別世界の自分になったけど親友は変わらないようです   作:kumakiti

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中編

 次の日にユウキと一緒に登校していた。

 

「カズキ、俺って言うのやめた方がいいとおもうよ。こう、何て言うか痛い感じになってしまうし……」

 

「確かに俺とか僕とか実際に言ってる女子いたらドン引きするな……こうかな?ユウキ、私の話し方はこんな感じでいい?おかしなところがあったら教えてほしいな!」

 

「……」

 

「ユウキ?」

 

返事を返さないユウキに首をかしげる。

 

「っごめん!前のカズキにすごく似てたからっ!えと、それでいいと思う、うん」

 

「そっかー、もとに戻ったとき変な目で見られたらこいつもかわいそうだしね!」

 

「戻りたいの?」

 

「?当たり前じゃん、協力してくれるんだよね?」

 

「……そうだね、カズキのことは私も大事だし何でも相談してね」

 

「うん!頼りにしてるよ!親友だもんね!」

 

「うん、親友だよね……」

 

 少し歯切れが悪いユウキ。やっぱり体は違うけど中身が違うからかな?早くもとに戻らないとと決意を新たにしていたら学校に着いた。

 

 学校ではクラスメイトと話すことが当然ある。でも、ユウキがそれとなくフォローしてくれてなんとか乗りきれた。放課後にまた俺の家に集まる。

 

「もとに戻るための会議を始めよう!おー!」

 

右手を上げる。ユウキも恥ずかしそうに

 

「ぉー」

 

「まずなにか案がある?俺は……」

 

「私!」

 

「えー、家ぐらいでいいじゃん。誰に聞かれるわけでもないし」

 

「家族がいるでしょ?それに習慣にしとかないとぼろが出ちゃうよ」

 

「すぐに戻ればいい話だけど、いつになるか分かんないしね。うん、気を付けるよ!」

 

「ごめんね……」

 

「何で謝るの?気が緩んでたこっちが悪いし、ユウキは協力してくれてるんだからこっちが謝りたいくらいだよ。それでね……」

 

この後、ユウキと相談したけどなかなかいい案がでなくて、結局は何か変化があるまで、今まで通りの生活をしようということになった。

 

 体が変わった4月から、ゴールデンウィークになっても現状は変わらないままで俺は少し落ち込んでいた。そんな俺を見かねたのかユウキはサイクリングに誘ってくれた。行き先はユウキがアイコンに使っていた湖だ。

 

「前に来た時は秋だったけど、春は春でいいね。緑が湖面に写ってるよ!」

 

 元気付けようとしてくれたと思うんだけど正直俺よりユウキの方がはしゃいでいた。写真を何枚も撮っている親友を見ていると、自然と自分まで嬉しくなってくる。世界が変わっても、性別がかわっても変わらない親友を見ているともう少し頑張ろうとい気持ちが沸いてきた。

 

「置いてかないでよー」

 

 

 お昼ごはんは持ってきた弁当を二人で食べた。

 

「ここは、美味しくない弁当を前に女の子に手料理を分けてもらって美味しいとか言う展開でしょう。そして私に惚れるんです。」

 

「いや、弁当作って来いって言ったのそっちじゃん。両親が共働きでよく料理を作ってるからね。料理はそれなりに自信があるよ!」

 

「女子力アピールの場が!くそぅ、美味しいよぉ」

 

「残念でした~。でも、ユウキの弁当も美味しいよ。私のは割と簡単に作れるものが多いけどユウキの弁当は結構手が込んでるよね。結構時間かかったでしょ?」

 

「……内緒です」

 

二人でおかずを交換したりしながら、午後も色々と回っていると気付いたら夕方になっていた。

 

「もう夕方だね。今日はありがとう、元気付けようとしてくれたんでしょ?すごく嬉しかった。」

 

「え?あ、うん。カズキは最近元気なかったからね。気分転換になってよかった。でも来てくれるとは思わなかったな。」

 

「どうして?誘ってくれたし、ユウキとこうやって遊ぶのは楽しいからまたいつでも誘ってよ。」

 

「カズキは……今のカズキじゃなくてもとのカズキはね、サイクリングとか誘ってもあまり来てくれなかったから、カズキは体力余りなかったしこういうアウトドアあまり好きじゃなかったみたい。だから今のカズキもそうなのかなって……」

 

「……」

 

 夕日に照らされた彼女の顔はすごく悲しそうで、何か言わないといけないと思った。

 

「今からちょっと行きたいところある。着いてきて!」

 

「!ちょっちょっとまっ?」

 

 彼女の手を引いて湖近くの堤防の階段を登っていく。確かこの辺だったはず。

 

 階段を登ると夕日が湖面に写って赤く輝いていた。男だったときにユウキがこの場所を見つけてすごくはしゃいでいた場所だ。ユウキを見てみると写真も撮らずに湖面をずっと見ていた。

 

「前の私がどうだったか分からないけど、私はユウキとサイクリングするのは好きだよ。もとに戻るまでだったら何度だってユウキと一緒に遊ぶよ。いや、遊びたいんだ!」

 

 すごく臭いことを言ってる自覚はある。顔も真っ赤だと思う。でも、夕日がそれを隠してくれているはず。

 

「……ありがとう、また誘ってもいい?」

 

「もちろん!」

 

 ユウキより先に階段を降りようしたとき

 

「もどるまでか……それは嫌だな……」

 

 小さな呟き声が聞こえたが、よく聞き取れなかった。

 

「何か言った?」

 

「何でもないよ。暗くなる前に帰ろう」

 

 

 夢を見ている。それは男の自分がユウキとサイクリングしてる光景。あのなかにはこの体の持ち主が入っているのだろう。この体ではサイクリングしなかったのにあの悲しそうなユウキとはしなかったのに、男のユウキとは楽しそうにサイクリングしてるあいつが無性に許せなかった。

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