のんびりながれるにちじょうびより   作:空島さん

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 sideコウ

 

「コ~ウ~」

「ん、どうした?」

 

連休中で部屋の片づけをしていたら急に夏海に呼ばれた。れんげの家での勉強会は午後からだったはずだが

 

「ちょっとうち来て~」

 

あ、また面倒事を増やしたな。とりあえず片づけもひと段落してからだな。

 

「キッチンの周り掃除したら行く~」

「じゃあウチの部屋に来て~」

 

今度はどれだけ散らかしたんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たよ~」

「あ、コウくん」

「コウにも手伝わせるの?」

「それじゃあ、コウせんぱ~い。部屋の掃除手伝って~」

 

部屋には小鞠とこのみさんがすでに作業しており、床には散乱している漫画おもちゃ文具.......国語のテスト用紙。本当に足の踏み場がないな。

 

「これまたすごい散らかしっぷりだね。普段はどうやって生活してるのかな?」

「そりゃ~こうやって布団の上にあるものを下ろして寝て、起きたら布団の上に戻すような生活をね~」

「はぁ....まあいいや。で、何をどうしたらいいの?」

「あざっす!いつも通りで大丈夫です!」

「わかった、制服は後でアイロンかけておくようにね。」

 

こんな状態の床にそのまま置いておいたらシワがすごいことになっているだろうし。

 

「というかコウいつも通りで通るってことは何回か掃除しに来てるの?」

「まあね、夏海の散らかし癖は治らないし。まあ昔はこのみさんがやってたから回数的にはまだ少ないと思うけどね。」

「ほんとだよ!今では小鞠ちゃんは自分で掃除するようになったからマシだけどさ。」

 

雪子さんから聞いたことだが、僕がこっちに来る前は二人の部屋の掃除は主にこのみさんと雪子さんの二人でやっていたらしい。夏海でこれだから小鞠も散らかしていたとなると労力はとんでもなさそうだ。

 

「ねえコウ、これ何の部品かわかる?」

「ん?」

 

手渡されたのは半透明で赤や緑色の半球。部品なのか?素材はゴムっぽいから部品と言うよりかはおもちゃっぽいけど。

 

「あ~それは~こうやって裏返しにして地面に置いたら跳ねるおもちゃ。」

 

ゴムのはじけるような音とともに50cmくらい跳ね上がる半透明の物体。そういやそんなおもちゃが保育園にあったな。

 

「えっとホッ〇ンアイだっけ?」

「あ~確かそんな名前、ひか姉とよくこれで遊んだな~」

「一応聞くけどどこで買ったのそれ」

「へ、駄菓子屋だよ?」

 

う~んまあ確かにあそこならないことはないかもしれないけど。

 

「他にはね、これとか知ってるでしょ、このバネみたいなの」

「あ~階段下りていくやつでしょ、名前がいっぱいあるやつ」

「家に階段なかったから神社まで行ってたっけ?」

「思い出つぶしはやめてくださいます~?」

「というかそれうちらの世代ではやったものじゃないよね?」

「え、流行ってたじゃんクラスの半数以上が持っていたし」

「クラスの半数って2、3人じゃん」

「こ、コウは遊んだことない?」

「遊んだことはあるけど、確かそれ発売開始されたの80年代後半だったはずだよ?」

「まじ?」

 

 

 

 

聞くところ、これらのおもちゃを買ったのは五年前。五年前の駄菓子屋は楓さんのおばあちゃんが切り盛りしており、店の品揃えは20年以上変わらなかったらしい。そりゃ残っていてもおかしくないか。

 

「え、じゃあみんなどこで買ってるの?」

「デパートとかじゃない?」

「そうなのコウ?」

「うんおもちゃとかは特にデパートで買ったよ」

「へ~コウでもおもちゃとかは買うんだ」

「失礼だね、おもちゃくらい買ったことはあるよ」

「コウくんの家でおもちゃとか見たことないけど」

「全部保育所とかに寄付したからね、多分あの家にあるんだったら寄付し忘れたものくらいだと思う」

「ふ~んどういうおもちゃ買ったの」

「えっと~丁度こんなかんじのおもちゃ」

 

床をしゅるしゅる張ってくる細長い毛虫のようなものをつかんでみんなに見せる。

 

「夏海~そろそろ戻ろうか?」

 

部屋を片付けながら首と耳だけをこっちに向けて聞いていたが、一人だけただただ遊んでいる人もいる。まあ話に乗っかった僕らも僕らだけど。

 

