〜虹ヶ咲学園〜
かすみ「ニヒヒ……今日もかすみんが1番。誰も見てない隙に、全員の靴にコッペパンを……
???「そこに愛は、あるんか?」
かすみ「うぇぇえ!?」クルッ
璃奈「……。」リナチャンボード、スン
かすみ「って、りな子か……。も〜、脅かさないでよ〜。」
璃奈「そこに愛は、あるんか?」
かすみ「っていうか、それ何?」
ドア「ガチャ……。」ガチャ…
愛「おっはよ〜かすみん!」
かすみ「本当に愛先輩が来た!?」ヒィ!?
愛「もう!そんな、お化けでも見たような顔されたら、愛さん傷ついちゃうぞ!」
璃奈「愛さんおはよう。」
愛「おはよー♪りなりーも早いねえ。」
かすみ「……。」ソソクサ
愛「かすみん、それ全部食べるの!?見た目によらず対食感だね!?」
かすみ「へ!?あ、いやその、これは……。」
愛「違うの?じゃあも〜らい♪……ん〜♡」パクッ
かすみ「ああ!?かすみんの完璧な計画が……。」ヘナヘナ
璃奈「自業自得。」イタダキマス
愛「……。」ガサゴソ
璃奈「愛さん、探し物?」モムモム
愛「……、あったあった!かすみ〜ん!」
かすみ「へ?」
愛「新しい顔よ!」ハイコレ
ポン……。
かすみ「これは……。」
璃奈「おにぎり。」
かすみ「って!かすみんこんな顔じゃないです〜!」
愛「ごめんごめん。ま、コッペパンのお礼ってことで。」
かすみ「あ、ありがとうございます……。」
愛「あ、りなりーの分もあるよ。」ハイコレ
璃奈「ありがとう……、美味しい……!?」
愛「愛さんお手製、味噌汁味!おでん味噌も案外合うでしょ?」ニシシ
かすみ「味噌汁味って……。」
璃奈「混ぜごはんのワカメの仄かな塩味と、おでん味噌の甘みがよく合ってる。」モグモグ
愛「相性バッチリでしょ!愛だけに?」
かすみ「……、〜!」パクッ…
愛「どうよ?」
かすみ「!!??」
璃奈「美味しいって顔……?」
かすみ「美味ーーーい!!!」バリバリィ
璃奈「あ、グルメ漫画でよくある、服が弾け飛ぶ幻覚のやつ。」
愛「えっへっへ♪やっぱ作る人も、食べ物にとっても、美味しく食べてもらうのが1番の幸せだよね♪」チラ…
かすみ「……。」
愛「そんじゃ、愛さんはんぺんのとこいってくるわ。まったね〜♪」
・・・・・・。
かすみ「りな子、作り過ぎちゃったから一緒に食べて。」
璃奈「合点。」
かすみ璃奈「♪」モグモグ
璃奈(そこに愛は、あった……)
〜某日、虹ヶ咲学園〜
しずく「はぁ……。」
璃奈「しずくちゃん、元気ない……。」
かすみ「しず子〜。もしかして、『あれ』?」
しずく「はい。『あれ』です。あの、呪われた祭典です……。」
璃奈「しずくちゃんはなんの種目に出るの?」
しずく「やめてください璃奈さん!あの悪魔の呪文が……!思い出せないでください……!!」
璃奈「ごめん。つい流れで言っちゃうところだった……。」リナチャンボード、ハンセイ
ドア「バァァアン!!」バァァアン!!
愛「「サッカー やろうぜ!」」ニカッ
しずく「ゴッハァア!?」ゴフッ!?
かすみ「うわあああしず子〜!?」
璃奈「愛さん……!!」ゴゴゴゴ…
愛「あれ?どしたん?」キョトン
かすみ璃奈「そこに愛は、あるんかぁ!!??」クワッ!
愛「あ、愛だけに……?」
かすみ「しず子、大丈夫!?」
しずく「だめ、かも……。」ガクッ
愛「あちゃ〜、ごめんしずく。まさかそこまで重症だったとは……。」
璃奈「これからは愛さんも気をつけて。」
愛「うん。お詫びと言っちゃあなんだけど……はいこれ。新しい顔だよ♪」
サッカーボール「やあ。」
しずく「 」ヒデブッ!?
