有職転生〜関係ないけど本気だす〜 作:Tの決戦兵器※支援絵配り隊
第十話『
ロキシーが我が家を発って数週間。
早くも俺の1日のルーティーンは変わりつつあった。
早朝 ランニング&魔術の行使
↓
朝 剣術の稽古
↓
昼 特になし
↓
夜 特になし
という感じだ。
最近はランニング中に魔術を使うことにした。
これは魔力量の増強というより、魔術を使い慣れておこうという意図がある。
というか、たぶん俺の魔力総量はこれ以上増えない。
なぜか分からないがそう確信している。
自分の体のことは自分が一番よく分かるってことだろうか。
剣術は北神流と水神流の方は前世の経験
剣神流の方はまだイマイチ分からない点が多いが、なんとなくコツを掴んできたくらいにはなった。
だが、それにしても暇すぎる。
当初は親父に剣の稽古の時間を延ばしてもらおうかと考えたが、言うとなぜか断られた。
リーリャにも家事を手伝うと言ってみたが断られたし…
まぁ、よくよく考えてみたら朝から晩までそういうことやってたらさすがにヤバいと思わなくもない。
一日中働く、ブラック企業に勤めていた頃の名残り…だろうか?
さて、じゃあ暇な時間なにをするか。
そうだな、一般的な子供なら…
「昼から遊びに行ってもいいか、だって?」
「はい、最近は昼からは暇になりましたしたまにはそういうのもアリかと思いましてー」
「あ、いや。皆まで言わなくてもいい。そうか、そういうことなら喜んで許可しよう」
断られるかと思っていたが、もうあっさりと許可されてしまった。
もしかしたら、俺に休んで欲しかったのかもしれない。
思い返してみればこの五年間、遊ぶこともせず勉強訓練と、側から見れば明らかに無理してるように見えたかもしれない。
まぁ、休めと言われたなら遠慮なく休ませてもらおう。
「ありがとうございます父様!」
「おう!だが、外に出て遊ぶからには、カワイイ女の子の一人くらい連れて来いよぉ〜。ま、お前はイケメンだから、なんにもしなくとも女の方から寄って来るかもしれんがな!」
む、そうかそういう条件付きか。
なるほど、美味い話には裏があるってことだな?
「分かりました!とびきり可愛い絶世の美少女を連れて来ますね!」
「うんうん…うん?」
俺は早速魔剣片手に外へと飛び出した。
途中なんか「おい待て。お前なんか勘違いしてー」とか聞こえた気がするが、気のせいだろう。
やはり働きすぎか、幻聴まで聞こえてきたようだ。
こうして俺は結局、親父の本当の意図に気づくことなく遊び?に出かけた。
「…行っちまった」
飛び出して行く
まいったな…いい機会だから遊びにでも行かせようと思ったんだが、ついクセでバカなことを口走っちまった。
ロキシーがいなくなったから、これで少しはあいつも遊んだりするだろうと思ったが、まったく休もうとする気配がしないし、それどころか稽古時間の延長まで要求するありさま…
仕事があるからと言ってなんとか誤魔化せたが、最近はゼニスにそのことで愚痴られたりで、どうするか悩んでいたがまさか自分から言い出してくるとは思わなかった。
それもルディが遊びに行き始めた次の日に。
血は繋がってなくとも、やはり兄弟と言うことか。
だが…まさかあんな言葉を間に受けるとは…いや、アルらしいか。
…まぁ、大丈夫だろう。
アルなら威張ったり、女を無理矢理、なんてことはしないだろうし。
…『とびきり可愛い絶世の美少女』ね。
あいつなら本当に連れて来ちまうかも…
「いや、ないか」
オレはそう呟き、家の中に入った。
「ここら辺でいいだろう」
そう呟き俺は動きを止めた。
ここは村のハズレにある森の中の少し開けた岩場。
魔力眼で見た限り、周りに魔物っぽい反応も、危険な動物の反応もない。
森は魔力溜まりとかで、魔物が発生しやすいと聞いたが、見ればそれにも濃い薄いがあるようで、ここが岩場であるのもあってか魔物が発生する感じはしない。
まぁ、どれくらいの濃度で発生するか分からない以上、ここら辺は勘でしかないが…
まぁロキシーも、ここら辺の魔物なら大して強くないから俺達でも倒せるって言ってたし大丈夫だろう。
ここなら誰かの迷惑になることもなく好きなだけ遊べるだろうしな。
そうして俺が手に取ったのは、持ってきた
ここならこの魔剣を好きなだけ調べられるだろう。
ん?女を見つけるんじゃないのかって?