「え~もうちょっとだけ」

「ならしっかりと手を動かしながらやる」

「まあまあそう言わずに~皆さんが好きそうなものもありましたから」

「今度は何さ、なんか紙切れっぽいけど」

「いや~なんでかわからないけど姉ちゃんが小1の頃に書いた作文が出てきたよ」

「え!?、ちょっとなんでよ!」

「えっと何々?」

「読まないで!返してよ!」

「まあまあ、まだ全部読めてないから待ってって」

 

「この家のおもちゃ箱って転送装置でも組み込まれてるんですかね?」

「いや、どっちかと言えば四次元ポ〇ットじゃない? 二人とも、そんなにはしゃいだらおばさんに怒られるよ!」

「まるで聞こえてないですね」

「このみちゃんも止めて!」

「いや~小1の頃の作文だし大丈夫じゃない? みんな同じようなこと書いてるって。」

「じゃあここにあるこのみちゃんの小1の頃の作文を夏海に負けないくらいの声量で音読するから!」

「え!?なんでここにあるの!?」

 

大丈夫じゃなかったんですね。どっちに転んでも二次被害が出る択でこのみさんも参戦しちゃったし。

 

「じゃあそろそろお昼だから昼ご飯作ってくる」

 

わかってはいたけど夢中過ぎない? 返事帰ってこなかったし。さ~てと水~

 

「あれコウ君。夏海の掃除の手伝い?」

「はい、ちょうど家の掃除が終わったので」

「すまないね~良かったら昼ご飯でも食べていく?」

「それなら部屋で頑張っているこのみさんに作ってあげてください。僕の方は使わなきゃいけない食材があるので」

「それならこっちで消火しようか?」

「残ってるのが1人用のお肉ですから大勢で分けるのは少し無理があるので」

「そっか~じゃあまた食べにきてよ」

「はい」

 

あっぶね~雪子さん近くに来てたのか気づかなかった。中がうるさかったとはいえ足音でさえ聞こえなかったとは、疲れてんのかな? ......だめだ思い当たる節がありすぎる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 sideこのみ

 

危ないところだった。もう少しでおばさんの雷落ちるところだった。コウ君ありがとう!

 

「片付け再開しよっか」

「「.....ハイ」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 sideコウ

 

「それで、無事に片付けはすんだの?」

「なんとかね。それにしても助かったよ、まさかお母さんが来てるとは、なんでわかったの?」

「まったくの偶然。部屋から出たら横に雪子さんがいた」

 

あのままドタバタしてたら確実に僕もこのみさんも越谷姉妹と一緒に雷落ちてただろうし。本当に危なかった。

 

「このあとはどうする? れんげの家での勉強会までにはまだ時間があるけど」

「へへ~、実はですね~さっきプリティキュットを録画したものを発見したのだよ!」

「うわ~懐かし~それも私達の時代に流行ったものだよね~」

「てことは十年くらい前ですよね。もしかして夏海の部屋って時間の流れが止まってる?」

「ディ〇ルガがいるかな?」

「いやいや小鞠ちゃん、ア〇テのほうかもよ?」

「ウチの部屋は槍〇柱でもイビ〇山の地下でもないですぅ~」

 

「そういえば、たしかそれってホームビデオを上書きしちゃったやつじゃなかったけ?」

「あれ、そうだっけ。まあ見たらわかるでしょ」

 

ホームビデオか、ウチも家のなかひっくり返したら出てくるかな? 昔カメラとかでそんなに取られた記憶ないけど。

 

「コウ~ビデオデッキのコンセントわかる?」

「え、これじゃないの?」

「お、ついたついた」

 

端のボタンを押して既に入っているテープを取り出す。何回も再生したのか内部のテープが左側によっている。けど一番気になったのは

 

「なんじゃこれ、ホームビデオ小鞠版?」

「な!返して!」

「すごい速さで飛びついたね~」

「わかったわかった返すから!」

 

すごい速さで取り上げられたけど。何か覚えているのだろうか。

 

「じゃあこれをセットして、よーしうつった!」

「これうちの庭?」

「えぇ~本当にホームビデオで上書きしちゃったやつか~」

「あ、なっちゃんが出てきたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、なっつんは?」

「あ~夏海はちょっと用事でね」

「深掘りしない方が良いよ、本人のためにも」

「先輩達ほんとうになにがあったんですか?」

 

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