かすみ璃奈「愛先輩(さん)!!!」
愛「あはは、ごめんごめん。……でもさ、いつまでも避けてたら克服できないぞ?」シャガミ
しずく「 」
璃奈「それはそうだけど。」
愛「だったら今頑張って、サッカーと友達になっちゃった方が、これからの人生楽しいんじゃない?」
しずく「できるものなら、もうやってます……。」
かすみ「あ、起きた。」
愛「……、えいやっ!」デコピン
しずく「いたっ!?」
璃奈「愛さん!?」リナチャンボード、⁉︎
愛「甘えるなーー!!」クワッ!
かすみ「ええ〜!?」
愛「しずくは本当にサッカーと真剣に向き合ったの?試合を見に行った?実況解説楽しんでる?サッカーボールの作り方知ってる?」
しずく「そ、そこまでは……。」ソラシ
愛「じゃあ、まだサッカーを好きになれる可能性……あるよね?」ニコ
しずく「それは……。」
愛「いい?しずく。努力は苦しいことを我慢する為にするんじゃないの。明日を楽しくする為にするの!」
かすみ「愛先輩がまともな事言ってる……。」ヒソヒソ
璃奈「さっきまで新しい顔とか言ってた人とは信じられない……。」ヒソヒソ
愛「聞こえてるぞ〜。」
かすみ璃奈「ひい!?」
愛「……まあいいや。というわけで!サッカーやる日までこれ、毎日肌身離さず持っててね。」
しずく「はい……って、毎日!?」
愛「あれ?しずく、サッカーって言っても吐血しなくなってるじゃん!」
しずく「あ……。」
愛「その調子なら、いつかサッカーを好きになれるよ♪」ヨシヨシ
しずく「……はい///」
〜某日、虹ヶ咲学園〜
愛「うおおお!疾風ダッシュ!!」ダダダダ
せつ菜「なんの!ライトニングアクセル!!」ダダダダ
果林「今度は何に影響されたのかしら?」タッタッ
歩夢「この間、泊まり込みでサッカーのアニメを見たから……それかな?確かあんな名前の必殺技を叫んでたような……。」タッタッ
果林「あら、随分と仲良しなのね♪」タッタッ
歩夢「えへへ///」
果林「じゃあ、愛がボール持って走ってるのも、そのアニメの影響?」
歩夢「あ、それはまた別の……。」
果林「別?」
歩夢「えっと……じゃあ私も頑張っちゃおうかな!?」
果林「え?」
歩夢「ダッシュストーーム!!」ダダダダ
果林「……え?」
アユムヤルネ!
マケマセンヨー!
ワタシダッテ!
彼方「仲良きことは良きことかな。」ウム
エマ「仲良きことは良きことエマ〜♪」
果林「最後のは語尾じゃない……かり///」
彼方エマ「ゴチソウサマデス。」ガッショウ!