これは下準備だよ。
こういう世界なら、やっぱ女を惹きつけるのは
俺は詳しいんだ。もっともラノベからの知識だが…
それに、親父には遊んでこいって言われてるからな。
一石二鳥ってぇコト。
…てか、『遊ぶ』ってこれで合ってんのかな?
ま、いいか。
小中高と友人と遊んだこともなく、さらにはブラック企業からの仕事が遊び理論による洗脳により、俺の『遊び』の考え方は致命的なほど欠落していたのだが、そのことに気づくのはもう少し後になる。
あれからまた数日が経った。
色々実験していて、少しずつだがこの魔剣の機能について分かってきた。
この魔剣は、どうやら自分に向けられた魔術を吸収する力があるらしく、その吸収した魔術の属性を剣の刃に纏うようだ。
効果時間は30分ほど。
纏った属性によって効果も様々で、火魔術なら炎上効果に加え、モノの厚さによるが金属も焼き切れるほどの温度が出る。
ついでに刃の表面に炎を纏った見た目になる。
水魔術は剣の刃についた汚れを瞬時に落とす効果と、僅かにだが切れ味が上がる。
すぐに血糊を落としたい時に使えそうだ。
こちらは刃の表面に薄く水が流れるような見た目。
風魔術だと単純に切れ味が高まる。
そして某ソウルシリーズみたいな超強力な風の刃を一発だけ飛ばせる。
この風の刃がめっちゃ強く、大木数本を易々と切り裂くと、まさに切り札的技だ。
デモンズソ○ルに登場するボス戦時に貰える例の剣みたいな見た目になる。
土魔術だと重量や耐久性が上がり、貫通力が増す。
こっちは刃の色が黒くなる。
たぶん他にも混合魔術やらなんやらで色々変わるのだろうが、そこはおいおい調べることにする。
だが、この機能。
一見超強力に見えるが、致命的と言える弱点が存在する。
なんと一日にどれか一つしか使えないのだ。
まさに諸刃の剣と言ったところか。
ともあれ、そうなるとこの機能はいざと言う時にのみ使うことになるだろう。
コレ単体でも十分に強いしな。
だが魔力眼で見た限り、どうもまだ何か機能がありそうなので、まだ調査は終わらないだろう。
あ、そう言えばさっきは言い忘れていたが、なんで俺一人で魔力眼を使えたからと言うと、目を閉じたまま一人で付け替えが出来る様になったからだ。
近いうちに魔力眼の方も本格的に調べることになりそうだ。
この頃には、すでに俺は比較的スムーズに進む研究のせいかを当初の
だから、『彼女』に出逢えたのは奇跡的だったと言える。
…いや、もしかしたら『アイツ』の言う通り運命だったのかもしれない。
そして、出逢いは唐突に訪れた。
今日は魔剣の扱いに慣れるため、相手をイメージして戦う訓練をする。
イメージするのは親父…というかこの世界ではまだ親父くらいしかイメージ材料がない。
今、俺に一番足りていないものは実戦経験なんだが、ここは国の辺境なので、ここらじゃ親父以上に強い剣士がいない。
確かに親父は強いし様々な戦術を使う。
だがそれでも情報というものは多い方がいい。
一人の人間から取れる情報では、戦闘経験を積んだとは言えないのだ。
と、こんな愚痴を吐いたところで何かが変わるわけでもないが…
戦闘では基本的に魔眼は使わないようにしている。
確かに魔眼は便利だが、使い過ぎれば魔眼が使えないといった状況に対処出来なくなりかねんからな。
そんなこんなでイメージした親父に18回は負かされた頃。
俺はふと、どこからか自分に視線が向けられていることに気づいた。
誰だ?親父あたりが俺の様子を見に来たのか?
