ハクホークインのトレーナー(?)がもしも東方不敗だったなら   作:小此木

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第0話 プロローグ

 

 

 

そのウマ娘は、

 

超級(ちょうきゅう)!!」

 

すべてのウマ娘…いや、すべての常識を塗り替えてしまった存在。

 

覇王(はおう)!!」

 

彼女の名は、

 

電影弾(でんえいだん)!!」

<チュドン!!>

 

()()()()()()()!!

 

「だ・か・らぁ!ゲートの破壊行為は、失格扱いになるって何度も言っているでしょう!!」

「も、申し訳ございません!!電影弾(でんえいだん)にゲートが耐えられないなんて!?普通のダッシュなら今度こそ大丈夫なはずです!はぁぁぁぁぁ!!」

<ズドン!!>

「キャァ!?」

「ハクホーのスタートダッシュで、またゲートが壊れた!?」

 

彼女がこの学園へ編入し、一番キツかったと話したのが、厳しい〝スタート訓練(スタート時の手加減)〟である。

 

「こ、これならどうでしょうか!?」

<シュパァ!!>

「す、すごい!ゲートが壊れていない!!」

「ムゥ、(ようや)くスタートの加減が分かってきました。」

「って、壊れる前提でモノを考えるなよ!?ゲートが壊れること自体、異常なんだから!!」

 

ゲートを破壊した回数は数えきれないほどだ。

 

「フフフ、修行で行った()()()の大自然に比べればこんなもの!!」

<シュパァ!シュシュシュシュ!!>

「な、何だ彼女の直線の伸びは!?」

「コーナーリングも異次元だわ!!」

「最後の全く疲れを見せない末脚は一体何なんだ!?」

「「「それに、目の錯覚か!足がブレて見える(わ)ぞ!?」」

 

そして、(ようや)く出バ出来た選抜レースでは、直線の加速力、コーナーリング、最後の末脚。全て追随を許さない実力だった。

 

「ハクホークイン!俺と世界を目指さないか!!」

「いいえ!私と世界制覇を目指しましょう!私なら必ず制覇させてあげられるわ!!」

 

そんな彼女には、

 

「いいえ、既に私には師匠(トレーナー)がいますので、お気持ちだけいただきます。」

 

彼女が在学中トレセン学園で一回も目撃されていない、謎のトレーナーが付いていたという。

 

「流派、()()()()の名のもとに、私はこの3年で無敗の三冠王者になる!!」

 

 

 

■□■□

 

 

 

『ウマ娘』

 

それは、別世界に存在する名馬の『名』と『魂』を受け継ぐ少女たち。

 

彼女たちには、馬の耳があり、尾があり、超人的な足がある。

 

 

……

 

………

 

って、そんなことはどうでもいい!!

 

この私!

 

アグネスタキオンが理解できない現象が目の前で起こっているんだ!!

 

「グワッハハハ!遅い遅い!そんな足では、ハエが止まってしまうぞバカ弟子がぁ!!」

「す、すみません師匠(トレーナー)ぉ!!」

 

全力疾走するウマ娘の走行速度は、およそ時速70キロメートルにも達する。

 

「良いか!お主は、まだまだ武道家たる心・技・体が揃っておらん。そんな体たらくでは、中央(トウィンクルシリーズ)に出バするなど夢のまた夢ぇ!!」

「はい!師匠(トレーナー)!!」

 

そのウマ娘と、

 

「このコースが終わったら、次はダートを100周、プールを100周だ!その()()が終わり次第、我が流派の型を行いこの学園の座学に励むのだ!!」

「分かりました!!」

 

上半身が全くブレない走行(何故か腕を組んでる)で、()()している人間は…本当に人間なのか!?

 

(こ、こんな事、私の研究では人間に全く見出せなかった結果だ!!)

 

それも、並走している白髪の老人は、全く息を切らさずにだぞ!?まだまだ余裕すら感じる。それに!

 

(私の今の研究結果では、時速80~85キロメートルを出すウマ娘が最速だったのだが、今見ている二人?(二匹のバケモノ)は、目測で軽く100キロメートルは出ているんじゃないか!?)

 

夏合宿がてら地方学園のウマ娘を研究調査に来たら、とんでもないバケモノを見つけてしまったよ!!

 

「では…そこの()()()()と話をして後から向かう。しっかり()()を行うように!」

「ッ!?」

「はい!行ってまいります師匠(トレーナー)!!」

 

完璧に身を隠し、周りの音で声も聞こえるはずがないと思っていたんだがね。

 

「申し訳ない、盗み見する気はなかったんだが…おっと、自己紹介がまだだったね。私の名前は、アグネスタキオン。」

「儂は、東方不敗と云う。して、儂等に何用かな?」

 

トレーナーと思わしき白髪の老人は私にそう返してが、普通物陰から盗み見ていた奴はもっと警戒すると思うのだが…

 