果林「な!?」
彼方エマ「逃げろ〜♪」ダダダダ
果林「諮ったわね……待ちなさ〜い!!」ダダダダ
侑(ま、まあタイムはのびてるし、良い……のかな?……にしても愛ちゃん、サッカーボール持ったままでよくあんなに速く走れるな……)
〜
侑「みんなお疲れ様♪」
しずく「ふう……。」カカエ
サッカーボール[……]
かすみ「熱い〜、溶けちゃいます〜……。」
璃奈「……。」ボー
しずく「璃奈さん?」
璃奈「……なに?」
しずく「考え事?」
璃奈「……。」ムムム
かすみ「?」
璃奈「……なんでもない。ちょっと練習頑張り過ぎた。」
かすみ「あ!りな子嘘ついた〜!」
璃奈「ついてない。」
しずく「……流石に、わかるよ?」
璃奈「……。2人に勘違いさせないように、もっと上手く感情を出せるように、頑張るから。」タタタ
かすみ「ちょっとりな子!?」
しずく「行っちゃった……。」
〜
せつ菜「……で、……が!……なんですよ!」
歩夢「あはは♪」
愛「……。」チラ…
せつ菜「愛さん?」
愛「あ!ごめん、えっとそれで?」
せつ菜「?……、でですね!……が……で!」
歩夢「……。ねえ愛ちゃん、そろそろはんぺんちゃんのごはんの時間じゃない?」
愛「あ、ああ〜、そうだった!ちょっと行ってくる!」タタタ…
せつ菜「あれ?こんな時間でしたっけ……?」
歩夢「せつ菜ちゃん。お話の続き、どうなったの?」
せつ菜「えっと、そうそう!……が、……て……!」
歩夢「……♪」
〜
璃奈「……。」
璃奈(せつ菜さんみたいにみんなを明るくしたくて。愛さんと一緒に同好会に入って。ボードで気持ちを伝えて……見に来てくれる人とは繋がりを感じられるようになった。けど……。)
璃奈「……。」
璃奈(同好会のみんなは、ライバルだけど仲間として、友達として、ありのまま自分をさらけ出してる。)
璃奈「私は……。」
璃奈(みんなと、友達になれたのかな?…………みんなに聞いたら、きっと肯定してくれるんだろうな。例え心の底で距離を感じていても。だって……みんな優しいから。でも、私は……)
璃奈「みんなみたいには……なれない。」
璃奈(もしかして、みんなは……ボードも無いとろくに笑顔も作れない私をそばに置くことで、自分より下にいる人間を見て安心している……?)
璃奈「〜!」ブンブン
璃奈(違う!そんなわけ、あるはずないのに……。)
璃奈「だめ……!」
璃奈(友だ……私のことを友達だと言ってくれる人に対して、酷いことを……。)
璃奈「嫌だ……。」
璃奈(みんなは私を無条件に信じてくれたのに……私は、みんなの言葉を、笑顔を信じてあげられない、私が嫌だ……!)
璃奈「……。」ポロ…
璃奈「やっぱり……。」
璃奈(私は、みんなとは…………いられない。」
・・・・・・。
???「そうかな?」
璃奈「!?……いつのまに。」
しずく「私は璃奈さんのこと……いや、璃奈さんと。友達でいたいな〜?なんて。」
璃奈「……。」
かすみ「酷いな〜りな子。かすみんはりな子のこと、ず〜っと友達だと思ってたのに……。」
璃奈「……ごめん……なさい。」
しずく「ちょっと、かすみさん!?」
かすみ「そっか〜、かすみんがはんぺんに振り回されてた時も、テストで22点取った時も、りな子は私のこと見下してたのか〜……。」
璃奈「それは違
かすみ「こっちの台詞だーー!!」
ピシッ…‥!
璃奈「あぅ……。」ヒリヒリ
しずく「ああ、璃奈さんのおでこが真っ赤に……。」
かすみ「いい!?私もしずくも、ちょっと苦手なことがあるくらいで人を見下したりするような、ちっちゃい人じゃないの!!」プンスコ
璃奈「……。」
かすみ「誰がなんと言っても、りなは友達なの!例えりなが否定しても、私はりなの友達でい続けてやるんだから!」
璃奈「……。」
しずく「えっと、かすみさんはこういう人だから。」
かすみ「しず子!?」
しずく「前に、3人で、おっきなパンケーキ食べたことあったよね?」
璃奈「……。」コクン
しずく「確か、後ろからボードで目隠しされて、無理やり連行されたっけ?」
璃奈「……。」
しずく「……嬉しかったよ。」ニコ
璃奈「……?」