いや、ここにいることはルーデウスとリーリャの二人以外には教えていない。
リーリャはあれでいて世話焼きだが、出かけていく俺をつけるようなことはしないはず。
リーリャの話によれば、ルーデウスも最近はカワイイ彼女とイチャコラしてると聞いたし…
なら、俺の知らない村の人間か?
だがただの村民が魔力溜まりのあるこんな森深くまで来るかねぇ?
盗賊とかなら殺気とか感じるだろうし…
いやだが、子供でそんなことは知らない可能性もあるか。
親は分かっても、普通の子供にはそんなこと分からないだろうしな。
ならこっちから話しかけてみるってのもありか?
本当に子供なら遊び相手が出来るかもしれんし。
うんそうしよう。
この頃の俺は戦闘経験だけでなく、社交経験も圧倒的に足りてなかった。
そのため、結果的にこんな普通の人ならまず取らない行動を取ったのだが、ある意味この選択は正解だったと思う。
「なぁ、誰かいるのか?いるなら出てきてほしいんだけど」
俺が虚空に向かってそう言うと、相手は動揺したのか背後からパキッという小枝を踏む音が聞こえた。
お、あの木の裏かな?
「えっと…そこにいるのか?できれば自分から出てきてほしいんだが」
「……出てきても…怒ったり、しない?」
意外にも、返って来たのは返事であった。
声の感じからして、女の子だろうか?
なんというか…脳髄まで蕩けてしまいそうな、そんな声をしている。
だがそれでいて艶かしい感じのしない声というか…DTで半分EDみたいなやつが何言ってんだと思うだろうがマジでそんな感じがする。
「ああ。怒らない、だから出てきてくれないかな?」
「ホント?ホントに怒ったりしない?」
どうやらまだ警戒しているようだが、本気で危険視してはいないようだ。
というか、相手も他人とは話したことがないのか、どうにもおぼつかない。
「うん、怒る必要もないし。それに、俺は友達がいないから話しかけてみただけなんだ。だから、その…せっかくだから友達にならないかなって、ね?」
「……友だち、いないの?」
お?食いついた。
「うん、いない。だから、どうかな?」
「……分かった。なる」
やった‼︎
コッチに来て初の友達第一号だ!
「じゃ、決まりだ!自己紹介もしたいから、顔を見せてくれないか?」
「……うん、いいよ。でも、顔を見て笑ったりしないでね?」
容姿にコンプレックスでもあるのだろうか?
別に気にしないが…
「もちろん。友達なんだから、笑ったりしないよ」
「!う、うん。そうだよね、友だちだもんね」
友達ができたのがよほど嬉しかったのか、すぐさま明るい声音の返事が返ってきた。
すると、彼女は決心がついたのかゆっくりとその身を隠れていた木の裏から出した。
その瞬間、世界が輝いて見えた。
普通ならこういう時、天使だとか、女神だとか思うんだろうが、俺は少し違う感想を導き出した。
ド真ん中だ。
それが彼女、イオとの出逢いだった。
そして、
ん?それは言い過ぎなんじゃないかって?
俺にとっては、それくらい険しくて、価値のある道だったと思うけど?
フフッ、そうやって照れる姿、いつ見ても飽きないよ
まぁまぁ、そんな怒らないで
せっかくの美人が台無しだ…いや、どんな表情でも可愛いか
顔を真っ赤にしてても本当に可愛いな、お前は
もちろんわざとさ
ありがとう。そう言うお前も美しいよ
俺には勿体ないくらいだ
ん?ああ、そうだな。ちょっと脱線しすぎた
そうだなぁ、それじゃあー
脇が見えるデザインに全振りした。