「何、そう警戒せずともよい。アグネスタキオン殿から邪な気や殺気、敵意が感じなかった為、儂から話かけたのだ。」

「フゥ、君には驚かせられっぱなしだよ。私の心が読めるのかい?私は、トレセン学園…正式名所「日本ウマ娘トレーニングセンター学園」の生徒で、此処の近くにある合宿所に夏合宿に来ているんだが―」

 

私は、今までの経緯(いきさつ)をこのトンデモトレーナー(?)に話し、あのような異次元の走りを持つ有能なウマ娘…ハクホークインのことを聞いた。

 

「成程、そのような学園が存在しているのか…おっと、儂の弟子の件だったな。あ奴は、海岸で一人泣いておったのをもう一人の弟子が声をかけたのがきっかけでな。儂達の演武を見て弟子入りを願い…それから、あ奴の学業の傍ら我が流派の()()を叩き込んでおる。」

「(あれが基礎!?どんなぶっ飛んだトレーニングを彼女は行っているんだい!?)そ、そうなんだね。そういえば、さっき彼女の走りを見させてもらったけど、すごい走力だ。彼女は元々素質はあったのかい?」

「いや、あ奴は…」

 

 

 

 

 

はっ、はっ、はっ!!

 

私の研究は、一から見直さなければならない!

 

あんな走力のウマ娘が、彼ら…東方不敗君達と出会うまで一度もビリから抜け出せなかったなんて!!

 

「彼女を研究して、武術による走力の変化をデータ化しなければ!!あれほどの足なんだルドルフ会長や学園長に話をすれば、トレセン学園への編入が可能なハズだよ!こうしちゃいられない!!」

 

そして私は、彼女…ハクホークインをトレセン学園へ編入させることに成功し、新たな研究に没頭するのだった。

 

 

 

■□■□

 

 

 

この物語は、1勝もすることのできなかった名馬の名と魂を受け継いだウマ娘の「答えろ風雲再起!流派、東方不敗は!!」

 

…ウ、ウマ娘の!「王者の風よ!」

 

…ウマ娘「全新!」チィ!!

 

う「系列!」

 

ま「「天破侠乱!」」

 

ち、ちきしょおー!!ナレーションさせろー!!

 

…オット、コホン。この物語は、通算161連敗した名馬の名と魂を受け継いだウマ娘がトウィンクルシリーズの頂点を目指す物語である!!

 

「「見よ、東方は、赤く燃えている!!」」

 

おいコラ!そこの師弟!他所(よそ)でやれ!!

 

「我等の激励は此処までです。」

「儂が育てたこの()の弟子だ。必ずやり遂げ、頂点を制すだろう。」

「では…」

「ウム。頂点を制し、『明鏡止水』の境地へ至ったなら、我が流派の奥義を授ける!!」

「おお!!(頑張りなさい。私は貴女の見方だからね。)」

 

…ん?そこの師弟、一つ聞いていいか?

 

「儂等に何用だ天の声?」

 

いや、レースで1着をとったら歌と踊りを披露しないといけないんだが、流石に知ってるよな?

 

「な」

 

な?

 

「「何だ(って)と!?」」

 

知らんかったんかい!?

 

「こうしてはおれん!行くぞ風雲再起!!」

「はい!!」

「…そうだ、踊りなら儂の歌に合わせた盆踊りなどはどうだ?」

 

良いわけあるか!!

 

「流石師匠!あの娘も泣いて喜ぶハズです!!」

<<ゴゥ!!>>

 

俺の話を聞けよ!!って、もういねぇし!?

 

俺の話を無視してあの師弟、十傑集(じっけつしゅう)走りでハクホークインのいる学園へ爆走して向かやがった。フゥ、やれやれ…先が思いやられる師弟だぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その程度で浮かれているのですか?」

「そ、その声は!?」

「何処を見ているのです。私は、此処。此処にいます。」

「お姉さま!!」

「喝!答えなさいハクホー!流派東方不敗は!!」

「王者の風よ!」

「全新!」

「系列!」

「「天破侠乱!」」

「「見よ、東方は、赤く燃えている!!」」

「お久しゅうございます。風雲再起お姉さま!!」

「貴女も息災で何よりです。」

 

 

 

ハクホークインの前に突如現れた姉弟子〝風雲再起〟。

 

 

 

「私は、学園長に許可を得て貴女達トレセン学園の全生徒へ勝負を挑みます!!」

 

 

 

彼女の登場により、この年代のウマ娘達は〝最凶の世代〟と恐れられる実力を知らないうちに身に着けてしまう。

 

 

 

「見えた!水の一滴!!」

「おお!それこそ明鏡止水の心!!」

 

 

 

「この儂、東、西、南、北、中央不敗!スーパーアジア(予定)が貴様の学園を最強の学園にしてやる!!」

「採用!今のトレーナーにない技術(人とウマ娘の本気の実走)で、より一層ウマ娘達が強く、美しくなる!!」

「学園長!気を確かに!!」

 

そして、学園に迫る東方不敗(非常識の塊)の魔の手!!

 

たづなさんが(常識の)最後の砦だ!頑張れたづなさん!!

 

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