かすみ「しず子ってそういう……!?」
しずく「かすみさん?」ゴゴゴゴ…
かすみ「あはは、冗談だって……!ほらほらスマイルスマイル……。」
しずく「はあ。……私ね?落ち込んでるとき、無理やりにでも側にいてくれて、明るい日常に連れて行ってくれる人がいる。こんなに幸せなことはない、って思ったんだ。」
璃奈「……。」
しずく「だからね?私も、2人が落ち込んでたら、無理やりにでも側にいて、いつも通りの幸せな日常に連れ戻す!って決めたんだ。」
璃奈「……。」
しずく「えっと、その、だから……。」
かすみ「大女優さ〜ん?ちゃんと締めてくださ〜い。」
しずく「今は桜坂しずくだからいいの!」プイ
かすみ「ま!要するに……
かすみしずく「私は天王寺璃奈のこと、大好きだから!」
璃奈「……!!///」ウル…
かすみ「ちょっとしず子!?かすみんの台詞〜!!」プンスコ
しずく「ちゃんと締めてって言ったのかすみさんじゃん!」
璃奈「……。」ジワ…
かすみ「だからって人の台詞パクる!?」
しずく「だって、大女優がお望みだったんでしょ?」テヘペロ
璃奈「……。」ポロ…
かすみ「りな子?」
しずく「あー、かすみさん泣かした〜。」
かすみ「かすみんのせいじゃないもん!」
しずく「や〜い、泣かすかすみ〜。」
かすみ「んな!?」
璃奈「……ありがとう。」ポロポロ
かすみしずく「…………、♪」ニコ
璃奈「私、2人と友達になれて、良かった……本当に、良かった……!」ポロポロ
かすみしずく「えへへ///」
璃奈「あ、そうだ!」
ガサゴソ
璃奈「……。」
かすみしずく「りな子(さん)?」
璃奈「……どんな顔描けばいいか、わかんないや。」ポロ…
かすみ「良いんじゃない?どんな顔でも。」
璃奈「え?」
しずく「璃奈さんがしたいと思った表情(かお)が答えだよ。」
璃奈「うん!」カキカキ
璃奈「璃奈ちゃんボード、にっ……。」
かすみしずく「?」
璃奈(ううん、今だけは……)
璃奈「……。」パタン…
璃奈「ありがとう//////……2人とも、大好き♪」ニッコリン
かすみしずく「!!??//////」
〜物陰〜
愛「……。」ストン…
歩夢「愛ちゃん?」
愛「……。」クルッ
せつ菜「行ってしまうんですか?」
愛「……。」コクン
歩夢「ボールはいいの?」
愛「もう、必要なくなったから。」ウル…
せつ菜「愛さん?」
愛「もう大丈夫。愛さんが行かなくても……もう、そこに愛は……、」ジワ…
歩夢「……行こっか。」
愛「……。」コクン
せつ菜「え?これからが良いところなのに……って、あれ?もう行っちゃうんですか?」
〜
愛「ねえ、歩夢。」
歩夢「なに?」
愛「あたし……良い先輩に、なれたかな?」
歩夢「……さあ。」
愛「うう、辛辣……。」
せつ菜「何を言うんですか歩夢さん!誰がなんと言おうとも、愛さんは!最高の先輩ですよ。」
愛「……せっつー、ありがと。」
歩夢「フフ♪」
愛せつ菜「歩夢(さん)?」
歩夢「愛ちゃんと璃奈ちゃんって、似たもの同士だよね。」
せつ菜「そう、なんでしょうか?」キョトン
歩夢「うん。笑顔を作って、不安なのを必死に隠してるところとか。」チラ…
愛「……。」
歩夢「わかるよ?ずっと側で2人と活動してたんだから。」
せつ菜(隙あらばマウント……。)
歩夢「そういう人にはいくら言葉で言っても足りないから……私は、態度で示すんだ♪」
せつ菜「どういうことですか?」キョトン
歩夢「私はいつだって、大好きな人の側にいる……ってことだよ♪」ニコ
ポロ……
愛「ごめん……先行く。」タタタ
・・・・・・。
歩夢「あ〜あ、行っちゃった。」
せつ菜「やはり、2人は似たもの同士なのかもしれませんね。」
〜
かすみしずく「うわ〜ん!!」
璃奈(なんで私が慰めてるんだろう……。)ヨシヨシ
かすみしずく「うわ〜ん!!」
璃奈(ま、いっか♪)ヨシヨシ
コロコロ……
サッカーボール[……]
璃奈(あれは、愛さんが持ってたボール……?)
璃奈「……♪」フフ
かすみしずく「りな子(さん)?……あ。」
サッカーボール[……]
璃奈「そこに愛は……あった♪」
〜FIN〜