トロ船お半分沈めたらどうですか、これ濡れたらだめなやつでもないですし。」

「それでいいかな。」

 

放している最中に後ろから、メーデー!メーデー!!と叫んでる夏海の声が聞こえたが。無事コイは池で元気に泳ぎ始めた。

 

 

 

 

「じゃあれんげ、鯛がつりたいんだよね。」

「そうなん、めでたいのたいをつりたいん!」

「でも大変だよ? 鯛はそれこそ今回やった投げ釣りの最高級品みたいなところあるからね?」

「じゃあ今日のコイさんとどっちが強いん?」

「う~ん鯛のサイズにもよるかな、サイズによってはあのコイよりも強かったり弱かったりするから。」

 

「それじゃあ、策を立てていこうか。」

「さく? さくってなんな?」

「策っていうのはね。作戦のことだよ。」

「はぁ~。」

 

口が開いたままだ。作戦って言葉はまだわからないかな?

 

「えっと、要するにより釣れるようにするために考えようってこと。」

「へー作戦ってすごいんな!」

「どう、立てる気になった?」

「立てたいん!作戦、早く立てるん!」

「よしじゃあまずは場所確保だ! 雪子さん居間のほう借りていいですか?」

「いいけど、なにするんだい?」

「ちょっとパソコンを置かしてください。」

「パソコンならこの家のやつを使ってもいいよ?」

「いえ、れんげも一緒に見るので彼女にも負担がかからないように見させなきゃいけませんし、そうなると机が低い場所がいいんですよ。」

「なるほどね、大丈夫よご自由に使って。」

「れんげー場所確保できたよ。じゃあパソコン取ってくるからまってて。」

 

ここなら家の電波がちゃんと届くし、何より自分のが使えるのがでかい。

自分の家だと作業には向いてるけど複数人で同時に見るのには向いてないからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとまってね~。」

 

ノートパソコンの電源を入れ手早くパスワードを入力し、起動中のバーが貯めるのを背もたれにもたれながら待つ。

 

「コウにぃ脇開けてほしいん。」

「脇? いいけど」

 

肘を上にあげて脇を開けてると、右の脇下かられんげの頭が出てくる。そしてそのままパソコンと自分の間に来る。

 

「足開いてほしん。」

「ほいよ。」

「ここが一番見やすいん。」

「いいけど寝ないでよ?」

「大丈夫なん!早く作戦決めるん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side小鞠

 

「お~い飲み物持ってきたよ~って何してるの?」

 

机のパソコンをつけっぱなしにして背もたれにもたれてるコウと、コウを背もたれにしてスヤスヤと寝息を立てているれんげ。うらやましい。

 

「お、ありがとう。鯛釣りの作戦決めてたんだけどね、色々考え疲れたんだと思う。」

「作戦?」

「うん、鯛の好きな餌や満潮の時間とか。まあどっちかといえば工夫の仕方のほうを学んでほしかったんだけど、ちょっと難しかったかな?」

 

パソコンのモニターには鯛釣りに関するタブとメモ用のタブが映し出されていた。

 

「大丈夫だと思うよ、れんげは独特だけど感性をしっかりと持っているからさ。それよりも私もその工夫の仕方と説明方法の授業受けたいんだけど。」

「いいよ~ちょっと待ってね。」

 

コウが準備している間に横に座って、体重を預ける。

 

「見にくくない?」

「いいの。」

「なんで不機嫌なのさ?」

「不機嫌じゃない。」

 

なんで気づかないのかな。

思い切って頭を右肩に乗っけてみるけど、右肩を動かさなくなっただけで目はそのままパソコンのモニターを見ている。動かさなくなったのはありがたいけど、やっぱり意識してくれないのは複雑な思いになるな。

 

「寝ないでね。」

「大丈夫。」

「じゃあまず、鯛釣り以前に釣りって用意するものって何にかな?」

「餌とか針とか竿とか仕掛けとか。」

「そう、それをメモの方に打ち込む。この時に声に出さないでメモの方に打ち込んでね。」

「え、なんで?」

「あとでメモの大切さに気付いてもらうためだよ。あとから一気に出す方が気づかされるからね。」

「なるほど。」

「それじゃあ、鯛って何を食べると思う?」

「え、魚じゃないの?」

「魚も食べるけど、僕らで用意することはできないから別のもので代用するんだ。ヒントはことわざだよ。」

「ことわざ?・・・・・海老で鯛を釣る?」

「正解、鯛はエビやシャコなどの甲殻類やイソメ類を食べるんだ。こうやって身近なことから答えを出せるようなことも居眠り対策になる。それと、これはれんげだけだけど。れんげの場合は家でカニを飼っているから甲殻類の話でカニを出しちゃダメ。」

 

 

そんなこんなで気付けば結構な時間がたっていた。学校で夏海が自習にじゃましてこなかったときもこんなに早く過ぎるていると感じたことはなかった。それくらいにコウの説明はわかりやすかったし楽しかった。

 

「すごいね、聞いてて全然眠くならなかったよ。」

「そういってもらえるとありがたいよ。」

 

でも、やっぱし。頭が今まで以上に回転したこともあって集中が切れた途端少し疲れがくる。

 

「ふあぁ〜、、、ごめん、このまま寝てもいいかな?」

「まあいいけど、夜寝られる?」

「ちょっと今日は色々大変だったから大丈夫。」

「そっか、おやすみ。」

 

うん、おやすみ。

 

「・・・・僕も寝よっかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side雪子

 

あらあら、これは。

かずちゃんから電話があってれんげちゃんが帰ってきてないって来たんだけど。

 

「かずちゃん、今日はれんげちゃん泊まらしてもいい?」

「はい、大丈夫ですよ。」

 

さすがにこれは起こせられないしね。

確か毛布はっと。

 




このまま書くと1万字越えそうなので急遽前編にしました。
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